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2024/12/22

東京都水道局の争議行為対応等労務管理を是正を求める意見具申 その4(完)

(承前)
令和6年12月18日
  東京都知事、都議会議員、水道局長、国会議員へ


 東京都水道局は、4類型の違法行為.外形上犯罪構成要件該当行為、職場の秩序を乱す行為を広範に許容し、平成16年3月後藤都議の質問の対応として行った東岡職員部長通知による頭上報告の警告以外、いっさい職務命令を行わない。最高裁が否認しているプロレイバー学説による脱法的不適切な労務管理・庁舎管理がなされており、抜本的是正を求める意見具申 その4
(公開用・簡略版-実際に知事等に送ったものから実名や固有名詞等の一部等を省略したうえ、文章をやや簡略化したもの)
                                             川西正彦
 東京都水道局は事実上、全水道東水労の違法争議行為と外形上犯罪構成要件該当行為を正当業務として扱い就業命令.中止解散命令等の職務命令を行わず、規律ある業務の運営体制を確立することを放棄し、違法行為を助長していることが、コンプライアンス経営宣言に反し、地公労法11条1項の保護法益である住民全体の利益を侵害しているので是正されるべきでありその改善策を提案するというのが意見書の基本的趣旨です。


(Ⅱ)新方針の策定・.4類型の違法行為に対し、職務命令(警告、中止.解散命令)、監視、便宜供与拒否の徹底 3
一 4類型の違法行為とは 3
(一)地公労法11条1項後段「唆し」「あおり」 3
(二)地公労法11条1項違反の同盟罷業 4
1 職員一般に対して違法行為として事前警告をやらず、本部中闘以外は懲戒処分としない方針を改める 4
2 スト当日の、職場集会の中止命令、職場復帰命令、就業命令、監視、現認検書等一切しない在り方の是正 5
(三)組合役員による労務指揮権の奪取による、業務妨害、業務管理 6
(四)外形上犯罪要件該当行為 7
二 新方針の提案 具体的対応 9
(一)ストライキ対策本部を設置する 9
🔷非組合員全員対策本部入りの意義 9
(二) 組合中執のオルグ演説-中止命令 11
(三)中央執行委員候補者の就任演説-中止命令 12
(四)頭上報告-中止命令 12
(五)闘争指令下の昼休み集会-中止命令 12
(六)本庁・支所・合理化拠点の動員決起集会-中止・退去命令 14
(七)スト決行体制確立、闘争突入した時点で集会等便宜供与の禁止 14
(八)ビラ貼り-パトロールし現認制止する 15
(九)ビラ配り-闘争態勢に入った時点で許可制に 15
(十) 組合掲示板の公務秩序に反する掲示物の撤去-不適切なものは撤去 16
(十一)マグネットシートの貼付、赤旗の寄書き、煙突闘争等-ビラ貼りと同じ対応 16
(十二)春闘ワッペン、赤腕章-取り外し命令 17
(十三)所属長要請行動は拒否する 17
(十四)三六協定破棄闘争の対応-不可欠な業務と予め日程に組まれていて委託業者に影響のある業務は違法であっても業務命令する 18
1 当局は適法としているが昭和32年内閣法制局意見によれば争議行為である 19
2 労基法違反の時間外労働でも職務の執行は違法にならないとする先例 19
3 経常業務等の管理職対応はやめ業務命令する 20
(十五)スト待機-事務室利用拒否、建造物侵入罪で告訴も検討 20
(十六)ストライキ準備行為の禁止-撤去命令 21
(十七)ピケッティング-中止・解散命令 21
(十八)職員一般向けの「服務の示達」の慣行を廃止し、警告兼就業命令書の手交に改める 22
(十九)ストライキ当日の集会の中止・解散命令、職場復帰命令の徹底 23
(二〇) ストライキ時、営業所の必要業務の管理職対応は原則としてやめる 24
(二一)非組合員の出勤時限前の入庁を締め出し「事故欠勤」とする方針を廃止する 24
1 職員の就労する権利と法令遵守義務を否定する東京都の管理職の悪質さ 24
2 非組合員の就労する権利の否定は違法 25
3 組合の統制を受けないで就労する権利の否定は違法 26
4 地公労法11条2項違反の疑い 26
4 「勤務時間等規程」「処務規程」「事務処理要領」違反の強要は職権を逸脱で違法性が強いのでやめる 27
5 ストライキ時の非組合員の事故欠勤は不正会計で、違法性が強い 27
(二二)積極的業務妨害・外形上犯罪構成要件該当行為は許容しない 27
(二三)昼当番拒否闘争の協力は拒否し就業命令する 28
(二四)組合役員による労務指揮権の奪取による、業務妨害、業務管理は拒否 28
(二五)同盟罷業の懲戒処分の在り方を改める。 29
(二六)庁内管理規程で禁止の保険勧誘行為が認められている問題 29
(二七)組合の時間外労働規制に都合よく作られている水道局庁内管理規程の問題 31
(二八)夏28度、冬20度の通達の温度設定は出先の庁舎では守られていない 31
(二九)組合による目標管理制度の自己申告形骸化闘争に管理職が屈している問題 31
(三十)営業所における勤務時間内浴室のシャワー利用の問題 32
🔶勤務時間中の洗身入浴の問題について(詳論) 33
1 洗身入浴時間は労働基準法32条の労働時間に該当しないと最高裁で確定しているのに勤務時間内洗身の有給入浴を認める東京都水道局 33
2 勤務時間中の洗身入浴は、指揮監督から離脱し債務不履行として賃金カットできるとする下級審 34
第Ⅲ部 私鉄総連組合員の春闘ワッペン着用を規制すべき.国会議員と知事、都議会議員へ要望 34
主な参照判例等 35


