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2015/07/18

入手資料整理164

(夫婦別姓反対論の材料)
10815 柳谷慶子「大名家の奥向と正室の役割」『歴史地理教育』724号2008年
 「「奥」の主人として君臨していた大名の正室は、自身が生母となることはなくとも、側妾の生んだ子どもの養母ないし嫡母の地位に就いて世継ぎの養育に責任のある立場にあった」
10816井戸田博史「夫婦の氏を考える」『学士院会報』861号2006年
10817坂田聡「中世百姓の人名と村社会-近江国菅浦の実例を中心に」『中央大学文学部紀要』182号 2000年
 近江国菅浦とは奥琵琶湖、教科書にも出てくる惣村の典型である。現在は長浜市西浅井町というところであり、先進地域の宮座型村落と考えられる。姓(氏名うじな)と苗字(家名)の違いについて説明し、中世百姓は貴族と同じように姓と実名(じつみょう)有し、時と場合によって字を使い分けていた。
 姓とは源平藤橘などの古代的姓氏=氏名(うじな) のことである。ただし源平藤橘を名乗るとしても、それが中央の貴族と系譜的につながるわけではない。中世前期までの村落社会は、永続的な家を基礎とするものではなく、氏と呼ばれる集団(氏神を祀る単位であるとともに領主に対する公事を負担する単位でもあの、名主や番頭の同じ氏に所属する者で継承されていた)を形成していたのである。
 字について詳しく分類しているが、日常的に呼ばれる通称のことである。一郎、三郎のように排行に郎をつけたり、排行の上に孫、助、彦、新、与、又、弥をつけたもの(助三郎など)例えば、北島三郎、勝新太郎、桂太郎のほか、橋本龍太郎、小泉進次郎がこのタイプに近く現代でもポピュラーである。「姓型字」として源平藤、中原氏の中、清原氏の清に排行などをつけた例えば、平三、源太、藤四郎などである。「官途名字」とは朝廷の官職名を取り入れたもので、左衛門、右近、勘右衛門、兵衛太郎、右馬介、権介などのことであるが、もちろん朝廷が承認したものではない。村の鎮守の宮座の場で官途成という儀式を行って初めて名乗る。宮座は祭祀組織であるとともに村内の政治を議論する寄合でもあった。本来は上層農民だけが参加できたので特権的な名前であり村内身分秩序形成の原動力になったとみられる。歴代総理では山本権兵衛という人がいる。後世では「名無しの権兵衛」というようにこれもありふれた名前ということができる。
 今日の名字(氏)今日議論されている夫婦の姓とは、古代的姓氏=氏名(うじな)のことでなく、苗字(家名)のことであり、村落社会では、家固有の財産である家産を父から嫡男(一般的には長男)に継承し、永続的な家を形成したときに一般的になった。菅浦古老では14世紀後半、新興の宮座成員では15世紀からとされる。
 それは氏という族集団を基礎とするを基礎とする中世前期の村から、家を基礎とする中世後期以降の村社会への転換を意味していたと著者は考えている。
 以下、私の考えだが、西欧でも家名に相当する父系姓の成立は13~14世紀とみられており、我が国の苗字(家名)とほぼ同じ時期といえる。日本的家制度自体は院政期に成立したとするのが通説だが、貴族では嫡子単独相続は鎌倉時代後半以降の傾向で、後醍醐天皇以降、家門安堵という形で「家」総体が安堵されたのであるから、14世紀以降の日本社会は「家」を基礎とする社会となったので、古代的姓氏よりも家名のほうが社会的標識としては意味のあるものに転換していったとみられるのである。
10818 井戸田博史「江戸時代の妻の氏」『奈良法学会雑誌』12巻3/4号2000年
夫婦別氏旧慣習説の論者だが、その根拠となる資料については批判されている。
 まず、徳川綱吉母桂昌院の位記が「藤原朝臣光子 右可従一位」とあり、徳川氏の本姓源氏ではなく養父の本庄太兵衛光利の本姓藤原氏とされていること。永代常灯籠の銘文(法隆寺、元禄七年)「母儀桂昌院本庄氏」であるが、将軍実母ではあるが桂昌院は春日局の部屋子として江戸城に入り、家光に見初められ側妾となった女性で正妻ではない。たんに雇われた人にすぎなかったのであり、これをもって夫婦別姓の根拠にはならない。系図に「母は○○女」とか「妻は○○女」とあるのは妻や母の由緒を示してたにすぎず、これも別姓の根拠にならない。墓碑については洞富雄の洞家の墓には、玄祖母について「平松もと」と生家が冠されていることもたんに由緒を示したと解釈できるので別姓の根拠にはならない。

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