公務員に労働基本権付与絶対反対-政府は巨悪と手を結ぶな

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2015年1月の8件の記事

2015/01/25

公務員の争議行為を理由とする懲戒処分等の相場についての検討(4)

30 昭46の短時間のスト3件 全農林賃金闘争事件 東京地判平2・4・19判時1349号3頁 賃金の平均一万八千円基本賃金の大幅引き上げ等を要求
  昭46・5・20 全国1180の職場で勤務時間に2分~29分食い込む職場集会
  昭46・7・15 全国1070の職場で勤務時間に5分~60分食い込む職場集会

 勤評反対
  昭46・6・28 全国510の職場で、午後1時以降勤務時間に3分~17分食い込む職場集会


 被処分者の処分理由等(行為の詳細については数名のみ記載)

減給1/10(5か月)
  

X1 全農林埼玉県本部書記長(埼玉食糧事務所業務部勤務・農林技官)

処分理由 5・20ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、6・28ストライキの参加、7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加

5・20ストライキ

 4・20午後0時10分~35分頃関東農政局埼玉統計調査事務所事務室内で全農林の5・20スト方針、80%以上の批准投票を期待する。80%以下でもストに突入する等の演説を行った
 5・20、8時30分頃~8時56分頃で埼玉食糧事務所東松山支所2階会議室において組合員22職場集会が開催された際、埼玉県本部書記長として終始これに参加し当日の勤務時間中2時間43分にわたり職務を放棄した。その間会議室への参集を呼びかけたほか集会で演説し指導的役割を果たした。
 なお、当局は、X1に対し右集会の間、口頭と書面で解散命令を発し、他の組合員に口頭で職場復帰命令を伝えたが、職場に戻ったのは2名だけだった。


6・28ストライキ

 午後0時30分頃~1時15分頃まで埼玉食糧事務所業務部事務室で食糧本所分会85名が参加して職場集会が実施され、埼玉県本部書記長として終始これに参加し、15分職務を放棄、勤評反対闘争の意義について演説し、指導的役割を果たした。
 当局は、集会の間、食糧本所分会委員長に解散命令、各組合員に職場復帰命令を伝えたがいずれもしたがわなかった。

7・15ストライキ
処分理由 7・12埼玉労働会館で開かれた県本部傘下の分会、青婦部の代表者会議で7・15ストの戦術について提案を行った。
 8時30分頃~8時58分頃まで埼玉食糧事務所熊谷支所熊谷出張所事務室において大里分会組合員48名が参加して職場集会が実施され、埼玉県本部書記長として終始これに参加し、1時間50分職務を放棄した。開会の挨拶に引き続き「本日の統一ストライキは大幅賃上げ獲得のためやむをえない手段であり、違法とは考えない、獅子町の業務命令の中に処分のことがあったが‥‥皆さんには絶対との心配はないからがんばろう」などと演説し、指導的役割を果たした。
 当局は、集会の間大里分会委員長に解散命令を発し、組合員には庁内放送で職場復帰を呼びかけたが、いずれもこれに従わなかった。

減給1/10(5か月)

X2 全農林愛知県本部書記長(東海農政局名古屋統計調査出張所 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、6・28ストライキへのあおり、そそのか、同ストへの参加、7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加

減給1/10(5か月)

X3 全農林岡山県本部書記長(専従・中国四国農政局建設部所属 農林事務官)

 5・20ストライキへのあおり、そそのかし、6・28ストライキへのあおり、そそのかし、7・15ストライキへのあおり、そそのかし
減給1/10(3か月)

X4 石川県本部執行委員 (北陸農政局計画部 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、6・28ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加

 5・20ストライキ

 X4自身の行為

 8時30分から8時58分頃まで北陸農政局神野開拓建設事務所事務室にて石川県本部鳳至分会組合員20名が参加し職場集会が実施され、石川県本部執行委員として終始参加し、当日3時間25分職務を放棄した。開会及び閉会の挨拶をしたほか公務員の賃金問題等を演説し指導的役割を果たした。

 X4及び石川県本部役員の指示及び意思連絡により行われた行為

 石川県本部書記長は、4月7日~23日北陸農政局管内の出先4事業所で勤務時間15分~31分、事務室内で勤務時間中の職員に対し、5・20及び7・15ストの予定を告げ、スト批准投への働きかけを行った。
 石川県本部会計長は、4月14日と15日に北陸農政局総務部等5か所で10分程度、5・20及び7・15スト実施の批准投票への働きかけを行った。
 石川県本部組合員は5月17日朝「喰える賃上げ要求で5・20統一行動に結集しましょう」と記載した、5月19日朝「国公労働者の団結で5・20統一行動を!成功させよう」と記載した石川県本部及び石川県国公共闘会議名義のビラを金沢合同庁舎玄関前で、登庁する職員に対して配布した。

 6・28ストライキ

 X4自身の行為

 6月25日10時より10時10分頃まで北陸農政局二子山開拓建設事務所事務室において、勤務中の職員に対し、勤評反対のため闘う態勢を盛り上げるよう働きかけた。

 6月28日午後0時31分頃~1時15分頃まで北陸農政局河北潟干拓建設事務所事務室内において河北潟分会組合員37名が参加して職場集会が実施され、石川県本部執行委員として終始これに参加し、当日53分職務を放棄し、開会及び閉会の宣言と勤評反対闘争の意義について演説し指導的役割を果たした。

 7・15ストライキ

 X4自身の行為

 7月15日8時30分頃~9時18分頃まで北陸農政局能登土地改良調査事務所会議室において、鳳至分会組合員ら約60名が参加して職場集会が実施され、石川県本部書記長として終始参加し、当日3時間14分にわたり職務を放棄した、開会及び閉会の挨拶のほか、メッセージ朗読、賃金闘争の意義等を演説し、指導的役割を果たした。

 X4及び石川県本部役員の指示及び意思連絡により行われた行為


 石川県本部副執行委員長は、7月12日に石川食糧事務所大聖寺支所事務室で午後3時40分~4時10分、14日同じく津幡支所事務室において午後5時~6時30分ね勤務中の組合員に対し7・15スト参加を働きかけた。

 石川県本部会計課長は、7月14日石川食糧事務所津幡支所事務室において、10時45分~11時15分勤務中の職員に対し、賃金闘争の経過を説明し、7・15スト参加を働きかけた。
 
 石川県県本部組合員による7月13日朝に「7・15は‥‥第二波統一行動日です、全員参加で成功させよう!」14日朝「賃上げと労働基本権をかちとろう!」「なかまのみなさん!一人残らず参加しましょう!」などと記載したビラを金沢合同庁舎玄関前において配布した。

 減給1/10(3か月)

 京都府本部執行委員(近畿農政局構造改善部勤務 農林事務官)

処分理由  5・20ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、6・28ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加
 
 京都府本部執行委員 (近畿農政局統計調査部勤務 農林事務官)

処分理由  5・20ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、6・28ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加


 減給1/10(2か月)

 全農林東京都本部水産本庁分会書記長 (水産庁官房総務課勤務 農林事務官(
 
処分理由  5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加
 
 5・20ストライキ

 午前8時48分~9時13分頃まで農林省本庁舎6階食糧庁中央会議室前廊下において食糧本庁分会及び水産本庁分会組合員約170名が参加して勤務時間に食い込む職場集会が実施された際、赤腕章を着用して参加し、当日14分職務を放棄した。この間「団結がんばろう」のシュプレヒコールの音頭をとるなど指導的役割を果たした。

 6・28ストライキ

 午後0時38分頃~1時14分頃まで、農林省本庁舎8階水産庁第一会議室前廊下において水産本庁分会組合員ら約80名が参加して勤務時間に食い込む職場集会が実施され、当日15分職務を放棄した。この間赤腕章を着用し集会の進行役として開会を宣言し、発言者を紹介し「団結がんばろう」のシュプレヒコールの音頭をとるなど指導的役割を果たした。7

 7・15ストライキ

 午前8時56分~9時39分頃まで農林省本庁舎8階水産庁第一会議室前廊下において水産本庁分会組合員約180名が参加して勤務時間に食い込む職場集会が実施された際、赤腕章を着用して参加し、当日40分職務を放棄した。この間開会を宣言し、発言者を紹介し、激励電報及び決議文を朗読するなど指導的役割を果たした。

減給1/10(2か月)

 全農林東京都本部食糧本庁分会書記長(食糧庁業務部勤務 農林事務官)

 処分理由  5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加
 
 全農林愛知県本部執行委員 (東海農政局統計調査部 農林事務官)

 処分理由 5・20ストライキへのあおり、そそのかし、6・28ストライキへのあおり、そそのかし、 7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加

 全農林愛知県本部東海農政局分会副執行委員長 (東海農政局構造改善部農産普及課、農産係長 農林技官)

 処分理由  5・20ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、6・28ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加

 全農林愛知県本部執行委員 (東海農政局統計調査部勤務 農林技官)
 
 5・20ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、6・28ストライキへのあおり、そそのかし、7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加

 全農林岡山県本部執行委員 (岡山食糧事務所勝山支所 農林技官)゜

  5・20ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加、7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストへの参加


 減給1/10(1か月)

東京本部統計本省分会書記長(本省農林経済局統計調査部勤務 農林事務官)
 
 5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加


5・20ストライキ

 全農林東京都本部統計本省分会は、農林省農林経済局統計調査部に勤務する職員で構成され、本件スト当時約390名である。5・20午前8時45分から同9時13分頃まで、農林省本庁舎2階中央廊下において、統計本省分会組合員ら約260名が参加して、勤務時間に食い込む職場集会が実施され、これに参加13分職務を放棄した。

6・28ストライキ

 午後0時20分頃から1時15分頃まで本庁舎2階農林経済局統計課東側事務室において統計本省分会組合員約320名が参加して勤務時間に食い込む職場集会が実施され、これに参加し15分職務を放棄した。

7・15ストライキ
 
 午前8時45分頃から9時42分頃まで本庁2階中央廊下において、統計分会組合員約335名が参加し、勤務時間に食い込む職場集会が実施され、これに参加し、ストライキの意義、今後の労働組合の闘いの展望等について演説し指導的役割果たし43分職務を放棄した。


減給1/10(1か月)

 
 全農林東京都本部官房分会書記長 (大臣官房経理課勤務 農林事務官)

処分理由  5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加


 全農林北海道本部帯広支部帯広南分会書記長 (帯広統計調査事務所勤務 農林技官)

処分理由  5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

減給1/10(1か月)

 全農林北海道本部日胆支部日高西部分会執行委員長 (新冠種畜牧場飼料課 農林技官) 以下原告Eと記す

処分理由 7・15ストライキへのあおり、そそのかし、同ストライキへの参加

 日胆支部日高西部分会の組合員は約95名である。同分会は、全農林中央執行委員長の指令に従って、ストライキ実施のための準備活動を行ってきたが、農林省当局は、日高西部分会の原告Eに対し警告書を手渡し、その他の組合役員に対しても警告を行い、組合員に対しても「職員の皆さんへ」と題する新冠種畜牧場長名義の文書を掲示して違法な職場集会に参加することがないよう警告した。
 原告Eは、7・15ストライキに先立ち、昭和46年7月12日午後6時頃から、新冠種畜牧場旧庁舎宿直室において日高西部分会執行委員会を開催して分会の意思統一を図り、また、翌一三日午前、同分会書記長Nをして、新冠種畜牧場一階事務室において勤務中の組合員に対し、7・15ストライキ実施指令及び実施要領の記載された日高西部分会名義のビラへを配布させた。
 日高西部分会は、各警告にもかかわらず昭和46年7月15日8時30分頃から9時12分頃まで新冠種畜牧場の施設内において、分会組合員約58名が参加して、勤務時間に食い込む職場集会を実施し、原告Eは分会執行委員長として「団結」と染め抜いた赤鉢巻を締めて参加し、48分間職務を放棄した。その間、開会の挨拶を行い、組合員からの質疑に応答し、当局の圧力に屈することなく最後まで集会を進めようと述べるなどして集会の指導的役割を果たした。
 なおストライキの最中、農林省当局は、これに参加していた組合員らに対して、口頭で解散命令及び職場復帰命令を伝えたが組合員らは、これに従わなかった。
 

減給1/10(1か月)

 全農林北海道本部札幌支部余市分会執行委員長(北海道水産研究所 農林技官)

処分理由 6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林埼玉県本部食糧本所分会書記長 (埼玉食糧事務所検査部勤務 農林技官)

処分理由 6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林石川県本部農政本局分会執行委員長(北陸農政局金沢施工調査事務所勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林岡山県本部勝間田分会副執行委員長(岡山食糧事務所勝間田支所勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林香川県本部木田分会執行委員長(香川食糧事務所木田支所勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林熊本県本部二の丸分会書記長(九州農政局統計調査部勤務 農林事務官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加 

 全農林熊本県本部熊本食糧分会書記長(熊本食糧事務所熊本支所勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加 

 戒告

 全農林宮城県本部農政本局分会書記次長(東北農政局構造改善部勤務 農林技官)

以下原告Mと記す。

処分理由  5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加 

 宮城県本部農政本局分会は、農林省東北農政局(統計調査部を除く)及び仙台施工調査事務所に勤務する職員で構成され、当時の組合員数は369名である。
 農政本局分会は、全農林中央執行委員長の指令に従って、ストライキ実施のための準備活動を行ってきたが、農林省当局は、それぞれ同分会の役員に対して、口頭または書面による事前警告を行うとともに、組合員に対しても、「職員の皆さんへ」と題する文書を読み上げ、又は、庁舎内に掲示するなどして、違法な職場集会に尊家かることないよう警告し、併せてストライキ当日は出勤簿整理時間を認めない旨を告知した。
 農政本局分会は、右の各警告にもかかわらず本件、各ストライキを実施した。
 なお、右ストライキの最中にも、農林省当局は、口頭又は放送によわり、再三にわたり、解散警告及び職場復帰命令を発したが、これらに参加した組合員らはこれに従わなかった。

