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2019/01/20

地方公営企業に適用できる施設管理権(庁舎管理権)や行政財産の目的外使用許可の裁量等の判例法理(その3)


(二)「実質的に秩序風紀を乱すおそれ」とされた事例
(追加挿入)
  *目黒電報電話局判決の判断枠組引用せずとも「実質的に秩序風紀を乱すおそれ」が認定されたとしては事例は以下のとおり
 
   
7  休憩時間の自由利用を妨げ、作業能率の低下のおそれ

  「就業時間外であつても休憩時間中に行われる場合には他の従業員の休憩時間の自由利用を妨げ、ひいてはその後における作業能率を低下させるおそれのある」目黒電報電話局反戦プレート事件・最三小判昭52・12・13民集31-7-974、同趣旨のものとして大日本エリオ事件・大阪地判平元・4・13労判538号6頁「本件署名活動は施設内において、しかもその趣旨説明、説得を伴っていたことから、被告の施設管理権、秩序維持権を侵害したうえ、休憩中の他の従業員の由に休憩する権利をも相当程度妨げたと推認され、これをもって正当な組合活動であったということは到底できない」と説示し譴責処分を適法とする。
8 違法な行為をあおり、そそのかすことを含むもの

 ビラの内容につき「違法な行為をあおり、そそのかすことを含むものであつて、職場の規律に反し局所内の秩序を乱すおそれ」目黒電報電話局反戦プレート事件・最三小判昭52・12・13民集31-7-974。
 ビラではなく、集会について同趣旨のものとして東京城東郵便局事件・東京地判昭59・9・6労判442号45頁がスト決行体制確立、業務規制闘争突入指令発令後の、郵便局内での組合集会開催のための施設の利用を許諾することは、違法*行為を助長する結果となるおそれが大きいと当局側が判断したことについては、相当な理由があるとして、事案の会議室使用不許可に権利濫用と認めるべき特段の事情はないと判示し、不許可集会強行、欠勤、管理職らに対する暴行を理由とする郵政職員2名に対する懲戒免職処分を有効とする。
 *注意すべき点として、最高裁の無許可集会(施設利用)等の5判例は、全逓新宿郵便局事件・最三小判昭58・12・20、池上通信機事件最三小判昭63・7・19、日本チバガイギー事件・最一小判平元・1・19、済生会中央病院事件最二小判平元・1・12・11、オリエンタルモーター事件・最二小判平7・9・8は、施設利用の拒否、無許可集会に対する監視、解散命令、警告書交付は不当労働行為に当たらないとしたもので懲戒処分事案ではない。
 全逓新宿郵便局事件の休憩室や予備室の無許可集会については郵政省の就業規則第二一条で「組合事務室以外の庁舎の一時的な使用を申し出たときは、庁舎使用許可願を提出」することになっており、最高裁が是認した控訴審判決は、郵政省の就業規則第二一条にもとづき「一般の庁舎の目的外使用の場合と全く同様に、許可願を提出して承認を受けた上でなければ、該集会のために休憩室を使用することはできない」等説示するが、組合の休憩室の排他的使用によつて、非組合員等の休憩時間の自由利用を妨げるとか、予備室の集会は勤務時間中の者とそうでない者が混在する時間帯のものだが、勤務中の職員の離脱を促す影響といった実質的に秩序をみだすおそれについては何の言及もない。
 これは、懲戒処分事案でないためと思われるが、たんに許可願を提出していないだけでは形式的規則違反にすぎず、処分を行う場合は抽象的でよいが理由づけが必要ではないかと思われる。
 類似した事案では、前記東京城東郵便局事件・東京地判昭59・9・6のほか全逓長崎中央郵便局事件・長崎地判昭59・2・22労判441号カードが、中止命令されているにもかかわらず、施設内の無許可職場集会強行は懲戒処分事由となっている。
 
