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2016/05/15

入手資料整理187

 そもそもヘイトスピーチ規制を安倍政権に依頼したのが舛添都知事だったので、ヘイトスピーチ規制反対に及び腰だったことは率直に言って反省している。ただ今年は自分が一番やりたいことをやるつもり。

110083  全日本検数協会名古屋支部解雇事件(全港湾名古屋支部全検分会事件)控訴審名古屋高判昭46・4・10 労民22-2-453 判タ261 裁判所ウェブサイト
 本件は、昭和40年11月13日時間外労働拒否が争議行為にあたると判示した。それが政治ストと認定されたため、正当性の限界を超えるとされたので、全港湾東海地方名古屋支部全検分会執行委員数名の解雇理由として是認した一審の判断を維持した判決(控訴棄却)である。
 時間外および休日労働の協定は昭和41年3月31日まで有効であり「時間外および休日労働が今日港湾の実状であり常態であることに鑑み、検数およびその他の業務がその必要を生じたときは同法第三二条、第三五条の各規定にかかわらず、時間外および休日労働に従事する。ただし従業員の健康および著しく福祉を害するものについては、この限りでない」とされていた。
 ところが、全港湾名古屋支部は「日韓強行採決の暴挙に対し厳重抗議するとともに、既定方針どおり戦え」の指示を発し、さらに名古屋支部は全検分会に対し「冬季一時金要求貫徹、不当処分反対、日韓条約反対のため‥‥11月13日全組合員は残業を拒否し、県民大会の統一行動に参加せよ」との指令を発した。分会幹部は名古屋支部執行委員長名義で「時間外及び休日労働に関する協定破棄通告書(一三日午後五時以降一四日始業時まで)」を全検協会に提出し、日韓条約批准阻止中央集会および引続き行なわれるデモに参加する時間外労働を拒否したのである。
 裁判所は「本件時間外就労拒否闘争は名を冬季一時金獲得、不当解雇反対および日韓条約粉砕に藉りながら、実は日韓条約反対の意思を政府、国会に対して表明することのみを目的とした争議行為である」と認め、「使用者によつては如何ともなし難い政治的要求を掲げて争議行為、特に就労拒否をすることは、少なくとも使用者に対する関係において右諸規定の保障する争議行為としての正当性の限界をこえるものと言わざるを得ない(最高裁昭和四一年一〇月二六日判決、刑集二〇巻八号九一三頁参照)。」としたのである。
 本件は争議権のある組合であるから、時間外労働拒否は政治目的でなければ合法的な争議行為ということができそうだ。しかし、この判例の理屈からすると、地方公営企業の組合が期間の定めのある三六協定を期間中に一方的に破棄する事態は政治ストでなくても争議行為それ自体が違法であることから、問題があると考える。