5・20ストライキ

 昭和46年5月20日午前8時30分頃から8時54分頃まで、東北農政局七回第六会議室において分会組合員ら約215名が参加して勤務時間内の職場集会が実施された際、原告Mは、終始参加し、25分にわたり職務を放棄した。

6・28ストライキ

 昭和46年6月28日午後0時35分頃から同1時14分頃まで東北農政局7階農政部事務室において、分会組合員約250名が参加して、勤務時間に食い込む職場集会が実施された際、原告Mは終始参加し、15分にわたり職務を放棄した。
 その間、勤評反対闘争の戦術について説明を行うなどして、集会の指導的役割を果たした。む

7・15ストライキ

 昭和46年7月15日午前8時42分頃から同9時25分頃まで、東北農政局農政部事務室において、組合員ら215名が参加して勤務時間内の職場集会が実施された際、原告Mは、終始参加し55分間職務を放棄した。その間、決議文の朗読を行うなどして、集会の指導的役割を果たした。

 戒告

 全農林宮城県本部岩沼分会書記長(宮城食糧事務所岩沼支部勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林宮城県本部仙台分会書記長(宮城食糧事務所仙台支所勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林宮城県本部食糧分会書記長(宮城県食糧事務所検査部勤務 農林技官)

処分理由  5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加 

 戒告
 全農林宮城県本部統計本所分会書記長(東北農政局統計調査部勤務 農林技官)

処分理由  5・20ストライキへの参加

 昭和46年5月20日午前8時30分頃から同8時55分頃まで、東北農政局庁舎7階第5会議室において分会組合員70名が参加して、勤務時間内職場集会が実施された際、終始参加し、25分にわたって職務を放棄した。その間、開会を宣言し、決議文朗読を提案するなどして指導的役割を果たした。

 戒告

 全農林埼玉県本部食糧岩槻分会書記長(埼玉食糧事務所岩槻支所勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 愛知県県本部東海農政局分会執行委員(東海農政局建設部勤務 農林技官)

処分理由  5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加 

5・20ストライキ
 
 昭和46年5月20日午前8時30分頃から同8時57分ころまで名古屋農林総合庁舎玄関ホールにおいて、農政局分会組合員約300名が参加して勤務時間内の職場集会が実施され、28分職務を放棄した。その間、東海農政局総務部総務管理官Nが農政局分会執行委員長に対して解散警告文書を交付しようとした際、同人の前に立ち塞がってこれを妨害した。
 

6・28ストライキ

 昭和46年6月28日午後零時30分頃から1時13分頃まで、名古屋農林総合庁舎玄関ホールにおいて、農政局分会組合員約300名が参加して勤務時間に食い込む職場集会が実施され、鉢巻、赤腕章を着用して終始参加し、14分にわたり職務を放棄した。その間、前記総務管理官Nが解散警告文書を分会執行委員長に交付しようとした際、立ち塞がってこれを妨害した。

7・15ストライキ

 昭和46年7月15日午前8時30分頃から同9時27分頃まで、名古屋農林総合庁舎玄関前広萩おいて、農政局分会組合員約300名が参加して勤務時間に食い込む職場集会が実施され、鉢巻、赤腕章を着用して終始参加し、58分にわたり職務を放棄した。その間、前記総務管理官Nが解散警告文書を分会執行委員長に交付しようとした際、立ち塞がってこれを妨害し、決議文を提案し朗読するなどして集会の指導的役割を果たした。


戒告

 全農林石川県本部統計本所分会書記長(北陸農政局統計調査部勤務 農林技官)

処分理由  5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加 

 全農林石川県本部青年部長(石川食糧事務所金沢支所勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林岡山県本部新見分会組合員(会計長)(中国四国農政局新見統計調査出張所)

処分理由  5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加 

5・20ストライキ

 昭和46年5月20日午前8時30分頃から同8時58分頃まで岡山食糧事務所新見支所庁舎玄関前において20名前後が参加して勤務時間内の職場集会が実施された際、終始参加し33分にわたり職務を放棄した。その間、分会書記長とともに71年賃金闘争要求項目を交互に読み上げ、組合員に唱和させ、「春闘を勝ち取ろう」のシュプレヒコールの音頭をとるなどして、集会の実施に関し指導的な役割を果たした。
 なお、右集会の間、新見支所長から分会役員に解散通告をするとともに、組合員に対して職場復帰命令を発したが、いずれも従わなかった。


6・28ストライキ

 昭和46年6月28日午後零時50分頃から1時6分頃まで、中国四国農政局新見統計主張所事務室において、7名が参加して勤務時間に食い込む職場集会が実施され、6分間職務を放棄した。

7・15ストライキ

 昭和46年7月15日午前8時50分頃から同9時27分頃まで、岡山食糧事務所新見支所庁舎玄関前において22名が参加して勤務時間に食い込む職場集会が実施され際、終始参加し、58分にわたり職務を放棄した。 なお、右集会の間、新見支所長から分会役員に解散通告をするとともに、組合員に対して職場復帰命令を発したが、いずれも従わなかった。

戒告

 全農林香川県本部食糧本所分会執行委員長(香川食糧事務所業務部勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加 

 全農林香川県本部木田分会書記長(香川県食糧事務所木田支所勤務 農林技官)

処分理由  5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林香川県本部三豊分会副執行委員長(香川県食糧事務所三豊支所勤務 農林技官)
処分理由  5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林香川県本部三豊分会書記長(香川県食糧事務所三豊支所勤務 農林技官)
処分理由  5・20ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林熊本県本部上益城分会会計書記長(熊本県食糧事務所上益城支所勤務 農林技官)
処分理由 5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

 全農林熊本県本部上益城分会青年婦人部長(熊本県食糧事務所上益城支所勤務 農林技官)

処分理由 5・20ストライキへの参加、6・28ストライキへの参加、7・15ストライキへの参加

31 全気象東北支部仙台分会事件 昭和46・7・15公務員共闘第二波統一スト勤務時間に18分食い込む職場集会 最三小判平5・3・2 判時1457号148頁 基本賃金を平均18,000円引き上げる等の要求する勤務時間に18分食い込む職場紹介

 仙台分会長執行委員長(Aと記す)に戒告処分 処分理由 職場集会の統括責任者として、企画、開催し、積極的に参加するとともにその継続推進を指導した。

 全気象東北支部仙台分会は、仙台管区気象台に勤務する職員で組織され当時組合員は約180名であった。本件職場集会は、昭和46年7月15日、庁舎管理者の許可なく仙台気象台1郷庁舎正面玄関前を使用し午前8時30分頃から、同48分頃まで継続して勤務時間に食い込み約40名(うち8時30分より勤務の者21名)を集めて開催されたものであるが、その経過は次のとおりである。
 8時5分分会書記長開会の挨拶、同書記長の司会の下、東北支部副委員長演説、日本共産党来賓(仙台市議)の挨拶、8時11分分会執行委員長Aが演壇に立ち数分間にわたり当局の批判や、職場大会の成功をたたえる等の演説を行った。その後支部執行委員演説や、全気象中央執行委員長のメッセージ朗読、激励電報の披露、青年行動隊の結成と活動報告、8時30分から東北支部書記長の経過報告があったが、集会状況の現認のため姿を見せた管理者に対し、「不当な干渉はするな」「課長は帰れ」等のシュプレヒコールを行わせるなどした。
 Aは、仙台管区気象台長に対し管理者が現認のため姿を見せたことを抗議をして、集会場に戻り、演壇に立って、抗議の内容、結果について報告、次いで東北支部執行委員が演壇に立ち要求書を読み上げ、「団結がんばろう」等と音頭をとってシュプレヒコールを行わせ、最後にAが8時48分が閉会宣言をした。


32 昭和44年11月13日国公共闘、公務員共闘統一行動7分から29分(いずれも出勤簿整理時間内)勤務時間に食い込む職場集会 全商工事件 東京地判昭61・3・25 判時1189号115頁
人事院勧告完全実施要求を目的とする争議行為


 全商工本部、支部、分会役員を戒告処分

 処分理由は以下のとおり


 戒告

 全商工中央執行委員長 (所属 工業技術院地質調査所)

処分理由 全商工労働組合中央執行委員長として昭和44年11月13日、当局の数度にわたる事前警告及び当日の解散命令を無視して、本省庁舎中庭で行われた勤務時間内職場大会を主催し、及び同大会に参加し、演説を行って同大会を指導した。
 このことは、国家公務員法九八条二項の規定に違反し、同法八二条一号に該当するので、同条の規定により懲戒処分として戒告する。

 全商工本省支部書記長(所属 大臣官房調査統計部)

処分理由 全商工労働組合本省支部執行委員長として昭和44年11月13日、当局の数度にわたる事前警告を無視して、本省庁舎中庭で行われた勤務時間内職場大会を司会し、及び同大会に参加し、演説を行って同大会を指導した。
 このことは、国家公務員法九八条二項の規定に違反し、同法八二条一号に該当するので、同条の規定により懲戒処分として戒告する。

 全商工本省支部執行副委員長(所属 大臣官房調査統計部)

処分理由 全商工労働組合本省支部副執行委員長として昭和44年11月13日、当局の数度にわたる事前警告を無視して、本省庁舎中庭で行われた勤務時間内職場大会に参加し、演説を行って同大会を指導した。
 このことは、国家公務員法九八条二項の規定に違反し、同法八二条一号に該当するので、同条の規定により懲戒処分として戒告する。

 全商工官房分会委員長(所属 大臣官房会計課)

処分理由 全商工労働組合本省支部官房分会委員長として昭和44年11月13日、当局の数度にわたる事前警告及び当日の就業命令を無視して、本省庁舎中庭で行われた勤務時間内職場大会に参加し、演説を行って同大会を指導した。
 このことは、国家公務員法九八条二項の規定に違反し、同法八二条一号に該当するので、同条の規定により懲戒処分として戒告する。

 
 全商工本省支部通商分会委員長(所属 通商局市場第2課)

処分理由 全商工労働組合本省支部通商分会委員長として昭和44年11月13日、当局の数度にわたる事前警告及び当日の就業命令を無視して、本省庁舎中庭で行われた勤務時間内職場大会に参加し、演説を行って同大会を指導した。
 このことは、国家公務員法九八条二項の規定に違反し、同法八二条一号に該当するので、同条の規定により懲戒処分として戒告する。

 全商工関東信越支部桐生繊維製品検査所分会執行委員長(所属 桐生繊維製品検査所)

処分理由 全商工労働組合関東信越支部桐生繊維製品検査所分会執行委員長として昭和44年11月13日、当局の数度にわたる事前警告を無視して、庁舎玄関前広場中庭で行われた勤務時間内職場大会に参加し、演説を行って同大会を指導した。
 このことは、国家公務員法九八条二項の規定に違反し、同法八二条一号に該当するので、同条の規定により懲戒処分として戒告する。

(本件では、当日の解散命令と職場復帰命令はなされていない)

 全商工関東信越支部東京通商産業局分会執行委員長(所属 東京通商産業局)

 処分理由 全商工労働組合関東信越支部東京通商産業局分会執行委員長として昭和44年11月13日、当局の数度にわたる事前警告及び当日の解散命令及び就業命令を無視して、庁舎九階エレベータ前ホールで行われた勤務時間内職場大会を主催し、及び同大会に参加して同大会を指導した。
 このことは、国家公務員法九八条二項の規定に違反し、同法八二条一号に該当するので、同条の規定により懲戒処分として戒告する。

 全商工関東信越支部地質調査所分会委員長(所属 工業技術院地質調査所)

 処分理由 全商工労働組合関東信越支部地質調査所分会委員長として昭和44年11月13日、当局の数度にわたる事前警告及び当日の解散命令及び就業命令を無視して、地質調査所河田町分室庁舎中庭で行われた勤務時間内職場大会を主催し、及び同大会に参加して同大会を指導した。
 このことは、国家公務員法九八条二項の規定に違反し、同法八二条一号に該当するので、同条の規定により懲戒処分として戒告する。

2015/01/17

公務員の争議行為を理由とする懲戒処分等の相場についての検討(3)

できるだけ多くの事例を収集して、処分の「相場」を客観化させるための下書き。


22 北九州市(48年闘争)事件 (福岡地裁昭62・9・29 労判511-82頁) 市労連・市職労昭和48年春闘(自治労指令・人事院勧告体制打破、スト権奪還等を闘争課題とする)

 4月17日 1時間スト(42%が職場離脱)
 4月27日 半日スト(24%が職場離脱)

 市労連・市職労 自治労指令賃金確定闘争
 
 9月14日(市職労のみ) 30分スト(38.4%が職場離脱)
 9月20日 1時間スト (44%が職場離脱)
 9月27日 1時間スト (47%が職場離脱)

 原告(被処分者)53人は1人を除いて、すべて、もしくは2~4回ストに参加した。

 スト参加以外の処分理由は、スト参加をよびかけ、また、ピケに参加したり、職場集会を主宰したりした。
  
 停職一月 4人
 減給   21人
 戒告   28人


23 福岡県職組事件(福岡地判昭62・4・28 労判511-88頁)  昭和43年公務員共闘秋季年末闘争、人事院勧告の5月実施を要求

 昭43・10・8 約1時間のスト(組合員15,000人のうち約2,900人参加 19%) 

 減給三月 1人(県職労執行委員・専従)
 ストの具体的実施方法等の協議決定に参加し、スト指令を組合員に配布する等した。

 昭和44年公務員共闘秋季年末闘争、人事院勧告の5月実施を要求

 昭44・11・13 30分~1時間のスト(4,300人参加 29%)

