公務員に労働基本権付与絶対反対-政府は巨悪と手を結ぶな

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2014/08/28

ヘイトスピ-チ規制立法はもちろん反対

 自民党のヘイト・スピーチPT初会合とのニュース http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/28/hate-speech-ldp_n_5727114.htmlがあるが、私はアメリカびいきで、連邦最高裁の表現権理論を基本的に支持するため憎悪表現、集団誹謗表現規制立法には強く反対である。表現権の現代的到達点ともいうべきもっとも高く評価されるべき判例は1992年のR.A.V. v. City of St. Paul, Minnesota判決である。スカリア判事法廷意見は社会的に嫌悪される見解をその嫌悪感を理由に禁止することを禁じることが修正一条の根本原理という従来の連邦最高裁の見解をふまえ、人種等の憎悪に基づく表現領域を規制すること自体が違憲であるとし、セントポール市の憎悪表現規制市条例を文面上違憲としたものである。さらに暴力的ビデオ・ゲームを未成年に販売することを禁止した州法を違憲とした2011年のBrown v. Entertainment Merchants Association (formerly titled as Schwarzenegger v. Entertainment Merchants Association) のスカリア法廷意見は、保護されない言論とされる新たなカテゴリーをバランシングによって創設することを求める政府側の主張を斥け、長い禁止の伝統を欠くような保護されない言論を新設することはないとした。この法廷意見が覆されない限り、合衆国では、立法府が低価値であるとする、あるいは政治的な理由で保護されない表現領域が新た立法化されることはない。国連の委員会が何といおうが、そんなものは関係ない。
 スカリア判事はカトリック教徒、レーガン任命の頭脳明晰な裁判官で、この面で最高裁をリードしているといえるが、結局合衆国ではユダヤ系住民の多い街であっても鉤十字を掲げたデモ行進の規制は憲法違反であり、焼かれた十字架も脅迫にならない限り憲法理論では容認されるものである。

 私は焼かれた十字架のメッセージやハーケンクロイツの思想に同意はしないが、彼らの主張に耳を傾けることはありうるだろう。多くの見解のなかから何が正解なのかを判断する。特定の主題、見解の表明を禁止することは、率直にものが言えなくなるばかりか精神的自由の枯渇となるためさらに反対なのだ。
 我が国は人種差別撤廃条約第四条(a)(b)を留保し、アメリカ合衆国も同様だと思うが、人種差別撤廃条約第四条(a)が規定する「人種差別の煽動処罰」は表現の自由を侵害するものとして憲法学者の多くが否定的なのである。
 
「高市早苗政調会長は「他国や他民族を口汚く罵るような言動は、日本人の品位を貶める」とあいさつし法規制を含めて検討する」と報道されているが、政治家が規制したい社会的に嫌悪される特定の見解を禁止をさせないことこそ表現権の核心である。
 政治家が何に価値があり、正しい言論か否かを国民に強制することは良くない。安易に規制立法をつくることにより、坂道を転げ落ちるような暗黒の時代に突き進んでいくことになると警鐘を鳴らしたい。

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