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2014年12月の10件の記事

2014/12/31

新宿ミラノ座の想い出といえば

 ミラノ座が本日で閉館とのニュースを知った。たぶん東京では、映画専用でない日劇を除くと改築前の東劇に次ぐ収容人員のある映画館だと思うが、二回、小劇場も含めると三回、映画を見たことがある。
 一番印象に残っているのは、昭和48年頃、中学校の特別活動で、映画鑑賞会があり、ミラノ座前の広場に集合して、「招かれざる客」1967年コンムビアを見たことだ。黒人医師と白人女性が結婚を誓い、娘の両親はリベラルな考え方だつたので異人種婚に反対しなかったが、実際にはとまどいをみせたといった感じのストーリーで人種差別をテーマとしたもの。
 スタンリー・クレイマー監督、配役はこの作品でアカデミー賞主演女優賞のスペンサー・トレーシー、キャサリン・ヘップバーン、シドニー・ポアチエで、アカデミー賞のオリジナル脚本賞も獲っている作品。
 連邦最高裁がバージニア州の異人種婚禁止法を憲法違反と判決したのが映画が公開されたころとほぼ同時期だと思う。まだ異人種結婚に驚く時代の話。
 サンフランシスコの住宅地の映像が非常にきれいだったことを記憶しているが、娯楽性に乏しく思え、中学生には難解だった。
 シドニー・ポアチエはNHK教育で放映された、ブラウン判決をテーマにした映画で、サーグッド・マーシャル弁護士を演じていたのも印象に残っている。
 

入手資料整理144

(全逓東北地本役員免職事件最小判昭53・7・18の矢崎調査官解説に引用されている先行研究の収集その1)

 今頃これか遅すぎるといわれるかもしれないが、企業秩序論、施設管理権、ピケッティング判例、争議行為刑事判例に時間をかけたうえ、英米仏法制史もひとおりみてきたつもりである。問題の核心ともいうべき個別職員へ行為責任を問う懲戒処分適法論を最後に調べたうえでいよいよ実務的問題を扱うこととするものである。
 

★★★★10635矢崎秀一(調査官解説)全逓東北地本役員懲戒免職事件上告審判決最三小判昭53・7・18民集32巻5号1030頁 『最高裁判例解説 民事篇 昭和五三年度』

(全逓東北地本判決の意義を私なりに要約すると)

 公務員の争議行為を理由とする懲戒処分を適法とした神戸税関事件判決(最三小判昭52・12・20民集31巻7号1101頁)と並ぶ指導判例であるが、争議行為を行った場合は、法令遵守義務、職務専念義務に違反するということはすでに神戸税関事件判決で示されていたことだが、新たに信用失墜避止義務にも違反するとして職員の個別責任を問えると明確に述べたことから最重要判例とみなす。要するに公務員の争議行為は「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」(国公法八二条三号)に該当し、違法争議行為は当然に「官職の信用を傷つけ、官職の不名誉となる行為」(国公法九九条)として懲戒処分できる。

判決の要所

「公共企業体等の職員につき争議行為を禁止した公共企業体等労働関係法(以下「公労法」という。)一七条一項の規定が憲法二八条に違反するものでないことは、既に当裁判所の判例とするところである(昭和四四年(あ)第二五七一号同五二年五月四日大法廷判決・刑集三一巻三号一八二頁[引用者註ー全逓名古屋中郵判決])。したがつて、郵政職員が禁止を犯して争議行為を行つた場合には、法令遵守義務を定めた国家公務員法(以下「国公法」という。)九八条一項、信用失墜行為避止義務を定めた同法九九条、職務専念義務を定めた同法一〇一条一項等に違反したものとして同法八二条一号に該当し、更に行為の態様によつては同条三号にも該当することがあり、懲戒処分の対象とされることを免れないと解すべきである。この場合に、公労法三条一項が労働組合法(以下「労組法」という。)七条一号本文の適用を除外していないことを根拠として、公労法一七条一項違反の争議行為のうちにもなお労組法七条一号本文の「正当な行為」にあたるものと然らざるものとがあるとし、右「正当な行為」にあたる争議行為については国公法八二条による懲戒処分をすることができないというような解釈は、これを採用することができない。けだし、公労法三条一項によれば、公共企業体等の職員に関する労働関係については、公労法の定めるところにより、同法に定めのないものについてのみ労組法の定めるところによるべきものであるところ、右職員の争議行為については公労法一七条一項にいつさいの行為を禁止する旨の定めがあるので、その争議行為について更に労組法七条一号本文を適用する余地はないというべきであるからである。公労法三条一項が労組法の右規定の適用を除外していないのは、争議行為以外の職員の組合活動については公労法に定めがないので、これに労組法の右規定を適用して、その正当なものに対する不利益な取扱を禁止するためであつて、公労法一七条一項違反の争議行為についてまで「正当な行為」なるものを認める意味をもつものではない。また、労働者の争議行為は集団的行動であるが、その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえないことも、多言を要しないところである。 」 