(Ⅱ)新方針の策定・.4類型の違法行為に対し、職務命令(警告、中止.解散命令)、監視、便宜供与拒否の徹底
 
 東京都(水道局)は、次の4種類の違法行為を全面是認しているが方針を改める。
 都は組織的に、以下の4種類の違法行為を組合の正当業務でないのに、事実上正当業務として是認し支援している。それは組合の論理に従った労務管理によるものであり、地公労法11争議行為禁止の保護法益である、住民の共同利益の否定であり、水道局長のコンプライアンス宣言に著しく反するものである。
 当局には労務管理につき広範な裁量権があり、違法行為を違法行為といわない。職務命令、就業命令や警告をしないことが違法でないからコンプライアンスに反しないというかもしれないが、現状は法令違反を自覚させないため、職員は積極的な業務妨害、犯罪要件該当行為も違法と思ってない、規律のある正常な業務運営ができていないことは是正されるべき。
一 4類型の違法行為とは

第Ⅰ部(Ⅱ)一15頁と同趣旨
(一)地公労法11条1項後段「唆し」「あおり」
 地方公営企業職員の争議行為が、労組法7条1号で保護される正当な行為でないことは、北九州市交通局事件・最一小判昭63.12.8民集42-10-7等の先例が地公労法11条1項違反の争議行為に対する懲戒処分を是認したことにより明白であり、後段の「唆し」「あおり」について組合側のいう限定解釈をとらないことは、地方公務員法の判例だが、日教組スト事件.最一小平成元.12.18刑集43-13-88、埼教組事件.最三小判平2.4.17刑集44-3-1の判旨より明白であり、オルグ演説や頭上報告等での指令の伝達、組合員の意思統一を図る「昼休み集会」、駐車場等での動員決起集会。ピケッティングの指導等が、「唆し」「あおり」に当たる違法行為であることは明白なのに、東京都の管理職は違法行為と全く認識していない。闘争シーズンに毎年恒常的に行われ是認されるものとなっている。後藤雄一都議の質問の対応として平成16年3月の東岡職員部長通知で頭上報告に対し賃金カットの「警告」を行うようになったが、これは演説者の職務専念義務違反に限定して警告するだけで、地公労法11条1項後段違反や他の職員の職務専念妨害のおそれは念頭におかれてない。
 国の官公庁、特に旧郵政であるが、全逓が業務規制闘争、ストを配置した時点で、地方郵政局が、各郵便局に、組合に対する便宜供与拒否の徹底を指示し、集会を強行する場合は中止.解散命令と監視を徹底しているが、東京都は国の省庁のような取り締まりをやらない在り方は、異様であり、是正する。

