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2017/05/08

民法731条改正案反対シリーズ(下書き)成人擬制を廃止し、婚姻適齢を成人年齢に一致させることにこだわるのは視野が狭い

成人擬制を廃止し、婚姻適齢を成人年齢に一致させることにこだわるのは視野が狭い

 民法学者に多いのが、成人擬制と親権者の同意要件を廃止して、婚姻適齢を成人年齢と一致させるのがシンプルな法規定で合理的という見解であるが、私は大反対である。

 未成年者は、成人より広範な規制を受け、憲法上の権利も制約されるというのは一般論であるとしても、しかし成人年齢に基づく区分のみでは、未成年者の年齢差や個人差を考慮しえないし、年長の未成年者を子供扱いすることには問題がある。一定の未成年者は、婚姻について成人と同等に扱うことも考慮されてしかるべきである

 すでに述べたように米国では16歳を婚姻適齢とする州が三分の二以上を占めるが、16歳未満でも裁判所の承認等により未成年者でも結婚は可能としている州が多い。

 米国の各州法では我が国の成年擬制と同じ未成年解放制度がある。婚姻、妊娠、親となること、親と別居し自活していること、軍隊への従事等を理由として原則として成年として扱う。(原則としてというのは刑法上の成年とはみなさないこと、選挙権、アルコール、タバコ、小火器の所持、その他健康・安全に関する規則では成年とみなされないという意味)。[永水2017

 したがって、米国の例からみて成人を18歳に下げても婚姻による成年擬制があって当然よいのである。

  法制史的にみれば、西洋では成人年齢とは別に成熟年齢を設定している、教会法は成年期を満20歳と定められているが、これと別に成熟年齢があり男子14歳、女子12歳であり、未成熟者の7歳以下を幼児と区別するのである。婚姻適齢や証拠法上の証人は、成年より低い年齢を設定している。ローマ法も同様の規定であるが、現代のスコットランド法では成熟年齢の男子14歳女子12歳未満をpupilといって法的能力は極めて限定されるが、それ以上成人の18歳に満たないニminorといって16歳で何人の同意なしに婚姻できる重要な能力をもつというように、成人年齢で権利能力の付与を一元化するという発想をとってない。[平松・森本1991]

 スコットランド法の特徴は、16歳であらゆる契約締結能力をもたせており、12歳以上で遺言の作成、弁護士に代理を支持する能力を持つとする。

 イングランドにおいては同じ未成年であっても16歳未満がchild1617歳のyaung

Personでは明確な線引きがあるのが特徴である。

 有効な意思確認は12歳以上、ヘッドギアなしの乗馬14歳以上、婚姻16歳以上(親の同意要、スクーターの運転16歳以上、避妊ピルの購入16歳以上、宝くじの購入16歳以上、オートバイ、自動車の運転17歳以上、飲酒は購入が18歳以上だが、親の責任下で自宅での飲酒は16歳以上、喫煙も購入は18歳以上だが喫煙自体は16歳以上となっている。[田巻2017] 

 私は英国の制度が必ずしも良いとは思ってないが婚姻適齢についは妥当であると考える。

 我が国の伝統社会(中世以降の臈次情合成功制宮座)において座入り、烏帽子成、官途成、乙名成と、段階的な通過儀礼があって村人身分の標識となっていた。[薗部2010]、烏帽子成は元服に相当するが、本当の意味で村人として責任のある地位につくのは官途成と考えられる。人間は成長し段階的に大人としての権利と責任を負うようになるというのが普通の考え方である。したがって、成人年齢になにもかも一元化してしまうのは本来不合理なものである。

適切な例とはいえないが現行でも例えば映画の観覧制限は成人年齢とは関係ない、ピンク映画は18歳未満観覧制限だが、PG12指定、R15指定と段階があるはず。成人・未成人の線引きを明確にすることにこだわる理由はない。