 この判決の意義は、第一に、争議行為は、組合の統一的集団的行為であり、これに参加する個々の組合員の行為は、かかる集団的行為の一環としてなされるものであるから、争議行為が違法であっても、争議行為の主体である組合のみが責任を負うべきであり、個々の組合員に対して懲戒その他個別契約上の追及することは許されないという多数説(プロレイバー学説)及び、それを受け容れ組合員個人の行為として懲戒責任を問いえないとした下級審判例である七十七銀行事件仙台地判昭45・5・29労民集21巻3号689頁を明確に否定し、「参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえない」と断言した点である。

(下級審判例では
 なお、下級審判例では、これより20年前の三井化学染料事件福岡地判32・7・20労民集8巻4号503頁が個人責任が問えなければ違法争議行為は掣肘できないとの見解を示していた。筆者もこれと同意見である。
 「組合の決定に基く組合活動といってもそれが違法な争議行為であるときは組合自身の責任(例えば損害賠償責任)を生ずることは勿論、当該違法行為者自身においても個人責任を負うべきものだと言わなければならない。けだし組合の決定に基き、組合のためにする行為だからといってこの行為に基く結果の責任をすべて組合に転嫁することを認めるにおいては、行為が行為者の判断、意欲、決意の決意に基づく価値行為たる本質をないがしろにし近代法の基本理念に背馳するそしりを免れないばかりでなく、組合の名のもとに違法行為を敢えてする組合員の行為を阻止し得ない事態を招来するからである。‥‥違法組合活動をなした者はその行為によって生ずることのある組合の責任とは別個に違法行為者としての個人責任を免れない‥‥」

 第二に、下級審判例(都城郵便局事件東京地判裁昭46・11・12労民集22巻6号1030頁、江戸川・昭島郵便局事件東京地判昭48・6・28労民集24巻3号345頁と本件の一審・二審)が、公労法違反の争議行為が行われた場合でも、その目的及び態様に徴し労組法7条1項(労働組合の正当な行為をしたことの故をもって、その労働者を解雇し、不利益な取扱いをすることは不当労働行為とする)所定の正当性を具備するときは、公労法一八条による解雇又は損害賠償の請求することができるにとどまり、行為者に対して国公法による懲戒処分は許されないというほぼプロレイバー学説に依拠する判断を下していたが、これを否定したことである。
 本判決は、公労法3条1項は労組法7条1号本文の適用を除外しないが、公企体職員の労働関係については、公労法に定めのないものについてのみ労組法の定めによるととされており、公労法117条1項は一切の行為を禁止する定めがあるので、その争議行為について「正当な行為」なるものを認める余地はないとした。これは全逓名古屋中郵判決と共通するものであるが、地公労法も構造は同じであり、地公労法の定めないものについてのみ労組法の定めによるとしているので同じことだといえる。

 なお、懲戒免職の地本委員長は機関責任を問われているのではなく、全逓本部の指令にもとづくものであり、ストライキを実施させた行為、ステツカー貼付、庁舎内集団示威行進及び坐込み等についての実践指導という行為責任が問われてのものであり加えて過去7回の処分歴によるものである。

 以下解説に註として引かれている文献リストから入手しやすいものを収集した。
判例は、個々の違法争議行為に参加した組合員に懲戒処分できるというものであるが、同じ学説をA説、懲戒処分は許されない等プロレイバー学説をB説として表示する。