(二)地公労法11条1項違反の同盟罷業
1 職員一般に対して違法行為として事前警告をやらず、本部中闘以外は懲戒処分としない方針を改める

  東京都水道局の同盟罷業の対応は、全水道東水労側の学説に大筋で従うものである。争議行為があっても職員個人の責任は生じないという、学説に大筋で従っている。
   つまり東京都では職員一般に対し、事前警告せず「服務の示達」と称する慣行で、同盟罷業を違法行為と言わない訓示をすることになっている。
   就業命令でもないので、ストに参加しても地方公務員法32条「‥‥法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従 い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」の適条による懲戒処分はやらないことを示唆するものとなっており、それは組合員もわかっているので、この訓示はインチキ、片八百長であるから是正する必要があるということである。
   違法行為であるとして警告していることが明らかなのは組合執行委員長に対してだけであり、組合委員長向けと明確に区別して、職員一般に対しては「服務の示達」と称する事前警告とは全く違った対応をしていることが問題なのである。
  水道局の争議行為対応はシンプルで、局長名で各部長宛てに服務規律の確保のため地公法30条の服務の基本方針を形式的に述べたA文書と、それを受けて職員部監察指導課が各庶務担当課長宛てに具体的な指示をするB文書を流し、各管理職は庶務担当課長の指示を受け、部下に対し以下のような訓示等を行うのが通例となっているが、文面は規定されておらず、「職員の皆様へ」という雛形か、A文書をなぞった文面とするのが通例である。
  次の文面これは2024年11月8日付グループウェアによる「服務の示達」の通知であるが、以前はマイク放送が通例だったが、違法行為ということは絶対言わないことがお約束になっている訓示である。

 2024年12月13日グループウェアによる「服務の示達」
○○課長 
 ○○の皆様へ、全水道東京水道労働組合は12月18日(水)午後3時30分から都庁ふれあいモール3割動員決起集会を、12月20日(金)午前8時30分から早朝2時間ストライキを計画している模様です。また、東京水道労働組合は、午前8時30分から早朝1時間ストライキを計画している模様です。
 集会等の行動に参加するために多数の職員が職場を離れ、かつ権限ある上司の承認なく勤務しない等の行為に及ぶことは、当局業務の正常な運営に支障を生じさせるばかりでなく、都民の信頼に背く結果となることは明らかです。
皆様におかれましては、全体の奉仕者として公共の利益のために全力を挙げて職務を遂行するとともに、都民の批判招くことのないように良識ある行動とられることをお願いします。

「職員の皆さんへ」(平成20年頃の例-現在もフォーマットは同じと考えられる・職員部監察指導課がスト前日に貼りだすよう指示しているが、近年はやらなくなっている)
                                                      東京都水道局長
  皆さんは、都民全体の奉仕者として、公共の利益のために全力を挙げて職務を行う立場にあります。とりわけ、今日都民が都政によせる関心と期待にこたえるため、皆さん一人ひとりの自覚と職務への精励が従来にも増して必要な時期にあります。
  とりわけ、今日都民が都政によせる関心と期待はさらに高まりつつあり、この期待に応えるため、皆さん一人ひとりの自覚と職務への精励が従来にも増して必要な時期にあります。
  ところで、全水道東京水道労働組合は、明日3月18日に始業時から2時間のストライキを予定している模様です。
皆さんが一斉に職場を離れることは、都民の生活に大きな影響を与えるばかりでなく、都政に対する信頼を都政に対する信頼を裏切ることになります。
  皆さんが、公務員の本分を十分にわきまえ、都民の批判を招くことのないように良識のある行動をとられることを求めます