 停職一月 1人 (自治労県本部執行委員兼県職労特別執行委員・専従-43年闘争で減給 三月の処分歴あり)
 ストの具体的実施方法等の協議決定に参加し、スト指令を組合員に配布する等した。
 減給一月 1人
 教育庁粕屋出張所総務課長の地位にありながらストに参加した。
 戒告 31人
 45~60分職務を放棄した。

 昭和46年秋季年末闘争、人事院勧告4月実施を要求
 
 昭46・7・15 30分~1時間のスト(3,600人参加 24%)

 減給一月 3人(44年闘争で戒告の処分歴あり)
 ゼッケン、腕章等を着用して、文化会館入口付近のピケに参加し、職員の登庁を妨害阻止した。
 戒告 2人

24 北九州市(49年闘争)事件 福岡地判昭62・4・18 労判511号89頁 市職労昭和49年春闘自治労統一行動

 昭49・3・1   30分スト(当日勤務予定者10,100のうち4,981人参加 49%) 
 昭49・3・5   30分スト(4,547人参加 45%)
 昭49・3・26  1時間スト(4,087人参加 40%)
 昭49・4・11  半日スト(当日勤務予定者10,700のうち4,823人参加 45%)  
 昭49・4・13  半日スト(5,934人参加 55%)

 4・11日教組ストに対する福岡県警強制捜査に抗議として昭49・27に30分ストを予定していたが、直前に中止となつたため、勤務時間の早い清掃部局等では勤務時間に食い込んだ職場集会になり清掃関係職員1,490人中404人が参加した。

 懲戒処分に抗議するスト
 昭49・7・12  30分スト(3,233人参加 30%)
 (市労連は7・5に実施)

 自治労秋季年末闘争(賃金確定、弾圧処分反対、スト権奪還等を要求)
 昭49・11・19 30分スト(3587人参加、ピケにより2,262名の入庁不能者が生じた)

原告(被処分者)はいずけれも上記いずれのストライキに参加するとともに時間内職場集会を主宰したり、ピケに参加する等した。またストに参加しようとしなかつた係長ら管理職に対し、ストに参加するよう強要しねこれに応じないため実力で庁舎外に押し出す等の行為をなした。

 停職一月 2人
 減給   17人
 戒告   16人

 
24 全逓東北地本事件 (最三小判昭53・7・18 民集32巻5号1030頁) 
懲戒免職 (全逓東北地本委員長)

 昭和40年春闘公労協統一行動として全逓は、全国の拠点郵便局でストライキを行うことを決定し、上告人(被処分者)が委員長だった東北地本では全逓本部の指令に基づき、3月17に酒田・横手両郵便局において1時間スト、4月23日に仙台郵便局iにおいて半日ストが実施され、全逓本部の指導に従い、宮城地区本部が4月15日と23日約3500枚のステッカーを仙台郵便局に貼付するのに協力し、同月15日には、郵政局との交渉を強化すべき旨の全逓本部の指導に従い、副委員長の指導の下に、約200名の組合員を動員して仙台郵便局に赴かせ、庁舎内で集団示威行進、坐り込みを行い、上告人を含む約20名の組合員が管理課長質に入室して、集団交渉を要求して要求書を読み上げるなどしたが、上告人は右の各行為の実践指導にあたった。

(岸井貞男・昭和53年度重要判例解説〔ジュリスト693号〕223頁を参照した)

25 昭和44年春闘3~4時間スト-太秦郵便局事件(京都地判昭55・6・6)
  
 全逓は昭和44年春闘において太秦郵便局を拠点局に指定し、4月24日全電通、京都交通労組、京都教組等から動員された約300人がピケを張り、管理者を含む職員の入局を阻止し、原告ら48人を含む94人の職員が2時間55分~3時間56分の間欠務した。

 減給1/10(10か月) 1人 指導的役割を果たした
 減給1/10(1か月)ないし戒告  47人

26 神戸税関(全税関神戸支部)事件(最三小判52・2・20民集31巻7号1101頁)調査官解説参照

 勤務時間に食い込む職場集会、繁忙期の怠業、超勤命令許否等の争議行為への参加、あおり、そそのかし

 懲戒免職3人 (A全国税関労組神戸支部執行委員・大蔵事務官、B全税関神戸支部長
・副関税監査官、C全税関神戸支部書記長・大蔵事務官)


 昭和36年8月19日の件 組合員Oに対する懲戒処分の抗議行動(略)

 昭和36年10月5日の件 勤務時間内職場集会と庁内デモ
  
 総評及び公務員共闘統一行動の一環として全税関本部の指令に基づき、事前の警告を無視し、8時40分より9時10分まで職場集会を開催し、9時5分ころの執務命令も無視した。ABCらは右集会を準備し、Cが開会の挨拶を等を行い、Bが演説を行った。C税関室長前を通って要求を訴えることを提案し、可決されたので、組合員約300人は4列縦隊のような形となり、労働歌を合唱し二階に上がり、Cの音頭でシュプレヒコールを繰り返し、Bは列外に出て音頭をとり、Aも列外に出て後部を指導し、流れ解散した。
 
 昭和36年10月26日、統一行動の一環として全税関本部の指令に基づき、前日の警告書交付を無視し、神戸税関本庁舎前で8時40分~9時15分まで職場集会を開催、9時5分の執務命令も無視した。B、Cが集会を準備し、Bが演説し、Cが抗議団の派遣を提案した。 
 東部出張所においては二階ベランダで8時40分~9時15分まで開催され、Aが演説を行い9時5分の執務命令を無視して続けられた

 10月31日~11月2日 (輸出為替職場、鑑査第一部門で難癖をつけて繁忙期の怠業を指導)
 10月31日、人員要求問題で15人の組合員により集会がなされ、Cが為替課の繁忙期の業務処理問題について、人員要求をしても何もしてくれないので、これまでのように大量の処理をやめ、無理のない数(100件)をやって人員不足を認識させようという提案を行い合意された。
 11月1日、輸出為替の職場では右集会の決定に従って迅速な事務処理をしなかったため、午後4時40分為替課長が超勤命令を行った。組合執行部は、増員要求に協力する確約がなければ仕事をしないとこれから交渉しているから待てと言い、このため職員は仕事をしなかったが、結局職員は5時半から勤務についた。しかし7時になっても残件が多くあっため、課長はさらに超勤を命じたところ、A、B、Cは、課長に対し、疲れているからやめたらどうかと言い、職員に向かって疲れた者は帰れと言ったため、職場は混乱し、結局課長は7時過ぎに職員を帰宅させたが、業者から苦情も出る一幕もあった。

 11月2日、前日の残件の大量の処理のため、為替課長は重点審査にして審査の簡略化を指示したが、職員は過去に事故が起きた経験から容易に従わず、A、B、Cは課長に見解をただし、Cらは執拗に事故が起きた場合の責任の所在を文書にするように要求、文書にして読み上げたとき、それは命令かお願いかと尋ね、お願いと答えたところ、お願いなら従う必要がないと言い仕事を中止させたが、結局補佐が責任は課長にあると言ったことで仕事は正常に戻った。
 一方、鑑査第一部門では、上述の経過で仕事が促進され、大量の書類が回付されたため、鑑査部長は、局面打開のため、輸出為替課と同様、重点審査を指示したが、B、Cを組合執行部は鑑査部長を取囲み、大量の仕事をやらせてできるものか、お前の指示を受けてやると殺されてしまうなどと大声を出したが、窓口にいた多くの業者から船の出航に支障をきたすので早くやってくれと申入れがあったため、鑑査部長は審査簡略化の新たに指示したところ、Cらはそのような命令は文書にせよと大声でせまり、室内は騒然として、右指示が文書とされた七時ころまで職員の仕事はとまった。

 12月2日(土曜日の超過勤務撤回闘争)
 輸出分会の職場で人員不足を当局に認識させるため、組合執行部と分会役員は、超勤命令が出たことに、各職場で用紙を配布し超勤命令撤回願を出させ回収した。輸出第一課ではCがこれを行い、役員らは、職員を午前中の仕事が終わったら講堂に集めるため各職場を回った。通常一時から超過勤務となるが、撤回願について交渉するため講堂に職員を留めさせた。業者から苦情が申し立てられた。結局交渉は決裂し、二時五分から超勤が開始され、遅い職場で七時に終了した。

 
27 四国財務局(全財務四国地本)事件(最三小判昭52・12・20民集31巻72号1225頁)調査官解説参照
 「オールA・公開」を要求する勤務評定反対闘争で、十数日間違法行為を繰り返し、極秘公文書である勤務状況報告書を組合において保管した。

 懲戒免職 X(四国財務局理財部主計課調査主任、全財務四国地本執行委員長)

 四国財務局において昭和37年9~10月にかけて次のような行為をした。

① 勤務時間中の10時30分頃から約1時間、組合支部が主催した会合に参加してその職務を妨害した。
② 勤務時間中の10時30頃から香川県公務員共闘会議の役員が局長室において局長と会見した際、、それに参加してその職務を放棄した。そしても局長が退出しようとしたところ、共闘会議の役員等20名ぐらいが追尾してとり囲み、大声で詰問し局長の退出を約七、八分妨害する事態ず発生したが、その際、局長のすぐ前附近で大声をあげ、局長に詰寄る態度を示した。
③ 勤務時間中の午後3時ごろ、事務室において携帯拡声器を用い、執務中の職員に対し約四、五分間にわたり放送して、職員の執務を妨害した。
④ 組合執行委員会で勤務状況報告書を組合で保管することを決定し、在庁執行委員は手分けして第一次評定者(係長)の席をまわって、説得して収集したが、Xは他の役員数名とともに四人をまわり説得したが、その際経理係長が経理課長に提出しようとした報告市職労をを同課長と引っ張り合い、同課長の制止を妨害して、収集した。(組合の保管は約1日程度)
⑤ 勤務時間中である中央執行委員長が事務室において執務中の職員三、四分くらい経過報告をした際、これに同行して職務を放棄した。
⑥ 事務室において午後0時30分~午後1時27分頃まで、約12分間勤務時間に食い込む職場集会が開かれた際、これに参加し、闘争経過報告を行った。
⑦ 勤務時間中の午後2時~2時30分頃まで、みだりに職務を放棄し、組合役員約九名とともに、総務課長に対し大声で荒々しく抗議要求し、同課長の勤務を妨害した。
⑧ ⑦と同日午後4時30分~5時5頃まで、、みだりに職務を放棄し、組合役員約九名とともに、総務課長に対し大声で荒々しく抗議要求し、同課長の勤務を妨害した。
⑨  勤務時間中の午後3時~2430分頃まで、みだりに職務を放棄し、組合役員約九名とともに、総務課長に対し大声で荒々しく抗議要求し、同課長の勤務を妨害した。

 ①~⑨は国家公務員法101条1項(職務専念義務)及び人事院規則14-1第3項前段(勤務時間中の組合活動に従事し)②の局長退出妨害は国家公務員法99条(信用失墜行為)③⑦⑧⑨の各行為は人事院規則4-1第3項後段(勤務時間中における他の職員の勤務を妨げた)④の行為は国家公務員法98条5項後段、人事院規則14-1第3項後段にそれぞれ違反し、Xの本件各行為は、国家公務員法82条1号2号に該当するとして懲戒免職とした。

(註-昭和37年当時の人事院規則14-1第3項後段は現在の人事院規則17-2第7条2項に相当するものと考えられる)

28 昭41・10・21約1時間スト 長崎県職組事件(最一小判平元・9・28判時1349号151頁) 自治労決定に従い、人事院勧告完全実施、地方財源確保を要求して長崎県職組が行った始業時から1時間のスト

 停職三月 県職組本部執行委員長
 停職一月  県職組本部書記長、本部特別執行委員兼自治労長崎県本部執行委員長
 減給1/10(2か月) 本部執行委員兼長崎支部長
 減給1/10 (1か月) 他の本部執行委員、支部三役(支部長、副支部長、書記長)
 戒告 支部執行委員、本庁職員の単純参加者、出先機関在勤者でピケッティングに参加した者
 訓告 出先機関在勤者の単純参加者

 被上告人A 減給1/10 (1か月)

 県職組諫早支部副支部長、総合農林センター企画調整室勤務、
 スト批准投票用紙を組合員に配布し投票させた。10月18~20日にかけて諫早県税事務所、 諫早保健所、総合農林センターで争議行為参加を呼びかける宣伝活動を行う。当日8時30分~9時25分職務を放棄し、職場大会に参加した。ピケが行われたがこれには参加してない。

 
29 昭和43・4・25荻窪電話局半日スト(拠点スト) 全電通荻窪局事件 東京地判昭54・9・14労判327

 停職一月 A全電通東京地本東京西南支部荻窪電話分会副分会長、B荻窪電話分会書記長)

 減給1/10(10か月)C荻窪電話分会執行委員

 戒告 D新宿支部青年常任委員

 A・B・Cの西南支部及び荻窪分会段階のストライキ態勢の確立に関する具体的協議は、公労法の禁止する争議行の共謀に該当する。団体交渉、ビラ貼り、職場集会、ビラ配布その他の大衆行動を指導し、一票投票をを実施するなどして分会組合員に対しストライキ態勢の確立に努めるよう働きかけたこと。スト当日、上部組織の役員とともに、分会無組合員にストライキ参加の説得をしたことは、法の禁止する争議行為のあおり、そそのかしに該当し、A・Bが九時から正午まで職務を放棄したことは公労法、就業規則に反し、正当な組合活動ではなく、懲戒事由にあたる。
 
