公務員に労働基本権付与絶対反対-政府は巨悪と手を結ぶな

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意見具申 伏見宮御一流(旧皇族)男系男子を当主とする宮家を再興させるべき 伏見宮御一流の皇統上の格別の由緒について(その二)

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2016年7月の12件の記事

2016/07/27

深層心理に訴える戦後最大級殺人事件の容疑者

 安楽死による救済というミッションなんて人権無視の言語同断、抵抗できない弱者を狙った卑劣な犯行という非難の大合唱になるかと思ったら、ネットの反響をみるかぎり容疑者同情論も少なくなく意外に冷静だ。
 植松容疑者は少なくとも3年、やまゆり園で働いているが重度障碍者の介護という仕事は志がなければそう続くものではないだろうと思うし、実際特別支援学校の教員を目指して修行してきたとのことであり、父も小学校教員だった。しかしこの施設での仕事が、いわゆる「良い仕事」とは思えずそれなりの苦労はあったのではないかという推測である。
 テレビもみたが近所でははきはき挨拶し、好青年と評判も悪くない。
 容疑者は衆院議長宛直訴状のなかで  「全人類が心の隅に隠した想い を声に出し、実行する決意を持って行動しました」 とあり、いらんものは抹殺したいという気持ちはどういう人でも心の片隅に持っているはずという深層心理をえぐったような、通俗道徳、ヒューマニズムの偽善性を突く鋭い表現もあるからだ。 
 27日発売の日刊ゲンダイでは、神奈川県警は大失態、彼の行動確認をし、施設と密接に連携し、警ら回数を増やすべきだったとの元刑事のコメントをのせ、大麻陽性なのに警察に通報しなかった政令指定都市相模原市の対応も批判している。一方、、都知事選挙某候補へのつぶやきでの脅迫事件はあっという間に逮捕したが、想定外の事件とはいえそれに比べると鈍いといわざるをえず、やっぱり深層心理では人間は社会的地位によって命の重さに違いがあると思い知らされた感もあり、この点容疑者の言っていることはある意味であたっているかもしれない。
 

2016/07/24

横綱昇進基準は厳しすぎないか

 稀勢の里の直近3場所の成績は13勝2敗、13勝2敗、12勝3敗であり38勝7敗、私が横審委員なら昇進させたいが、近年は相撲協会の方針で厳しくなっていることに疑問をもつものである。
 例えば柏戸は10勝5敗、11勝4敗、12勝3敗であり33勝12敗で大鵬と同時に横綱に昇進しているし、若乃花(初代横綱)は11勝4敗、12勝3敗、13勝2敗である。
 男女ノ川は9勝2敗、8勝3敗、9勝2敗。武蔵山は9勝2敗、8勝2敗1分、9勝2敗。
 優勝経験がないじゃないかというが、照國は13勝2敗(関脇)、12勝3敗、13勝2敗と大関2場所で横綱昇進、優勝は横綱になった後でかなり遅い。

冷静な東スポ報道、ポケモンGO「業績の影響は限定的」

 世界的大ヒットでツイッターのアクティブユーザー越えと伝えられているポケモンGOだが、22日任天堂が「当社の連結業績に与える影響は限定的」と云う声明を出した。http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1607/22/news144.html このアプリは米企業Nianticが開発・配信し、任天堂の関連会社であるポケモンはライセンス料と開発運営協力への対価を受け取るだけ。ポケモンについて保有する議決権32%に応じる形で反映されるにとどまるため。これは23日発売の東スポの報道で知った。
 失われた30年の日本で久々に景気のいい話だと思っていたが調べてみると、ARなど革新的技術は、グーグルの残党が作った会社のもので、日本のものではないようである。
 勿論任天堂は組合不在企業で、故人の岩田社長とは同じ年代なので、低迷から脱出したのは喜ばしく思うけれども、20年前のポケモンのリバイバルというだけで新味はなく、社会主義政策を進めるアベノミクスよりはるかにましだが、トレーナーが外を歩き回るだけで景気回復の起爆剤になるのかなお疑問がある。

2016/07/18

地方公営企業職員の争議行為及び争議付随行為に対してどのような責任追及ができるか(下書)その4

その1 http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-d28c.html
その2 http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-99e8.html
その3 http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-99e8.html
承前
C 名古屋中郵事件方式により諸般の事情は違法性を肯定する方向で考慮される
 久留米駅事件方式は争議行為そのものと、争議行為に際して行われる行為とを区別し私企業を含めた判断基準として広く引用されているが、その後公労法違反の争議行為、および付随行為については全逓名古屋中郵判決において久留米駅事件方式を継承したうえで発展させた判断方式が示されるに至っている。
 香城敏麿国鉄松山駅事件調査官解説は名古屋中郵事件最大判昭52・5・4刑集31-3-182判決の要点を3点にまとめている。
(イ)公労法一七条一項違反の争議行為が罰則の構成要件にあたる場合には、労組法一条二項の適用はなく、他の特段の違法性阻却理由がない限り、刑事法上これを違法とすべきである。
(ロ)但し、右の争議行為が単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであって、公労法一七条一項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けないようなものである場合には、その単純参加者に限り、当該罰則による処罰を阻却される。
(ハ)これに対し、公労法一七条違反の争議行為にあたらず、これに付随して行われた犯罪構成要件該当行為の場合には、その行為が同条項違反の争議行為に際して行われたものである事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきか否かを考察してその違法性阻却事由の有無を判断しなければならない。
 本件ピケッテイングが争議行為そのものといえるか、争議行為に際して行われた行為なのかは解釈の余地にあるかもしれないが、仮に後者だとしても、その場合は今日的には(ハ)の判断基準の公労法一七条一項を地公労法一一条一項に言い換えた判断基準が適用されるとものと考えられるのである。この点で、公労法と地公労法を別異に解釈する理由がないからである。
  つまり争議附随行為は「諸般の事情」を考慮に入れたうえ実質的違法論に立脚し「法秩序全体の見地から」違法性阻却事由を判断するということであるが、重要なことは、基本となる争議行為自体が公労法一七条一項に違反する点も「諸般の事情」の一素材になるということである(臼井1977c)。
 この点は香城敏麿名古屋中郵事件調査官解説(183p)も、「判旨を‥言い換えるなら (イ)付随的な行為の目的が公労法違反の遂行に向けられているときには、行為の違法性を肯定する方向でその目的が考慮される、(ロ)付随的な行為の手段が公労法違反の争議行為の未遂的行為又は予備的な行為であるときにも、行為の違法性を肯定する方向でその点が考慮される、ということに帰する」と述べており、違法性が阻却されることはまずないものと理解できるのである。
D   国労広島地本事件最三小昭50・11・28判決により組合の違法争議行為指令は組合員を拘束しないという内部統制否定の法理が示されており、争議行為が禁止されている職場においては罷業脱落組合員に対するピケッティングとしても正当化されることはない