 なお、支部.分会役員にはB文書でスト中止の申し入れをすることになっているが、現場を見たことは一度もなく、文言や口頭でよいのか警告書を交付するのか形式も規定していないので警告はしていないとみられる。B文書では違法行為との文言のない訓示である「職員の皆様へ」をスト配置前日ら掲示することになっているが近年では行われていない。
 職員一般に事前警告をしていないことは以下のプレス発表でも明らかで当局は隠蔽すらしていない。違法であっても責任を負うのは組合だけという組合側の主張どおり、組合中央には警告するが、それ以外警告しないという体制である。 
令和5年12月19日付【東京都水道局プレス発表】
12月20日(金)の労働組合ストライキについて
1 組合の行動態様
(略)
2 当局の措置
1)組合に対する警告
2)職員に対する服務規律確保の周知
3)管理職員による事務事業の支障の防止
 国の省庁では職員すべてに違法行為なので必要な措置をとる旨事前警告する。また地方自治体等では就業命令を事前に交付するケースもある。
 これは、組合側の主張では、懲戒処分が個別職務秩序違反者に対する制裁で、集団的組織的行動である争議行為にはなじまない。争議行為が違法であるとしても組合の統一的意思のもとに組織されていることから、集団的性格を有するという事実に変わりはなく、個々の組合員の行為は独立した行為として個人の責任を追及できないという学説に大筋従った方針であり、当局のメンツを維持するため、組合の機関責任を問うと言う形で本部中央闘争委員会のメンバー3~4名を停職処分としているが、それ以外のスト指導者である本部役員、支部.分会役員は懲戒処分の対象せず、組合活動で不利益賦課させないという組合の方針を呑んでいるためである。
 但し平成22年、26年、令和元年の1時間ストライキは、支部長を訓告としているがこれは懲戒処分ではない。
官公庁の近年の懲戒処分の事例では、平成3年11月13日の国立病院の最大27分勤務時間に食い込む集会(11年ぶりの争議行為)があるが、本部役員と地方協議会専従者(26名)支部長(147名)を戒告、支部副支部長及び書記長(399名)に対しては文書訓告、単純参加者(2518名)は厳重注意(全日本国立医療労組事件.東京高判平12.11.29労判840)。としている在り方と比較すると、昭和56年の同様の争議行為で支部三役が訓告にとどまっていたのに対し、平成3年は支部長が戒告となっている。
 また北教組の平成20年1月30日終業時1時間同盟罷業につき、道教委は30分以上の職務離脱者12,551名に対し一律戒告処分。札幌市教委は 支部長に対し減給2月、 副支部長、書記長、書記次長ら5名に対し各減給1月、 その他の支部専従役員に対し戒告、 授業を欠務したストライキ参加組合員190名に対し戒告、 その他のストライキ参加組合員1,698名に対し文書訓告であり(北海道労委事件・最二小判決平28.6.17(中労委データベース参照)、東京都が組合中央の機関責任だけを問う、指令に従って組織の方針に従って違法行為をしている組合役員以下は懲戒処分にしないという方針は明らかに抑止効果のない処分であり、指令に従っている大多数の組合員を免責している点で、指導的判例である全逓東北地本懲戒免職事件・最三小判昭53.7.18民集32-5-1030「争議行為は集団的行動であるが、その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえない」との判旨に反し不当であるので是正する必要がある。
 ちなみに、平成3年の国立病院の勤務時間に約29分以内食い込む方針で職場大会を開催したケース、西多賀病院(仙台市)では「同病院長名義の西多賀支部支部長あての『貴支部は11月13日に勤務時間内職場大会を計画している模様であるが、国家公務員はいかなる場合においても争議行為を行うことは許されず、このような違法行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし若しくはあおってはならないこととされている。当局は、貴支部が違法な争議行為を行った場合には、厳正な措置をとらざるを得ないので、違法行為が行われないよう貴支部の自重を強く要望する。」旨の警告書を用意して、庶務課長及び会計課長両名が、同月8日、西多賀支部副支部長に同警告書を交付しようとしたが、同人は右警告書の受領を拒否した。
 西多賀病院は、12日、同病院長名義の職員あての「全医労西多賀支部の時間内職場大会について」と題する書面において、「伝えられるところによれば、全医労西多賀支部は来る11月13日早朝時間内職場大会を計画している模様であります。すでに承知のとおり、勤務時間内職場大会は国家公務員法で禁止された争議行為でありますから、このような違法行為には、絶対に参加しないようにして下さい。もしこれに参加した場合には、関係法令に照らし、必要な措置をとらざるをえないので、皆さんの良識ある行動を望んでやみません。」と記載し、この書面を、西多賀病院内の四か所の掲示板に掲出して、職員に対し、違法な時間内職場大会への参加を辞めるよう警告を発した。(全日本国立医療労組事件.東京地判平11.4.15判時1724)とあり、必ず争議行為は違法だから警告する文言だが、争議行為=違法は、東京都では職員一般に対しては口が腐っても言ってはいけないタブーとなっているが、各事業所の組合役員が違法争議行為を指導しても責任は問われないシステムはコンプライアンスに著しく反することを臆面もなくやり続けている。