 Dは4月25日当日、上司である荻窪局電力課長の就労の指示にもかかわらず始業時より正午まで職務を放棄した行為は、公労法、就業規則に反し懲戒事由にあたる。

2015/01/11

公務員の争議行為を理由とする懲戒処分等の相場についての検討(2)

 できるだけ多くの事例を収集して、処分の「相場」を客観化させるための下書き。


4 北九州市46年闘争事件(福岡地判 昭58・3・28判決労判418附録カード)

 昭和46年11月19日 沖縄返還協定反対、佐藤内閣退陣、スト権奪還 勤務時間内職場集会7~29分職務離脱 (門司、八幡、若松、戸畑区役所、小倉西清掃事務所、若松清掃事務所等において、組合員及び支援の外部団体員がピケを張り1700人が職務離脱)

 停職1か月 1人(市職労現場評議会議長)
 減給日額2分の1 8人

 処分理由-本件争議行為に参加するよう呼びかけ、各勤務時間に食い込む集会を開催して、挨拶、司会をして、右集会の実施を指導し、また始業時刻に就業せず、7分~29分間間職場離脱した。

5 全林野付知・小坂分会事件昭和45・12・11半日スト(名古屋高判昭58・10・31労判420)

 定員外職員の雇用安定を要求した付知営林署、小坂営林署(岐阜県)における半日ストの参加者124人に対して減給10分の1(1か月)処分

6 北九州市(市労43年闘争)最二小判昭63・12・16 労判534

 合理化反対闘争
 昭和43年2月23日、市職は早朝30分時限スト、市労は休暇闘争
 同年3月15日、一般職は1時間時限スト、清掃、学校給食部門1日スト
 同年3月16日八幡・門司・若松の三市立病院1日スト
 勤務条件改訂に関する議案議案が審議される3月21日から25日にかけて5割休暇闘争など延べ3800人の組合員を動員
  
 処分の理由は、戦術会議の決定に参加し、指導し、組合員の争議行為の参加を呼びかけ、職場集会を指導し、中止を呼びかける管理職を吊し上げる等の行為

 懲戒免職1人(自治労北九州市役所労組(市労)執行委員長)
 停職六月2人(同副委員長、同書記長)
 停職三月1人(同執行委員)
 停職一月5人(同執行委員2人、八幡支部長、小倉副支部長、門司副支部長) 

6 北九州市42年12月15日市議会請願(最二小判昭63・12・9 労判534) 

 市議会の病院・水道事業の財政再建計画議決に反対するため、市職労は一斉に年休をとって本会議への請願行動を実施し2459名が参加。
 右行動に参加するため、終日職場を離脱し約30名を指揮してピケを張り、請願行動の参加を呼びかけるなどし、制止しようとした上司に激しく抗議したことを理由とする。

 懲戒免職1人
 停職一月、三月ないし六月 9人

7―1 昭和43・10・8公務員共闘統一行動-北九州市小倉西清掃事務所事件(最二小判昭和63・12・9民集42巻10号880頁)

 始業時から1時間スト(小倉西清掃事務所においては午前8時~同57分の集会が行われ作業員約100人参加)

 懲戒免職1人 (北九州市役所労働組合(市労)本部執行委員兼青年部長)
(集会で挨拶、副所長によるマイクによる就労命令に激しく抗議、同日し尿車が不足していたので小倉東清掃事務所から予備車を借りて作業しようとしたところ強く抗議し暴言を吐く。管理職立ち合いのもとに出欠状況を確認しようとしたことについて事務所に押しかけ激しく抗議する。1時間半職場を放棄。)

 停職三月2人(小倉支部長、同支部執行委員)
 (支部長は、集会で司会をし、支部執行委員は職務命令書を一括返上したほか、両者はスト不参加者に対する説得行為をなし、職務命令書をもって入室しようとした管理職の入室を阻止、支部長は、副所長のマイク放送による就労命令に激しく抗議、両者は出欠状況の確認に抗議し、支部執行委員は暴言を吐いた。)


7-2 昭和43・10・8公務員共闘統一行動-北九州市小倉西・門司・八幡西清掃事務所事件(福岡地判昭56・2・26 判時1011)

 減給日額2分の1 (市労八幡支部副支部長)

 作業員控室と運転手控室に行って集会参加を呼びかけ、事前の警告にもかかわらず、8時5分から25分まで宿直室にて集会を主宰し、参加者10名に対してストの意義等について演説した。

 戒告 (市労門司支部長兼市労本部副委員長)

 門司清掃事務所大里作業所作業員控室で8時5分から8時30分の職場集会を主宰し、参加者50名に対し集会の趣旨、行動の必要性について演説し、演説直後の副所長の制止にもかかわらず続行した。


 その余の戒告処分者は、小倉西清掃事務所の集会に参加したうえ、作業者の借り上げあるいは名札点検に対する抗議活動に参加した組合員である。


8 昭和42・12・14市職労1時間及び12・15病院労組1日スト-北九州市病院局事件
(福岡地判昭55・5・7判時980)
 
 病院・水道事業の財政再建計画に反対するスト。

 懲戒免職1人(市職及び病院労組執行委員長・専従・現地闘争本部副本部長)
 ストの企画・立案に関与し、12月15日のストの際は、午前5時に組合員約20名に対し、ピケの配置につくよう指示した。

 停職六月 3人(A・B・C)
 
(A・市職副執行委員長・専従・現地闘争本部闘争委員)
 スト方針の決定に関与、市人事局の課長ら5人が、ピケを解除するよう申入れたがこれに応じなかった。
(B・市職本庁支部長・現地闘争本部闘争委員・財務局調達課職員)
 スト方針の決定に関与、同月12日午前11時と、13日午後4時40分頃約10分間市役所衛生局総務課内で、ストに参加するよう演説し呼びかけた、当日始業時間より職場を放棄。
(C・市職書記長・現地闘争本部闘争委員・財政局税務部職員))
 スト方針の決定に関与、14日ストの際、午前7時から10時までトランシーバーを携帯しピケの状況を監視した。同日7時間、15日は6時間20分職場を放棄した。

 停職三月 2人 (D・E)
(D・市職書記次長・現地闘争本部闘争委員・総務局文書課職員)
 スト方針の決定に関与、12・14市役所本庁舎民生局及び宿直室で自らあるいはピケ要員に指示して、市人事局第一課所員Aの入庁を阻止し、1時間職場場を放棄した。
(E・市職門司支部長・現地闘争本部闘争委員・門司区役所総務課職員)
 スト方針の決定に関与、門司区役所に登庁してくる職員に対し職員健康保険会館体体育館で開かける職場大会への参加を呼びかけ、右集会で闘争経過を報告する等して主宰し、57分間職場を放棄した。

 停職一月 1人(市職執行委員・現地闘争本部闘争委員・衛生局若松保健所職員)
 スト方針の決定に関与、12・14午前8時30分~9時30分若松保健所裏門で、管理職、保安要員として配置を予定していた職員以外の職員の入庁を阻止するたろ他の支援組合員とともにピケを張り、五、六名の職員に対し若松病院での職場集会に行くよう呼びかけ、46分職場を放棄した。


10 昭和44・11・13公務員共闘・都市交統一行動始発から午前6時までのスト-北九州市交通局事件(最二小判昭55・2・8 労判335)

 本件は職場放棄の争議形態でなく、組合員にはバス乗務の勤務につかせ、バス出入口で集会を開き、その出庫を阻止するという形態で、出庫を阻止されたバスの乗務員には争議不参加の別組合員2名も含まれていた。二審福岡高裁は私企業でも許されない争議形態と判示し、最高裁は原判決を維持した。


 停職六月(北九州交通局労組書記長)
 停職二月(書記長以外の執行委員)

9 全道庁釧路診療所事件(札幌地判昭52・3・31 判時858)
 
 昭和41・10・21自治労指令人事院勧告完全実施要求統一行動1時間スト

 減給1/10(4か月) (全道庁地方執行委員・釧路総支部書記長)
 ストライキを含む職場集会の決定、通知、連絡、経過報告を行いピケを指導した。


 昭和43・10・8自治労指令人事院勧告完全実施要求等統一行動1時間スト

 戒告 (全道庁地方執行委員・釧路総支部書記長)
  ストライキを含む職場集会につき、ストライキピケ隊のとりまとめや、連絡、一般職員へりストライキの呼びかけ、集会で司会、経過報告を行った。


10 昭和46・4・23全林野広島営林署分会事件(広島地判昭51・4・21 判時812)

 全林野の指令に基づく雇用安定・処遇改善要求の半日スト

 減給1/10(1か月) 正確には「一月間、処分当日における主たる職種の格付賃金に標準作業日数を乗じた一〇分の一を減給する。」


 107人(ストに参加した定員外職員)


11 昭和46・4・23、4・30、5・20各半日拠点スト-全林野青森地本事件(青森地判昭52・12・13 判時885)

  全林野の指令に基づく雇用安定・処遇改善要求の各半日の拠点ストライキ

 停職三月 2人 (A青森地本副委員長・専従、B青森地本書記長・専従)

 Aは全林野中央委員会の構成員として半日ストの企画謀議に参画し、青森地本分会代表者会議を開催し本件ストの企画謀議に参画した。Bはそれに加えて4・23蟹田営林署分会のストを自ら指導し実施せしめた。
 

 停職一月 4人(C青森地本財政局長・専従、D~G青森地本執行委員・専従)

 Cは青森地本分会代表者会議でストの企画謀議に参画したほか、4・23むつ営林署分会、4・30中里営林署分会のストを率先指導。
 Dは青森地本分会代表者会議でストの企画謀議に参画したほか、4・23弘前営林署分会、5・20脇野沢営林署分会のストを指導。


 停職十日 3人(H青森地本執行委員・専従、I・J青森地本執行委員・非専従)
 いずれも青森地本分会代表者会議でストの企画謀議に参画した。


 減給1/10(1か月) 104人 集会に参加し、再三にわたる職務復帰命令を無視して4時間職務を放棄し、丸太の生産、苗木の育成植えつけ等林野業務を阻害した。

 戒告 19人 集会に参加し、再三にわたる職務復帰命令を無視して2時間46分職務を放棄し、苗木の植えつけ及び雑木の伐採業務を阻害した。

12 昭和46・4・23半日スト-富岡営林署(全林野前橋地本富岡分会)事件(東京地判昭54・3・22 判時938)

 減給1/10(1カ月) 95人 事前の警告及び再三の職場復帰の業務命令にもかかわらず、始業時から四時間の勤務時間に食い込む違法な職場放棄をした。


13 全国200拠点昭和44・10・31午後8時より13時間30分スト-国労機関助士廃止反対闘争解雇事件(大阪地判昭50・7・17 判時785)


 解雇(公労法18条による) (国労大阪地本吹田支部吹田機関区分会執行委員長)

吹田機関区における10・31闘争を計画・指導・実施した責任者として


14 昭和44・4・23、4・30、5・20各拠点半日スト-全林野旭川地本事件(旭川地裁昭50・7・17)

 雇用安定・処遇改善を求める全国規模の半日スト


  停職十日~三月 (旭川地本役員)ストライキの指導

  減給1/10(1カ月) (美瑛営林署分会50人、名寄営林署分会組合員34人)
  4時間の職務放棄

  戒告 (羽幌営林署分会組合員48人)1時間45分~2時間40分の職務放棄

15 全林野本部役員解雇事件(東京地判昭53・7・14 判タ370)

  解雇又は停職七月ないし八月 (争議行為の企画・実施)


16 昭和36年総理府統計局職員組合事件(東京地判昭50・12・24 判時806)

 20分の勤務時間内集会、ピケットに参加した職員の賃金カット撤回要求の勤務時間内オルグ活動・集会、話合い・面会の強要

 統計職組は、昭和36年10・26国公共闘の企画、指導のもとに、賃上げ、政暴法粉砕、職場要求の実現という要求を実現するため、ピケットによる入構阻止により職員約80名の参加のもと、9時~9時20分頃まで勤務時間内職場大会を開催したが、組合はピケットなどに参加した90人の職員に対する賃金カットを不当として撤回要求することを決定し、10月末から11月にかけて、勤務時間に食い込み、統計職組の方針を説明するためのオルグ活動、集会を行い、賃金カットされた職員の所属する職場の課長、課長補佐、係長らに対し、説明、話合いもしくは面会を強要するなどして、その執務を妨げ、他の職員の勤務を妨げた。

 懲戒免職 1人(統計職組執行委員長)
 停職4か月 2人(副執行委員長、執行委員)
 減給1/10(3か月) 3人(執行委員2、代議員1)

 統計職組執行委員会は10・20頃いったんは、職場集会を実施しない旨定めたが、国公共闘の説得もあり10・23頃の代議員会で、実施を決定した経緯がある。


17 昭和36年春闘・電々公社長岡局事件(新潟地裁昭44・11・25 労民集20巻6号1553頁

 昭和36・3・16始業時から午前10時までの勤務時間職場大会、保安要員ゼロとし、応援管理者の通行を実力で阻止する強力なピケットライン(多いときには約2000人を動員)を張る等

 解雇(公労法18条による)2人(全電通新潟県支部執行委員)

18 昭和32年2月3・3・4割一斉休暇闘争 佐教組教祖懲戒処分取消訴訟(福岡高裁地裁昭58・5・27 判タ501)

 3日連続三・三・四割一斉休暇闘争

 停職一月ないし六月 10人(佐教組執行部)闘争の企画・指導


19 昭和44年11月23日国公共闘・公務員共闘統一行動・勤務時間に12分~20分食い込む職場集会-全運輸近畿陸運支部兵庫分会事件事件(最二小判昭60・11・8 民集39巻7号1375頁、判時1178)

 戒告 (A・全運輸近畿陸運支部兵庫分会長、B・同副分会長) 