★★★A説1-19 田辺公二『労働紛争と裁判』弘文堂1965
死後出版された全集の2巻。司法研修所教官、水戸地裁判事、東京地裁判事を歴任、43歳で急逝したので著作は少ない。名著「同盟罷業権について」など収録している。英米法に精通したまともな学者。 
 違法争議行為の責任問題については、組合員の個別責任を否定するプロレイバー労働法学の見解について次のように批判する。
「‥‥労務提供の拒否などを「誘致」することが争議行為の本質だという考えに立ってみますと、争議行為というものは多くの組合員相互の誘致、さらにこれによって生ずる共同の労務放棄行為というものから成りたっている。そういう非常に緊密な精神的・有機的な共同活動である。これは株主が年に一度総会に来て、ごく形式的に会社の運営に関与するのとは根本的に違っていまして、組合員がこれに関与している程度がきわめて高いのであります。ですから一般の民法学者にこの問題を議論してもらえば、やはり組合と争議を指導した組合幹部から、さらに参加した組合員の全部にまで、理論上は一応責任が及ぶという結論になるのではないか。‥‥ドイツの学説でも‥‥たとえその行為が違法でも指令に違反して参加しないということは、到底期待できないということから、この責任をのがれさせようとした。しかし、この説は、結局一般に認められるには至らなかったのであります。違法な命令に従ったからといって、やはり責任は免れないといのが一般の刑法なり不法行為の考え方で、これはなかなか簡単には破れない考えないであります。」

B説1-20新井章『労働基本権保障と制約法理』日本評論社1975

1ー21峯村光郎『公労法・地公労法』日本評論社1971

B説10636 蓼沼謙一「争議行為と責任追求」季刊労働法71号
B説10637 片岡曻 「懲戒権の根拠と限界」『菊池勇夫教授六十年祝賀記念 労働法と経済法の理論』有斐閣1960所収
469頁以下「‥‥明らかに服務規律の維持を目的とする就業規則の規定を争議中の労働者の行為に適用して懲戒処分を行うことは許されない‥‥元来労働者は争議中といえども組合事務所として企業内の施設を利用するとか、もしくは団体交渉の支援、スト破りの防止等の目的のために争議行為として企業内の施設に立ち入る一定の権利を認められている。‥‥外部団体の応援者を無断で企業内に誘導するといった問題についても、それが争議行為の支援のために限るという限度において、平常と同様の厳格な規制は適用されない‥‥〔ただしー引用者挿入〕労働者は、団交、ピケ、示威等の方法によってかかる業務の阻止を求めうるのほかは、当該業務の服務規律に服すべき義務ありといわなければならない。‥‥‥右に述べた争議時に当然適用を排除せらるべき服務規律については、労働者側に個人としても団体たる労働組合としても懲戒その他の責任を生じる余地がない。‥‥団体たる労働組合の行為としての争議行為のように、本来個別労働関係の主体としての地位をはなれた行為であり、従って個別労働者としての地位において責任を問いえないものについて懲戒の責任を問題とする余地がないものと考える。つまり、労働組合内部の正規の機関の指示や決定にもとづく行為はもちろん、かりに明示の指示・決定がない場合にも、組合の活動として判断せられうべき目的・態様のもとになされたと認められる場合はし、労働組合の行為といわなければならないから、もはや関与した個々の労働者につき懲戒の責任を問うことは許されない」

(典型的なミリバントで階級的な労働運動を支援する学説)

B説10638川口実「違法争議行為と懲戒」季刊労働法32号
22「‥‥争議行為は『二面的に集団的な本質』をもっているから、個別的な関係を規律する就業規則の懲戒条項を適用する余地はない。‥‥殺人・放火というような争議行為からはみ出た行為のみ非難すべき‥‥違法争議行為の責任についてはせいぜい組合が損害賠償責任を負うにとどまると解すべきである」(ただし後に改説)

B説10639籾井常喜「使用者による争議責任追及の限界」季刊労働法45号
46~47頁「争議中にあっては、労働者には、使用者の指揮・支配から公然と離脱する権利が保障されているのである。したがって、争議中、組合の統括のもとでおこなった組合員の行為にたいしては、使用者の労務指揮の権限が及ぶいわれはない‥‥組合員の行為は、単に個々の組合員の行為おこなう組合員の集積というべきものではなく、団結意思に基づく団体行動なのである。それは個人的行為に還元できない、質の全くちがった行動様式であり‥‥この団体行動の性質は、それが違法だからといって個人的行為に分解されるべき筋合のものではない‥‥‥
争議行為は労働組合の行為としておこなわれたものであり、組合員に対する懲戒処分とか解雇などの個別的責任追及にはなじまない性格のものなのである。したがって、もし違法争議行為によって使用者が損害をうけたとするならば、不法行為にもとづく損害賠償を組合を相手取って提起するのが本筋にかなった方法といってもよいのではないか‥‥」
(典型的なミリバントで階級的な労働運動を支援する学説)