2 スト当日の、職場集会の中止命令、職場復帰命令、就業命令、監視、現認検書等一切しない在り方の是正
 
 国の省庁はストライキ当日の職場復帰命令、就業命令を非常に重視していることは、マイクだけでなく、プラカード、懸垂幕など小道具も使って、必ずやっていることからに明らかである。庁舎構内だけでなく、郵政や林野庁のように、庁舎外の会場で集会がなされる場合も、監視、就業命令をしているのである。
 ところが、東京都(水道局)次の3点の理由で組合側の論理を受け容れ、組織的に就業命令をやらない主義になっていると考えている。カッコ内に示す通り最高裁が明示的に否定している。
 A 闘争期間に管理者が業務命令することは労働基本権の趣旨に反し不当、あるいはストライキに突入した場合もはや上司の指揮.支配から離脱しているので業務命令できない。
(神戸税関事件.最三小判52.2.20民集31-7-1101が否定)
 B 業務命令は団結破壊.組合敵視で認められない、
(そもそも違法争議行為の決議.指令に内部統制権はない。国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28民集29-10-163.横浜中郵事件.戻後控訴審東京高判.昭47.10.20判時689等が否定)
 C争議中の操業(業務運営)は、争議権との対抗の中では権利性を失なうとして、非組合員や脱落組合員に業務命令して操業してはならない。私企業のユニオンショップと同様の対応を組合が主張。ただし管理職対応の業務は認める。
(最高裁は私企業において争議行為時に、非組合員、スト反対派組合員、第二組合、臨時雇用者に業務命令して操業を維持することは認められているし、山陽電気軌道事件.最二小決昭53.11.15 刑集32-8-18はバス事業者において、私鉄総連系組合のストに反対する第二組合員の就労によるストライキ対抗措置としての操業行為は、完全に法的保護の対象となり、組合側の計画していた争議行為に対抗するためにとられた措置を理由として業務性を失うことはない旨説示しており、操業権は肯定されている。加えて地公労法11条2項でロックアウトできないので、非組合員はもちろん組合員であれ、ストの勧誘を受忍する義務はなく就業の権利と義務があり、むしろ非組合員に業務命令せず、ピケットラインを越えないよう管理職側から指図していることは違法性が強いというべき)
 組織的にというのは、監察指導課のB文書に就業命令は指示されていないので当局の方針である。集会場所と参加者数の報告は義務付けているが、ストに指導している役員や率先助勢者、具体的には集会の演説者、ピケッティングの指導.実践等の現認検書の上申も指示されていない。
 上級部署の指示に忠実に従うのがコンプライアンスなので現場の管理職は何もやらない。違法行為を是認して黒いものを白にすることこそ、コンプライアンスという東京都の職場風土なので腐っているといわざるをえない。就業命令をやらないということは、違法行為を自覚させず、抑止せず、放置することで、管理職の債務の本旨を履行していない状況といえる。それは懲戒処分しない前提ともいえるが、当局には広範な裁量権があって、やらせもありだと、違法行為を抑止しないことが労務管理の在り方として違法ではないと都は主張するかもしれないが、苦しい抗弁になると思う。
 当局は地公法32条適条の懲戒処分の前提にもなりうる職務命令は力関係で組合に逆らうことになり、円滑な労使関係が期待でないので絶対できない。信頼関係も重要だというかもしれないけど、私は要求を譲歩してこのさい処分しなくていいから、就業命令だけはやって王手をかけてくださいと言いたい。違法争議行為に服務規律確保といいながら就業命令しないというのは譬えていうなら「王手をかけない詰将棋」か八百長ゲームに等しいのであって、労務指揮権、職務命令する権限が発動できないというのは、正常な業務運営でなく、それ自体が違法状態であり、争議行為禁止の保護法益である住民の共同利益の侵害と断定できるので、是正されてしかるべきである。