Aについて

 全運輸の指令(15~20分勤務時間に食い込む職場集会)にもとづき8時20分から42分まで、兵庫県陸運事務所(本所)玄関前の職場集会(46人が集合)に就労命令を無視して参加し、「あいさつ及び職場大会の意義」について演説した。
 処分理由は12分の職務放棄と、争議行為のあおり、そそのかし。

Bについて(当日休暇を取得していた)

  8時33分頃から50分まで、兵庫県陸運事務所姫路支所構内入口横の広場職場
 集会(15人が集合)に参加し、「所長交渉の経過報告及び決議分の朗読」を行い主たる役割を果たした。
 処分理由は、争議行為のあおり、そそのかし。

20 北九州市若松清掃事務所ビラ貼り事件(福岡地判昭56・8・24)訴務月報28巻1号109頁

 昭和42年7月11日係長が制止したにもかかわらず午後0時20分かに120分にわたって、事務室の窓ガラス、壁にB4判位のビラ約50枚を糊付け

 戒告 (分会長を含む組合員)

20 昭和43年11月13日時限ストと、12・29、30、31休日勤務拒否闘争-北九州市清掃事業局事件(福岡地判昭56・8・24)労民集32巻3~4号513頁

 11月13日の1時間30分ストは公務員共闘会議、自治労の方針に従い事院勧告完全実施等を要求するもので、清掃関連職員の年末の法定外休日勤務は、大掃除をして越年するわが国の慣習と市民の要求にもとづいて、旧五市時代から行われていたが、事前の団体交渉で組合側は手当500円積み上げ、実働時間に水増しした超勤手当(いわゆる「やみ超勤」)の支給を要求して譲らず妥結に至らなかったため、休日勤務拒否闘争に突入したものである。

 11月13日の争議行為について

 北九州市は12日に全職員に対して違法な争議行為に参加しないよう警告書を交付するなどしていたが、組合側は1時間30分の勤務時間内職場集会を事前通告し予定通り突入した。門司区では出先機関も含め市長事務部局約880人のうち約330人が始業時に出勤せず職務を放棄した。小倉区では市長事務部局約1760人のうち約500人が職務を放棄した。小倉西清掃事務所では12日に所長が職員に交付した職務
命令書と警告書を一括返上し、13日7時45分より作業員控室で無届職場集会が開かれ職員約170人のうち114人が始業時から28分間職務を放棄した。


 年末休日勤務拒否闘争について

 清掃作業員ら約1450人のうち出勤したのは29日約340人、30日約420人、31日約430人しか出勤しなかったため、当局は清掃事業局以外の延べ460人管理職員、延べ220人の臨時雇用作業員、民間業者委託による車両延べ220台、臨時作業員延べ1060人を投入し、ゴミは市民の非難を受けない程度の処理ができたが、し尿は2~3割しか処理できなかった。


 停職六月 (市労小倉支部長、小倉西清掃事務所所属)

 11月13日小倉西清掃事務所事務室で勤務時間内職場集会への参加の呼びかけ。副所長がマイク放送で勤務につくよう命じたにもかかわらず30分職務を放棄し、作業員控室に約100名を集めて職務を放棄させ、集会を主宰した。
 12月29日午前8時45分頃小倉西清掃事務所構内出入口で、原告5名らとともに出発しようとする塵芥清掃車の前に立ちはだかり副所長が再三、阻止行為をやめるよう命令したにもかかわらず約45分にわたって車の出発を妨害した。
 休日出勤命令に従わず、3日間無断欠勤した。

 停職四月(自治労福岡県本部執行委員兼市労本部特別執行委員、市衛生局所属)
 
 11月12日10時50分頃建設局下水道部施設課その他において、課長の勤務時間内教宣活動を制止したにもかかわらず、同行者とともに、執務中の職員に争議行為への参加を呼びかけた。
 11月13日午前7時35分~8時25分及び8時35分~9時10分の2回にわたり、戸畑区役所裏広場において、戸畑区所在の各施設の職員約400人を集めてその職務を放棄させ、勤務時間に食い込む集会は市職労役員とともに主宰、指導した。
 12月29日午前8時45分頃小倉西清掃事務所構内出入口で、原告5名らとともに出発しようとする塵芥清掃車の前に立ちはだかり副所長が再三、阻止行為をやめるよう命令したにもかかわらず約45分にわたって車の出発を妨害した。

 停職三月 2人(A市労小倉支部書記長、B市労本部執行委員)

 ABともに11月13日、始業時刻の午前8時頃から、副所長がマイク放送で勤務につくよう命じたにもかかわらず30分職務を放棄し、作業員控室に約100名を集めて職務を放棄させ、集会を主宰指導した。
 12月29日午前8時45分頃小倉西清掃事務所構内出入口で、原告5名らとともに出発しようとする塵芥清掃車の前に立ちはだかり副所長が再三、阻止行為をやめるよう命令したにもかかわらず約45分にわたって車の出発を妨害した。Aは清掃車の運転席に財布を投げ込んだり、1,000円札をフロントガラスに貼り付け、「‥‥私物がのつているぞ」と大声で言って出構を妨害した。
 ABともに12月30日所長に対し、「なぜ作業員を就労させたか」などと大声をあげて抗議し、市民向けに配布しようとしたビラに文句をつけ、Aは「もし明日作業員が就労していたら車かに引きづりおろすぞ」と大声でつるしあげるなどの行為をなし、所長の業務執行を妨害した。
 ABともに休日出勤命令に従わず、3日間無断欠勤した。

 停職二月 4人(C市労小倉支部執行委員、DE一般組合員2人、F市労門司支部副支部)
 
 C~F
 11月13日の争議行為に参加し職務を放棄した。休日出勤命令に従わず、3日間無断欠勤した
 C~E
 12月29日午前8時45分頃小倉西清掃事務所構内出入口で、原告5名らとともに出発しようとする塵芥清掃車の前に立ちはだかり副所長が再三、阻止行為をやめるよう命令したにもかかわらず約45分にわたって車の出発を妨害した。
 DE
 12月30日所長に対し、「なぜ作業員を就労させたか」などと大声を
あげて抗議し、市民向けに配布しようとしたビラに文句をつけ、小倉西清掃事務所長の業務執行を妨害した。
 F
 12月27日、8時10分頃門司清掃事務所大里作業所作業員控室において、職員約30名に対し、役員2名とともに年末清掃作業を拒否するよう呼びかけた。
 12月29日、8時45分門司清掃事務所長が、詰所に赴き、10分以内に着替え、作業につくよう命令したところ、役員1人とともに「今日は仕事せんで帰ろう」などと就労拒否のよびかけをおこない、所長の業務執行を妨害した。
 12月30日、午前8時15分頃、役員1人とともに大里作業所2階作業員控室出入口において、就労しようと階段を降りかけた職員に対し「なぜ、組合に協力しないのか」と執拗に呼びかけ、就労を妨害した。

 停職1カ月 (市労本部書記長兼門司支部長)

 12月27日、8時10分頃門司清掃事務所大里作業所作業員控室において、職員約30名に対し、役員2名とともに年末清掃作業を拒否するよう呼びかけた。同日午後3時30分頃同じく作業員控室に赴き、約50名に対し年末清掃作業を拒否するよう呼びかけた。
 12月29日、8時46分門司清掃事務所長が、詰所に赴き、10分以内に着替え、作業につくよう命令したところ、大声をあげて命令の示達を妨害した。
 12月30日、午前8時15分頃、役員1人とともに大里作業所2階作業員控室出入口において、就労しようと階段を降りかけた職員に対し「なぜ、組合に協力しないのか」と執拗に呼びかけ、就労を妨害した。

減給日額2分の1 2人(G市労門司支部副支部長、H市労門司支部執行委員)

 G
 11月13日の争議行為に参加し職務を放棄した。
 12月30日、7時56分ごろ、門司清掃事務所におもむき、同所二階詰所の出入口附近に立つて、市の就労命令に従つて同詰所に出勤してきた清掃作業員らに対し「外に出てくれ。」などと就労拒否の呼びかけを行ない、更に、8時ごろから役員1人とともに、同詰所内に入りこみ、作業準備中の作業員ら約30名に対し、組合の出勤拒否の指令に従うようオルグを行なうなどして、所長らの業務の執行を妨害した。また、同日、午後0時40分ごろ、同事務所2階会議室において、同日出勤している作業員らに対し、市労役員らとともに「組合の指令を守れんのか」「何で仕事をするのか」などと出勤拒否の説得を行なった。
 H
 11月13日の争議行為に参加し職務を放棄した。
 12月29日、午前8時45分ごろ、門司清掃作業所長らが、作業員を作業につかせるため、同清掃事務所二階詰所におもむき、作業員30数名に対し10分以内に着替えて作業につくよう命令したところ、役員1人とともに「今日は仕事をせんのだ。」「今日は仕事せんで帰ろう。」などと大声をあげて就労拒否の呼びかけを行なうなど、所長らの職務の執行を妨害した。このため、同詰所にいた清掃作業員らは、やむなく就労せずに退庁した。
 12月30日、8時ごろ、役員1人とともに、門司清掃事務所2階作業員詰所に入りこみ、作業準備中の清掃作業員ら約30名に対し、就労しないように呼びかけて所長らの職務の執行を妨害した。更に、同日、8時40分ごろ、同詰所内にいた自動車運転手に対し、同清掃事務所業務第一係が、仕事につくよう命令していたところ、同係長に対し大声で「‥‥家におれよ。おぼえておけ。」と暴言を沿びせ、同係長の職務を妨害した。

 戒告 (一般組合員)
 11月13日小倉西清掃事務所事務室で勤務時間内職場集会への参加の呼びかけ。副所長がマイク放送で勤務につくよう命じたにもかかわらず30分職務を放棄し、作業員控室に約100名を集めて職務を放棄させ、集会を主宰指導した。

 その他、11月13日の争議行為に参加して職務を放棄した、年末の休日出勤命令に従わず無断欠勤したことを理由に、給与日額二分の一の減給もしくは戒告処分。

(この事件の特徴は、役員でない一般組合員でも清掃車に立ちはだかって出発を妨害したピケと所長への抗議行動に加わった場合は停職二月の重い処分になっていること、また役員の職務放棄を慫慂する言動が業務執行妨害として処分理由になっている)


21 昭43・4・17全専売3時間拠点スト-専売公社山形工場事件(山形地判昭47・11・27 民集35巻3号534頁、判タ286)

 ベースアップ等の要求を目的とする、山形工場包装部門(ハイライト・わかばの包装業務)の拠点スト。
 争議に参加した職員に戒告処分

2015/01/05

公務員の争議行為を理由とする懲戒処分等の相場についての検討(1)


 違法争議行為が行われた場合、過去の例からみて甘いか厳しいかを判断するために処分の相場を客観化する作業の下書きである。できるだけ多くのデータを集めていく長期シリーズ。

1  山口浩一郎の見解

 処分の相場に言及している論文として山口浩一郎(上智大助教授=当時) 「公務員の争議行為と懲戒処分-現業国家公務員の場合を中心に」『ジュリスト』472号1971.2.15があるが、客観化することは難しいとしつつも次の程度のものが多かったとしているが、やや大雑把である。
○半日スト  組合本部の責任者 解雇又は免職
地本役員 停職
支部役員 減給(ただし停職の場合もある)
一般組合員 減給(一~三か月)

○二~三時間のスト 一般組合員 戒告
○三〇分程度の場合 一般組合員 訓告

2  昭和44年11月13日統一スト

 総評を中心とする日教組など67単産による史上最大の政治スト(佐藤首相の訪米抗議に人事院勧告完全実施などの要求を絡める70年安保闘争のスタート)といわれる昭和44年の11.17統一ストだが、国公共闘では勤務時間外集会に切り替える組合が続出し、大きな混乱はなかったと報道されているが、前記山口論文に処分一覧表があり、毎日新聞夕刊に実施状況の一覧表がある。

2-1昭和44年11/13統一スト 全農林 46都道府県本部で1時間半のスト

本部     3人 停職6か月 
    11人 停職 10ヶ月
県本分会役員 361人 減給1/10(1~5か月)
県本・分会役員400人 戒告
分会役員・組合員  1013人 訓告
その他      2455人 厳重注意

2-2昭和44年11/13統一スト 全開発 始業時から1時間スト

本部支部役員 42人 減給1/10(1~4か月)
中執・支部役員 61人 戒告
分会役員 220人 訓告
その他  503人 厳重注意

2-3昭和44年11/13統一スト 全労働 勤務時間内29分 

本部三役 3人 減給1/10(1か月)
本部6人・支部33人 戒告
支部・分会役員143 訓告
その他   1668厳重注意

2-4 昭和44年11/13統一スト 全港建 勤務時間内29分
本部3人・支部41人 戒告
支部書記長21人 訓告
その他2215人 厳重注意

2-5昭和44年11/13統一スト 全運輸 勤務時間内20分
本部1人・支部分会役員42人 戒告
支部書記長50人 訓告
その他 1493 厳重注意

3 昭和43年春闘(賃上げ問題)4月25日 江戸川・昭島郵便局事件 (出所・東京地判昭48・6・28 判タ297 解説)

就労命令を無視し46分ないし1時間20分の欠務行為 戒告
就労命令を無視しは3時間15分ないし3時間50分の欠務行為 減給1/10(1ヶ月)

2015/01/04

入手資料整理147

(全逓東北地本事件関連2 同判決を引用している下級審判例(◎で示す)を中心に収集、労組側はプロレイバー学説により懲戒処分は許されないと主張するが、神戸税関事件や全逓東北地本事件の最高裁判決を引いて適法とするものである)

