働き方改革 残業時間上限規制罰則化に強く反対
(首相官邸に送信したもの)
私は、安倍政権の「働き方改革」で、三六協定の運用見直しによる一ヶ月あたりの残業時間の上限規制厳格化、罰則もと報道されているが全面的に反対なので意見をのべたい。
理由1 反自由主義、反自由企業体制、共産党の政策であり、契約の自由、私的自治等近代市民社会の根幹を歪める
(1)時短は進みすぎて、米国より労働時間が短くなっていのに、やりすぎである。
古賀茂明週刊PBのコラムによれば、長時間労働是正政策は90年代に通産省で自分がとりまとめたもので、共産党不破委員長が賞賛してくれたという。元は赤い官僚の政策なのだ。90年代は週休2日制により時短が進み結果として失われた10年を招いた。しかし90年代はまだ健全で、日経連が全ホワイトカラー裁量労働制と、労基法の罰則廃止を提言し自民党もその政策に賛成していたし、世界的潮流も独仏等時短先進国で見直しの動きになっていた。これに危機感をいだいた左翼陣営が、不払残業撲滅運動を行い、森内閣坂口労相が2001年より、それまで労使自治に委ね、政府の干渉をさけてきた方針を転換し、サービス残業は労働基準法違反で、悪質な企業は司法処分を辞さないという労働基準局長通達)を出し、時代錯誤な労基法厳守の方針にしてしまった。まずNECが基準監督署の指導で主任以下の調査を行い過去2年分の残業代を支払わされた。100人以上について平均150時間約4500万とされている。次に日立製作所、三菱電機で是正勧告、係長級に導入していた残業手当の定額支給も見直された。さらにシャープ、沖電機でも是正指導がなされた、その後も摘発が強化され、結果的に、一定時間で手当を打切ったり、定額支給などの運用ができなくなり、80年代日本人はホワイトカラーなら年間300時間のサービス残業はあたりまえだったのに(これは事実上コアタイムの長い裁量労働制と同じである)、悪法「法令遵守」が求められるようになった。さらに最近は共産党のブラック企業攻撃により、不払い残業ではなく、残業代を出しても時間外労働協定違反を摘発するようになった、異様な長時間労働叩きである。
一方、勤労者も、失われた20年の経済低迷、忠誠心の低下、成果主義も頓挫し昔はサービス残業を厭わなかったのに、「法令遵守」を口実にせちがらく実働時間手当を求めるのが一般的になり、時短推進の口実となっているが、もとは坂口労相時代の方針転換が招いたことである。
結果的に、日本人は80年代の経済絶頂期は猛烈に働いていたのに、アメリカ人より働かなくなくなり、これ以上の時短強化は、勤勉だった国民性を崩壊させ、自滅を招くだけ。労働契約は、役務賃貸借契約であるという近代民法の原則からして債務の本旨の履行こそ労働者の本分であるのに、時短の影響で、仕事をやり遂げることよりも、時間で働く風潮が強くなり、モラルはますます崩壊する。仕事にブレーキをかけることで、ドラッカーのいう達成感、成功体験を与えることのできない職場に変質する。米国ITベンチャーでは週80時間労働はあたりまえ。クァルコムが夜食やクリーニングのサービスをするのは知識労働者にもっと働いて貰いたいから。
百歩譲って、失業率の高い時期なら、ワークシェアリングとしての時短はありうるが、今日は人手不足で、時短を強行するのは理解不能である。
2・自由主義者が神聖視する契約の自由に著しく反する政策である
そもそも三六協定のような労働法は外国にはない。それは契約の相対効という近代市民法の原則に反するためだが、そもそも労基法が赤い法律である。
米国では古典的自由主義者が神聖視するロックナー時代の最高裁判例が2つある。
アドキンス対児童病院判決 (1923)最低賃金立法は雇用者及び被用者の雇用契約交渉の自由に対する違憲な侵害であり、雇用契約中に包含する仕事の内容に注目せずに賃金の支払いを強制する法律は立法権の根拠のない専断的行使とした。(1937年判例変更)