 本件多数意見が本件ピケッティングは、同盟罷業から脱落した組合員が、当局の業務命令に従って市電の運転を始めたので、組合の団結が乱され、同盟罷業がその実効性を失うのを防ぐため、翻意を促す目的でなされたものであるという具体的事情のもとにおいては、正当な行為と認めるとした。
 対して、松本正雄裁判官の反対意見は争議から脱落した組合員であるとしても、もともと職員の争議行為は禁止されており、これに違反した職員は解雇されることがある。(地公労法一一条、一二条参照)のであるから、業務に従事しようとする組合員個人の自由意思は特に尊重されるべきであり、これを実力で阻止することは、組合といえども許されないと述べたのである。
 松本裁判官の反対意見は当時は少数意見に過ぎなかったが、以下( 公労法適用職場においてスト参加を強要する組合の統制権を否定する6判例参照)のような多数の判例により違法争議行為指令に組合員が拘束されないこと(内部統制否定の法理)が明確にされた。高裁判決は上告棄却であり、最高裁判例もある以上、今日においては、争議行為が禁止されている、旧公労法や地公労法適用職場において、同じ組合員であるから、組合の統制権により罷業からの脱落を防止するために実力を行使するのは正当な行為とはされないことは明らかである。
 ちなみに最高裁が物理的に阻止するピケを有罪としている事例は、本件昭和45年当時は、いずれも非組合員や争議行為に反対する脱退組合員、第二組合員に対してのものであり、三友炭鉱事件と本件は同じ組合員に対するもので、無罪とされていた。
 しかし、その後の動労尾久事件のほか下記の動労糸崎駅事件、動労鳥栖駅事件はいずれも、昭和38年12月の全国8拠点での2時間の勤務時間内職場集会(事実上のスト)の事案で、動労組合員が当局の業務命令により;乗務している動労組合員を職場集会に参加させる目的で、線路上のマスピケにより、乗客の乗っている列車を止めた事件であり、有罪となっているのであるから、地公労法適用職場においてもこの内部統制否定の法理を別異に解釈する必要はないと考えられる。
公労法適用職場においてスト参加を強要する組合の統制権を否定する6判例
①全逓横浜中郵事件差戻後控訴審 東京高裁昭47.10.20判決 判時689号51P 判タ283号120P 労判164号29P 労働法律旬報822号(差戻後上告審-最一小昭49.7.4決定棄却 判時748号26P)
②動労糸崎駅事件控訴審  広島高裁昭48.8.30判決 刑事裁判月報5巻8号1189P 判タ300号 労判184号(上告審-最一小昭51.4.1決定棄却 刑事裁判資料230号215P)
③国労岡山操車場駅・糸崎駅事件控訴審 広島高裁昭48.9.13判決 刑事裁判月報5-9-1958、判タ301号、労判187号、判時727号(上告審-データベースから発見できず)
④動労鳥栖駅事件控訴審 福岡高裁昭49・5・25判決 判タ311号97P 判時770号11P(上告審-最三小昭50.11.21決定棄却 判時801号101P)
⑤国労東和歌山駅事件控訴審 大阪高裁昭50.9.19判決 刑事裁判月報7巻9-10合併号826P(上告審-データベースから発見できず)
⑥国労広島地本事件上告審 最三小昭50・11・28判決 民集29巻10号1634P 判時時報798号3P、判タ30号201P 
 以上の6判例は、組合の違法争議行為指令は組合員を拘束しないという内部統制否定の法理を示したものとして知られているものである。
⑥は組合の統制権を争点とした最高裁第三小法廷の判決である。①~⑤はいずれもマスピケ事犯で、無罪判決を破棄して公務執行妨害罪又は威力業務妨害罪を適用し有罪とした高裁判決であるが、上告審は①②④が上告棄却で原判決を認容しており、著名でない③⑤は筆者が調べた範囲では判例データベースで上告審を発見できなかったが、棄却と考えられるから、公労法適用の職場ではスト参加の内部統制否定の法理は判例として確立されているとみてよいと考える。
①全逓横浜中郵事件差戻後控訴審東京高裁昭47.10.20判決は「公共企業体等の職員および組合は公労法一七条一項により争議行為を禁止されているのであるから、組合自身も組合員もこれを行なつてはならない義務を負っているこというまでもない。それゆえ、組合としては組合員に対して同盟罷業への参加を強制することのできない筋合いのものであり、これを組合員の側からいえば、各組合員は、法に従うべきであるという建て前からも、また自らが解雇等の民事責任を負わないためにも、組合の指令にもかかわらず、同盟罷業に参加することなく就業する業務を負うとともに権利を有するものである。いいかえれば、公共企業体等の組合がたとえば同盟罷業の決議をしても、その決議は違法であって民間企業の組合の場合のように組合員に対し法的拘束力をもつものではなく、組合員としてはその決議に従わずに就業しても、特段の事由のないかぎり組合の統制に対する違反ないしはいわゆる裏切りの問題は生じないと解すべきである‥‥」とする。
②動労糸崎駅事件控訴審広島高裁昭48.8.30判決 は「一切の争議行為が少なくとも労働法上一般的に違法とされている国鉄においては、組合は組合員に対する統制権の行使を理由として、斯る違法な争議行為に参加することを強制することは許されず、組合員は右職場集会実施の組合本部指令に服従すべき義務はなく、従って、これに参加を促がす勧誘、説得を受忍すべき義務もないのである。」とする
③国労岡山操車場駅・糸崎駅事件控訴審広島高裁昭48.9.13判決は「国鉄職員は、公共企業体労働関係法一七条一項により争議行為を禁止されているのであるから、国労の組合員も争議行為を行ってはならない義務を負っていることはいうまでもない。それゆえ国労としては、ピケッティングの対象が国鉄職員である以上、非組合員はもとより、たとえそれが組合員に対する場合であっても、ストライキへの参加という違法な行動を強制することのできない筋合のものであって、組合がなしたストライキ決議は違法であり、組合員に対して法的拘束力をもつものではない。」とする。これに参加を促がす勧誘、説得を受忍すべき義務はないのである」とする。
④動労鳥栖事件控訴審福岡高裁昭49・5・25判決は「公共企業体等労働関係法一七条一項は、公共企業体である国鉄の職員および組合が争議行為を行うことを禁止し、職員、組合の組合員、役員は、この禁止された行為を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならないと規定し、同法一八条は、右規定に違反した職員は、解雇されると規定しているのであるから、本件の国鉄動力車労働組合その組合員も争議行為を行つてはならない義務を負つていることはいうまでもない。‥‥それ故、組合としては、組合員に対して、公労法上違法とされ、しかも解雇等という民事責任を負わされるような同盟罷業に参加を強制することはできない筋合であって、組合がたとえ同盟罷業を決議しても、それは公労法上違法であり、民間企業の組合の場合のように法的拘束力をもつものではなく、組合員としては組合の決議、指令にかかわらず同盟罷業に参加することなく就業する自由を有する‥‥」
⑤国労東和歌山駅事件控訴審大阪高裁昭50.9.19判決も広島高裁昭48.9.13判決と上記の部分は全く同じである。
 以上5判例はマスピケ事犯である。
 
⑥国労広島地本事件最高裁第三小法廷昭50・11・28判決は脱退した国労組合員に対する組合費請求に関するもので、最高裁は本件臨時組合費の闘争資金の支払請求を認容し、組合員には協力義務があるとしたが、争議行為の参加については組合は組合員に対して「多数決によって違法行為の実行を強制されるいわれはない」としたものである。同判決は、組合決議の拘束力一般について検討し次のように判示している。
 「思うに、労働組合の組合員は、組合がその目的を達成するために行う団体活動に参加することを予定して加入するものであり、また、これから脱退する自由も認められているのであるから、右目的に即した合理的な範囲において組合の統制に服すべきことは、当然である。したがって、労働組合の決定した活動がその目的と関連性をもつものである限り、たとえ個人的にはそれに反対の組合員であっても、原則としてはその決定に拘束され、そこで定められた活動に参加し、またその活動を妨害するような行為を避止する義務を負うとともに、右活動の経済的基礎をなす組合費を納付する義務(以下これらの義務を「協力義務」という。)を免れないというべきであるが、他方、労働組合の活動が多様化するにつれて、組合による統制の範囲も拡大し、組合員が一個の市民又は人間として有する自由や権利と矛盾衝突する場合が増大し‥‥‥‥労働組合の決定した活動が組合の目的と関連性を有するというだけで、そのことから直ちにこれに対する組合員の協力義務を無条件で肯定することは相当でなく、問題とされている具体的な組合活動の内容・性質、これについて組合員に求められる協力の内容・程度・態様等を比較衡量し、多数決原理に基づく組合活動の実効性と組合員個人の基本的利益の調和という観点から、組合の統制力とその反面としての組合員の協力義務の範囲に合理的な限定を加えることが必要である。
 そこで、右の見地から、公労法に違反して行われる争議行為とこれに対する組合員の協力義務関係について考察する。
 まず、同法違反の争議行為に対する直接の効力(争議行為の参加)については、これを組合員に強制することはできないと解すべきである。禁止違反の争議行為の実行に対して刑罰や解雇等の不利益な法的効果が結びつけられている場合に、その不利益を受忍すべきことを強いるのが不当であることはいうまでもなく、また、右のような不利益を受ける可能性がない場合でも、法律は公共の利益のために争議行為を禁止しているのであるから、組合員が一市民として法律の尊重遵守の立場をとることは是認されるべきであり、多数決によって違法行為の実行を強制されるいわれはない。‥‥」