★★★◎10687全逓下関地方貯金局事件山口地裁昭60・3・19 判タ566 労判457
原告らは下関地方貯金局(昭和五九年七月一日以降、下関貯金事務センター)に勤務する郵政事務官であるが、四九年四月ー〇日、五〇年五月七日、同年一一月二七日、二八日、同年一二三日に全逓が実施した各全一日(八時間)のストライキにおいて、指導的行為を行ない、かつこれに参加し、勤務を欠いた等として、五一年三月一六日、被告郵政大臣は原告X1を停職一月の、被告下関地方貯金局長(現在、下関貯金事務センター所長)は原告X 2を減給の各懲戒処分に処した。本件は右各懲戒処分の効力が争われたものであるが、判決はいずれをも有効とした。

要所は次のところである
「‥‥‥‥原告X1は、ストライキ不参加者に対し参加を呼び掛け、また、説得し、決起集会を行う旨挨拶し、シュプレヒコールの音頭をとったのであるから、公労法一七条後段に禁止する同盟罷業その他の業務の正常な運営を阻害する行為をあおりそそのかして争議行為そのものの原動力となる指導的行為を行ったものとして問責せざるを得ないものというべきである。
 而して本件ストライキをあおり、そそのかし争議行為をそのものの原動力となる指導的行為を行った原告X1は、国の経営する郵政事業に勤務する職員として、その官職の信用を傷つけ、または官職全体の不名誉となるような行為をしたものというべく、従って原告X1は右行為により国公法九八条一項、九九条に違反し、同法八二条一号、三号に該当するものといわなければならない。
 この点につき、原告X1は、本件ストライキは直接的には全逓中央執行委員長の指令に基づいて全国統一闘争として行われたたものであり、実際に中央委員会のスト指令により支部の執行に停止され、具体的にストライキを指揮したのは中国地本から派遣されたKらであって、原告Hは上部機関の指示に従ったのみではあり、何ら指揮的行為を行い得る立場になかったと主張する。
 しかしながら、支部執行権停止が支部長の責任を免れさせるための便法で取ることは前述のとおりである。また、本件のストライキは、公労法一七条一項前段の禁止する同盟罷業その他業務の正常な運営を阻害する行為であることは前判示のとおりであるから、中央執行委員長の指令が違法な行為の指令であったことは明白であるというべく、従って全逓の組合員としては法的にかかる指令に従う義務はなく、また司れに従うべきでもないから、本件ストライキが全国統一闘争として全逓組合の決議に基づき組合の意思として行われたものであるとしても、これに参加し、これを積極的に推進し指導し、もしくは拠点指定を受けた局所において、具体的な実力行使を指示し.組合員を鼓舞した拠点局の支部長が違法行為者としての個人責任を免れるものではないというべく、ただ上部機関の指令に基づいにり、その違法行為の責任の程度の評価に軽重の差が生ずるにすぎない。本件ストライキの実施にあたり、Kが中国地本から闘争の最高責任者として支部に派遣されたことは前認定のとおりであり‥‥本件ストライキ当時支部の執行権は停止されているから、原告X1としては組合としての全逓通の統制力に拘宙され.、派遣された闘争最高責任者の指示が適法なものである限り、.これに従わなければならなかったものと寸が得られることはい.うまでもないが、本件ストライキ突入の指令は-前述のとおり本来公労法によって禁止されている違法行為の実行を命するものであるから、それがいかに全逓の統一的意思として中央委員会、中国地方戦術委貝会の全逓決議に基づいて発せられたものであったとしても右決議自体が違法なものである以上、右指令も違法であって、全逓組合員に対して何らの法的拘束力を有しないばかりか、全逓の組合員としてはこれに服従すベきでないものであり、従って中央委員会から派遣された闘争指導者の指示が右指令の実行を命ずるものである限り原告X1として、これに服従すべきではなく、寧ろかかる違法な行為の実現を阻止すべき義務があったといわなければならない。しかるに原告X1は、これに反して、前判示のとおり、積極的に組合員をあおり、そそのかしたものであるから、責任軽重は別としてその責任を免れるわけにはいかないというべきである。
 また、原告X1の本件各ストライキ参加行為は、国の経営する郵政事業に勤務する職員として、その官職の信用を傷つけ、または官職全体の不名誉となるような行為をし、勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならないと言う義務に違反したものというべきであるから、原告X1の右行為は、国公法九八条一項、九九条、一〇一条一項前段に違反し、同法八二条一ないし三号に該当するものといわなければならない」。

★★★◎10688全逓新潟貯金局支部事件新潟地判昭54・3・30 判タ396 労判325
 本件は、昭和四三年春闘において、全逓の実施した全国拠点半日ストに参加し、戒告(四名)ないし減給(一力月間本俸の一〇分の一 ニ六三名)の懲戒処分をうけた原告らが、(1)右処分の取消と、(2)被告は右懲戒処分があることを理由に原告らの定期昇給について差別してはならない旨の命令とを求めて争ったものであるが、判決は、右いずれの請求をも斥けたものである。

判決の要所
「1 原告らは「懲戒は業務が正常に運営されていることを前提としてそこにおける秩序の確保がその目的であり、労働者の争議行為は、労働者が使用者の定める服務規律を排除して正常な企業秩序の運行を阻害することが権利として行使するものであるから、右の前提を欠き懲戒権の行使は許されない。仮に違法な争議行為として責任を問われる場合でもその責任は個人でなく労働組合が争うべきである。」と主張するので検討する。
 なるほど労働組合の争議行為は、多数組合員の集団的共同的な活動であることを本質とし、構成員の算術的総和を超えた独自の存在である団結自体の行為であることは原告ら主張のとおりであるが、右の理由をもって違法な争議行為の場合に労働者個人の責任が免責されると解することはできない。
すなわち、個々の労働者は使用者と労働契約を締結することによって使用者との間に労働契約関係にたち、他方労働組合に加入することにより労働組合の団体的統制に服することになるが、この両者の法律関係は別個独立のものとして併存し、その間に優劣の関係はない。したがって争議行為が労働組合の団体行動として展開されるものであるからといって、争議行為によって個々の労働者との間の労働契約関係が消滅するわけではなくまた労働組合はその構成員である労働者を使用者の意思を無視して企業秩序から自由に離脱せしめることができるものではない。ただ正当な争議行為の場合には、労慟者は債務不履行責任を免除され.また争議行為を理由とする懲戒が不当労働行為になるという意味において.個別的労働関係の場合における債務不履行、企業秩序違反の違法性が阻却されるというにすぎないものであるが、しかし違法な争嫌行為の場合まで労働契約関係の義務違反が免責されるとする法的相拠は存在しない。
 したがつて集団的労働関係を理由に労働者個人の懲戒を否定する見解は、結局個別的労働関係に基づく労働者の義務と組合の統制が矛盾する場合に、組合の統制を一方的に優位に置き、その責任の有無だけを論ずるものであり、採用することはできない。

2 次に原告らは、公労法第一七条第一項は国民全体の利益の保護を目的としたもので、使用者の業務確保、企業秩序の維持を目的としたものでないから、同条項違反の争議行為の懲戒を否定すべきであると主張する。
 なるほど公労法一七条第一項の保護法益は国民全体の利益であることを疑いを容れないところであるが、右利益の保護は業務の正常な運営、企業秩序の維持を離れて考えられないものであり、そうであってこそ同条項は国民全体の利益を保護するために業務の正常な運営を阻害する行為である争議行為を禁止しているのであって、同条項の立法目的の中には右の意味における企業秩序の維持の目的も当然含まれているものと解すべきである。
 よって原告らの右主張は理由がないので採用できない。
一一 以上三以下で検討したところによれば、原告らの本件ストライキはその欠務時間の長さ、規模、態様等に照らし公労法第一七条第一項の争議行為に該当すると解さなければならないので、原告らに対し右違法な争議行為につきその懲戒を否定することはできない。
 しかるとき原告らは、国公法第九八条第一項の職務遂行につき法令を遵守すべき義務に違反し、同時に同法第九九条の信用失墜行為禁止の規定にも違反し、これらは同法第八二条第一号、第三号に該当するものと解され、また原告らの行為は同法第条第一項の職務に専念する義務にも違反するものであり、これは同法第八ニ条各号に該当すると言うべきである。」

★◎10689全逓明石郵便局事件 神戸地判昭54・12・13 訴務月報26巻3号473頁
 全逓の指令した賃上げなどを目的とする半日ストに参加し、最低2時間4 9分から最高3時間5 3分にわたり欠務した郵政職員に対する国家公務員法82条に基づく減給(1箇月間俸給月額10分の1)ないし戒告処分に懲戒権の濫用はないとされた事例

判決の要所

「四 つぎに原告らは公労法一七条一項は国民全体の利益という企業外の要請にもとづく公益的なものであつて、同法違反に対しては同法一八条による解雇が認められるだけで、同法においては他に懲戒処分を定めていないから、公労法一七条一項違反に対し懲戒処分をすることは許されないと主張する。
 なるほど公労法においては同法一七条一項違反の効果は同法一八条の解雇が規定されているにとどまる。そうして、公労法一七条一項は国民生活の利益保護を目的としたもので、一方、国公法上の懲戒処分制度は、事業運営維持の規律保持を目的としrこものではあるが、公共企業体等がその目的を達成するためには業務の適正かつ円滑な運営が必要不可決であつて、これが国民生活の利益保護と直結していることからすれば、右公労法の規定はかかる企業体運営上の利益保護をも目的としているものと解される。また、争議行為は集団的行為ではあるが、-面において個人的行為としての面をも有し、違法な争議行為に参加した場合においては企業体運営上の服務規律に違反したものとして懲戒責任を免れないところである。原告らは公労法一七条一項の規定に違反した場合において同法八条にこ解雇の規定があるだけで他に何等の規定がない以上、公労法が国公法の特別法としての法形式を有する限り、懲戒処分を課することを否定する趣旨であると主張する。しかしながら公企業公務員を含め国家公務員の任用の法律関係は公法上の法律関係であつて、その間の勤務関係の基本的条件は国公法によつて定められ、一般私企業の場合と異り、国家公務員一般について、その勤務関係の特質から法令遵守義務(国公法九八条一項)、職務専念義務(同法一〇一条一項)等職務上の義務の外信用失墜行為の禁止(同法九九条)等職場の内外を問わず一定の義務が課せられ、右規定に違反した場合には懲戒処分に処せられ(同法八ニ条)るところ、公労法においては国公法の右懲戒処分の規定の適用を除外していない(公労法四〇条)。このように見てくると原告ら現業の国家公務員が右公労法の規定に違反する争議行為をなせば、その効果として事業運営上の規律保持を目的とする国公法九八条一項、九九条、一〇一条一項の各規定に違反することとなり、同法八ニ条所定の懲戒責任を免れない(昭和五三年七月一八日、最高裁判決参照)。また、原告らは被告が懲戒処分を課する場合就業規則を適用していないと主張するが、原告らに対する懲戒処分において就業規則に格別の定めがなくても、国公法によつてなし得ることは当然のことである。もともと、就業規則とて国公法や人事院規則の規定に違反して懲戒に関する定めをなし得ないところであり、仮に、何等かの定めをなすにしても国公法や人事院規則の規定をそのまま引き写すか、あるいは、それらの規定の解釈上、当然のことを注意的に書き現わすかのいずれかにならざるを得ない。〈証拠略〉によれば、郵政省就業規則(昭和三六年二月ニ〇日公達第一六号)一一四条によると職員は一 公務員法、人事規則、公労法一七条の規定又は規則に違反した場合、ニ 職務上の義務に違反し、又は、職務を怠つた場合、三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくなし非行のあつた場合の一に該当する場合には郵政省職員懲戒処分規定(昭和ニ六年三月公達第三三号)の定めるところにより懲戒されることがあるものとする旨、同一一五条には右懲戒処分として免職、停職、減給、戒告の四種類のある旨規定されていることが認められ本件各処分が就業規則によつてなされるべきであるとしても結果において何等消長を来たすものではない。」

★◎10690全逓洛西支部事件 京都地判昭55・6・6 労民集31巻3号682頁

★★★◎10691全電通一宮分会・名古屋中統無中分会事件 名古屋地裁昭53・12・15 労判311
 昭和四四年春闘(四月一七日)において、全電通が実施した賃金闘争を中心とする春闘における全国五拠点九事業所の時限スト(始業時より一一時まで)に関し、ストの準備を通してこれを指導したこと、ストに参加したことを理由になされた分会役員等に対する懲戒処分(戒告~停職三力月)の有効とした判例。

 なお、昭和44・4・17ストの東海地本傘下の組合員に加えた懲戒処分の内訳

地本現地派遣執行委員 1名 停職十月
拠点支部執行委員長 2名 停職一年
拠点支部執行委員長二役 4名 停職十月
拠点支部現地派遣執行委員 3名 停職八月
拠点支部残留執行委員 7名 停職六月(拠点支部とは愛知県支部と名古屋支部をいう)
他支部役員(現地派遣)16名 停職二月
拠点分会長 2名 停職二月
拠点分会二役(副委員長・書記長)3名 停職一月
分会執行委員 7名 減給1/10
一般組合員 318名 戒告