もう一つは、バン焼き、ケーキ、ビスケット職人の週60時間以上の労働を禁止した州法を違憲としたロックナー判決(1906)である。パン焼は危険な業務ではなく、労働力取引の自由を侵害するものして違憲判決を下した(後に判例変更)、当時は時間給ではなく日給2ドルが相場だった。実際60時間以上働いていたのは自発的にケーキ作りの練習の為で、雇用主と良好な関係だったのに告発されたのである。
奴隷は自身が他人の財産であるから主人に保護されるが、自ら望んでも長時間労働する契約の自由はない。長時間低賃金労働を厭わない人の契約の自由を奪うことは人間を一人前扱いしない侮辱だ。
従って真の自由主義者は、最低賃金規制と労働時間規制には絶対反対するはずである。
(2000字につめる前のもの)
私は、安倍政権の「働き方改革」で、三六協定の運用見直しによる一ヶ月あたりの残業時間の上限規制厳格化、罰則もと報道されているが全面的に反対なので意見をのべたい。制 理由1 反自由主義、反自由企業体制、共産党の政策であり、契約の自由、私的自治等近代市民社会の根幹を歪める (1)時短は進みすぎて、米国人より労働時間が短くなっていのに、やりすぎである。 古賀茂明週刊PB37号のコラムによれば、今回の長時間労働是正政策は、90年代に通産省で自分がとりまとめたものだか、共産党不破委員長が賞賛してくれたものだという。元は赤い官僚の政策なのだ。90年代は週休2日制により時短が進み結果として失われた10年を招いた。しかし90年代はまだ健全で、日経連が全ホワイトカラー裁量労働制と、労基法の罰則廃止、成果主義という働き方改革を提言し自民党もその政策に賛成していたしし、世界的な潮流もドイツ・フランス等時短しすぎで見直しの動きになっていた。これに危機感をいだいた左翼陣営が、不払い残業撲滅運動を行い、森内閣坂口労相が2001年より、それまで労使自治に委ね、政府の干渉をさけてきた方針を転換し、サービス残業は労働基準法違反で、悪質な企業は司法処分を辞さないという労働基準局長通達(基発339号)を出し、時代錯誤な労基法厳守の方針にしてしまった。まずNECが基準監督署の指導で主任以下の調査を行い過去2年分の残業代を支払わされた。本社の100人以上について平均150時間約4500万とされている。日立製作所でも未払い残業代が支払われ、三菱電機で是正勧告、係長級に導入していた残業手当の定額支給も見直された。さらにシャープで是正勧告、沖電機でも是正指導がなされた、その後も摘発が強化され、 結果的に、一定時間で手当を打切ったり、定額支給などの運用ができなくなり、80年代日本人はホワイトカラーなら年間300時間のサービス残業はあたりまえだったのに(これは事実上コアタイムの長い裁量労働制と同じである)、悪法「法令遵守」が求められるようになった。さらに最近は共産党のブラック企業攻撃、女性活躍、男性中心の働き方改革等の赤い政策要請により、不払い残業ではなく、残業代を出しても時間外労働協定違反を摘発するようになった、異様な長時間労働叩きである。 一方、勤労者も、失われた20年の経済低迷、会社への忠誠心の低下、成果主義も頓挫し昔はサービス残業を厭わなかったのに、「法令遵守」を口実にせちがらく実働時間手当を求めるのが一般的になり、残業代削減のために朝型出勤などが提言されるに至っており、時短推進の口実となってしまっているが、もとは坂口労相時代の方針転換が招いたことである。 結果的に、日本人は80年代の経済絶頂期は猛烈に働いていたのに、アメリカ人より働かなくなくなり、これ以上の労働時間規制強化は、勤勉だった国民性を崩壊させ、自滅を招くだけ。