5.第七青函丸・長万部駅事件最一小判昭45・7・16刑集24-7-475
(第七青函丸事件
  国鉄青函船舶鉄道管理局が、合理化定員削減目的の職員配置換対象者に対して事前通告の手続を開始した。これに反対する国労青函地本は、事前通知を一括返上する方針を決め、返上を指導するための、組合役員オルグを各船舶に派遣することを決定し、Nは、昭和37年1月28日午後8時30分頃出航予定の第七青函丸に乗り込んだところ、同船長甲より退船を要求されたが拒否し、結局出航予定時刻を過ぎた9時50分頃下船した。
一審無罪、原審破棄、艦船不退去罪(刑法130条)棄却。
(判旨)
 国鉄連絡船の乗務船員でない国労組合員が同船に乗り込んだことが、組合の団体行動として同船の航行中に勤務当直者でない乗務船員たる組合員に対するオルグ活動をするためだとしても、船長が退去を命令したときは、これに従うことを要し、従わず船内に滞留することは、船長の職務である船舶航行の指揮を妨げ、航行の安全に危険を及ぼさないとはいえない行為であるから、労働組合法一条二項にいう正当な行為とはいえない。
(長万部駅事件)
 国鉄当局が、国鉄の正常な運転業務を確保するため、長万部駅構内の立入りを禁止し、組合員による信号扱所占拠に備え周辺に警備員、公安職員百名以上を配置したのに対し、昭和37年3月31日組合側は、警備員を排除すべく、第二信号所において組合員約250名がスクラムを組んだ4列縦隊で二手に分かれて当局側警備員を挟撃し、押し合い、もみ合いの末、Sは組アインとともに、当局側の警備員を排除し第2信号扱所に立ち入った。一方第1信号扱所では、組合員約200名がスクラムを組んだが、けが人を出さないようにするため妥協が成立し、組合側は挟撃をやめ、当局は階段上の公安職員を降ろすこととなり、これを見ていたNとSが会談を駆け上がって、第1信号扱所に立ち入った。
Nは建造物侵入罪(第七青函丸の不退去罪と併合罪)、Sも建造物侵入罪(併合罪)棄却。
(判旨)
 被告人らの信号扱所侵入行為は、組合員多数の勢力をもってする実力行動により信号扱所に対する国鉄当局側の管理を排除して侵入したものであって、被告人らの信号扱所の立入りが同所に勤務する組合員に職場大会の参加を呼びかける目的に出たものであって、ストを実行するためになされたものであるとしても、これをもって直ちに労組法一条二項にいう正当な争議行為とはいえず、建造物侵入罪を構成する。
6.浜松動労事件最一小昭45・7・16判時865号
 事案は動労中央執行委員と動労中部地方評議会事務局長が、争議行為に際し派遣され、昭和36年3月15日動労組合員約200名とともに第24列車瀬戸号の運行を阻止するため、線路上江に立ち塞がりスクラムを組むなどして列車の運行を妨害した。威力業務妨害罪、共同正犯、棄却。
(判旨)
 公労法一七条一項違反の争議行為にも労組法一条二項の刑事免責規定の適用はあるが、本件は正当な行為とはいえない(多数意見4)
 長部謹吾判事の意見は、結論は同じだが、公労法一七条一項違反の争議行為は、労組法1条2項の刑事免責は適用されないとする。
7.全逓横浜中郵事件第一次上告審昭45.9.16刑集24-10-1345
   昭和33年春闘において全逓横浜郵便局支部が全逓中央の指令に反し、勤務時間にくいこむ2時間の職場大会開催を違法行為であるとして拒否し幹部が総辞職した。このため臨時闘争司令部が組織され中央の指令を確認し、神奈川県地評の支援を要請、同地評傘下の組合員約200名が郵便局通用門前の道路上でピケを張り、局員の就労を妨げたため、郵便局長の要請で機動隊が出動し、ピケ隊が警告に応じず、実力で排除する引き抜きを行ったため、激しい揉み合いとなり、ピケ隊2名(神奈川県地方労働組合評議会事務局員兼日本共産党神奈川県委員会労働組合部委員の1名と日本鋼管川崎製鉄所労働組合員1名)が機動隊員に足蹴り等の暴行を働いたため公務執行妨害に問われた。
  第一審横浜地裁判決昭38.6.28下級裁判所刑事裁判例集5巻5.6号595頁、判例時報341号は、本件におけるピケッティングは威力業務妨害罪の構成要件の構成要件に該当し、公労法7条1項違反の違法争議行為であったが、しかしながら本件警察官の排除行為も、その際の客観情勢においては警職法第5条後段所定の要件たる「人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害を受ける虞があって、急を要する」が如き事態は全く存しなかった故に、「本件ピケによって郵便業務が妨害され、国民の財産に損害を及ぼすとするような遠く且つ漠たる要件で、本条後段の制止できる筈がないということは今更いうまでもない」として、本件警察官による排除行為は適法でないとして無罪を言い渡した。
 
 原判決(旧二審)東京高裁判決昭41.8.29高等裁判所刑事裁判例集19巻6号631頁は、公労法17条違反の争議行為は違法であり、労組法1条2項(刑事免責)の適用のないことはすでに最高裁の判例(全逓島根地本、国鉄檜山丸事件昭和38.3.15二小判、最高裁判所刑事判例集17巻2号23頁)で明らかになっているとして、本件争議行為、したがってその手段たるピケッティングが一般の企業と異なり、それ自体違法な行為であり、威力業務妨害罪を構成するという前提に立ち、本件ピケッティングは国の経済、国民の財産に重大な損害の虞れのある威力業務妨害罪の現行犯であった故に、その制止は警職法5条後段所定の適法な職務遂行行為であったとして、被告人に懲役三月(執行猶予一年)の有罪を言い渡した。
 被告人側より昭和41年10月の全逓東京中郵判決に違反するなどとして上告の申立がなされ、最高裁は大法廷を開いて原判決を破棄し東京高裁に差戻す旨の判決を下した。
 (多数意見8・反対意見6)
(1)多数意見 (入江・城戸・田中・松田・色川・大隅・飯村・関根各裁判官)
 「同条項〔公労法一七条一項〕に違反してなされた争議行為にも、労組法一条二項[の適用があるものと解すべきであり、このことは当裁判所の判例とするところである〔全逓中郵事件の判決〕。しかも原判決が参照している‥‥昭和三八年三月一五日第二小法廷判決(刑集一七条二号二三頁)は右大法廷判決によって変更されているところである。したがって、これと異なる見地に立って、公共企業体法一七条一項に違反するというだけの理由で、ただちに本件ピケッティングを違法であるとした原判決は、法令解釈適用を誤ったものであり、‥判断いかんによっては‥‥警察官の排除行為の適法性にも影響を及ぼすものと認められるから、原判決は破棄‥‥」とした。
   坂本武志調査官解説は、判決要旨は、中郵事件の判決によって明らかにされたところをそのまま確認したに過ぎないとする。
 プロレイバーの佐藤昭夫[1971] は、無罪の自判ではなかったが、札幌市労連事件(最三小判昭45・6・23乗客のいない車庫内で市電の進行を約30分阻止したピケッティングを正当とした)を中郵判決以来の労働基本権尊重の精神を反映したであり、地公労法違反の争議行為もすくなくとも刑事責任に関しては、一般民間労働者の場合と同一の法理によることを示したと評価したうえで、本判決は同判決の考え方を公労法関係でも大法廷として確認したものとし、ピケが適法になりうることを認めたもの積極的に評価している。
 
(2)反対意見(石田長官、草鹿、長部、下村、松本、村上各裁判官)
「‥‥公共企業体等労働関係法一七条一項は、公共企業体等に対するいつさいの争議行為を禁止しているのであるから、これに違反してなされた争議行為は、すべて違法であって、正当な争議行為というものはありえない。したがつて、このような争議行為には、労働組合法一条二項の適用ないし準用はないものと解すべきである。‥‥原判決が、公共企業体等労働関係法一七条一項に違反してなされた本件ピケッテイングを違法なものとしたのは、もとより相当である‥‥本件上告は、棄却されるべきものである。」
 なお、松本正雄裁判官は、反対意見に補足して、札幌市労連事件第三小法廷決定昭45・6.23の反対意見も引用している。
(4)評価
 