B説10640 橋詰洋三「官公労働者の労働法上の地位-現業公務員を中心に-」判タ263
27頁「‥‥争議行為は、これに参加する個々行為の単なる総計ではなく、それを超絶した一個独自の集団行動として社会的・政治的に機能し、かかるものとして法的に評価の対象となり、従ってその正当不当、または合法違法を評価しうるものではない‥‥」

B説10641 山本博「公務員の争議行為責任の法理」法律時報43巻12号
22頁「‥‥国公労法の諸規定は‥‥個別公務員の一般的服務関係に関するものであることは明らかである。争議行為はこのような一般的服務の否定の上に立つところの異質の集団的現象である‥個別公務員の一般的服務に関する規定を拡張彎曲して適用しようとするのは解釈論としても合理性を欠く」

B説10642 片岡曻「公務員の争議行為と不利益処分」季刊労働法73号
14頁「たとい労働組合の争議行為が違法であるとしても、個々の組合員の行為が当該争議行為を組成し、その圏内にある行為と認められるかぎり、これを独立の行為として、使用者との関係における個別契約法的評価にさらし、使用者からの懲戒その他の民事上の責任の追及を許容することはできない‥‥」

A説10643 慶谷淑夫「一般公務員の争議行為、政治活動による行政処分の問題点」法律のひろば23巻12号
12頁「個々の労働者は、使用者と労働契約を締結することによって企業内に編入され企業秩序に服することになるのであり、このような関係は、労働契約関係が続く限り存続し、それは争議行為が行われたからといって変わるものではない。ただ争議行為が正当であれば、企業秩序違反の責任を問わないというだけであり、、もし違法な争議が行われ、企業秩序を侵害すれば、当然企業秩序違反として懲戒事由に該当することは明らか‥‥」

A説10644 菅野和夫「違法争議行為における団体責任と個人責任(一)ー損害賠償責任の帰属の問題として」法学協会雑誌88巻2号
「‥‥違法行為者は自己を拘束する他人の命令に従ったことをもってその責任を免れる一般的根拠となしえないこと責任法の基本原則である‥‥争議行為の「二面集団的本質」は、「個人の埋没」ばかりでなく、個人の「実行行為性」をも意味しうる‥‥団体法的見解の個人責任否定論は、まず、不法行為法や契約法の基本原則からその当否が疑われるようなあまりにも広範な無責任の結論を導いており、しかもその十分な理由づけを行っていない‥‥」

B説からA説に改説10645 川口実「争議行為に対する責任追求としての懲戒処分(四・完)」法学研究(慶大)44巻12号

11頁「懲戒は抽象的には解雇の自由にもとづいてはいるが、具体的には就業規則の適用として捉えられ、実質的には労使間における信義則違反行為として評価されるにいたったのである‥‥違法争議行為が実質的に信義則に反する場合は、その違法性に応じて、各段階の懲戒処分が加えられ、その処分が同時に信義則違反として無効になるかどうかが具体的に判断されることになる‥‥」

B説10646 山口浩一郎「公務員の争議行為と懲戒処分」ジュリスト472

A説に近い見解(都城郵便局事件東京地裁判決の評釈)10647花見忠「公労法一七条違反の争議行為と懲戒処分」判タ276

(全逓東北地本判決の評釈)10648 佐藤繁 ジュリスト682

(全逓東北地本判決の評釈)10649 田村和之 民商法雑誌80巻5号

(全逓東北地本事件の評釈)10650 吉田洋一(自治省公務員第一課)「スト・庁内デモ・ビラ貼り等を指導した地本委員長の懲戒免職処分が是認された事例」地方公務員月報185号

(全逓東北地本事件の評釈)10651 はやししうぞう 時の法令1037、1038

 上告人地本委員長の懲戒免職は、組合幹部としての責任を問うているものではなく、スト・庁内デモ・ビラ貼り等の指導をすべて現認したうえでなされたことを留意しなければならない。また過去に7回停職処分を受けた経歴もあるうえに本件の行為を繰り返したことから免職もやむをえないとした判断である。といったことを記載。

