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2016/07/09

18歳選挙権引き下げも筋の悪い政策で強く反対だ(再掲)

 総務省の広瀬すずの広告不快だ。そもそも18歳選挙権引き下げに反対していたから明日、棄権しようか行こうか迷っている。
 若者も世論も求めてなかったことなのに政党間の取引で決められたことである。2014年3月16日ブログを再掲する。
 欲しいといってもいないのにあげるというのはばかげていた。安く売りすぎだ。ただで権利を与えるのではなく、徴兵登録導入と引き換え(もちろん女性活躍のため女性も徴兵)ならまだ話はわかるが。

 (再掲-一部修正)

 3.14朝刊で「憲法改正の手続き前進 国民投票法改正案に民主同意、成立へ」との報道http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140314/stt14031421030003-n1.htmがなされている。

---国民投票年齢については「改正法施行後4年」に18歳以上に引き下げるとする与党案を改正案に採用する。ただ、公職選挙法の選挙権年齢について「改正法施行後2年をめど」に18歳以上に引き下げるべきだとする民主党に配慮し、政党間のプロジェクトチームを設置し、2年以内に投票年齢と選挙権年齢を同時に引き下げる法整備を目指す。----とのことである。
 そもそも、この法案は第一次安倍政権の時代に、当時の自民党中川政調会長が、法案を通すために民主党の政権公約である選挙権18歳引き下げの主張に妥協したことからはじまっており、私は法案を通すための政党間の取引で選挙権も成人年齢も引き下げることに反対なので意見を上申する。
  主要国についていえばアメリカ合衆国はコモンローの成年は21歳だが、ベトナム戦争の際、反戦運動や学生運動が盛んになり、18歳以上21歳未満の者は徴兵されるのに選挙権がないのは不当だとの主張がさかんになされ、1971年に投票権を18歳に引き下げた(憲法修正26条)。
  ドイツも同じ事で、学生運動が激しくなり兵役義務が18歳からなのに選挙権が21歳なのは不公平だとの主張により1970年に18歳に選挙権が引き下げられた。政治不信を主張する激しい学生運動を懐柔させるための政策だったのである。(国会図書館調査及び立法考査局「主要国の各種法定年齢」『調査資料』 2008-3-b 2008-12月参照)
  要するに60年代末期の学生運動を背景に、徴兵制(兵役義務)とのからみで、選挙権も引下げられたということである。それは世界の趨勢になったが、あくまで、学生運動を背景とした一時の社会現象にすぎない。徴兵制のない我が国で18歳に引き下げる理由は見当たらないのである。若者が選挙権を求めているわけでもない。いまどきの若者は車がほしい。彼女がほしいとも言わなくなったのである。
  これはたぶん民主党の政策立案グループに団塊世代の学生運動経験者がいて、昔の夢よもう一度という自己満足のための政策としか思えない。だから筋が悪いと思うのである。
  そういうとおまえは、憲法改正の手続き法である国民投票法の成立を邪魔する隠れ護憲派かと非難されるかもしれないが、反戦平和運動は嫌いなのでそういうことはない。憲法九条の改正や集団的自衛権も賛成しますよ。
  しかし、将来の徴兵制導入のため若者の不満をそらすためにこの際選挙権も18歳に引き下げるとはいってない。そういう説明はない以上、この政策は法律を通すための政党間の取引に思えるから反対なのだ。
  つまり、私が言ってるのは選挙権とか、成人年齢という重要な事柄は、別の法律を通すための政治的取引の材料にすべきではないという主張である。
   とくに成人年齢引き下げには国民の7割が反対している。明治9年の太政官布告で満20歳に定められてから、約140年間続いてきたもので国民に完全に定着しているのである。 
 私は日本大学法学部民事法・商事法研究会「『民法の成年年齢引下げについての中間報告書」に対する意見」『日本法学』75巻の結論に賛成である。「国民投票法の制定に伴い、成年年齢の引下げが議論されているが、私法においては、満二〇歳の成年制度で長い間安定しており、これを引き下げることは混乱を生じるだけではないかと思われる。‥‥立法趣旨についてきちんとした議論が全くなされてない状況において改正論議だけが先行することは、法改正のあり方として、あまりにも拙速である。」
 憲法改正には反対していない。悪法は廃止し、改正すべきである。しかし改正してはいけないものもある。成人年齢と親族法とか、安易に政治的取引で法改正とてしまっていいみものではないと考える。
 もっとも今回の自公民三党合意は成人年齢にふれていない。しかし三党合意で選挙権が2年以内に引き下げられると決定されれば、次は成人年齢に俎上に載せられるだろう。
実際、外国の例では成人年齢と選挙権は一致していることが多いからである。アメリカ合衆国では45州が18歳、コロラド、ミネソタ、ミシシッピが、コモンローと同じく21歳、アラバマ、ネブラスカが19歳である。
 私はコロラド、ミネソタ州のように選挙年齢と成人年齢が違っていてもいいと思うが、選挙権が引き下げられれば、国民の7割が反対しても成人年齢もということになりかねないので危惧しているのである。

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