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2014/05/11

入手資料整理138

10513横山潔「イギリスにおける性犯罪処罰規定について-児童の商業的性的搾取に反対する世界会議を契機として」47(5) 1997
10514斉藤豊治「アメリカにおける性刑法の改革」『大阪商業大学論集』5(1)2009年
10515上村貞美「人権としての性的自由と強姦罪 -欧米における強姦罪の改正をめぐって」香川法学 7(3/4), 1988
10516園田寿「いわゆるセクステイングと児童ポルノ単純製造罪
東京高裁平成22年8月2日判決(公刊物未登載)」『甲南法務研究』7 2011

(引用及びコメント)
「セクスティング(sexting)とは、近年、アメリカの青少年の間で「流行しいる性的行動であり、携帯電話などで自分のヌード写真や動画を恋人や友人などに送信する行為である。アメリカの非営利団体であるInternet & American Life Projectが行った調査ではアメリカのティーンエージャーの15%はセクスティングの経験があると報告されている」 我が国はアメリカほど異性の友人を持っている若者は少ないが当然行われていることと考える。昨年、高校生のセクスティングに相当する写真ないし動画等(着衣の普通の画像も含む)が意図的に流出され、そのなかには隠語でいう「くぱぁ画像」があったため「これはもしかして児ポルではないか」とネットの世界で騒然となった事件があった。
 この事件が悲惨な結末となったのは、男性側の思い込みが強く別れようとしなかったためであるが、それは性教育の問題であって、セクスティング自体の問題ではない。アメリカの性教育ではミドルティーンなどの年少者に「情緒的に巻き込まれるな」と指導するのである。つまり、トライアウト感覚、お互いがセックスを試しにやってみたとか、セックスを楽しんだ程度の軽い感覚で異性とつきあったほうが後腐れなく別れられるし怪我はない。愛だの恋だのと情緒的に相手を巻き込んでいく方向でエスカレートしないほうがよいということである。
 したがって、たまたまこういう事件が起きたから、セクスティングに目くじらをたてることに私は反対である。
 しかし現行児童ポルノ法において、恋人どうしではないが、「セクスティング」とされる行為が、単純製造罪とされる事件が起きている。
 事案は大略次の通りである。被告人は、A子(当時13歳)にメールや電話を通じて、グラビアのモデルの仕事であるなどと甘言を弄して、A子にその乳首を露出させる姿態をとらせ、これをA子の携帯電話機付属のカメラにより静止画として撮影させた上、画像を電子メール添付ファイルとして送信させ、その画像データを被告人の携蒂電話機により受信して同機に挿入されたマイクロSDカード内に記録・蔵置させたというものであり、一審静岡地裁平成21.12.25判決は、児童ポルノ法7条3項の単純製造委罪の成立を認め罰金100万円に処した。
 東京高裁平成22.8.2判決は控訴棄却。判旨は「法7条3項が設けられた趣旨は、「他人に提供する目的を伴わない児童ポルノ製造であっても、被害児童に法2条3項各号に掲げる児童ポルノに該当する姿態をとらせ、これを写真撮影等して児童ポルノを製造する行為は、強制によるものでなくても、被害児童の心身に有害な影響を与える性的搾取行為にほかならず、かつ、流通の危険性を創出する点でも非難に値し、可罰性があると解されたところにあるといえる。」
「本件では、被害児童の行為が被告人によって利用された部分があるとしても、それは、『姿態をとらせ』といった構成要件に沿うものである。また、前記原判示の罪となるべき事実中、被告人が被害児金童の姿態を電磁的記録媒体に描写する過程で被害児童による撮影や送信という行為が介在しているのも、犯罪構成要件である『描写』の手段?方法を原判決がより具体的に説示したことによるものであると解され、しかも、被害児童がそのような行為をしたのは、(略)児童ポルノの製造という真意を秘した被告人が、甘言を弄して判断能力の未熟な被害児童を錯誤に陥れたためであるから、被告人が本罪の単独正犯であることに疑問が生じることにはならない。」