2014/12/21

同性婚記者会見だって

 芸能界異例の同性婚 一ノ瀬文香&杉森茜が記者会見、公表した理由を明かすhttp://news.nifty.com/cs/entame/showbizddetail/mdpr-20141221-1455148/1.htmというニュースちょっと驚いた。同性婚法制化の流れがとまらず、ちょっと困ったことになったというのが率直な感想だ。

入手資料整理143

10611都立王子養護学校施設利用拒否事件 東京高判平19.1.31 判タ1263

10612都立王子養護学校施設利用拒否事件 東京地判平18.6.23 判タ1239

10613プリンスホテル日教組教研集会使用拒否事件 東京高判平22.11.25 判タ1341

10614プリンスホテル日教組教研集会使用拒否事件 東京地判平22.11.25 判タ1313

10615星野豊「ホテル施設の使用拒否による取締役の責任の成否」『ジュリスト』1450

10616永山茂樹「ホテル宴会場等集会に利用する権利」『法学セミナー』662

10617松田浩「プリンスホテル日教組大会会場使用拒否事件」『平成23年度重要判例解説』

10618吉村良一「ホテルの施設使用許可の仮処分を無視した使用拒否を理由とする損害賠償請求」『私法判例リマークス』44号

10619市立人権センター目的外使用不許可事件 大阪地判平20.3.27 判タ1300

10620広島県能美町集会施設等使用不許可事件 広島地判昭50.11.28 判時817

10621京都府勤労会館使用承認取消事件 大阪高決平2.2.26 判例自治75

10623国鉄東北支社郡山工場事件 仙台地判昭39.12.11 民集27巻2号229頁

10624国鉄東北支社郡山工場事件 最二小判昭48.3.2 民集27巻2号210頁

10625角替晃「天皇制を考える集会のために県施設使用を拒否した県に対して賠償支払いを命じた事例」『法学教室』155 1993.8

10626芦屋市民会館ルナホール使用許可取消処分事件 神戸地裁尼崎支部判昭55.4.25  10627動労直方支部事件国鉄直方機関区事件 福岡地裁福岡地裁小倉支部判昭56.3.26労判369

10628門田信男「順法闘争と懲戒免職 動労直方支部事件『季刊労働法』121

10629静岡県婦人会館「天皇制を考える討論集会」使用拒否事件東京高判平4.12.2判タ811

10630大阪市公会堂使用許可取消処分大阪地判昭50.5.28判タ329

10631新山一雄「公会堂使用許可の取消」『地方自治判例百選』(第二版) 10632大阪市公会堂使用許可取消処分事件最一小判昭54.7.5 判タ400

10633三鷹市公会堂使用承認取消処分事件東京高決平3.7.20 判タ770

10634岸和田市民会館使用許可取消処分事件大阪地決平2.7.17判タ755

1-190J・H・ベイカー/深尾裕造訳『イギリス法史入門第4版第Ⅱ部各論』関西学院大学出版会2014 (前近代中心でなく、19世紀、現代に至る視野をもったスケールの書というのが特徴、労働事件や秘密婚の歴史にも触れており良書と思いすぐ買った)

腑に落ちない下村文相19日記者会見

 下村文科相「実験が未熟だった」小保方氏を批判http://www.hochi.co.jp/topics/20141219-OHT1T50101.htmlという記事があり、テレビでも見ましたが、文相が「悪意ある不正とも思えない部分がある」という小保方氏寄りの発言をしているのは腑に落ちない。安倍政権の女性活躍路線に従って、女性研究者に甘いとの心証だ。
 笹井氏が自殺する少し前、7月27日のNHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」を見たが、STAP細胞と称するサンプルのDNAが若山研究室のES細胞と同一で、彼女の研究室の冷凍庫にも同じES細胞があった。誰も彼女にES細胞を渡していないということである。キメラ実験のため若山氏に渡したものが取り違えの事故だったとは考えにくく疑問のまま残っている。http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51906634.html
 STAP細胞がなくて残念ですねとかコメントする人がいるが、なくてよかったともいえる。
「夢の若返りが可能」とか言っていたのがそもそも胡散くさかった。若返りはエントロピー増大の法則に反しており、個体は遺伝子の乗り物にすぎないから老化して死ぬのが自然である。STAP細胞でSFのようなアンドロイドができてしまうほうがよっぽど怖い。
 清潔で明るい雰囲気の実験室もリケジョらしいと持ち上げられたが、『新潮45』2014年4月号の小畑峰太郎チームの記事は「研究室は黄色とピンクに塗る悪趣味、精密機械にムーミンのシールをべたべた貼る幼児性」と酷評していた。
 これを読んだとき、物袋氏の「私設託児所」事件があったので、あの内装は託児所にふさわしいと思ったよ。