判決の要所
「(二)公労法一七条一項違反のストにつき公社法三三条に基づく懲戒処分の適法性
(1)違法ストもストである以上は、労働者の団結体たる労働組合の統一的集団的行為であることは当然であるが、反面においてストは、団体構成員である組合員が共同して意欲した個別行為の集合であることも否定することができない。従つて、端的に言えば、ストは組合の行為であると同時にこれに参加した個々の組合員の行為であるから、違法ストにつき組合が団体として責任を負うのとは別に、個々の組合員もその責を負うべきである。
 元来、スト権の保障は、正当な争議行為に限りこれを労働法上団体行動として保護することである。ストは業務の正常な運営を阻害する行為であるから、一般市民法上は刑事、民事の責任が生じ得べきものであるが、これらの責任を免責し、また、ストを理由とする解雇等の不利益取扱いを禁止することに、スト権の権利性が認められる。このようなスト権の保障は正当な争議行為に限られており、ストが不当、違法なときには、それは労働法上もはや団体行動として保護されず、右に述べたような正当な争議行為に与えられる免責的利益を享受し得ないのである。換言すれば、違法ストは労働法上の団体行動ではなく、法的には個々の労働者の個別行為として経営秩序や服務規律に服することとなるのである。もちろん、ストが労働組合の行為でもあるという側面から、組合としても責任を負うべきことが生じ得るが、この組合としての責任と個々の労働者の責任とは、別個独立のものとして併存するのである。
 正当な争議行為の民事免責を定める労組法八条は、「労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない」旨規定し' 本来免責なき場合に組合員個々が使用者に対し債務不履行ないし不法行為による責任を負うことあるべきを当然予定している。また、同法一二条は、法人の不法行為能力に関する民法四四条の規定を、法人たる労働組合に準用するものとしているが、右民法の規定の解釈上、法人とともに機関個人の責任が生ずるものと解されている。そして、労組法一二条は、同法八条に規定する組合の正当な争議行為については、右準用を除外する旨明らかにしているのである。
 以上は、違法スト一般についての懲戒責任の法理であるが、公務員関係のストとその懲戒責任については、次の点が注意さるべきである。
 一般に私企業における企業秩序ないし服務規律は、労務の提供に関連する事項に限定され、私企業における懲戒処分は原則として、このような企業秩序の維持の目的の範囲において行なうことができるものと解されている。これに対し、公務員関係等における秩序は後にも述べるとおり、公務員等の地位の特殊性から、単に労務を提供することに関連する義務に限らず、公務員たる地位等に伴う様々な服務義務、例えば、信用失墜行為の禁止、政治的行為の制限、営利企業への従事制限等の義務を課しているという意味において、私企業の労働関係における企業秩序とは異なる特殊性をもつものである。したがつて法の禁止に違反する争議行為についても、単に職務秩序違反というにとどまらず、法によつて課せられた公務員等としての服務義務に違反する側面をもつことを、看過することができないのである。
 また、国公法は、国家公務員たる職員について適用すべき根本基準を確立する等の目的(一条)から、九八条二項において職員の争議行為等を禁止しているのであつて、その旨は、団体的に行なわれる争議行為を組成する個々の職員の行為を違法なものと評価し、これを禁じていると解せざるを得ない。公労法一七条一項も同様に、職員および組合員の一切の争議行為を禁止し、同法一八条は右規定に違反する行為をした職員について、解雇という不利益処分を定めているのであるから、争議行為が集団的な性格をもつということを理由に、個々の職員の行為について、法律の規定に基づきその懲戒責任を問うことを妨げるべき理由は全くないのである。
(2) 被告公社は公社法三三条で公社職員に対する懲戒制度を定めているが、これは公社職員の義務違反ないし非違行為について法定の制裁を課することによつて「職員等の非違を戒め、公社の秩序を維持することを目的とする」(日本電信電話公社懲戒規程二条)ものである。一般に私企業における懲戒の目的については、使用者の立場からする職場規律ないし企業秩序の維持にあると解されている。公社職員の懲戒もその服務関係の秩序維持の目的から設けられている点においては、私企業における懲戒と実質的に共通する面のあることは否定できないが、服務関係における秩序は公社職員の地位の特殊性に照らし、私企業の労働関係における企業秩序と本質的に異なる要素をもつことが注意されなければならない。
 すなわち、わが憲法上公務員はすべて全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないとされ(憲法一五条二項)したがつて、国家公務員たる職員にすべて国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、かつ、職務の遂行にあたっては全力をあけてこれに専念しなければならないものと服務の根本基準が定められている(国公法九六条二項)が、これを公社職員についてみれば、公社法一条、三四条の当然の帰結として日本電信電話公社職員就業規則(以下「就業規則」という。)四条の服務の基準等、すなわち、職員はその職務の遂行にあたり公社業務を合理的かつ能率的に運営して、国民の利益を確保することによって、公共の福祉を増進することを常に念頭に置き法令等を遵守するとともに職務(こ専念することを求めているのであつて、条文の体裁を異にするとはいえ、その趣旨は全く公務員と同じである。
 このことは公務員等の服務関係は国民に対し、職務の民主的かつ、能率的な運営を保障することを目的とする(国公法一条一項)のであり、いいかえれば、それは国民の信託、その負託ということによって基礎づけられることになるのであつて、このような勤務関係の特殊性から法あるいは就業規則は公務員等に対し、種々の義務ないし制限を課しているのである。
 国公法等が公務員等に対して課している法令および上司の職務上の命令に従う義務(国公法九八条一項、公社法三四条一項)や職務専念義務(国公法一〇一条一項、公社法三四条ニ項)は、私企業の労働関係においてもこれと同様のものを見出すことができるにせよ、公務員等の場合には国民全体の利益ないし公共の利益の維持という見地から、法によつて課せられている義務である側面を逸することはできない。
 また、私企業における企業秩序ないし服務規律は、原則として労働者の労務の提供に関連する範囲に限定されると解されているが、公務員関係等における秩序維持の要請は、公務員等の地位の特殊性がこのような労務の提供に関する限度にとどまらず、職務の内外を問わず全体の奉仕者たること自体を対象として様々な服務義務を課している。例えば、信用失墜行為の禁止(国公法九九条、就業規則九条)、私企業からの隔離o営利企業等の従事制限(国公法一〇三条、一〇四条o就業規則一一条)などがその典型である。これらの義務ないし制限は、私企業の労働関係にはみられない固有のものということができる。
 要するに、公務員等の懲戒制度は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき公務員等の特殊的地位に基づき、公務等の執行ないしは公務員等に対する国民の信頼を維持することにその目的があり、使用者の利益保護を目的とする私企業の懲戒制度と、これを同一視することはできないのである。法の禁止に違反する争議行為についても、このことは同様である。被告公社の電信電話業務は公衆電気通信法によって、公共企業体たる被告公社の独占業務として組織づけられているものであり、それが正常に運営されること自体が国民全体の利益と密接な関係にあるというその本質に照らして、争議行為は公社業務の維持の面からする職務秩序に違反するものであるとともに、他面においては準公務員として課せられた服務義務に違反する側面をも有し、懲戒責任は免れ得ないところである。
 したがつて、職員が公労法一七条一項違反の争議行為を行なつた場合は、そのこと自体、①就業規則に従う義務を定めた規定(公社法三四条)、職務専念義務を定めた規定(公社法三四条)に違反するとともに、②職務上の義務に違反し、または職務を怠つた場合に該当し、同時に、就業規則五九条-八o一九号にも該当する。
 したがつて右行為は、公社法三三条の定める懲戒事由に該当するものとして、懲戒責任を免れ得ない。
(3) 公労法と公社法及び就業規則との関係
 公社法及び就業規則の服務規程は、準公務員たる公社職員について適用すべき各般の根本基準を確立し、国民に対し、職務の合理的かつ能率的な運営を保障すること等の目的で制定され、同法の服務および懲戒関係の諸規定は、このような立法目的に基づき服務関係における秩序を維持する観点から定められている。一方、公労法は公共企業体等の労働条件に関する苦情または紛争の友好的かつ平和的調整を図るため、団体交渉の慣行と手続とを確立することを第一次の目的として(一条)、この関連において公共企業体等の正常な運営を最大限に確保するため、職員等の争議行為を禁止しているのである。このように公社法等と公労法とは立法目的を異にし、その規律する側面を別にしている。公務員等の関係における秩序維持ないし服務義務の確保ということは、本来国公法等に予定されている事項である。したがつて、公労法一七条一項違反の行為は、右にいう服務義務確保の観点から考察した場合、公社法三三条の問題となるのである。
 もとより公労法一七条一項違反の争議行為は、同法一八条の構成要件にも、公社法三三条の構成要件にも該当する。しかし先に述べたような公社法等と公労法との立法目的の相違に照らし、右の両者は併立し、そのいずれかを適用することは可能であるし、また適法である。
 右のいずれを適用するかは、結局のところ公共企業体側の選択に委ねられていると解される。
(4) 公労法一八条の立法趣旨
 公労法一八条の解雇が懲戒解雇の性格を有するか否かについては、見解が分れているところであるが、千代田丸事件判決(昭和三八年(オ)第一〇八九号o同四三年一二月ニ四日第三小法廷判決)が述べているように、公社法における職員の身分保障に関する規定にこかかわらず解雇することができると定められた趣旨に照らし、公社法に規定する懲戒処分としての免職とは別個の処分ということができよう。
 しかし他面において、公労法一七条一項違反の争證行為に対して法が解雇でのぞむことを明らかにし、違反者を公共企業体等から排除すべきことをはつきりさせていることは、業務の正常な運営を阻害する行為の発生を容認できないとしてその違反を重大視しているものである。この意味において一八条の解雇は、実質的にみて制裁としての性格を有するものであることは否定できない。
 右に述べたように、公労法一七条一項の違反の行為に対する一種の制裁として法が解雇までできると定めた趣旨に照らしても、当該行為の態様、程度等を勘案して、解雇に至らない停職以下の懲戒を行ない得ることは当然というべく、かく解することこそ合理的であるといわなければならない。違法争議行為に対しては、公労法一八条の解雇しかあり得ないとする見解は、常識的に考えても妥当性を欠くものである。」

★★10692全電通荻窪分会事件 東京地判昭54・9・14 労判327
 43年春闘における半日ストを共謀、あおり、そそのかしたことを理由とする電電公社職員4名の停職一ヶ月、減給、戒告処分を有効とする

★★10693全開発昭和46年公務員共闘統一行動職場集会事件 札幌地判昭54・10・9
 
 昭和46年7月15日北海道開発局で239の出先機関中182の出先機関において始業時から29分以内の職場集会に対して、全開発中央執行委員長と書記長2名を停職一月、全開発本部役員4名を一月ないし六月間俸給の月額十分の一減給、全開発支部役員32名と、本部役員1名は。各地方部局出先機関において、集会を実施し進行に関与したことを理由として、1月ないし二月間俸給の月額の十分の一減給処分。

★★10694 全農林(46年闘争)事件 東京地判平2・4・19 判タ727、判時1349

10695 全司法東京地裁事件 東京高判昭55・10・29 行政事件裁判例集31巻10号2140頁
★★10696 全運輸近畿陸運支部事件 大阪地判昭54・8・30 民集39巻7号1408頁 判タ396
10697 全林野西条分会事件 大阪地判昭48・3・27 労民集30巻6号1164頁 判時972

(全逓東北地本事件で否定された下級審判例)
★10698 都城郵便局事件 東京地判昭46・11・12 労民集22巻6号1030頁、判時658
★10699 江戸川・昭島郵便局 東京地判昭48・6・28 労民集24巻3号345頁、判タ297
(参考)
10700 千代田丸事件 最三小判昭43・12・24 民集22巻13号3050頁 
(電電公社の解雇が裁量権濫用として無効とされた判例)

 

2015/01/03

正月テレビ番組といえば

テレ朝元旦の芸能人格付けは見た。峯岸みなみはそつなく仕事をこなしいるがもっと順位の高いメンバーを出すべき。テレ東二日の寄席中継のケーシー高峰の漫談は毎年楽しみにして見てる。むかしは四日か五日に美少女タレント宣伝番組を高田純次の司会でやってたのを毎年みてたがやらなくなったな。
絶対見たくない番組は超マンネリの「箱根駅伝」。関東の私大の宣伝と新聞社のメンツ以外になにが価値があるのか全くわからない。たかがローカルイベントなのに視聴率高すぎ。瀬古さんが週刊新潮に書いてたように、駅伝からマラソンに転向して成功する人が少ない。大学の陸上部が視聴率を取っている駅伝選手養成に力を入れるのはわかるが、そのためにマラソンの選手層が薄くなり、男子マラソンでオリンピックのメダルがとりにくくなった要因の一つという趣旨だったと思うが、正論だろう。

2015/01/02

入手資料整理146

10671樋口泰行『変人力・人と組織を動かす次世代型リーダーの条件』ダイヤモンド社2007
10672七十七銀行事件仙台地判昭45・5・29労民集21巻3号689頁
10673三越事件東京地決昭29・2・24労民集5巻1号82頁
10674ミツミ電機事件東京高判昭63・3・31判タ682頁
★★10675北九州市交通局事件最一小判昭63・12・8 労働判例530の評釈
★10676北九州市交通局事件福岡地裁昭52・11・18労民集31巻5号1048頁
 本件は地公労法によって禁止された争議行為ではないとして懲戒処分を無効とした福岡労委の救済命令取消訴訟であるが、一審は棄却、二審は救済命令取消、最高裁は懲戒処分を適法とした二審を維持する判決を下したものであるが、二審で破棄された一審判決はつぎのようだった。

