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2023/04/01

宗教虐待禁止の法整備に強く反対し厚労省の教義への干渉を非難する

政府・国会議員へ

 

 宗教虐待禁止の法整備に強く反対し厚労省の教義への干渉を非難する

 

1 反新興宗教の宗教2世が正しいと全く思わない

 

 先月宗教敵視の"反セクト法"制定を超党派で実現を目指す宗教2世が、宗教虐待禁止の法整備を各党に要請し、厚労省がエホバの証人法人幹部より聞き取りを行ったが私は大反対です。

 Hanada2月号で杉原誠四郎氏の記事「「統一教会」信者の信仰の自由は?」もあるように、昨年の夏以降、急に始まった常軌を逸した新興宗教叩きは異常。とりわけ民法で懲戒権が削除されなけなければ問題にならないようなエホバの証人のビニール製でおもちゃのような鞭打ちや、忌避叩きにまで拡がって不愉快です。

組織に不満を抱く元関係者らの歪んだ情報にもとづき特定の宗派(旧統一教会とエホバの証人)を狙い打ちにするもので容認できない。

 厚労省の聞き取りでは、教団が鞭打ち、輸血拒否、忌避を容認していないと信者に周知するよう要請したとの報道がある。これは実質政府による教義への干渉であり、親の監護教育権、宗教教育の権利を侵害するだけでなく、政教分離と信教の自由を保障する憲法に抵触する疑いが強い。

 死後の安寧は多くの人が願っていることで宗教は重要。世俗的価値観に染まって、新興宗教や人権を攻撃している宗教2世や支援する法律家に好感をもっていません。

 

 2 「忌避」はコリント後書に根拠があり政府は教義に干渉すべきではない

 

 米国は植民地時代から伝統的に千年王国が信じられていた。原始キリスト教徒がキリスト再臨を信じていた。だから真正クリスチャンはキリスト再臨を待望して当然なのである。初期クリスチャンへの回帰を志向し、終末が近い音信を伝える宗派だから、世俗的成功より伝道活動や宗教的に正しい生活に重点を置いていることを政府は理解しなければならない。

 

 「忌避」はコリント第二 6:1415聖書の根拠があります。不釣合な人々と軛をともにするな。不信者と懇親することは良くないし会食しない理由になってます。

 政府がコリント後書の解釈に干渉することは、政教分離や信教の自由に抵触する深刻な問題と受け止めます。政教分離とは米国の理論では政府と宗教に過度のエンタングルメントがあってはならないということですが、これ以上干渉すると過度のエンタングルメントといえるでしょう。

  

 3 宗教虐待の範囲が広範すぎる

 

 マスコミに露出している小川さゆり氏がツイッターで紹介している旧統一教会向けのパンフレットでは、童話、アニメ、漫画、ゲーム等娯楽禁止が虐待だとしていますが、漫画を取り上げて勉強させたり普通の家庭にもありうることです。

 エホバの証人の「鞭打ち」もツイッターで現物を見ましたが、ハートマーク状のビニールのチューブで、さほど痛いとは思えません。想像していた乗馬用のステッキとはかなり違うものです。普通の家庭でも手癖の悪い子供は叩かないと矯正でません。些末な問題に思えます。清教徒は乳児を包帯で縛って身動きできないよう縛ってました。子供には厳しい。現代のように子供をペット化して扱うことのほうが間違いです。

 

  4 エホバの証人に好意的な理由-近代市民的自由への貢献

  

 ビッツバーグ近郊の聖書研究者により19世紀後期に発足した新興宗派、エホバの証人とは、誤解があるかもしれないが、私の理解するところでは、世の終末は近くキリスト再臨に備え、神の王国によって救われるよう伝道し、既存宗教にあきたりない人びとが入信する。聖書研究のためのホールを設営しているが、簡素で審美的な要素に欠く。会衆は初期クリスチャンへの回帰を志向し、聖句に忠実に従うよう組織的によく統率されている。教義的にはアリウス主義で、十字架も認めていないのはキリスト教主流との大きな相異点である。聖句に忠実なため生活態度は保守的、政治にかかわらず、労働組合に加入しない。かつて外国では世間から迫害があった時期もあったが、それは原始キリスト教徒と同じく覚悟しておりむしろ信仰を強くする。

   筆者がエホバの証人に好意的なのは信教の自由や精神的自由で重要な連邦最高裁判例の当事者で、悪意ある厳しい迫害に耐えながら市民の自由のために闘ったこと。一般市民社会への貢献がある。

   1943年キャントウェル判決は、連邦最高裁が初めて州法違反の事案に修正一条を適用して信教の自由・伝道活動の自由を擁護した画期的な判例で、コネチカットで蓄音機携帯の伝道活動が、平穏妨害の罪で有罪となったが、連邦最高裁は「公共の平穏と秩序を脅かすものではない」として全員一致でエホバの証人が勝訴した。

 1943年バーネット判決は公立学校生徒の国旗敬礼拒否事件で、3年前の最高裁の判断を判例変更したもので、ジャクソン判事の「もし,憲法の星座の中に不動の星があるとするならば,それは,いかなる公務員も政治やナショナリズム,宗教やその体験に関して,正統なるものは何かを定めることはできないということであり,また自分たちの信仰について表明させられるよう強要してはならないということである」という箇所はよく引用されます。

 偶像崇拝をしないという宗教的信念に反することは強制されない。合衆国最高裁は、1989年の星条旗焼き捨ての起訴や、1992の「焼かれた十字架」憎悪表現規制、2011年暴力的ビデオ・ゲームの未成年販売禁止を違憲とした。その後の表現権の進展の基礎となった。この判例は教育基本法にかかわった田中耕太郎の著書で知ったのであり、リベラルな憲法学者はよく知っているし通例では賞賛するはずである。

 バーガーコート1977 Wooley 判決はニューハンプシャー州が車両のナンバープレートに、同州の標語(Motto)である「自由をしからずんば死を」の掲示を義務付けていたが、この義務が自らの信仰に抵触するとして,エホバの証人が拒否し州の主張を退けた判例で、政府が特定の政治表現を市民に強制できないことがより明確になった。1972年ヨーダ判決ではアーミッシュの第九学年以上の義務教育拒否が認められている。バーガーコートはこの点で宗教の自由に寛容であり、アメリカ社会はエホバの証人やアーミッシュのような世間一般と軋轢のあるセクトとも共存し、司法的に多様な宗派が認められる司法国家といえる。国是である信教の自由の到達点といえるだろう。

 私はむしろリベラルな宗派に疑問を持つ、ドイツのフェミニスト神学とか明らかに聖書解釈としては間違っており、教会挙式の説教で第二パウロ書簡の家庭訓を避けたりする風潮に疑問を持つし、同性婚の祝福など言語道断。

  この点、新世界訳聖書が主流派による批判があるとはいえ、聖書に忠実な宗教生活を重視し、世間の風潮に迎合しないエホバの証人を評価する。

  私は宗教敵視の宗教2世をもてはやすことに疑問をもつ。一連の旧統一教会攻撃は、保守的な政治家と結びつきを遮断することにより保守勢力をそぐため、左翼勢力を利している。エホバの証人は積極的な伝道活動で信者を増やした結果、日本では他のキリスト教系宗派より大きな存在になり、不満を持った脱落者も増えたのだろうが、実質、保守的な生活態度の非難になっており、反宗教勢力に利する利用されている気がする。

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