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2014/03/16

国民投票法に絡んで選挙権18歳引下げに反対の意見

●自民党に送った意見(制限600字)

私は国民投票法に絡んで選挙権の18歳引き下げ、特に成人年齢の引き下げに反対なので簡単に意見を上申する。

  米国はコモンローの成年は21歳であるが、ベトナム戦争の際、学生運動が盛んになり、18歳以上21歳未満の者は徴兵されるのに選挙権がないのは不当だとの主張がなされ、1971年に選挙権を18歳に引下げた。 ドイツも兵役義務が18歳からなのに選挙権が21歳なのは不公平だとの主張により1970年に18歳に選挙権が引下げられた。激しい学生運動を懐柔させる政策だったのである。(国会図書館調査及立法考査局「主要国の各種法定年齢」『調査資料』 2008-3-b

  しかし徴兵制のない我が国で選挙権を18歳に引下げる理由は見当たらない。

  とくに成人年齢は国民の7割が引下げに反対であり、若者が求めているわけでもない。明治9年の太政官布告で満20歳に定められ、私法においては、満20歳の成年制度で長い間安定しており、これを引き下げることは混乱を生じるだけだ。

 もっとも今回の三党合意は成人年齢にふれていない。しかし選挙権の次は成人年齢に俎上に載せられるだろう。米国では45州が18歳、コロラド、ミネソタ、ミシシッピが21歳、アラバマ、ネブラスカが19歳である。私はコロラド、ミネソタ州のように選挙年齢と成人年齢が違っていてもいいと思うが、国民の7割が反対しても成人年齢も引下げというのは納得できない。

●首相官邸に送った意見(制限2000字)

自公民三党は国民投票改正法案について合意がなされた。報道によれば投票年齢については「改正法施行後4年」に18歳以上に引き下げるとする与党案を改正案に採用する。ただ、公職選挙法の選挙権年齢について「改正法施行後2年をめど」に18歳以上に引き下げるべきだとする民主党に配慮し、政党間のプロジェクトチームを設置し、2年以内に投票年齢と選挙権年齢を同時に引き下げる法整備を目指すとされている。

そもそも、この法案は第一次安倍政権の時代に、当時の自民党中川政調会長が、法案を通すために民主党の政権公約である選挙権18歳引き下げの主張に妥協したことからはじまっているが私は法案を通すための政党間の取引で選挙権も成人年齢も引き下げることに反対なので意見を上申する。

  主要国についていえばアメリカ合衆国はコモンローの成年は21歳だが、ベトナム戦争の際、反戦運動や学生運動が盛んになり、18歳以上21歳未満の者は徴兵されるのに選挙権がないのは不当だとの主張がさかんになされ、1971年に投票権を18歳に引き下げた(憲法修正26)

  ドイツも同じ事で、学生運動が激しくなり兵役義務が18歳からなのに選挙権が21歳なのは不公平だとの主張により1970年に18歳に選挙権が引き下げられた。政治不信を主張する激しい学生運動を緩和させるための政策だったのである。(国会図書館調査及び立法考査局「主要国の各種法定年齢」『調査資料』 2008-3-b 2008-12月参照)

  要するに60年代末期の学生運動を背景に、徴兵制(兵役義務)とのからみで、選挙権も引下げられたということである。それはあくまで、一時の社会現象にすぎないのであって徴兵制のない我が国で18歳に引き下げる理由は見当たらない。若者が選挙権を求めているわけでもない。

  これはたぶん民主党の政策立案グループに団塊世代の学生運動経験者がいて、昔の夢よもう一度という自己満足のための政策としか思えない。だから筋が悪いと思うのである。

  私は、国民投票法に反対する護憲派ではない。しかし選挙権とか、成人年齢という重要な事柄は、別の法律を通すための政治的取引の材料にすべきではないという主張である。

  とくに成人年齢引下げには国民の7割が反対している。明治9年の太政官布告で満20歳に定められてから、約140年間続いてきたもので国民に完全に定着しているのである。     私は日本大学法学部民事法・商事法研究会「『民法の成年年齢引下げについての中間報告書」に対する意見」『日本法学』75巻の結論に賛成である。「国民投票法の制定に伴い、成年年齢の引下げが議論されているが、私法においては、満二〇歳の成年制度で長い間安定しており、これを引き下げることは混乱を生じるだけではないかと思われる。‥‥立法趣旨についてきちんとした議論が全くなされてない状況において改正論議だけが先行することは、法改正のあり方として、あまりにも拙速である。」

 もっとも今回の自公民三党合意は成人年齢にふれていない。しかし三党合意で選挙権が2年以内に引き下げられると決定されれば、次は成人年齢に俎上に載せられるだろう。

実際、外国の例では成人年齢と選挙権は一致していることが多いからである。アメリカ合衆国では45州が18歳、コロラド、ミネソタ、ミシシッピが、コモンローと同じく21歳、アラバマ、ネブラスカが19歳である。

 私はコロラド、ミネソタ州のように選挙年齢と成人年齢が違っていてもいいと思うが、選挙権が引き下げられれば、国民の7割が反対しても成人年齢もということになりかねないので危惧しているのである。

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コメント

貴殿のご意見、欧米の事象を鑑みて本邦にも該当せしめんと為すお考えは実に結構にて候。
為れども本邦に於ける成人制度と精神年齢との歴史的なる因果関係を少しは勉強為されたきに候。

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