よくぞ言ってくれた「貧困率の上昇は男女平等に原因がある」
中央公論2015年4月号(129巻4号・最新刊ではない)特集ピケティの罠-大竹文雄・森口千晶「対談-なぜ日本で格差をめぐる議論が盛り上がるのか」で目にとまったのは、 Eテレ「オイコノミア」に出演の大竹文雄阪大教授の次の発言
「2000年代になってジニ貧困率の上昇は安定していますが、相対的貧率は上がってます。貧困率の上昇は男女平等に原因があるというのが私の説です」(38頁)さすがに鋭い人だ。
90年代までは25~45歳の男性の非正規は5%以下だったが、今は15~20%。男の非正規が増え、女の正社員が増える。そうすると所得の不安定な男と結婚する女が増え、それが離婚の原因となりシングルマザーが増える。昔は女性の多くが所得ゼロか非正規だったが、正社員の男と結婚したので世帯レベルでは貧困から脱することができたと解説している。
もう少し突っ込んで女性政策との関連を説明してもらいたかったが、私は男の非正規が増えたのは女性政策というよりも、産業構造の変化、経済のソフト化・サービス化や経済の低迷が要因だと思っていた。継続雇用を強化する育児休業等の政策は、女性の新規雇用を抑制し、特定階層のみの利益で多くの女性にとって不利益と考えていたが、男性非正規を増加させる要因でもあったということなのか。 経済学者には女性活躍政策が格差を拡大させる政策だとはっきり言ってもらいたい。下駄をはかせて管理職になる女にせよ社会的地位の高い女性の旦那は大抵高収入と考えられ 特定階層の所得を増大させるための政策なのである。
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