労働契約は、役務賃貸借契約であるという近代民法の原則からして債務の本旨の履行こそ労働者の本分であるのに、時短の影響で、仕事をやり遂げることよりも、時間で働く風潮が強くなり、モラルはますます崩壊する。仕事にブレーキをかけることで、ドラッカーのいう達成感、成功体験を与えることのできない職場に変質する。米国ITベンチャーでは週80時間労働はあたりまえだ、そのかわり当たれば億万長者だ。クァルコムが夜食やクリーニングのサービスをするのは知識労働者に働いて貰いたいから。労働時間規制で働く意欲にブレーキをかけるのは本末転倒である。 百歩譲って、大恐慌、失業率の高い時代なら、ワークシェアリングとしての時短は理解できるが、今日は人手不足で、時短政策を強行するのは理解不能である。 2・自由主義者が神聖視する契約の自由に著しく反する政策である そもそも三六協定のような労働法は外国にはない。それは契約の相対効という近代市民法の原則に反するためだが、そもそも労基法が赤い法律である。 米国では古典的自由主義者が神聖視するロックナー時代ノ最高裁判例が2つある。 アドキンス対児童病院判決 (1923)最低賃金立法は雇用者及び被用者の雇用契約交渉の自由に対する違憲な侵害であり、雇用契約中に包含する仕事の内容に注目せずに賃金の支払いを強制する法律は立法権の根拠のない専断的行使とした。(1937年判例変更) もう一つは、バン焼き、ケーキ、ビスケット職人の週60時間以上の労働を禁止した州法を違憲としたロックナー判決(1906)である。パン焼は危険な業務ではなく、労働力取引の自由を侵害するものして違憲判決を下した(後に判例変更)、当時は時間給ではなく日給2ドルが相場だった。実際60時間以上働いていたのは自発的にケーキ作りの練習の為で、雇用主と良好な関係だったのに告発されたのである。 奴隷は自身が他人の財産であるから主人に保護されるが、自ら望んでも長時間労働する契約の自由はない。長時間低賃金労働を厭わない人の契約の自由を奪うことは人間を一人前扱いしない侮辱であり、過剰なパターナリズム、奴隷扱である。 従って真の自由主義者は、最低賃金規制と労働時間規制には絶対反対するはずである。ところが、長時間労働規制に反対する人が日本に少ないというのは、健全な自由主義の枯渇した危機といわなければならない。 実際、メジャー首相時代の英国は、最低賃金制度も廃止し、年少者以外労働時間規制はなく、労使自治ないし個別の契約に委ねられていた。豪州自由党、ニュードジーランド国民党の労働政策は、所定時間外労働の賃率等しはすべて個別交渉で自由とするものである。そうした政策を打ち出す新自由主義政党が日本にないのが問題だ。 従って、元々総評・社会党の提案を岸派の倉石忠雄氏を通して自民党が妥協して成立した最低賃金制度や、長時間労働規制に異常なほどのこだわりを持つ安倍首相は明らかに反自由主義者で社会主義者だと評価しなければならない。ひょっとしたら習近平主席より左翼体質かもしれない。日本は競争力を失う、残念なことだがもうこれからは中国の時代になる。
« 地方公営企業職員の争議行為及び争議付随行為に対してどのような責任追及ができるか(下書)その14 | トップページ | 働き方改革 残業時間上限規制罰則化に強く反対その2 »
「労働」カテゴリの記事
- 主張を貫くことができず不甲斐なく思う(2019.11.20)
- フォルクスワーゲン・チャタヌーガ工場UAW交渉代表選挙僅差で敗北(2019.06.30)
- パワハラ対策必要ない (2019.03.21)
- 重ねて、残業時間上限規制政府案に反対 2(2017.01.29)
- 重ねて、残業時間上限規制政府案に反対(2017.01.29)
« 地方公営企業職員の争議行為及び争議付随行為に対してどのような責任追及ができるか(下書)その14 | トップページ | 働き方改革 残業時間上限規制罰則化に強く反対その2 »
コメント