安倍首相の労働時間規制のこだわりは異常だし最悪の政策だと思う(その3)
小池都知事は初めての幹部を集めた庁議で長時間労働は「時代遅れだ」と言い放ったという都政新報の記事を読んだ。それが安倍政権の長時間労働政策とリンクするものかは不明であるが、風を読むのに敏感な政治家だから安倍をヨイショする含みも感じる。
我が国の労働法制では、非現業公務員を別として、時間外労働時間協定は過半数組合、組合がない場合は過半数代表との協定を強要するもので、契約の相対効という市民法の基本原則に反するものであるが、それであっても、現行制度は、集団的労働関係の自治による。変則的ではあるが契約の自由の趣旨を失ってはいない。
安倍の政策が全体主義的、革新官僚的と思えるのは、契約の自由を敵視するニュアンスのある政策を実践しているからである。残業時間の上限規制がそのさいたるもので、「私的自治」を体現し「自由主義」と「個人主義」の法的表象が「契約の自由」である。「全体主義」は個々の利害を全体の利害に優先する主義なので「契約の自由」を敵視する。ナチスの政策がそうである(雨宮昭彦、シュトレープ編著『管理された市場経済の形成 』日本経済新聞社2009 8頁参照)。戦前戦中の革新官僚も同じことだと思う。
この場合全体の利害とはジェンダー論のいう男性中心の働き方改革であり、特殊イデオロギーのもとに個々の利害、自由主義と契約の自由を敵視する政策といえる。これほど筋のわるいものはない。
左のウイングを広げて政権を盤石にするためでよいことだという人がいるかとんでもない。
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