 ここから私の意見であるが、児童ポルノ法の根本的な疑問は刑法176条・177条により、性的行為性交同意年齢が13歳とされており、都道府県の青少年保護育成条例でたぶん大多数の自治体がみだらな性行為を禁止しているとしても、国の法律は13歳未満でなければ成女とみなされ、これは我が国の民俗的慣行と一致させたものであろうが、13歳以上の女子は法的に慣習としても性的行為を受容して性交に同意する能力があり性的自己決定権があるものと解釈されるのである。
 13歳との同意性交は刑法で犯罪でもないし性的搾取とも認定されないのに、身体に触ってもいない同意セクスティングが犯罪となり性的搾取と認定されるのは不合理である。
 映像が永久に残ることから保護する必要があるというが、過剰なパターナリズム、お節介である。中学生ならば写真撮影のメリットとリスクは判断できるし、仮に流出したとしても社会的汚名が着せられることはまずない。少女時代のヌードがあってもモデルやタレントの仕事が干上がったと聞いたことがない。週刊宝石の企画で逆立ちしてパンチラをみせたOLが社会的に非難されるということではないのと基本的には同じことである。
 同意があっても強姦とみなす年齢を外国法ではStatutory Rape Laws(法定強姦罪)といい、外国では19世紀以降18歳未満等比較的年齢を高く設定している立法例が少なくない。
 例えば、マイケルM判決Michael M. v. Superior Court of Sonoma County, 450 U.S. 464 (1981)で問題になったカリフォルニア州法は1850年に10歳未満の法定強姦罪を制定し、1889年に14歳となり、1897年に16歳、1913年に18歳に引き上げられた。(中村秀次「アメリカにおける Statutory Rape Laws をめぐる平等保護論争とフェミニスト法学」『 熊本法学』 57 1988 157頁) もともとコモンローである10歳であるのに近現代で法定強姦罪が引き上げられた(州によっては21歳まで)のは、パターナリズムと、特定の社会階層(良家)の女子の貞操を守るというものであった。か弱い女性というステレオタイプから良家の娘の身体的・感情的被害を受けやすいので保護としようとするものであるが、こうした立法趣旨を受け入れることはできない。
 しかしながら近年ではアメリカも法定強姦罪が見直されており、1974年のミシガン州法改正が強姦罪見直しのモデルとされているが、第一級性行為罪(他人に対する性的挿入)は13歳未満とされている。ただし13歳以上16歳未満については、親族や被害者の通学する学校の教師が性行為を行った場合市は第一級性行為罪とされるのである.(斉藤豊治「アメリカにおける性刑法の改革」『大阪商業大学論集』5(1)2009年)
 イギリスでは13世紀の制定法で、12歳未満であったが、16世紀に10歳に引き下げられ、その後13歳に引き上げられ、1885年に16歳となったとされるが(前掲中村秀次論文)、1996年の性犯罪法は13歳未満の女子との不法の性交、13歳以上16歳未満の不法な性交、14歳未満の児童との品位を欠く行為を犯罪とするのである。(横山潔「イギリスにおける性犯罪処罰規定について-児童の商業的性的搾取に反対する世界会議を契機として」47(5) 1997)
 実は12世紀に成立した古典カノン法の婚姻法も最も忠実に守ったのがイギリスであった。古典カノン法は合意主義婚姻理論である。当事者の合意と二人の証人だけで、挙式不要で婚姻が成立し、性交により完成するというものである。婚姻年齢はローマ法を継受し男子14歳、女子12歳、生来の婚姻約束は7歳であるが教会法学者がさらに婚姻適齢要件婚姻適齢要件をゆるめた。女子は12歳未満でも成熟に達していれば婚姻適齢とした。成熟とは初潮のことではなく、性交に耐えられる心理的成熟(大人っぽさ)である。重要なことは教会法が婚姻にさいして親や領主等の同意を一切不要としたことである。(なお今日の教会法は20世紀になって男子16歳女子14歳としている)
 したがって婚姻の自由、自己決定をもっとも重視していたのは教会法ということになる。(結婚に関する決定の自由は裏返して言えば結婚しない自由であり、修道院に優秀な人材を供給する要因ともなった)
 英国は宗教改革のため教会挙式を婚姻の要件としたトレント公会議を受け入れなかったため、古典カノン法がそのままコモンローマリッジとして生ける法だった。18世紀中葉のハードウィック卿法によって初めて婚姻に関して世俗立法が成立したのである。
 以上の経緯からコモンローの法定強姦罪が10歳であるといっても驚くことはない。ところで我が国の養老令は婚姻年齢に関して「凡そ年十五、女年十三以上、聴婚嫁」と規定され、大宝令も同様だったとされている。これは唐永徽令を継受したものであるが。数え年であるから、実質法定婚姻適齢はローマ法・古典カノン法と同じ事であり、洋の東西を問わず14歳・12歳が文明世界の婚姻適齢基準である。
 とすると、我が国の刑法176条・177条は文明規範に沿ったものでありむしろ、青少年保護育成条例や児童福祉法が過剰なバターナリズムといわなければならないし、立法趣旨に児童を性的対象とする風潮の防止を掲げる児童ポルノ法も過剰なパターナリズムである。
 アメリカで最も先進的な性犯罪法のモデルとなっている1974年ミシガン州の法定強姦罪に相当する第一級性行為罪を13歳未満としていることからすれば、我が刑法177条とほぼ同じことであり、我が刑法は先進立法と合致し、現代にも通用するのである。

 百歩譲って、本件は13歳の事案であるが、より性的に成熟した年齢ならさら問題だといわなければならない。
 実際問題、外国の立法例でもイギリスの1978年児童保護法では16歳未満の品位を欠く写真の撮影、配布、展示、配布・展示目的の所持等を処罰するものとなっている。イギリスでは男女とも16歳が婚姻適齢であり(これはアメリカの多くの州も同じだが)、1956年性犯罪法は16歳未満の女子は、法律上、品位を欠く暴行に同意する能力を有しないとする。逆にいえば16歳以上は性的には大人扱いであり、SMプレイも可能と解釈できる。
 我が国の3号ポルノの規定に反対であることは既に述べたが、百歩譲っても適用年齢を下げるべきだろう。
 さらに単純所持処罰の法改正により男女交際中のセクスティングにあみがかかると問題はより深刻になるといえる。もはや不純異性交遊は桃色遊戯は死語となったが、セクスティング処罰で警察による不純異性交遊狩りが公認されることはとてもおそろしいと感じる。これは性的自己決定権の侵害、親密な人間関係を築き、幸福を追求する権利の侵害と考えるものである。

10517藤田浩「New York v.Ferber,458 U.S.747,102 S.Ct.3348(1982)--チャイルド・ポルノの規制は第1修正に違反しない」『アメリカ法』1983-2

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