公務員に労働基本権付与絶対反対-政府は巨悪と手を結ぶな

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2016/01/30

2015年アメリカ合衆国の労働組合組織率11.1%(民間企業は6.7%)

  組合組織率The union membership rateは、毎年1月下旬に労働省がプレスリリースする。今年は28日だった。http://www.bls.gov/news.release/union2.nr0.html (労働省サイト参照)
 全体で11.1%前年と同じ約1480万人、公共部門36.5%、民間企業6.7%である。たしかに1980年の20.1%、1770万人より減っているが近年はほぼ横ばいであり、今後も制度が抜本的に変化しないかぎり、同じような傾向で推移すると思われる。  http://www.kansascity.com/news/business/workplace/article57070273.html(「米国の組合員の割合は着実に保持しています」カンザスシティースター紙参照)
 
組織率の低い州 ベスト10
 
サウスカロライナ2.2%(労働権州)
ノースカロライナ3.0%(労働権州)
ユタ      3.9%(労働権州)
ジョージア   4.0%(労働権州)
テキサス    4.5%(労働権州)
アーカンソー  5.1%(労働権州)
アリゾナ    5.2%(労働権州)
ミシシッピ   5.4%(労働権州)
ノースダコタ  5.4%(労働権州)
テネシー    5.4%(労働権州)
バージニア   5.4%(労働権州)
 
 
組織率の高い州 ワースト10
 
ニューヨーク  24.5%
ハワイ     20.4%
アラスカ    19.6%
コネチカット  17.0%
ワシントン   16.8%
カリフォルニア 15.9%
ニュージャージー15.4%
イリノイ    15.2%
ミシガン    15.2%(労働権州)
オレゴン    14.8%
 
(アメリカの労働組合制度の特徴)
 アメリカの労働組合制度は、適正な交渉単位において3割以上の署名を得て、National Labor Relations Board(全米労働関係委員会)の監督する交渉代表選挙により過半数の賛成票を得た場合のみ労働組合が承認されて排他的団体交渉権を取得できるシステム。選挙については使用者側の対抗言論も認められている。組合承認が否決されたり、可決しても労働協約が締結されない場合は、労働条件は団体交渉ではなく個別交渉のままである。
 近年特に注目された組合代表選挙は、UAWが猛烈な組織化攻勢を仕掛けたテネシー州のVWチャタヌーガ工場2014年の2014年2月12~14日に行われた投票であり、反対712、賛成626 とかろうじて組合組織化を阻止できた。これはVWが明確な反組合方針をとらない脇の甘さによるものである。http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2015/02/usa_02.html
(海外労働情報参照)通常南部では組合組織化は簡単でない。北米日産のテネシー工場でも2度の代表選挙において大差でUAWが敗北しているからである。
(労働権州Right to Work States とは)
 
  1947年タフト・ハートレー法は組合を承認された職場では協約適用労働者に組合加入、団体行動の支持いかんにかかわらず、組合保障条項により組合費の徴収を基本的に認めている。
  しかし、タフトハートレー法はセクション14(b)によって、雇用条件として労働者に組合加入と組合費の支払いを義務づける組合保障協定を定めた労働協約の交渉を禁止することを州の権限として認めているのであり、これに基づいて、強制的に組合加入(ユニオンショップ)、強制的に組合費を徴収(エージェンシーショップ)されることなく雇用される州民の権利が確立している州のことを労働権州というのである。
  したがって日本でいう労働基本権のことではない。むしろ反対に反労働組合的=ビジネスフレンドリーな州のことである。
従来、労働権州とは主として保守的な南部が中心だったが、近年中西部でも共和党知事の州が労働権州になっている、そのほうが企業誘致に有利なためである。
2012年にインディアナとミシガン、2015年にウィスコンシン州が加わり、25州となった。このようにアメリカは労働組合に好意的なブロックとそうでないブロックに分裂しているのである。
 
  民間企業の業界別で組織率が高いのは 交通・輸送・ユーティリティ20.3%、教育サービス13.7%、通信13.3%、低いのは金融・保険1.6%、販売3.3%等であるが、製造業でも9.6%にすぎない。
(公務員の組織率が高いのはなぜ?)
 
  民間企業の組織率は全体で6.7%にすぎず、組織率が断然高いのは公務員といえる。連邦政府27.3%、州政府30.3%、地方公共団体41.3%(もっともバージニアやノースカロライナのように、そもそも団体交渉を違法として組合を認めていない州もある。ノースカロライナには州従業員協会はあるが、州議会議員に陳情するだけである。またアメリカでは警察や消防に団体交渉を認めている州が少なくなくわが国と異なる点である)。
 公務員の組織率が高い理由として20以上の州が 「フェアシェアサービス料」または「仲介手数料」という名目で、非組合員からも組合費を強制徴収させる制度になっているため、財政的に潤沢であるということが考えられる。
 団体交渉の成果をただ乗りさせないという、フリーライダー防止という理由であるが、現在、同意のない非組合員からの強制徴収が憲法修正1条に反するという訴訟(フリードリッヒ対カリフォルニア教師協会事件)が連邦最高裁に係属してあり、すでに今月はじめに口頭弁論が開かれている。
 昨年同性婚を全米で容認するなど最高裁をリードしているケネディ判事はリバータリアンとみられ、違憲判決の可能性もあるとみられているが、果たして、組合保障条項違憲判決まで踏み込むことができるのか。もしそうなった場合、判決の影響は大きい。公務員労組は財政的に打撃を蒙るだけでなく、全米が一挙に労働権州になる可能性もある

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