 上告趣意書によると、本件争議行為は全体として平穏に行われ、「局員(支部組合員)を除く、管理者その他の者の通行は全く阻止されたわけではなく、多少のいやがらせはあったにしろ、大体八時一五分速達一号便の出局まで一応通行できた」(一審判決)というが、そもそも本件のように約200名の郵便局前道路上での大量動員ピケッティングは、英米であれば私企業であれ違法である。http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/91-d3ff.htmlまた本件は神奈川県地労評の組合員約200名がピケを張った。その職場で働いている者でない者がピケ隊の主力であった。英国では、1980年にいわゆるフライングピケット、よその職場の者をピケ隊に編成する事自体違法としているのである。
 現代の労使関係法との比較でいえば、本件のようなマスピケ容認、とくに一審判決は、警察の介入それ自体が違法ということであるから、非常に野蛮な司法判断に思える。
 最高裁は無罪、自判したわけでなく、原判決が依拠した昭和38年の国鉄檜山丸事件第三小法廷判決は、そのご昭和41年の中郵事件の大法廷判決により判例変更されたこにより破棄、差戻しとなったものであるが、このようなマスピケ事犯を無罪としたならば司法の権威は喪失するといっても過言ではない。
(5)全逓横浜中郵事件差戻後控訴審東京高裁判決昭47・10・20労判822号
 しかしながら本件は無罪とはならなかった。
 差戻後控訴審において、中郵判決の枠組みに依拠して公企体職員の争議を可罰的違法性なしとしながら、本件ピッティングは相当限度を越えた違法があるとして威力業務妨害罪の成立を認め、2名に禁固二年執行猶予一年と有罪を言い渡している。
 差戻後控訴審の中野次雄判事(中郵判決の調査官解説の記者、後に大阪高裁長官)は単純不作為の罷業である全逓東京中郵事件では刑事免責されても、積極的な就労妨害は、刑事免責されないという解釈によって有罪判決を下したのである。
  中郵判決の公労法違反の争議行為であっても刑事免責規定の適用があるという枠組みであっても、正当な争議行為ではなく有罪判決と云う点では、先の長万部駅事件や浜松動労事件も同じことではあるが、中郵判決が争議権の保障・制約=労働基本権の保障・制約という前提に立っているのと明らかに趣きを異にしているのは、昭和45年札幌都労連事件最高裁第三小法廷決定の松本正雄反対意見の趣旨も踏まえ、争議行為が禁止されている郵便局職員は、スト指令に拘束されないとする内部統制否認の法理を示した点である。
「公共企業体等の職員および組合は公労法一七条一項により争議行為を禁止されているのであるから、組合自身も組合員もこれを行なつてはならない義務を負っているこというまでもない。それゆえ、組合としては組合員に対して同盟罷業への参加を強制することのできない筋合いのものであり、これを組合員の側からいえば、各組合員は、法に従うべきであるという建て前からも、また自らが解雇等の民事責任を負わないためにも、組合の指令にもかかわらず、同盟罷業に参加することなく就業する業務を負うとともに権利を有するものである。いいかえれば、公共企業体等の組合がたとえば同盟罷業の決議をしても、その決議は違法であって民間企業の組合の場合のように組合員に対し法的拘束力をもつものではなく、組合員としてはその決議に従わずに就業しても、特段の事由のないかぎり組合の統制に対する違反ないしはいわゆる裏切りの問題は生じないと解すべきである‥‥」
 大法廷の差戻審で、大法廷で反対意見に回った松本裁判官の見解に沿って、全逓組合員は、スト指令に拘束されず、就労権があると示したことは、石田和外コートでは、最高裁判事は石田長官が推薦する人物を佐藤首相が指名しため中郵判決反対派が増加しており、いずれ中郵判決は判例変更される見通しに基づくもとのと考えられる。
 中郵判決を否定しないが、反対意見側に近い立場をとったという意味でターニングポイントともいえる司法判断としてその意義を高く評価すべきではないか。
 又、この差戻控訴審判決は、争議行為そのものと、それに付随して行われた行為とを区別する判断基準を定立した昭和48年の久留米駅事件方式のヒントになったとも考えられる。
  (6)全逓横浜中郵事件差戻後(第二次)上告審最一小決昭49・7・4
 国労久留米駅事件最大判昭48・4・25刑集27-3-418の判断基準「勤労者の組織的集団行動としての争議行為に際して行われた犯罪構成要件該当行為について刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するにあたっては、その行為が争議行為に際して行われたものであるという事実を含めて、当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきものか否かを判定しなければならない」に基づいて上告を棄却した。
 郵便局の入口にピケッティングを張り、同局職員の入局を阻止して職務に就かせず、国の郵便局業務を妨害したときは、威力業務妨害罪が成立すること、公共企業体等職員の労働争議の際のピケッティングが違法であるとして、これを鎮圧排除しようとした警察官の実力行使に対してなされた暴行が公務執行妨害罪を構成することを判示した。
 8..福教組事件 最三小判昭46・3・23刑集25-2-110
 福岡県教組が、同県教育委員会の実施した中学校教職員に対する勤務評定の実施に反対するため、1日の一斉休暇闘争を行うにあたり、組合の幹部として闘争指令の配布、趣旨伝達、一斉就業放棄方の従容等の行為を行ったことが地方公務員法違反かが争われ、原審無罪、棄却(多数意見3、反対意見2)
(1)多数意見
  当該行為は地方公務員法61条4項に違反しない。地方公務員法61条4項の規定も、憲法の趣旨の趣旨と調和しうるように解釈するときは、争議行為自体が違法性の強いものであることを前提とし、そのような違法な争議行為等のあおり行為等であってはじめて、刑事罰をもつてのぞむ違法性を認めようとする趣旨と解すべきである。
(2)下村三郎、松本正雄裁判官の反対意見
  原判決は、地方公務員法六一条四号の解釈を誤り、罪となるべきものを罪とならないとする違法を犯したもので、破棄されるべきもの‥‥。
0.佐教組事件 最三小判昭46.3.23刑集25-2-110
 佐賀県教職員組合が、教職員の定数削減反対、完全昇給実施等の要求を貫徹するため、三日間で3・3・4割の休暇闘争を行うにあたり、組合幹部として闘争指令の配布、趣旨伝達、一斉就業放棄方の従容等の行為を行ったことが地方公務員法違反かが争われ、原審無罪、該行為は地方公務員法61条3項に該当しないとして棄却(多数意見3、反対意見2)
 判決の内容、反対意見は、福教組事件と同じである。
(三) 第二期から第三期への転換期の判例(久留米駅事件方式の採用
1.裁判所非難の高まりと司法左傾化の是正
 昭和41年の全逓東京中郵事件大法廷判決は自民党筋から厳しい批判があった。可罰的違法論という悪質な学説の影響力が高まり、東京中郵判決が公務員の争議行為にも刑事免責が適用されるとした影響は甚大で、ピケッティング事案では、下級審で公労法17条1項を違憲とし実力ピケを容認する判断(例えば国労尼崎駅事件神戸地裁昭41.12.16判決逆ピケを張った公安職員に体当たりし負傷者を出し、渦巻きデモや坐り込みにより電車の発進を阻止した行為を正当防衛、正当な争議行為として無罪)、違憲判断をとらずとも多くの下級審判例が実力ピケでも争議行為を正当として無罪判決を下した(例えば動労糸崎駅事件判決島地裁尾道支部昭43.2.26刑事裁判資料201号183P、国労岡山操車場駅・糸崎駅事件判決広島地裁尾道支部昭43.6.10判タ225号、動労鳥栖駅事件判決佐賀地裁昭45・5・14、国労東和歌山駅事件判決和歌山地裁昭46.4.26刑事裁判資料201号81頁、国労松山駅事件判決松山地裁昭43.7.10刑集32巻2号191頁、同じく高松高裁判決昭46.3.26刑集32巻2号204頁)。
 また昭和42年夏頃から『全貌』『経済往来』『週刊時事』等を急先鋒として「偏向裁判」「学生や公安事件での検察側拘置請求が却下されるのは異常だ」という裁判所非難が急速に高まり、その要因は青法協所属裁判官とされ、とくに『全貌』は青法協を「容共団体」と攻撃したのである 。
 裁判所非難の高まりから、昭和44年1月リベラル色の濃い横田正俊最高裁長官が退官し、佐藤首相は後任人事につき元司法大臣木村篤太郎の推薦によってタカ派の陪席裁判官石田和外を指名した。石田長官は退官後に元号法制化実現国民会議議長、英霊に応える会会長という経歴からも明らかなように保守派といえる。石田の指揮で最高裁は局付判事補に青法協からの脱退を勧告し、青法協所属裁判官の再任を拒否するなど司法部の左傾化を是正した。最高裁判事人事も石田長官の推薦した人物を佐藤首相が指名したため、次第に中郵判決反対派の裁判官が増加していった。日本社会の左傾化の防波堤としての役割を果たした石田和外の実績はもっと高く評価されるべきだと私は思う。
  もっとも石田コートにおいても昭和44年4.2都教組勤評事件・全司法仙台事件大法廷判決は、昭和45年9.16横浜中郵事件第一次上告審は労働基本権尊重派が数のうえで優勢な時期のため中郵判決を踏襲した判断になった。
 中郵判決や都教組事件判決はいずれも労働刑事事件であり、民事免責は否認されていたにもかかわらず、実際には東京中郵判決以降の争議権の保障・制約=労働基本権の保障・制約という立論が、懲戒処取消訴訟にも影響が及び、可罰的違法論を懲戒処分にも応用して、争議行為を理由とする懲戒処分をも無効とした下級審判例が続出するという異常な事態となった。
 神戸税関事件の第一審判決神戸地裁昭和44.9.24行集20巻8.9号1063頁は「争議行為であっても‥‥違法性の弱いものについては、国公法九八条五項で禁止する争議行為には当たらないものというべき」とする。この立場に立つ裁判例としては鶴岡市職事件山形地判昭44.7.16労旬712号、佐教組事件佐賀地判昭46.8.10判時640号、都教組事件東京地判昭46.10.15判時645号、全財務四国地本事件高松高判昭46.12.24労旬805等である。
 最高裁で労働基本権尊重派(中郵判決支持派)と石田和外らの秩序・公益派(中郵判決反対派)の力関係は下記のとおり変遷し、逆転したのは石田長官定年退官間際の昭和48年4月25日の労働三事件大法廷判決である。石田に続いた最高裁長官、村上朝一、藤林益三は、労働・公安事件において秩序重視の判断を継承し、藤林コートにおいて東京中郵事件は判例変更にいたることとなる。
 
