タクシー乗務距離制限違法確定とバス事故
30日朝NHK「週刊ニュース深読み」を見たが、碓氷バイパススキーツアーバス事故がとりあげられ、出演者は相変わらず、運行会社の監督を強化しろ、受注価格規制の徹底、規制緩和が問題という一本調子な議論でうんざり、最低賃金が低いのが問題とか、こじつけに近い議論もあった。
すでに書いたように、事故原因は単純で運転手の未熟練にあり、むしろ規制強化で運転手一人で運行できる距離を夜間400キロにしたことにより、運転手を二人用意する労務コストの上昇、爆買いブームで貸切バス運転手の人手不足のうえ、しかも学生向けスキーツアーの集中する1月中旬週末において技術の劣る運転手を採用せざるをえなくなったことから、もとをたどれば、マスコミの規制強化キャンペーンに乗じた国の運転距離制限が原因というのが私の見解である。
タクシーの「乗務距離制限」の違法確定 最高裁、国の上告受理せず エムケイグループ規制取り消し訴訟 http://www.sankei.com/affairs/news/160125/afr1601250011-n1.html
という記事があり、これは1月21日付の最高裁決定であるが、紙の産経新聞26日によると、
タクシーの労務管理は厚生労働省による運転手の1カ月の拘束時間を日勤で299時間以内、隔日運転手で262時間以内という労働時間規制があるということである、そのうえに、中部運輸局が日勤運転手1回あたりの走行距離の上限を270キロに制限していることについてタクシー会社は「二重の規制」と主張、各裁判所はタクシー事故件数を勘案し「距離制限を行う必要がある状況にない」と判断した。この判断を最高裁が是認したということである。
そもそもタクシーの事故なんてきいたことがない。本音は他のタクシー会社の保護なのに、安全を口実にして根拠のない規制を違法としたことで意義のあるものと考える。
そうしてみると、関越自動車道の貸切バス事故を契機とするマスコミのキャンペーンに乗じた夜間高速バスの400キロ規制も疑問に思うのである。
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