購入雑誌等整理4
21「正社員官製ベアで約束された受難」週刊東洋経済2014.5.24号
経済産業省が新しいホワイトカラーの働き方について「スマートワーク」構想を紹介しているが批判的な記事。今後3年間が雇用の集中改革期間とされているので注目している。
22渡辺滋「冷泉朝における藤原実頼の立場」『日本歴史』787 2013.12
小野宮流の祖実頼は、関白左大臣でありながら冷泉天皇の外戚でなかったこと、「揚名関白」と自嘲していることがら、従来必要以上に実頼の政治的無力さが強調されていたが、そのような評価は適切でなく、相当の実力者だったという。
樋口健太郎「藤原忠実の追善仏事と怨霊」『日本歴史』787 2013.12
13世紀初期の38歳の摂政良経、22歳の内大臣良通の突然の薨去は、忠実の悪霊の仕業とされた。忠実は保元の乱で罪人となるのを免れており、不遇の死を遂げたわけでもないのに怨霊となったのは、忠通が父忠実に義絶されたことに憎しみをもちつづけ追善仏事を行なわなかったことから忠実の怒りが化現したものとする。摂関家では歴代家長の忌日の追善供養は恒例であるはずだが、忠実は薨後70年後の鎌倉時代の九条道家によって初めて追善仏事供養がなされたのだという。
24鈴木由美「先代・中先代・当御代」『日本歴史』790 2014.3
鎌倉幕府の執権はあくまでも将軍の補佐にすぎないが北条氏は実質的な武家の指導者とみなされ、幕府滅亡後「先代」と称された。吉野朝の北畠親房ですら、北条氏をさして「先代」と称していたという。「中先代」とは鎌倉を一時占領した北条時行である。「中」の意味が考察され「中関白」とは、藤原道隆のことで、兼家、道隆、道長の三代の関白(道長は正確には関白になってないが御堂関白と称された)の中位という意味。「中の院」とは順徳が仲恭に譲位した時点で、後鳥羽上皇を本院、土御門上皇を中の院、順徳上皇を新院と称されたケースであり、同じカテゴリーの二番目を「中」というのだという。
短期間であれ、北条時行は鎌倉を占領したのであり、「先代」(=北条氏もしくは高時をさす)と「当御代」(=足利氏もしくは尊氏をさす)の間の「中先代」という意味だと説明している。
25篠崎敦史「刀伊の襲来からみた日本と高麗の関係」『日本歴史』789 2014.2
1019年の「刀伊の襲来」(刀伊とはツングース系の女真族)は壱岐・対馬・北九州に被害をもたらし多くの日本人が拉致されたが、高麗が刀伊を撃破して拉致された日本人を救助し270人ほどの日本人を送り届けたことの意味についての考察。先学は高麗は日本に対して「友好」的な感情を有していたが日本の対応は警戒心と猜疑心に満ちたものだったとする。著者は従来の説を批判し、10~11世紀の日麗関係は両国とも緊密な関係を持つつもりはなく、何か問題が発生したときのみ交渉をもつ程度だったとする。
高麗が日本人を救助し丁重に扱われたのは、日本が刀伊を高麗と誤認し報復に出てくる可能性を考慮した。当時高麗は、北西部で契丹と軍事衝突し猛攻に耐えられない状態であったため、後方の安全を確保するため日本との対立を回避するためだったという。
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職務の内容は公務に準ずる公共性を有しているものです、公務員の職務をするものとして、地方自治法の適用について公務員としての扱いを受ける者です。
このため、秘密の保持義務が求められるほか、公正妥当な執行を担保するための贈全体の公務執行等を従事するこであります。
その為、都民の対応を損なわない対応をお願いします。
投稿: 東京都 水道局 | 2014/07/16 08:46