(2).大法廷判決における中郵判決反対派の増加 
 
 昭和41年10.26
 全逓東京中郵事件判決-8対4                           
 反対 奥野健一、草鹿浅之介、五鬼上堅磐、石田和外
 
 昭和44年4.2
 都教組勤評事件判決-9対5 
 反対 石田和外(長官)、奥野健一、草鹿浅之介、下村三郎、松本正雄
 昭和45年9.16
全逓横浜郵便局事件第一次上告審判決-8対6
(マスピケ事犯、機動隊と激しい揉み合いとなった争議支援の神奈川地評組合員のピケ隊2名の足蹴り等の暴行を公務執行妨害で有罪とした原判決を破棄)
 反対 石田和外(長官)、草鹿浅之介、長部謹吾、下村三郎、松本正雄、村上朝一
(今回ここまで)

参考文献表

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2016/07/17

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2016/07/10

地方公営企業職員の争議行為及び争議付随行為に対してどのような責任追及ができるか(下書)その3

  前回http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-0f39-1.html

承前
4. 札幌市労連事件(札幌市電ピケット事件)最三小決昭45.6.23刑集24-6-311
 
   事案は、昭和37年6月15日札幌市労連による交通部門の市電と市バス乗務拒否を主眼とする争議行為において、地公労法適用の札幌市職員である被告人3人が他の40名の組合員とともに札幌市交通局中央車庫門扉付近において、当局の業務命令によって乗車した罷業脱落組合員の運転する市電の前にスクラムを組むなどして立ち塞がり、「降りろ」「下がれ」等と怒号しながら電車を揺さぶる等したため、当局側ともみ合い、約30分電車の運行を阻止したことが、威力業務妨害罪により起訴されたもので、一審札幌地判昭41.5.2判時449は、威力業務妨害罪の構成要件に該当するが、労働組合法1条2項の正当な争議行為にあたるとして無罪判決を下した。原判決札幌高判昭42.4.27でも、被告人らの本件行為が威力業務妨害罪の構成要件に一応該当するものと認めながら、本件ピケ行為の目的、態様(手段、方法)に照らし、被告人らの本件行為は憲法の保障する労働基本権の行使として、正当な争議行為と認められるから、実質的違法性を欠き、罪とならないとして控訴を棄却したため、判例違反・法律違反等を理由として最高裁で争われた。
 最高裁第三小法廷決定は多数意見3、反対意見2の僅差で、本件ピケッティングは正当な行為として上告を棄却した。なお反対意見の下村、松本裁判官は、41年中郵判決より後に就任した裁判官だが、44年都教組事件で反対意見に回った5名のうち2名であり、地公労法一一条一項違反の争議行為は労組法一条二項は適用されないとの見解を示した。

(1)多数意見
 決定抜粋
「‥‥ 被告人らは、他の約四〇名とともに、札幌市交通局中央車庫門扉付近において、市電の前に立ちふさがり、その進行を阻止して業務の妨害をしたというのであって、このような行為は、それが争議行為として行なわれた場合においても、一般には許容されるべきものとは認められない。しかし、同じ原判決によると、右行為は、被告人らの所属する札幌市役所関係労働組合連合会が、昭和三五年一〇月ごろから、札幌市職員の給与、手当、有給休暇その他の勤労条件の改善等、職員の正当な経済的地位の向上を目ざした団体交渉の要求を続け、かつ、この要求について早期解決を図るべき旨の北海道地方労働委員会の調停や札幌市議会総務委員会の勧告があったのにかかわらず、札幌市当局が不当に団体交渉の拒否や引延しをはかつたため、一年有余の長期間をむだに過させられたのみならず、かえつて、当局の者から、ストをやるというのであればやれ、などと誠意のない返答をされるに至つたので、やむなく昭和三七年六月一五日午前六時ごろ、団体交渉における労使の実質的対等を確保するため、交通部門における市電・市バスの乗務員の乗車拒否を主眼とする同盟罷業に踏み切つたものであるところ、その同盟罷業中の同日午前一〇時ごろ、突然、同じ組合員であるYらが、同盟罷業から脱落し、当局側の業務命令に従つて市電の運転を始めるため、車庫内に格納されていた市電を運転して車庫外に出ようとしたので、被告人らが他の約四〇名の組合員らとともに、組合の団結がみだされ同盟罷業がその実効性を失うのを防ぐ目的で、とっさに市電の前に立ちふさがり、口ぐちに、組合の指令に従つて市電を出さないように叫んで翻意を促し、これを腕力で排除しようとした当局側の者ともみ合つたというのであって、このような行為に出たいきさつおよび目的が人をなつとくさせるに足りるものであり、その時間も、もみ合つた時間を含めて約三〇分であったというのであって、必ずしも不当に長時間にわたるものとはいえないうえに、その間直接暴力に訴えるというようなことはなく、しかも、実質的に私企業とあまり変わりのない札幌市電の乗客のいない車庫内でのできごとであったというのであるから、このような事情のもとでは、これを正当な行為として罪とならないとした原判断は、相当として維持することができる。‥‥」

 本決定の多数意見は、地公労法一一条一項の合憲性は問題にしていないが(これを争点とした決着をつけたのは北九州市交通局事件昭和63.12.8最高裁一小判 民集42-10-739である)、中郵判決により合憲の前提にたっているものであり、また地公労法一一条一項違反の争議行為に労組法一条二項(刑事免責)の適用があるとも明示していないが、昭和41年の東京中郵事件大法廷判決によりが公労法一七条一項  違反の争議行為にも労組法一条二項が適用があるとされたので、とそれは当然の前提としているというのが坂本武志調査官の解説である。
 つまり明示されていないが東京中郵判決の「三つの場合」に当たらないものとして本件争議行為は刑事上違法とできないという判断をとっているものと理解できる。
しかし多数意見は本件ピケッテイングのように、40名もの者が市電の前に立ち塞がって、進行を阻止する行為は、争議行為であっても一般には許容されないという本件ピケッティングの限界に関する原則的見解を明らかにしている。にもかかわらず無罪だというのは、本件における具体的事情のもとで、正当な行為ということができるとしているのである。
① 本件ピケッティングは、市当局が、組合側の正当な団体交渉の要求を一年有余
の長期間にわたって拒否したり引き延ばしたりして誠意のない態度をとったため、やむなく踏み切られた市電への乗務拒否を主眼とする同盟罷業がその実効性を失うのを防ぐためになされたものである。
② 本件ピケッティングは、同盟罷業の、同盟罷業から脱落した組合員が、当局の業務命令に従って市電の運転を始めたので、組合の団結が乱され、同盟罷業がその実効性を失うのを防ぐため、翻意を促す目的でなされたものであること。
③ 進行を阻止した時間が短く、暴力に訴えることはなく、しかも実質的に私企業とあまり変わらない市電の乗客のいない車庫内でのできごとだったこと。
 
(2)下村三郎裁判官の反対意見(要旨)
  地公法一一条一項は、争議行為を禁止しているのであるから、これに違反してなされた争議行為は、すべて違法であって、正当な争議行為というものはありえない。したがって、このような争議行為には、労組法一条二項の準用ないし適用はないと解すべきである。

(3)松本正雄裁判官の反対意見(要旨)