「本件昭和四一年六月ニ一日から二三日まで、同月二七日から七月一日まで及び同月三日の参加人及びその組合員(訴外中島ぼか一二名を含む)らの行動が、超勤拒否、安全点検、あるいは年休要求と、いろいろ名目は違っても要するに自らの事業所における業務阻害を目的とした争議行為ないしはそれに付随した争議手段であったことは、前記認定の事実にてらして明らかであり、その意味で年休申請も労働者の私的生活上の必要に基くものではなく、その実質はス卜ライキであった。
そこで、右期間に発生した個別の紛争の評価は別として、以上の争議行為が地公労法第一一条一項で禁止された争議行為に該当するかどうかを判断する。 前記認定にかかる本件交通事業の規模、市民利用度、独占の度合い、争議の規模、態様、争議の結果、本件争議に参加した参加人所属の組合員らの職種(乗務員、整備員主体)等を検討するに、その期間において延べ九日に及び、争議の性質上ダイヤの運休が不規則に生じたため、乗客の混乱もある程度発生じた事実はあるが、本件交通事業の内容は民間企業のそれと異るところはなく、その独占状態等を考慮しても公共性の度合いは特段に強いとはいえず、本件程度の争議を禁止してまで守らなければならなかったほど地方住民の共同利益に対する侵害が重大であり、住民生活への重大な障害があった(もしくはそのおそれがあった)とは考え難い。
 従って、本件争議行為が地公労法第一一条一項によって禁止された争議行為にあたるとは認められず、全体としてみるときは正当な労働組合の活動であったと判断するのが相当である。」

懲戒処分は、停職6か月3人(バス運転手、うち1人執行委員長、)。停職3か月4人(バス運転手3人と事務1人、うち書記長1人、副執行委員長1人)、停職1か月4人(バス運転手2、車掌1、整備士1、うち中央委員1人)

超過勤務拒否闘争、ディーラー整備員入構拒否、完全点検闘争、休暇闘争の結果、ダイヤの不規則運休により乗客にある程度の混乱を生じたとあるものの正当な組合活動であるとした。

闘争によるバスの欠行率は、6/21 8.04% ,6/22 8.55%,6/23 4.19% 6/27 8.48%,6/28 8.60%,6/29 3.90%,6/30 6.62%,7/1 6.40%,7/2 1.47%,7.3 36.79% それでも正当な組合活動というワースト判決。

★10677全専売労組山形工場事件 山形地判昭47・11・27 判例タイムズ286号
公労法17条1項は専売公社に適用されないとした一審判決。巻き上げたばこ「ハイライト」「わかば」のパッケージから段ボール詰め等の作業を行う包装課職員の3時間10分の同盟罷業等に参加したことを理由とする戒告処分を無効とした。後に最高裁では適法と判断されているが、判例タイムズの論評は「官公労働者の争議権制限立法は中郵判決以来合憲的解釈等の名目で刑事責任はもとより民事責任においても骨抜きにされ‥‥この間の労使関係の不安定、法の権威の失墜は看過できない」と司法部を批判。

(専売公社側の主張)

1、中郵判決と懲戒処分
中郵判決は、一定の条件のもとに、刑事免責を認めているが、それは、刑罰を科さない限
度でこれを放任しているにとどまり、争議行為その他の業務阻害行為は行われるべきではないという趣旨(民事免責を認めず)であることは明らかであつて、公社の職員もしくは組合が争議行為を行い、または行おうとするならば、公社はその公的機能を完全に発揮し、公共的業務の正常な運営を確保するために有効な措置をとらざるをえず、懲戒処分もその一つにほかならない。
2、本件争議行為の違法性
(1)本件争議行為の性格
本件争議行為が公社の業務の運常な運営を阻害したものであることは明らかであるが、
さらに本件争議行為の重点は、組合内部において組合員の団結強化を図り、抗議の意思を決定、表示する点にあり、したがつてそれは実質的に勤務時間内の組合活動である。
(2)公労法一七条の無視
公労法一七条が職員の争議行為を禁止していることは明文上明らかであり、同条が合憲であるか否かは職員の身分保障、仲裁制度を含め、全労働法体系を総合して判断すべきものであつて、早計にその違憲性を断ずることは許されないところ、法令遵守義務がある原告らが公労法_七条を無視して本件行動に出たことは許されない。
(3)必要やむをえない事由の不存在
争議行為は、団体交渉という平和的手段を用いてもなお対立が解けない場合に、その解決を図るための必要やむをえない手段として用いられるべきもので、公共性の高度な公社の職員は、平和的解決を図るための努力をなすべき義務が絶対的なものとして要求されるところ、本件争議行為は、民間賃金の動向が的確に把握できる状態になつておらず、公社としても責任ある回答をなしえない交渉の出発点にあり、したがつて団体交渉という平和的手段の余地が十分残されている段階で、公社に対し何らの通告なくして行われたもので、具体的にも、必要やむをえない事情のもとに行われたとはいえず、その意味で違法性が強い。
(4) スケジュール闘争
本件争議行為はいわゆるスケジュール闘争であつて、必要やむを得ない事由の存否にかかわらず、既定のスケジュールにしたがつてなされたものであつて違法性が強い。

(四)公労法一七条に違反する争議行為をした職員に対しては公社法に定められた懲戒を
なしうる。
1、争議行為に対する就業規則の適用-個別的労働関係と団体的労働関係
一般に争議行為は、労働組合の意思に従い、その統制のもとに組織的に個々の労働者
が労働契約によつて給付すべき労務の不提供ないし不完全履行(労働の中断)の形で行われるところ、その争議行為が労働法の原理に従つて行われる限りにおいて正当なものと評価され、違法性が阻却され個々の労働者はその責任を追求されないのに対し、争議行為が全体として違法な場合には、その争議行為は違法性を阻却されず、それを組成する組合員の行為もまた、違法であるとの評価を免れないか、もしくは違法性阻却事由を欠き、当然には民事、刑事の双方または一方の免責を受けられないことになり、個別的労働関係(使用者と、個々の労働者との間になり立つ基本的労働関係)における責任が追求されることになる。
2、争議行為に対する懲戒の可否
公社法は、職員の労働関係に関しては公労法の定めるところによる旨を規定し(公社法ニ六条)、公労法一八条が同法一七条違反者は解雇される旨を規定していることから、公労
法一七条違反の争議行為を行つた者に対しては同法一八条の解雇だけが許され、公社法の懲戒制度の適用はないとの解釈があるところ、解雇を認めた公労法一八条は違法な争議行為を行つた者に対し、経営秩序をみだし、あるいは業務命令に違反するなどの従業員としての不適格性を理由にこれを経営から排除しうることを規定したものであつて、契約法上もしくは組織法上労働者にとつて最も不利益な解雇を認めた同法一八条が、その程度にまでいたらない不利益を職員に与えることを禁止するものとは考えられないから、公労法一七条に違反した職員に対し公社法に定める懲戒をなしうることは明らかである。

10678神戸陸運事件 神戸地裁平9・9・30 労判726(春闘時の腕章着用による乗務拒否を不当労働行為とした地労委の救済命令を支持した事例であるが、得意先の構内に入るときは外していたことから、労務を誠実に遂行する義務に反しないとしているが疑問である)

10679仙台高裁秋田支部平4・12・25 労判690(国労マーク入りのベルトを着用して就労した組合員に対し、就業規則り書き写し等を命じたことが、人格権を侵害し違法として損害賠償を認めた原判決を支持)
10680JR東日本国労バッジ事件 横浜地判平9・8・7判タ957
10681JR東日本国労バッジ事件 東京高判平11・2・労判763(組合バッジ1.1×1.3程度でNRUの文字を着用したこひとわ理由とする夏季手当減額、本来業務取り外しの処分を不当労働行為とする原判決を結論として支持)
10682JR西日本国労バッジ事件 広島地判平5・10・2 判タ851(組合バッジ着用等を理由として夏季一時金の減額査定が考課査定権の濫用に当たるとされた)

10683全逓北見地方支部事件 札幌地裁昭50・2・26 労判221(管理職の組合旗撤去に対する妨害等を懲戒免職を無効とする)
10684全逓北見地方支部事件 札幌高裁昭54・3・29 判タ397(ストライキの指導、管理職に対する傷害行為等を理由とする懲戒免職を適法とする)
10685北九州市交通局昭和44年11月13日スト事件 福岡地判昭49・11・19 労判214
(早朝1時間半のストライキの企画、指導を理由とする組合執行委員長の地公労法12条による解雇を無効とする)
10686北九州市交通局昭和44年11月13日スト事件 福岡高判昭55・11・11 判タ435
(早朝1時間半のストと来季の企画、指導を理由とする解雇を適法とする)
なお解雇された者は過去に停職4回、戒告1回の処分歴がある。なおこのストライキでは書記長が停職6か月、その他の執行委員8人が停職2か月とし、最高裁で適法と確定している。

2015/01/01

入手資料整理145

10652坂本重雄「幹部責任」、萩沢清彦「就業規則の変更」橋詰洋三「官公労働者の基本権」ジュリスト500
10654磯田進「公務員の争議行為と憲法-都教組事件判決を読んで」季刊労働法12巻3号1962年
10655西村健一郎「判例批評・電々公社職員の反戦プレート着用と懲戒処分」東條武治「判例批評・勤評闘争に対する懲戒処分と裁量権の範囲」民商法雑誌79巻4号 
10656 岡村周一「公務員の懲戒処分と司法審査(神戸税関事件)」民商法雑誌82巻1号 
10657前田光雄「争議行為を理由とする懲戒処分が是認された例-都教組行政、神戸税関、四国財務局各事件最高裁判決の紹介について」地方公務員月報174
10658菅野和雄「公務員の懲戒処分と懲戒権者の裁量権」ジュリスト663 1978年
★★★10659時岡泰(調査官解説)国労札幌地本ビラ貼り事件昭和54・1030第三小法廷判決『最高裁判例解説 民事篇 昭和五四年度』339頁

★★★10660越山安久(調査官解説)神戸税関事件昭和52・12・20第三小法廷判決『最高裁判例解説 民事篇 昭和五二年度』414頁
10661宍戸達雄(調査官解説)四国財務局昭和52・12・20第三小法廷判決『最高裁判例解説 民事篇 昭和五二年度』435頁
★★★10662越山安久(調査官解説)目黒電報電話局事件昭和52・12・13第三小法廷判決『最高裁判例解説 民事篇 昭和五二年度』363頁
10663判決特報ベトナム反戦プレート闘争事件上告審判決・富士重工原水禁事情聴取事件上告審判決最高裁昭和52・12・13第三小法廷判決 判タ357
10664西谷敏「企業秩序と労働者の市民的自由-最高裁二判決の批判的検討」ジュリスト659
10665玉田勝也(法務省訴務局付検事)「国家公務員法上の争議行為禁止規定と懲戒処分(最判昭和52.12.20)」法律のひろば31巻3号

 神戸税関事件判決の要所は
「国家公務員は、
私企業における労働者と異なって争議行為を禁止され、争議行為中であることを理由に当然に、上司の命令に従う義務(国公法98条1項)、職務に専念すべき義務(同法101条1項)、勤務中に組合活動を行っててはいけない義務(人事院規則14-1第3項)等を免れない」

B説10666室井力「懲戒処分をめぐる公務員法上のしくみと問題点」労働法律旬報 (722・723)1969年

10667山口浩一郎「争議行為法の再定義」ジュリスト441 1970年

引用されているA説西川美教「争議権の基本的考え方と違法行為責任」季刊労働法24号46・48頁

「不法行為については、法は個人の行為がそのまま団体に帰属することを認めず、行為者の個人としての評価が残され、‥‥そこで免責を外された争議行為について不法行為が成立するときは、組合員個人の行為として責任を負わされ、民、刑事上の責任を問われる」のみならず「その場合に就業規則の適用が除外されないから、幹部が正当でない争議行為に関与したため自己の責に帰すべき非行をなしたねりとして就業規則に定める懲戒処分の対象となりうる」

B説 10668 室井力「公務員の懲戒処分について」ジュリスト472 1971年

10669 毎日新聞縮刷版 昭和44年11月13日夕刊

1-22 中村博『公務員法の理論と実際』中央経済社1972

1-23 加賀裕「地方公営企業の理論と実際』ぎょうせい1973

1-24 『新労働法講座4 労働争議』有斐閣 1967

1-25 峯村光郎『公共企業体等労働関係法 公務員労働関係法〔新版〕』1972

10670室井力・中山和久「名古屋中郵判決における憲法・行政法理論の検討」法律時報50巻4号

 プロレイバーも「画期的」と評価する名古屋中郵判決の卓越性は、公労法は労働協約締結権を認めているがこれは立法裁量によるもので、憲法が保障するものではない(憲法無保障論)、それは財政民主主義の働く余地のあるすべての法人に勤務する職員のすべてにはあてはまることを明らかにした。
 地公労法も労働協約締結権を認めているが同じことであるから、逆に立法裁量による剥奪も可能なのである。

坂本重雄「最高裁五判決の検討と位置づけ」青木宗也「地方公務員と勤務条件条例」法律時報50巻4号

1ー26大沢秀介・大林啓吾編『アメリカ憲法判例の物語』成文堂2014

高等教育機関におけるアファーマティヴ・アクション / 大沢秀介
初中等教育機関における人種統合のゆくえ / 溜箭将之
表現の自由とバーチャル児童ポルノ規制 / 大林啓吾
十字架を燃やす行為の規制をめぐる憲法問題 / 小谷順子 
他者に精神的苦痛を与える民事不法行為と表現の自由 / 藤井樹也
文化戦争と反ソドミー法違憲判決 / 松尾陽
「一部出生中絶」の禁止と中絶の権利の将来 / 小竹聡
懲罰的損害賠償とデュー・プロセス / 紙谷雅子 
少年の死刑と国際基準 / 勝田卓也  政府言論の法理 / 大林文敏 
著作権延長法の合憲性 / 築山欣央  対審権と伝聞証拠 / 君塚正臣 
「テロとの戦争」と人身保護 / 佐藤義明
大統領選挙紛争と投票権の平等 / 見平典 
団体による政治資金の規制 / 福井康佐
項目別拒否権法〈The Line Item Veto Act〉の合憲性 / 尾形健
信教の自由と司法の優越 / 小林裕紀 

 近年の連邦最高裁重要判例の要旨と評釈

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