2014/12/14

ヘイトスピーチ規制立法に事実上の反対意見

 きょうの産経新聞京都大学大学院教育学研究科准教授・佐藤卓己「【新聞に喝!】ヘイトスピーチ、リベンジポルノ…ウェブ時代にどう対応」http://www.sankei.com/column/print/141214/clm1412140004-c.htmlというコラムはヘイトスピーチ規制に批判的な内容でよかったです。 いわく「‥‥戦前の厳しい言論統制の記憶が残る日本でも、法規制の議論は回避されてきた。しかし、今回の衆院選では、民主、維新、共産、社民が法規制を公約に掲げ、自民も党内で対応を検討しているという。」  政治家が言論統制のある時代に戻したがっているのは非常に問題だ。

入手資料整理142

10600愛宕警察署事件東京高裁判51.2.24高等裁判所刑事判例集29巻1号27頁(庁舎管理権に関する判例)

10601御国ハイヤー事件最二小判平4.10.2判タ813号判時1453号(ピケッティング判例)

10602上尾市福祉会館使用許可申請不許可事件最二小判民集50巻3号549頁判タ906頁

10603上尾市福祉会館使用許可申請不許可事件浦和地判民集50巻3号589頁判タ783頁

10604自治労・公共サービス清掃ほか(白井運輸)事件東京地判18.12.26労判934号(ピケッティング判例)

10605大阪市立人権センター目的外使用不許可事件大阪地判平20.3.27判タ1300号 10606岡山シンフォニーホール使用許可に関する仮の義務付け申立事件岡山地決平19.10.15 判タ1259号

10607福岡県鞍手町立小学校施設使用可処分事件福岡高判平16.1..20判タ1159頁 10608仙台市民会館使用許可取消事件仙台高決平19..8.7判タ1256頁

10609呉市立中学校施設使用不許可事件最三小判平18.2.7民集60巻2号401頁判タ1213号

10610呉市立中学校施設使用不許可事件広島地判平14.3..28民集60巻2号443頁

2014/12/13

よくぞ言ってくれた「"3年育休"使い計12年休職も」

 プレジデントオンラインで覆面座談会「会社で言えない部長の苦悩」(1)という管理職が愚痴を言い合う記事http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/po-20141212-14127/2.htmがありますが、「"3年育休"使い計12年休職も」よくぞ言ってくれた。そんな制度だと外国人はあきれかえると思う。
 何度もいうが、アメリカ合衆国で連邦法レベルでは1993年家族医療休暇無給12週間の休暇取得の権利しかない(50人以上の被用者を雇用する企業で、12か月以上1250時間以上勤務した者が対象)。
 これは、子の誕生と世話(育児)、養子縁組、里子養育の受け入れ、重大な健康状態にある配偶者、子、親の世話、本人の重大な健康状態による職務遂行の不能(妊娠・出産を含む)に使えるものだが、州によっては別に妊娠出産休暇を認めている州もあるとはいえ、それ以上の休暇は、個別企業の従業員福祉政策によるものである。日本やドイツのように丸々一年育休をとるということはありえない。
 キャリア・ウーマンは男性と同じ土俵で働いて出世するのである。全米女性機構も過保護を望んでない。
 そもそもアメリカでは法定有給休暇もないのである。有給休暇っていうのは労働組合組織化を防止するために組合のない企業が考え出したものである。
 イクメン、イクボスなんていうのはグローバルスタンダードではないです。
 外国企業を誘致するためにエンタープライズ特区をつくるのはかまわないが、あんまり過保護な政策をやっていると企業に嫌われるだけ。
 TPPを契機に育休は縮小、廃止の方向が望ましいと思う。
 家族医療休暇については中窪裕也「アメリカにおける「仕事と家庭」の法状況-一九九三年家族・医療休暇法を中心に 山口・菅野・中島・渡邊編『安西愈先生古稀記念論文集-経営と労働法務の理論と実務』中央経済社2010参照

2014/12/09

下書き)地方公営企業の職員の労働関係に適用できる法律、判例法理について(2)