①地公労法一一条一項は、昭和四一年一〇月二六日大法廷判決(いわゆる中郵事件判決の趣旨からみて合憲であることに異論はないものと思われる。したがって、これに違反してなされた争議行為は違法なものであり、労組法一条二項の適用は排除される。しかも、地公労法一一条一項に違反してなされた争議行為は違法なものであるから、労組法一条二項にいう「その他の行為」には含まれず、また「正当なもの」ともいえない。
②仮に、労組法一条二項の適用があるとしても、被告人らの本件行為は、次に述べる理由により、正当性の範囲を逸脱したものである。
 A 被告人らのした本件行為は、かの中郵事件にみられるような単純な不作為ではなく、積極的な実力または威力による業務妨害行為であって、このような、このような行為は、当裁判所が昭和二五年一一月一五日の大法廷判決(山田鋼業事件)以来、累次の判例により違法としているものである。
 B Yが争議から脱落した組合員であるとしても、もともと職員の争議行為は禁止されており、これに違反した職員は解雇されることがある。(地公労法一一条、一二条参照)
のであるから、業務に従事しようとする組合員個人の自由意思は特に尊重されるべきであり、これを実力で阻止することは、組合といえども許されない。
 C ピケの正当性は、口頭または文書による、いわゆる平和的説得の程度のみに限られるべきだとは必ずしも思わないが、本件のごとく有形力を行使し、脱落者の就労を事実上不可能にすることまでも(たとい、それが説得の手段であったとしても)許されるべきとは考えない。かかる行為を許容することは、健全な労働運動の発展の障害にこそなれ、正しい方向とはいえない。

  (4)本決定の評価。

①  物理力を行使したピケットを正当としたきわめて例外的な裁判例

   争議行為の限界についてのリーディングケースは山田鋼業事件大法廷判決昭25.11.15刑集4.11.2257と朝日新聞西部支社事件大法廷判決昭27.10.22民集6.9.8である。
 争議行為は労務提供拒否という不作為を本質とし、したがって、これに随伴する行為も消極的行為の限度にとどまるべきであり、それを越えて使用者側の業務を妨害するような意図及び方法での積極的な行為は許されないとの見解が確立したものであって、この点についてプロレイバーが主張するように労働法は市民法個人法秩序を超克するものと解する余地はない。
 そしてピケッティングと犯罪の成否についての画期的判例が羽幌炭礦事件大法廷判決昭33.5.28刑集12-8-1694であり、事案は、争議続行と組合指導部に反発して組合を脱退し第二組合の結成に加わった労働者と非組合員による出炭を阻止するためのマスピケッティングであるが、「同盟罷業は必然的に業務の正常な運営を阻害するものではあるが、その本質は労働者が労働契約上負担する労務供給義務の不履行にあり、その手段方法は労働者が団結してその持つ労働力を使用者に利用させないことにあるのであって、これに対し使用者側がその対抗手段の一種として自らなさんとする業務の遂行行為に対し暴行脅迫をもつてこれを妨害するがごとき行為はもちろん、不法に、使用者側の自由意思を抑圧し或はその財産に対する支配を阻止するような行為をすることは許されないものといわなければならない‥‥。されば労働争議に際し、使用者側の遂行しようとする業務行為を阻止するため執られた労働者側の威力行使の手段が、諸般の事情からみて正当な範囲を逸脱したものと認められる場合には刑法上の威力による業務妨害罪の成立を妨げるものではない。」と判示した。
 問題は、「諸般の事情」の解釈だが、臼井検事は、「基本となる基準はあくまで労働力の提供拒否にとどまるか否かであり」労働力の提供拒否にとどまるか否かという基準では割り切らないことを意味するというプロレイバー解釈は誤りと指摘している[臼井1977a]。 
 プロレイバー労働法学では、争議権とは本質的に「業務妨害権」であり、同盟罷業による業務妨害状態を有効に維持するためにピケッティングは争議行為の範囲にあるとし、一定程度の実力行使も許されるというものであるが、最高裁はもちろん認めていない。
 同判決以外でも最高裁は物理力を行使するピケットについて有罪と判決するのが通例である。(ホテル・ラクヨー事件最一小判昭和32.4.25、 進駐軍横浜事件最二小判昭33.6.20、 東北電力大谷発電所事件最一小判昭33.12.15、四国電力財田発電所事件 最一小昭33.12.25、嘉穂砿業事件最一小判昭35.5.26) 
 ただし最高裁は羽幌炭礦判決より前に例外的に三友炭鉱事件最三小判昭31.12.11刑集10-2-1605において物理力を行使したピケットを正当と判決している。札幌市労連事件決定はそれに続く二つめの例外的判例である。羽幌炭礦判決以降では唯一の例外である。それゆえ当時のプロレイバーは、ピケット権の確立を前進させた意義があるものとして本決定を評価している[佐藤1970]。
  三友炭鉱事件判決とは可罰的違法性論の典型とみなされるものである。罷業から脱退して生産業務に従事する者に対し「口頭又は文書による平和的説得の方法で就業中止を要求しうることはいうまでもないが、これらの者に対して、暴行、脅迫もしくは威力をもって就業を中止させることは、一般的には違法と解すべきである。」としたうえで、しかしながら違法性を阻却することがあることを認め、「諸般の状況を考慮して慎重に判断されなければならない」とし「炭鉱労働組合が同盟罷業中一部組合員が罷業から脱退して会社の石炭運搬業務に従事し石炭を積載した炭車を連結したガソリン車の運転を開始した際、組合婦人部長たる被告人が、右一部組合員の就業は経営者側との不純な動機に出たもので罷業を妨害する裏切行為であり、これにより罷業が目的を達し得なくなると考え、既に多数組合員等がガソリン車の前方線路上に立ち塞がり、座り込みまたは横臥してその進行を阻止しているところに参加して『ここを通るなら自分たちを轢き殺して通れ』と怒号して就業組合員のガソリン車の運転を妨害したというのであって、被告人の右行為はいわば同組合内部の出来事であり、しかもすでに多数組合員が運転行為を阻止している際、あとからこれに参加したというに止まるから」本件の具体的事情ではまだ違法ということはできないとしたものである。
 最高裁判決では触れられてないが、「諸般の状況」には三友炭鉱の出炭成績は悪くなかったにもかかわらず、社宅の飲料水の如きは山麓に一間半の水槽をつくり、その溜まり水を手押しポンプで汲出すという粗悪な設備で消毒もなく、平素も行列をつくって汲み水を待つ状況に放任されており、浴場も山間部にわずかに屋根があるだけで脱衣所なく濁った構内の腐水を使用し混浴であったが、経営者側が改善に着手する模様がなかったこと、被告人は経営者と縁故のある元組合長らが突然就業を開始した裏切り行為に極度に憤激したといった格別の事情を斟酌したものと考えられる。
 したがって、あくまでも同情的な例外的判例とみなすべきである。
 本決定は先例の判断基準を変更していないが、原判決が威力業務妨害罪の構成要件に該当することを認め「このような行為は、それが争議行為として行なわれた場合においても、一般には許容されるべきものとは認められない。」と判示しておきながら、具体的事情を斟酌して可罰的違法性にいたらないものとした。三友炭鉱事件に続いて例外的裁判例といえる。

②先例としての価値は認められない

  本決定は、藤木英雄東大教授の可罰的違法性論の影響力の大きかった時代の所産であり、諸般の状況によっては一定程度の実力行使も許容される余地があるピケット権を是認した先例とみなす評価は正しくない。先例として意義は以下の理由で認められない。

A 前提となってる刑事免責適用は判例変更された

 第一に、本決定は昭和41年の中郵判決の公労法17条1項違反の争議行為であっても労組法1条2項(刑事免責)の適用があるとの判断に従って、地公労法11条1項違反の争議行為にも適用があるとの前提に立っているが、52年の名古屋中郵判決で明示的に判例変更されていることである。
 同じく、41年中郵判決では刑事処罰の対象となりうる争議行為は、強い違法性のある争議行為、「三つの場合」に限定されるとしたが、この基準も52年の名古屋中郵判決で判例変更されていることである。

B 久留米駅事件方式により安易な可罰的違法性論がとられなくなった

 第二に国労久留米駅事件大法廷判決昭48・4・25刑集27-3-418がマスピケ事犯や列車の進行方向の軌道上に立ち塞がるなどの実力ピケを無罪とする下級審判例が否定されるターニングポイントとなった。
 久留米駅事件方式といわれる判断方式は「勤労者の組織的集団行動としての争議行為に際して行われた犯罪構成要件該当行為について刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するにあたっては、その行為が争議行為に際して行われたものであるという事実を含めて、当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきものか否かを判定しなければならない」との判断方式を打ち出した。
 実質的違法性を判断することにかわりないが、久留米駅事件方式により、犯罪構成要件該当行為であっても争議行為及びそれに際して付随する行為については安易な可罰的違法性論によって社会的相当姓があるものとして無罪とする傾向が是正されるようになった。
 臼井検事は、久留米駅事件方式確立の結果、結論的に「最高裁判例においてはピケッテイングの正当性の限界につき,消極的性格の行為の限度にとどまるべきであるという見解が堅持され、いわゆる平和的説得の限度を越えたピケッテイングが犯罪構成要件に該当するときは、犯罪の成立を阻却するごく特殊な事情が存在する場合は格別、原則として違法性が阻却されないものとされている」(臼井1977a)
 本件は原判決が威力業務妨害罪の構成要件に該当することを認めているのであるから、久留米駅事件方式の原則論からして違法性は阻却されない。
  (以下次回とする)