(三)組合役員による労務指揮権の奪取による、業務妨害、業務管理
 平成26年1月24日ストが打たれ、決裂した後、組合は中野営業所監理団体業務移転阻止闘争のオルグ活動に入り、退職派遣制度(一時出向して戻る)を希望させない。人事課による出向派遣の説明会には出席させないことを組合員に徹底させたうえ、当局を交渉にひきずりこむという戦略の闘争だが、2月5日には○○本部委員がオルグ演説し、当日の人事課の説明会の入場を阻止するピケを張った。一方で、○○分会書記長が、移転業務の一つである固定資産、備品リストの照合業務のため来所したところ、サービス推進部業務課担当者を追い返し、業務妨害をしたこと。
課長補佐に対し○○は、移転業務に協力するとあなたの立場は悪くなりますよと脅しのようなことを言っていた。
 さらに○○は所長の○○に対し移転関連業務の業務命令をしないよう強要したことである。
移転関連業務が進捗しないから、4月移転は無理ということになり、組合の主張がとおって7月移転に延期したのである。
所長の○○に質問したところ、非経常業務は組合と事前協議することになっており、協議が不調なので業務命令はしないとの趣旨を言っていたが、言い訳としては苦しい。
 事前協議の対象であるとしても、それは数か月前から再三やってきたことで、決裂後の対応と業務命令するしかないはず。
組合員である課長補佐の指示に従えとのことだったが、上級部署の指示に従うのがコンプライアンスであるから、組合に屈服してしまうのは問題がある。しかも組合は移転に協力させるためにはサービス推進部担当者に謝罪の文書と、実際に中野営業所にきて頭を下げるよう強要もしている。
 本庁業務課では管理職が業務命令できると思っているのかもしれないが、それが通用するのは本庁部局内部のみと思われる。出先の各事業所では、普段から経常業務以外は事前協議で管理職は組合役員にお伺いする立場で、争議行為は労務指揮権.施設管理権凍結が通例なので、上級部署の指示は止まってしまうことがあるのである。
 以上述べた○○本部委員や○○分会書記長の行為は、地公労法11条1項違反行為であるが、職員部当局は全く問題視していない。1月24日のストは処分を終えており、争議行為は終わったものと認識しているのが大間違いである。本部中闘指令の同盟罷業と動員集会等というスケジュール闘争だけ争議行為と認識し、特定拠点の争議行為は放置するのが職員部当局である。
 こうなってしまうのは、スケジュール化された争議行為でいっさい職務命令をやらない慣行がきいているのである。日頃から違法行為の抑止、職務命令という国の官庁ではあたりまえのことをやってないので、交渉決裂後の業務命令のような修羅場の状況でも組合のいいなりになってしまう。組合によって労務指揮権を凍結されられる状態は、正常な業務運営でないから地公労法11条1項違反で悪質な違法行為である。本部中闘以外懲戒処分にしない方針から、本部委員や分会役員はなにをやっても責任は問われないという職場の慣行というものが、非常に大きな悪影響を及ぼしている。
(四)外形上犯罪要件該当行為
地方公営企業において単純不作為の職場離脱(ウォークアウト)も違法行為であるが、全水道東水労のストは争議権のある私企業のストでも免責されない積極的な業務妨害を行う点でより悪質であり、当局はそれを許容し犯罪を助長している。