以下判決の抜粋

三、時間外就労拒否について
(一) (略)
(1) 昭和四〇年六月当時控訴人名古屋支部従業員の一部は全検分会の組合員であり、他の一部は申請外全日検労働組合名古屋の組合員であり、更に他の一部はいずれの組合にも属しておらず、右いずれの組合員数も過半数に達していなかつたが、右二組合の組合員数を合算すると優に過半数を占めていたところ、被控訴人は同年五月二四日右全日検労組名古屋の代表者たる執行委員長P25と、また同年六月
六日全検分会組合員の代表者たる全港湾名古屋支部執行委員長P26と、それぞれ同年四月一日付書面による時間外労働・休日労働に関する協定を締結すると同時に、同年五月二四日付書面による賃金協定および昭和四〇年度賃金協定に関する覚書を締結、交換した上、同年六月九日所轄労働基準監督署長に対し労働基準法第三六条に基づく協定(三六協定)の届出をした。
 右時間外労働・休日労働に関する協定書には、同条に基づく協定である旨の前文に続き「時間外および休日労働が今日港湾の実状であり常態であることに鑑み、検数およびその他の業務がその必要を生じたときは同法第三二条、第三五条の各規定にかかわらず、時間外および休日労働に従事する。ただし従業員の健康および著しく福祉を害するものについては、この限りでない」旨ならびに該協定の有効期間を昭和四一年三月三一日までと定める旨の記載が存し、右賃金協定書には一箇月の時間外勤務時間を五〇時間とし、それに満たない者に対して不足時間に応じ時間外保障手当を支給する旨、および時間外労働に対する報酬額に関する規定が設けられ、また右覚書には各支部において時間外労働協定を締結した後は理由なく時間外勤務を拒否することができない旨、および理由なく時間外勤務を拒否することが屡々に及んだ場合には時間外保障手当の支給を停止することができる旨が記載されている。
(2) 同年一一月一三日午前中に開催された前記執行委員には控訴人P1を除く控訴人ら全員が出席し前記指令につき討議した結果、右指令に従い同日午後五時以後の時間外就労予定者は同時刻以後の残業を拒否すること、ならびに全分会員は同時刻集合の上午後六時名古屋市東別院広場で開かれる愛知県民会議主催の日韓条約批准阻止中央集会および引続き行なわれるデモに参加することを闘争方針として決定し、組合員(前記四日市、P14の各港勤務者を除く)の投票を求めた結果投票者の八九・六%の賛成を得たので、組合掲示板に前記全港湾名古屋支部よりの指令を記載した掲示と並べて日韓条約粉砕のスト権が確立した旨を掲示し、控訴人P15および同P16は同日前記P18課長心得に対し「時間外及び休日労働に関する協定破棄通告書(一三日午後五時以降一四日始業時まで)」を提出したが、同人から理由を付してほしいと要請されたので、更に全港湾名古屋支部執行委員長名義の「冬季一時金要求、不当処分撤回、日韓条約批准反対」の三要求を理由として記載した時間外拒否通告書を提出し、また控訴人P1を除く控訴人らは手分けをして各分会員にスト指令のビラを配布した上、同日午後五時過ぎ、参集した組合員を指揮して名古屋市内のデモに参加した。
(3) その結果同日時間外就労をすべき者五九名中四二名が時間外就労を拒否したので、被控訴人は急拠管理職者を動員し、主席検数員一八名およびハツチ検数員数名分の穴埋めをし、ハツチ検数員五名分については相手方(被控訴人が荷主から検数の依頼を受けたときは船主。船主から検数の依頼を受けたときは荷主。)の依頼する他の検数業者にその検数を依頼し(通称ダブリ検数)、その他のハツチ検数員の不足分は「かけもち」や非組合員の協力を得て急場をしのいだが、作業上混乱を生じ、後日得意先から抗議を受け、信用を失墜した。
(4) 分会執行委員会は右時間外就労拒否(残業スト)の目的として前記のとおり冬季一時金、不当解雇撤回、日韓条約粉砕の三要求の貫徹を掲げたが、当時冬季一時金については全港湾本部へ申し入れをしただけで、未だ被控訴人の回答を得ていなかつたから、闘争に突入する段階に至つていなかつたものであり、不当解雇反対の闘争はすでに繰返されていて、右の時点においてあらためて争議に持ち込む必要性はなく、前記のとおり全港湾本部からの指令は日韓条約粉砕のみを目的とし、分会内部でのスト賛否投票も同一目的についてのみ実施され、時間外就労拒否の主要目的は名古屋市内で開催される日韓条約批准阻止のための統一行動に参加することにあつたと認められ、分会幹部による前記時間外就労拒否通告書の提出も被控訴人の職制に促されて右三要求を記載したにとどまるから、これをもつて被控訴人に三事項につき要求または抗議をしたものと認めることはできず、その他本件全疏明によつても分会が当日被控訴人に対し右三事項につき(冬季一時金、不当解雇反対のみならず、日韓条約粉砕についても)要求または抗議をした事実を認めえない。
したがつて右時間外就労拒否闘争は専ら政府および国会に対し日韓条約批准反対の意思を表明し、これを阻止するための示威に参加することを目的としてなされたものと認めるほかない。