参考文献表

 臼井滋夫
1976「地方公務員の争議行為禁止と刑事罰-全逓中郵事件判決以降の判例の系譜から見た岩教組事件判決の意義」『法律のひろば』29巻8号
1977a「ピケッティングの正当性の限界」『法律のひろば』30巻4号
1977b 「五・四名古屋中郵事件大法廷判決について-公企体職員の違法争議行為と刑事罰」『警察学論集』30巻7号
1977c 「公務員等の争議行為をめぐる刑事判例の動向--名古屋中郵事件判決までの軌跡 」『法律のひろば」30巻8号
1977d「「可罰的違法性論」に対する批判的検討」『警察学論集』30巻7号
 香城敏麿
名古屋中郵事件調査官解説『最高裁判所判例解説刑事篇昭和52年』
佐藤 昭夫
1970「札幌市労連最高裁決定とピケット権の展開」『労働法律旬報』756号 [

高島良一
 1979「公企体関係労働判例の一〇年を顧みて」『季刊公企労研究』40号
 中野次雄
東京中郵事件調査官解説『最高裁判所判例解説刑事篇昭和41年』
永井敏雄
日教組スト事件調査官解説『最高裁判所判例解説刑事篇平成元年』
岩教組スト事件調査官解説『最高裁判所判例解説刑事篇平成元年』
埼教組スト事件調査官解説『最高裁判所判例解説刑事篇平成二年』
中村秀次
2010「刑法総論に関する裁判例資料-違法性及び違法性阻却-」『熊本ロージャーナル』4号2010年」
  藤木英雄
1957「労働争議行為と違法性」『 総合判例研究叢書/(5)刑法 -- 総論/刑法(8)』
1967 『可罰的違法性の理論』有信堂高文社
 前田雅英
1984 「労働組合役員の他組合員に対する暴行,逮捕行為と実質的違法阻却事由(最判昭和50.8.27) 」『警察研究』55巻1号 
 横井芳弘
1976「労働事件にみる村上コートの思想と論理」『労働法律旬報』908号

岡口基一東京高裁判事はあまり好きではない

 白ブリーフといえば村西とおる監督が愛用者として有名でずが、最近はこの人の白ブリーフが報道により有名になりました。ちなみに私は白は黄ばみとか汚れが目立ちやすいので着用しません。
 どういう判決は書いているかは知りません。専門家じゃないから岡口判事を論評できませんが、ちょっと少しだけですが岡口判事のツイッターをのぞいてみたところ、「日本中に拡がればいいね(^_^) 那覇市が、同性カップルを結婚相当の関係と認める文書交付などを定めた「市パートナーシップ要綱」」というツイートがあり、LGBT運動を明確に支持しているということはリベラル派ですか。もっともリバタリアンにも同性愛者の権利拡大に賛成な人もいるのでに一概には言えませんが、優秀な人物だということはわかるが、私はLGBT運動に反対なので好意的にはなれない。

不愉快だ マタハラ懲戒制度化

通常国会で成立した改正均等法により、マタハラ懲戒、就業規則に…政府指針案との記事http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160707-00050159-yom-polがありますが、来年1月から施行される。セクハラは曲がりなりにも性差別ということになってますが、マタハラは男性及び妊娠していない女性と妊娠している女性との区別ですから、性差別でない。

 この問題についてはブログでも強い懸念を表明しているので再掲する。

 

今年130日ブログ「マタハラ防止義務付けは平等理念に著しく反するので強く反対する」(再掲)

 

 政府は、雇用保険関連法の改正案を閣議決定し、雇用機会均等法を改正に企業にマタハラ防止を企業に義務付け、就業規則で禁じたり、相談窓口の設置や社員研修の実施などを求めたりする。派遣社員も防止策の対象とし、違反した企業名の公表も盛り込むとしている。

 現行法は妊娠や出産、育児を理由に職場で、解雇や降格、減給などの不利益な扱いをすることを禁止し、それでも厚すぎる保護なのに、上司や同僚による嫌がらせを防止するというのである。

 そもそも米国では妊娠・出産の差別は性差別でもなく、憲法の平等保護条項にも反しないという連邦最高裁の判断であり、それは、妊娠した女性と、男性プラス妊娠してない女性の区別なので性差別ではないとするのである。

 妊娠差別禁止法というのもあるが、妊娠・出産は本人の一時的労働不能とみなされ、病気・疾病と同じく一時的労働不能と同じ範疇とされる、疾病等で一時的労働不能な労働者と同等に処遇するものとしただけである。つまり、疾病で休んだ労働者が原職に復帰できなければ、妊娠・出産の場合も原職に復帰させなくてもよい。それで平等という考えかたで合理的である。

 したがってマタハラは平等理念に著しく反するのである。過剰な保護だと思う。

 一般論として敵対的・侮蔑的な職場環境あるいは共同絶交行為のような嫌がらせから従業員を保護することは、基本的に労務管理として正しい方針であるし、それは多くの企業が昭和50年代に形成された判例法理である企業秩序定立維持権にもとづき他人の職務専念義務への妨害抑制義務等を就業規則で定めているのがで一般的だから、それで十分である。

 マタハラだけを特別扱いし、拡大解釈されていくと結局女性労働者がマタハラを口実として上司や同僚を貶めるために利用されるだけである。

 そもそも合衆国の連邦法では家族医療休暇法により従業員50人以上の企業において子の誕生と世話、養子縁組、里子養育の受け入れ、重大な健康状態にある配偶者、子、親の世話、本人の重大な健康状態による職務遂行の不能のために無給12週の休暇を与えるだけである。(アメリカでは有給休暇の義務づけもない)

 だから、アメリカでは妊娠出産女性は、1011週で職場に復帰する。わが国やドイツのように長期の育児休業はない。

 それは当然のことであって、いわゆるワーキングマザーにやさしい企業というのは資源ベースの労務管理、ヒューマンリソースマネージメントにより長期雇用を前提として教育訓練を重視している優良企業に限られるのである。たとえばP&Gなど。そういう企業では採用段階で厳しく選抜されているし、離職率を低くして長期に働いてもらったほうが訓練費用を回収することができるからである。

 しかし、あらゆる企業が資源ベースの労務管理をしているわけではない。妊娠女性を継続雇用することが生産性の向上になるというものでは必ずしもないのである。

 継続雇用の強化は、女性の新規採用やいったん離職した女性の新規雇用も減らす原因となり、女性全体の利益にもならない。

長期の出産・育児休暇の穴埋めのコストは、他の労働者に転嫁されており憤懣が募っている人も決して少なくない。昇進や配置などに権限のない同僚社員でも、ちょっと愚痴にも出せば懲戒処分にされかねないおそろしい社会になりかねない。ゆえにマタハラ防止義務付けに反対なのだ。

2016/07/09

18歳選挙権引き下げも筋の悪い政策で強く反対だ(再掲)

 総務省の広瀬すずの広告不快だ。そもそも18歳選挙権引き下げに反対していたから明日、棄権しようか行こうか迷っている。
 若者も世論も求めてなかったことなのに政党間の取引で決められたことである。2014年3月16日ブログを再掲する。
 欲しいといってもいないのにあげるというのはばかげていた。安く売りすぎだ。ただで権利を与えるのではなく、徴兵登録導入と引き換え(もちろん女性活躍のため女性も徴兵)ならまだ話はわかるが。

 (再掲-一部修正)

 3.14朝刊で「憲法改正の手続き前進 国民投票法改正案に民主同意、成立へ」との報道http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140314/stt14031421030003-n1.htmがなされている。