七 休憩時間中、就業時間外の組合活動-管理権を侵害し、企業秩序をみだすおそれのある組合活動は規制できる

(施設内における休憩時間中の行動を規制しても労働基準法第34条第3項違反にはならない)
 リーディングケースは●米軍立川基地出勤停止事件・東京高判昭40・4・27労民集16巻2号317頁で、全駐労組合員10名が、米軍の許可なく休憩時間中に基地内の食堂、休憩室その他の場所で職場報告会等の組合活動を行ったことを理由とする出勤停止処分を適法とした。使用者は、労働基準法第34条第3項の規定により、労働者に対して休憩時間を自由に利用させる義務を負うが、使用者がその事業施設に対する管理権を有する以上、右権利の行使として施設内における労働者の休憩時間中の行動を規制しても、それが労働による疲労の回復と労働の負担軽減を計ろうとする休憩制度本来の目的を害せず、かつ右管理権の濫用とならないかぎり、違法ということはできないと判示。
 ●日本ナショナル金銭登録機懲戒解雇事件・東京地判昭42・10・25労民集18巻5号1051頁も同趣旨の判断を示している。
 最高裁判例は2つあり、●米軍立川基地事件・最三小判昭49・11・29集民113号235頁は 「一般に労働者は、休憩時間中といえども、その勤務する事業所又は事務所内における行動については、使用者の有する右事業所等の一般的な管理権に基づく適法な規制に服さなければならない‥‥‥もつとも、労働者は、通常、休憩時間中も勤務場所における滞留を余儀なくされるものであるから、使用者の管理権に基づく労働者の行動規制も無制限であることをえず、管理上の合理的な理由がないのに不当な制約を課する場合には、あるいは労働基準法の前記規定に違反するものとして、あるいは管理権の濫用として、その効力を否定せられることもありうるというべきであるが、管理権の合理的な行使として是認されうる範囲内における規制であるかぎりは、これにより休憩時間中における労働者の行動の自由が一部制約せられることがあつても、有効な規制として拘束力を有し、労働者がこれに違反した場合には、規律違反として労働関係上の不利益制裁を課せられてもやむをえない」と判示した。
 続いて●目黒電報電話局反戦プレート事件・最三小判昭52・12・13民集31-7-974が「休憩時間の自由利用といつてもそれは時間を自由に利用することが認められたものにすぎず、その時間の自由な利用が企業施設内において行われる場合には、使用者の企業施設に対する管理権の合理的な行使として是認される範囲内の適法な規制による制約を免れることはできない。また、従業員は労働契約上企業秩序を維持するための規律に従うべき義務があり、休憩中は労務提供とそれに直接附随する職場規律に基づく制約は受けないが、右以外の企業秩序維持の要請に基づく規律による制約は免れない‥‥局所内において演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等を行うことは、休憩時間中であっても、局所内の施設の管理を妨げるおそれがあり、更に、他の職員の休憩時間の自由利用を妨げ、ひいてはその後の作業能率を低下させるおそれがあつて、その内容いかんによつては企業の運営に支障をきたし企業秩序を乱すおそれがあるのであるから、これを局所管理者の許可にかからせることは、前記のような観点に照らし、合理的な制約ということができる。」としており、同事件は政治活動の事案だが、その判旨が組合活動なも及ぶことは既に述べたとおりで、休憩時間の組合活動についても施設管理権を侵害し、企業秩序みだすおそれのある行動は規制したとしても、労働基準法第34条第3項としならないことは明白であるといえる。 
 本件は、政治活動事案だが、組合活動も同判決の判旨が適用されるのは明らかなことである。
 同趣旨の下級審判例として、●国労兵庫支部鷹取分会事件・神戸地決昭63・3・22労働判例517号52頁のほか、●大日本エリオ事件・大阪地判平元・4・13労判538号6頁は「本件署名活動はその趣旨説明、説得を伴っていたことが認められる。そして、休憩時間中においては他の労働者が休憩時間を自由に利用する権利を有していることが尊重されなければならないから、これを妨げる行為を当然にはなしえないと解すべき」としている。
八 正当な組合活動ではなく懲戒事由となることを認めたにもかかわらず懲戒処分が不当労働行為とされた例


 ○国・中労委(医療法人光仁会)事件・東京高判平21・8・19労判1001号94頁( 平21・2・18東京地判の控訴審) 「 当裁判所も,本件組合旗設置を正当な組合活動ということはできず‥‥懲戒処分を行うこと自体は不相当とはいえないが,本件懲戒処分(停職3か月,その間,賃金不支給,本件病院敷地内立入禁止)は,懲戒事由(本件組合旗設置)に比して著しく過重であって相当性を欠くものであり,また‥‥,甲野理事長に交替した後の労使関係においては控訴人の補助参加人(組合)に対する嫌悪を十分に推認できるのであるから,本件懲戒処分は‥‥組合活動に対する嫌悪を主たる動機として,補助参加人の下部組織の分会長であるBに対して著しく過重なものとして科されたものと認めるのが相当であり,本件懲戒処分は労組法7条3号の不当労働行為に当たるものと判断する。」
 懲戒事由(本件組合旗設置)に比して著しく過重であって相当性を欠く場合は、たとえ正当な組合活動でなくも不当労働行為となることがあるので注意したい。

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