(二) 三六協定の拘束力について
 控訴人らは労働基準法第三六条に基づき労使間に締結される協定は本来使用者に対し免責的効果を付与するのみであつて、労働者に対し時間外就労を義務づける拘束力を有するものではない旨主張する。しかし、本件においては労使間に前記各協定が締結されたほか前記覚書が交換され、従業員は昭和四〇年度においては右各協定に基づく時間外就労の義務を負うことを承認したのであるから、右の主張は採用の限りでない。
(三) 本件三六協定の効力について
 前記認定のとおり一事業場たる被控訴人名古屋支部の労働者が二個の労働組合の組合員と未組織労働者とに三分され、各組合の組合員数がいずれも全労働者の過半数を占めるに至つていないが、両組合の組合員数を合算すれば過半数を占める場合において、使用者が各組合の代表者と相次いで同一期間内に適用すべき同一内容の時間外労働に関する協定を締結したときは、労働基準法第三六条所定の協定に関する労働者側当事者に関する要件を充足したものと解すべきである。
 また同条所定の協定は必ずしも一個の協定書により締結される必要はなく、数個の協定書を合一して労働基準法施行規則第一六条所定の要件を充足するときは、右各法条に基づく有効な協定が存すると解するのを相当とするところ、前記認定の時間外労働・休日労働に関する協定および賃金協定中の各協定条項を併せてみるときは、右規則第一六条所定要件中労働者数に関する事項を除きその余の要件を充足していると解することができ、右規則中労働者数に関する事項については、右各協定の趣旨上右各協定が被控訴人名古屋支部の全従業員に効力を及ぼすものとして締結されたことは明らかであり、その数は各協定当事者において了知していたものと認めるべきであるから、右各協定書が労働者数に関する記載のみを欠くことを理由としてそのいわゆる三六協定としての効力を否定すべきものと解すべきではない。
(四) 政治ストの効力について
 前記認定のとおり、本件時間外就労拒否闘争は名を冬季一時金獲得、不当解雇反対および日韓条約粉砕に藉りながら、実は日韓条約反対の意思を政府、国会に対して表明することのみを目的とした争議行為であると認められる。憲法第二八条および労働組合法の諸条項は、使用者対被用者という関係に立つ者の間において経済上の弱者である労働者の地位を向上させることを目的として労働基本権を保障しており、また現実の政治・経済・社会機構のもとにおいて労働者がその経済的地位の向上を図るにあたつては、単に対使用者との交渉においてのみこれを求めても十分に目的を達成し難いことがあるから、労働組合が右の目的をより十分に達成するための手段として、その目的達成に必要な政治活動や社会運動を行なうことを妨げられるものではない。しかしながら、右は使用者に対する関係においては労働契約上の義務と相対的に判断することを要し、使用者によつては如何ともなし難い政治的要求を掲げて争議行為、特に就労拒否をすることは、少なくとも使用者に対する関係において右諸規定の保障する争議行為としての正当性の限界をこえるものと言わざるを得ない(最高裁昭和四一年一〇月二六日判決、刑集二〇巻八号九一三頁参照)。この点に関する控訴人らの主張は当裁判所の採用し難いところである。また控訴人らは一時的政治ストは憲法第二一条の保障する表現の自由の行使として正当性を有する旨主張するが、同条は労働者が政治的見解を表明するために使用者に損害を及ぼす手段を用いることまでをも保障した規定であると解する余地はない。
(五) 違法争議に対する組合役員の責任について
 労働争議が労働組合法の保障を受けえない違法なものであるときは、これに参加した組合員の組合活動としての正当性は否定され、参画した組合員は執行機関を構成する役員であると否とを問わず、違法な行動につき民事上の責任を追及されるべきである。この点は民法上、法人が意思表示をする場合はもちろん、理事が不法行為をする場合とも場合を異にするから、控訴人らの民法を論拠とする法人責任論および機関責任論は妥当でない。

11084 全日本検数協会名古屋支部解雇事件一審務名古屋地判昭43・10・21 判時541
10085 小西国友「政治スト-全日本検数協会名古屋支部事件」労働法の判例第二版1978(控訴審評釈)
10086 下井隆史「政治スト-全日本検数協会名古屋支部事件」労働判例百選第三版 1974(控訴審評釈)
10087 伊達隆英「抜打ちスト-全日本検数協会名古屋支部事件」労働判例百選第六版 1995(控訴審評釈)
10088 中山和久「政治ストと組合役員の解雇 全港湾名古屋支部全検分会事件 名古屋地裁昭43・10・21判」『季刊労働法71号』
10089 昭和38年動労鳥栖駅事件控訴審福岡高判昭49・5・25 判時770、判タ311 裁判所

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