---国民投票年齢については「改正法施行後4年」に18歳以上に引き下げるとする与党案を改正案に採用する。ただ、公職選挙法の選挙権年齢について「改正法施行後2年をめど」に18歳以上に引き下げるべきだとする民主党に配慮し、政党間のプロジェクトチームを設置し、2年以内に投票年齢と選挙権年齢を同時に引き下げる法整備を目指す。----とのことである。
 そもそも、この法案は第一次安倍政権の時代に、当時の自民党中川政調会長が、法案を通すために民主党の政権公約である選挙権18歳引き下げの主張に妥協したことからはじまっており、私は法案を通すための政党間の取引で選挙権も成人年齢も引き下げることに反対なので意見を上申する。
  主要国についていえばアメリカ合衆国はコモンローの成年は21歳だが、ベトナム戦争の際、反戦運動や学生運動が盛んになり、18歳以上21歳未満の者は徴兵されるのに選挙権がないのは不当だとの主張がさかんになされ、1971年に投票権を18歳に引き下げた(憲法修正26条)。
  ドイツも同じ事で、学生運動が激しくなり兵役義務が18歳からなのに選挙権が21歳なのは不公平だとの主張により1970年に18歳に選挙権が引き下げられた。政治不信を主張する激しい学生運動を懐柔させるための政策だったのである。(国会図書館調査及び立法考査局「主要国の各種法定年齢」『調査資料』 2008-3-b 2008-12月参照)
  要するに60年代末期の学生運動を背景に、徴兵制(兵役義務)とのからみで、選挙権も引下げられたということである。それは世界の趨勢になったが、あくまで、学生運動を背景とした一時の社会現象にすぎない。徴兵制のない我が国で18歳に引き下げる理由は見当たらないのである。若者が選挙権を求めているわけでもない。いまどきの若者は車がほしい。彼女がほしいとも言わなくなったのである。
  これはたぶん民主党の政策立案グループに団塊世代の学生運動経験者がいて、昔の夢よもう一度という自己満足のための政策としか思えない。だから筋が悪いと思うのである。
  そういうとおまえは、憲法改正の手続き法である国民投票法の成立を邪魔する隠れ護憲派かと非難されるかもしれないが、反戦平和運動は嫌いなのでそういうことはない。憲法九条の改正や集団的自衛権も賛成しますよ。
  しかし、将来の徴兵制導入のため若者の不満をそらすためにこの際選挙権も18歳に引き下げるとはいってない。そういう説明はない以上、この政策は法律を通すための政党間の取引に思えるから反対なのだ。
  つまり、私が言ってるのは選挙権とか、成人年齢という重要な事柄は、別の法律を通すための政治的取引の材料にすべきではないという主張である。
   とくに成人年齢引き下げには国民の7割が反対している。明治9年の太政官布告で満20歳に定められてから、約140年間続いてきたもので国民に完全に定着しているのである。 
 私は日本大学法学部民事法・商事法研究会「『民法の成年年齢引下げについての中間報告書」に対する意見」『日本法学』75巻の結論に賛成である。「国民投票法の制定に伴い、成年年齢の引下げが議論されているが、私法においては、満二〇歳の成年制度で長い間安定しており、これを引き下げることは混乱を生じるだけではないかと思われる。‥‥立法趣旨についてきちんとした議論が全くなされてない状況において改正論議だけが先行することは、法改正のあり方として、あまりにも拙速である。」
 憲法改正には反対していない。悪法は廃止し、改正すべきである。しかし改正してはいけないものもある。成人年齢と親族法とか、安易に政治的取引で法改正とてしまっていいみものではないと考える。
 もっとも今回の自公民三党合意は成人年齢にふれていない。しかし三党合意で選挙権が2年以内に引き下げられると決定されれば、次は成人年齢に俎上に載せられるだろう。
実際、外国の例では成人年齢と選挙権は一致していることが多いからである。アメリカ合衆国では45州が18歳、コロラド、ミネソタ、ミシシッピが、コモンローと同じく21歳、アラバマ、ネブラスカが19歳である。
 私はコロラド、ミネソタ州のように選挙年齢と成人年齢が違っていてもいいと思うが、選挙権が引き下げられれば、国民の7割が反対しても成人年齢もということになりかねないので危惧しているのである。

2016/07/05

「資生堂ショック」で潮目が変わるか

週刊東洋経済2016年7月9日号「割を食う育児のない社員・資生堂ショックが問う子育て優遇の是非」(記者 溝上憲文)という記事があり、育児と仕事の両立のモデル企業だった資生堂が、育児中の社員に対する一律で過剰な配慮の撤廃に踏み切ったと書かれている。
発売中の雑誌なので具体的な引用を控えるが、次世代支援だの子育て支援だのと、育児休業や育児中の女性の時短など優遇政策をすすめてきた政府にとっては好ましくないかもしれないが、私は資生堂の方針転換を歓迎する。
読んだ感想をざっというと従業員の私事にコストをかけるのはばかばかしい。子育て社員優遇のために販売力が低下し社員の溝が深まるんじゃどうしようもない。
プロビジネスじゃないし、こんな労働政策をやっていたら外資も呼べない。分裂し、凋落寸前のEUの社会民主主義政策を模倣するのはいいかげんもうやめるべきだろう。
もちろん、個別企業がワーキングマザーにやさしい企業を看板にして勝手にやるのはけっこうだが、政府が推進したり、本来経営者の裁量である雇用判断や従業員政策に干渉するのに反対ということである。

2016/07/03

やっとまともな論評をみた(英国のEU離脱)

    7月2日産経、古森義久の緯度経度「英EU離脱の真の課題とは」http://www.sankei.com/world/news/160702/wor1607020021-n1.htmlである。我が国のイギリス国民投票結果報道は、円高・株安でアベノミクス崩壊、年金喪失の危機と受け止め、英国民の「衆愚」の選択により被害を受けたと恨み節のような大合唱である。
 明石家さんまの好みというNHK鈴木菜穂子MCの2回目のイギリスレポートも見たが、移民問題を取り上げ総じて批判的なニュアンスだった。  朝日新聞は学歴別の投票結果をグラフ化し、学歴が低いほど「離脱」に投票したことを明らかにしたが、イギリス人を無知で偏狭というきめつけは好ましくないし、大変失礼な話である。
 むしろ草の根民主主義の勝利ともいえる結果を評価すべきだろう。
 この点、古森のコラムはEUの弊害こそ問題だったという、ジョージ・ウイルの「官僚的な統制で化石のようになったEUにより英国は自国の法律の60%以上を押しつけられ、EUへの従属を強いられてきた。英国民はこの自国の主権の喪失に反対したのだ。‥‥」という見解を引用している。
 そもそも、イギリスは共通市場のメリットは認めつつも、特に保守党がEUの社会民主主義的な経済・社会政策の押しつけや規制に反対してきた。実際、本来は義務である共通通貨は採用してないし、EU労働時間指令もオプト・アウト制度を勝ち取り、大陸諸国とは一線を画していた。そもそもEUの規制になじまない国柄である。
 日本企業が多く進出しているのも、80~90年代の新自由主義政策で規制撤廃が進み、その後の労働党政権でも大きな変化がなく、英国が大陸諸国よりプロビジネスな国柄であったからこそである。
 とすれば我が国は、安倍首相のように強いEUが望ましいという一方的な観点ではなく、「プロイギリス」の立場で大陸諸国による締め付けには反対していくような外交姿勢をとっていくべきなのではないか。
 大陸よりも英語圏の国と親しいほうが望ましいと考えるからである。
 経済自由主義の祖はフランスのグルネーといわれる。レッセ・フェールという言葉はグルネーによるものである。彼は、営業を統制するギルドを廃止すべきと主張し、死後、弟子のチュルゴー勅令により具体化、結果的にはフランス革命で営業の自由を達成した。しかし、グルネーはイギリスとの自由貿易には国の産業にとって打撃になるとして反対していた。
 であるから、自由主義=自由貿易主義でないのである。したがって今回のイギリス国民の決定は新自由主義を基調とする路線と矛盾するものではない。

2016/07/02

43年ぶりにみた「招かれざる客」

 「招かれざる客」(1967年コンムビア)がBSプレミアムで金曜日に放映された。録画していたので43年ぶりにみた。昭和48年頃、烏山中学校の特別教育活動で、映画鑑賞会があり、歌舞伎町ミラノ座で見たので覚えている。
 なぜ、記憶にあるかという初体験と同じこと、初めて大きな劇場で見たアメリカ映画だったというただそれだけの話だ。
 黒人医師と白人女性が結婚を誓い、娘の両親はリベラル派の家庭で異人種婚に反対しなかったが、実際にはとまどいをみせたという物語。スタンリー・クレイマー監督、配役はこの作品でアカデミー賞主演女優賞のスペンサー・トレーシー、キャサリン・ヘップバーン、シドニー・ポアチエで、アカデミー賞のオリジナル脚本賞。
 連邦最高裁がバージニア州の異人種婚禁止法を憲法違反と判決したのが映画が公開されたころとほぼ同時期だと思う。南部でなくても異人種結婚に許容的でなかった時代の話。
 ベッドシーンがあるわけでなく、娯楽性に乏しく思え、中学生には難解で退屈だった。
 シドニー・ポアチエはNHK教育で放映された、ブラウン判決をテーマにした映画で、サーグッド・マーシャル弁護士を演じていたのも印象に残っている。
 しかし43年前なので、ほとんど記憶がなく、印象に残っていたサンフランシスコの風景は、大人になってから見た「氷の微笑」と混同していた。
 

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