 

 地方公営企業が国鉄・郵便局等の国営企業、私企業と同じく企業秩序定立維持権を有しているとする根拠の一つとして郵政省新宿郵便局救済命令取消請求事件最三小昭和58年12月20日判決労判421号判時1202号[i]も挙げることができる。

事案は全逓の昼休みにおける休憩室や予備室での無許可職場集会に対する職制の解散命令や監視が不当労働行為かあたるか否かが争われた。

無許可集会規制の根拠となる郵政省の就業規則第二一条は、「国有財産の使用に関する取扱いは、次によること」第一号「組合から組合事務室以外の庁舎の一時的な使用を申し出たときは、庁舎使用許可願を提出させ、業務に支障のない限り、必要最小限度において認めてさしつかえないこと」であったが、国有財産の公物管理権の脈絡でなく、端的に国労札幌地本判決を引用し企業秩序定立権にもとづき解散命令等を適法とした控訴審判決[ii]を支持したものである。

最高裁が認容した控訴審判決東京高裁昭55・4・30)『労働判例』340号は「企業主体が国のような行政主体である場合と、また私人であろうと」国労札幌地本判決が適用されるということである。敷衍すれば企業主体が国であれ地方自治体であれ同じことだといえる。

企業秩序論については労働契約外に超然として上位概念が存在しているように受け取られ屋上屋を重ねる無用な法的概念とする批判する見解もあるが、私はそう思わない。その最大の理由は、我が国のプロレイバー学説というものが極めて悪質で、労働三権によって、市民法秩序の根幹である所有権・財産権の制約、法益侵害を正当化しようとする理論だからである。

この害毒から職場規律適正な職場環境を維持していくためには、企業秩序論の案出が必要だったと考える。

 

. 庁舎管理権について

 

 但し、組合掲示板の一部撤去を正当とした昭和郵便局掲示板撤去事件最一小昭和57・10・7判決民集36巻10号2091頁判時1067号は.郵政省庁舎規程(昭和四〇年一一月二〇日公達七六号)六条に定める庁舎管理者による庁舎等における広告物等の掲示の許可は、掲示等による、表明等の一般的禁止を特定の場合について解除する処分であるとした。組合は使用権ないし利用権を取得せず、右許可の撤回または掲示板の撤去に対する原状回復請求権および債務不履行を理由とする損害賠償請求権は存しないと判示したが、企業秩序論は引用されず、端的に、掲示板それ自体が行政財産であるため庁舎管理権の問題として処理されてる。

また地方公営企業の施設管理権の運用が、公物管理権に根拠を有するところの庁舎管理権に准じ、庁舎管理規則を定め、地方自治法の目的外使用許可に準じ行政処分的構成がなされていることから庁舎管理権の発動のありかたについても言及しておく必要がある。

 

1)庁舎管理権の根拠

 

庁舎管理権の根拠についてはA公物管理権を根拠としてそれ自体独立した公法上の特殊な物的支配権とするもの(田中二郎『行政法』(中)有斐閣版432頁、原龍之助『公物営造物法』57頁)と、B所有権の現れにほかならないとする(美濃部達吉『日本行政法』(下)786頁)を根拠とすね見方に分かれる。このほか有力ではないが特別権力関係説や、部分法秩序の理論もあるが、この際無視してよいと考える。

 行政主体が公物本来の機能である公共用又は公用に供するという目的を達成させるために有する特殊の包括的な権能を公物管理権という(田中二郎『新版行政法』中巻全訂版317頁)。A説では公用物たる庁舎の管理者が直接、国又は地方公共団体等の事務又は事業の用に供するための施設としての本来の機能を発揮するために一切の作用を行う権能を庁舎管理権とされ、その作用の形式から(1)庁舎管理規則(抽象的な規則の定立)、(2)目的外使用の許可(目的外使用)、(3)ポスター・ビラの撤去その他庁舎内の障害物の除去(事実上の行為)があるとされるのである。

 B説は、永井敏雄大阪高裁元長官(平成26年退官)が法務省刑事局付検事時代に書かれた論文[iii]である。行政裁判所の認められてない現憲法下では公法上の権利の効果は乏しく意義がない。私人の施設管理権と統一的に説明できたほうがよい、借上庁舎等他有公物についても判例及び学説は債権に基づく妨害排除請求権を認めているから問題ないとするものである。