 米国では証拠法や医療などで「成熟した未成年者の法理」がある。(註) 成人年齢に基づく区分のみでは、未成年者の年齢差や個人差を考慮しえないし、年長の未成年者の権利能力をことさら否定し子供扱いすることは全く不当といえるのである。

 私の提案は、未成年者の結婚は親権者の同意要件を継続させるというもので、未成年者のオートノミー・自己決定を重視しすぎるものではないから穏当なものであると思う。

1990年代の統計では1617歳女子の婚姻は年間3千組ほどあり、これは決して少ない数ではない。私は建前の議論を好まないし、法律家だけでなく発達心理学、人間学的洞察にもとづく慎重な判断でなければならない。性欲も人間性の重要な一部分とて認識するならば、思春期以降の女子の性的欲求を是認した議論でなければならない。女子は性的欲求において、愛情の損失や失望による不満が多い。故に男性は性交によらなくても自慰によって性的不満を解消できるが、女性は対人関係によるのであり自分には容易に解決できないのであり、性的欲求と愛情欲求を満足させるだけでなく生活の支えとなる若年者の結婚を否定すべきではない。

今回の改正案は性的に早熟な女子に対する敵意が看取できるが、性的に乱交傾向のある少女は、性的同一性の発達課題からみるべきであって、相手を独占できる結婚は情緒的に安定するので、結婚という選択肢を否定するのは酷である。

特に女子は妊娠するのである。この点について、婚姻適齢を引上げても非嫡出子の法定め相続の差別は廃止され婚外子となっても不利益はないから問題ないとの主張がある。しかし法律婚制度をとっている以上、嫡出子となるべき子供をみすみす婚外子にしてしまうという議論はおかしい。嫡出子でも婚外子でもどうでもよいという議論は、乱暴である。少なくとも当事者の利益に寄り添った見解とはいえない。

また「足入れ婚の悲劇」を助長する蓋然性も指摘しておく。試験期間をへて段階的に婚姻が成立する習俗であるが、足入れ婚は昭和40年代ころまでは広範におこなわれており、トラブルも少なくなかった。足入れしても舅姑が気に入らないと破談となるケースもしばしばあり、法律婚年齢の引上げが当事者にとって不利益になる場合もあると考える。そんなことをいうと都会人から一笑にふされるかもしれない。法律家などのインテリ階級には無縁なことかもしれないが、民法は、特定の社会階層や都会の人のためにあるのではない、農山村や離島において今なお古風な婚姻慣習がなされている可能性はあり、民法は国民全体の婚姻慣習に適合的なものでなければならない。

さらに18歳での一元化は、18歳未満の第二級市民化を促すということである。18才未満は憲法上の権利を享受しえない、第二級国民に貶められる危険性である。すでに青少年保護育成の観点から18歳未満のJKビジネス就労規制、セクスティング規制の政策が打ち出されているが、これまでは婚姻適齢が16歳だったから通常の恋愛について政府の介入を防ぐことができても、婚姻適齢から外されることにより今後18歳未満ということで、死語となったはずの桃色遊戯として非行とされ、性行動の規制の口実として強化されることを強く懸念する。恐ろしい時代になりかねない。

 

(註)[米沢広一1985]より引用する。

 コモン・ローの一般原則では、医者が未成年の患者を治療する場合、親の同意が必要であるが、しかし州法では①緊急性の法理、②親の後見を離れた未成年者の法理、③成熟した未成年者の法理により例外により、親の同意を得ずとも本人の同意で治療できるものとしている

 

. Planned Parenthood v. Danforth, 428 U.S. 52 (1976)18歳未満の未婚の妊婦が妊娠初期12週間以内に中絶を行うには親の書面による同意が必要であるとするミズーリ州法を違憲とした。ただし多数意見は、未成年者を一律に扱うのではなく、成熟した未成年者と未成熟な未成年者とを区別し、後者の判断は留保している