A説、B説いずれが妥当かは余裕がないので保留とするが、B説なら企業の施設管理権とさほど差異なく説明できる利点があるかもしれない。(続く)

 


[i]全逓新宿支部は、五月一〇日の昼休み、集配課休憩室で組合員70~80名を集めて、また六月七日午後五時過ぎ、同月一一日昼休み、四階年賀区分室付近で、職場集会を開催したが、右は無許可であったため、管理職らがマイクで解散を求め、あるいは集会の様子をメモする等したため、全逓新宿支部の職場集会を妨害・監視した等の当局の一連の行為が労組法7条3号の不当労働行為を構成するものとして公労委に救済申立を行った。第一審判決(東京地裁昭和47年6月10日『労働法律旬報』815号)は四七年六月、全逓の主張をほぼ認め、無許可集会の解散命令も不当労働行為に該当するとし、公労委の棄却命令を取り消した。しかし控訴審判決(東京高裁昭和55年4月30日)『労働判例』340号では、公労委・国の敗訴部分を全面的に取り消す判決を下した。国労札幌地本事件最高裁判決を引用し、休憩室での職場集会は正当な組合活動にあたらず、職制が解散を命じこれをメモするのは正当な職務と認めた。全逓の上告による最高裁第三小法廷昭和58年12月20日判決(『労働判例』421号)は、原判決を認容し、全逓の主張を斥けた。石橋洋「無許可職場集会の正当性 : 全逓新宿郵便局事件・最高裁第三小法廷判決(昭五八・一二・二〇)」『労働法律旬報』1087・88号 1984.1.25http://hdl.handle.net/2298/14070

[ii] 「‥‥思うに、企業施設は、本来企業活動を行うために管理運営されるべきものであり、この点において、企業主体が国のような行政主体である場合と、また私人である場合とて異なるものではない。そして、企業主体は、職場環境を適正良好に保持し規律のある業務の運営態勢を確保するため、その物的施設の使用については許可を受けなければならない旨を一般的に定め、又は具体的に指示命令することができ、これに違反する行為をする者がある場合には、企業秩序を乱すものとして、当該行為者に対し、その行為の中止、原状回復等必要な指示命令を発し、又は所定の手続に従い制裁として懲戒処分を行うことができるものと解するのが相当である。 ところで、企業に雇用されている労働者は、企業の所有し管理する物的施設の利用をあらかじめ許容されている場合が少なくない。しかしながら、この許容が、特段の合意があるのでない限り、雇用契約の趣旨に従つて労務を提供するために必要な範囲において(休憩室、食堂等にあつては、休養をし食事をする等その設置の趣旨に従つた範囲において)、かつ、定められた企業秩序に服する態様において利用するという限度にとどまるものであることは、事理に照らして当然であり、したがつて、当該労働者に対し右の範囲を超え又は右と異なる態様においてそれを利用し得る権限を付与するものということはできない。また、労働組合が当然に当該企業の物的施設を利用する権利を保障されていると解すべき理由は何ら存しないから、労働組合又はその組合員であるからといつて、使用者の許諾なしに右物的施設を利用する権限を持っているということはできない。‥‥」

[iii]永井敏雄「庁舎管理権と裁判所」『警察学論集』31巻9号1978年

2014/12/03

流行語大賞の感想

  「集団的自衛権」が流行語大賞はおかしいhttp://www.sankei.com/west/news/141202/wst1412020025-n1.htmlと言う記事があるが、私もそう思った。話題性からいえば「STAP細胞ありまふ」「ママ友いじめ」「号泣県議」あたりかなと思っていたが。「リケジョ」「女子力」は知っていたが、「カープ女子」は初めてきいた。だいたい野球なんて見ないしカープの選手も知らない。エレキテル連合は、ばってん荒川のようなローカル芸人風でこんなに売れているとは知らなかった。

 印象に残ったのは「ヤフーチャット万歳」。佐村河内氏会見のニュースとかぶってしまい、ワイドショーであまりとりあげらなかったので刺された近所の人もほとんど同情もされず気の毒に思った。

 中村修二教授の記者会見も印象に残った。最初にスウェーデン王立科学アカデミーと、ノーベル財団に感謝しますと言ったのだ。普通は皆様のおかげとか所属組織や同僚に謝意を述べるのかと思っていたが、なるほど賞をくれた人にまず感謝するが礼儀としては正しいということか。

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