.Bellotti v. Baird, 443 U.S. 622 (1979)18歳未満の未婚の妊婦が妊娠初期12週間以内に中絶を行うには両親の同意を要し、一方の同意が得られないとき正当かな理由がある場合には裁判所によって中絶の決定がなされるというマサチューセッツ州法を違憲とした。この判例は一律に年齢を基準とせず、中絶決定を行うのに十分成熟している未成年者、成熟していなくても中絶が妊婦の最善の利益となる場合中絶は認められなければならないとした

.City of Akron v. Akron Center for Reproductive Health, 462 U.S. 416 (1983) 15歳未満の妊婦の中絶に際して、両親の一方の書面による同意、裁判所の同意を要するとしてアクロン市条例を違憲とした。法廷意見は個別判断のための手続きを創設しなければ

ならないとする。

.しかし、Planned Parenthood Assn. v. Ashcroft462 U.S. 476 (1983)では、18才未満の未成年者の中絶を行うために。(ⅰ)本人の同意に加えて親の同意の一方の同意を得るか(ⅱ)未成年者が親の後見を離れている場合に本人の同意を得るか(ⅲ)未成年者自らが同意する権利を裁判所によって与えられるか(ⅳ)裁判所は、中絶への同意に関して成人と同等の権利を求める申立を容認するか、中絶が未成年者の最善の利益と認定するか、理由を明示して申立を却下せねばならないと規定するミズーリ州法を合憲とした。ブラックマン判事の一部反対意見は、未成年者の中絶決定の拒否権を親や裁判所に付与することを違憲とみなしている。

.いくつかの州法は精神病院への親の同意による未成年者の強制入院について、18歳よりも低く設定している。テネシー州、コネチカット州は16歳未満、バーモント州は14歳未満を未成年者とする。

.いくつかの州法は年長の未成年者の親の同意による入院につき、本人の同意も必要としている。ワシントン州は13歳以上、ウィスコンシン州は14歳以上。またイリノイ州は12歳以上の本人の意義申し立てを認め、聴聞会が開催される。ウィスコンシン州は14歳未満についてそのような規定がある。

.ペンシルベニア州は14歳以上の未成年者につき、原則として自らの意思で退院できるとする。

.親の後見から離れた未成年者の法理により、結婚したり、出産したり、軍隊に入隊したり、親と別居し独立した生計を営んだりする未成年者についても自らの治療に同意しうると、多くの州が規定している。

.成熟した未成年者の法理により、ごく少数の州法(アーカンソー、ミシシッピ)は、治療の結果に十分なに認識力を有する未成年者は、治療に自ら同意しうるとする。

.オレゴン州は15歳以上の未成年者は自らの治療に同意しうる。

.. ほとんどすべての州は、性病、アルコール中毒、薬物中毒等の治療と献血について、一定年以上、またはすべての未成年者が自ら同意しうるとしている。

 

引用・参考

薗部寿樹

2010『日本の村と宮座』高志書院

田巻帝子

2017「「子供」の権利と能力-私法上の年齢設定-」山口直也編著『子供の法定年齢の非核法研究』成文堂所収

 永水裕子

2017「米国における医療への同意年齢に関する考察」山口直也編著『子供の法定年齢の非核法研究』成文堂所収

 平松紘・森本敦

1991「スコットランドの家族法」黒木三郎監修 『世界の家族法』 敬文堂所収

米沢広一

1984 「子ども、親、政府-アメリカの憲法理論を素材として-1- <Articles> Child, Parent and State神戸学院法学 152

1985a「子ども、親、政府-アメリカの憲法理論を素材として-2-Articles> Child, Parent and State (2) 神戸学院法学 153

1985b 「子ども,,政府--アメリカの憲法理論を素材として-3- <Articles> Child, Parent and State (3) 神戸学院法学 154

1989「家族と憲法(二)」法学雑誌(大阪市立大)361, 1

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