全水道東水労の直近の同盟罷業は令和元年12月20日の1時間ストライキである。新宿営業所で、スト集会は、営業所分会と給水課分会が合同して40名程度で始業時から9時30分近くまで実施され、営業内検針担当エリアに、組合旗を掲出、ビラを貼り、約40名が占拠し座り込む形でなされ、支部組合役員の○○、○○、○○と給水課一名が、司会、交渉経過報告等の演説、決議文朗読、頑張ろう三唱の音頭取りなどを行った。
執務室で働く場所を多数占拠していて、就労を物理的に妨害しているのは非常に悪質。検針担当のエリアだが、非組合員もいるはずで、業務妨害とみなしてよい。
 新宿営業所長の○○はスト参加の組合員に対し、中止.解散.退去.就労命令はいっさい行っていない。
また○○は、紙で塞いだICカードリーダ前に立ち、非組合員に出勤記録を入力しないようピケを張り、私を所内から出るよう指図して、違法行為を強度に慫慂したが、これらの地公労法11条1項違反行為、外形上威力業務妨害罪の犯罪構成要件該当行為(シットダウンストライキの態様に近く、刑事免責がないので当局が職場占拠を容認しなければ犯罪は成立する-指導判例である名古屋中郵事件最大判昭52.5.4の判断枠組み参照)に対して、いっさい中止.退去命令、就労命令等を行っていない。
 ちなみに、ストで指導的な役割を果たした○○は翌年3月に主任に昇進した。
非常に深刻な問題として、東京都では職員一般に争議行為が違法行為と警告もしないので、水道局職員は争議行為の限界を知らないので、業務遂行を妨害することを平の組合員まで率先しておこなっている
 座り込みストライキというのは、大恐慌の1937年にアメリカで流行った悪質な態様です。ウォークアウト(単純不作為の職務離脱)と違って、私企業でも正当な行為ではありません。
執務場所を占拠するのはマスピケに類似していますが、外形的には威力業務妨害罪の構成要件該当行為に当たります。
 最高裁先例によれば、争議行為は労務提供拒否としいう不作為を本質とし、これに随伴する行為も消極的限度にとどまるべきであるとする(●朝日新聞西部本社事件.最大判昭27.10.22刑集6-9-27、●羽幌炭礦鉄道事件大法廷判決昭33.5.28刑集12-8-16)。プロレイバー学説のように、争議権に積極的な業務阻害行為を含めないのである。組合は業務阻害権があると主張するかもしれないがそれに従う理由はない。
要するに新宿営業所は積極的な業務妨害をやっているので悪質です。スト当日の集会場所は、監察指導課に報告することになっており、同様の態様の事業所もあるはず。当局は把握しているはずなので、積極的業務妨害は組織的に容認されているといってよい。
職場占拠や座り込みについて、例えば国鉄が業務命令した指導機関士の乗務を阻止するため、機関車運転室に乗り込み占拠しマスピケを指導した事案につき●動労糸崎駅事件 広島高判昭48.8.30判タ300号363頁 (上告審最一小決昭51.4.1棄却)では
 「国鉄当局の適法な業務命令を受けてこれに服従し、就労の意思を以て出務している者の場合においては叙上受忍義務のないことは一層明白であるから、同人に本件職場集会への参加を勧誘、説得するに当つては、その時期、場所、手段、影響等において尚更厳しい制約を受け、団結による示威の程度を超えた物理的な力を以て同人の就労を妨害したり、そのため国鉄の施設や車両を占拠する等して国鉄の正常な列車運行業務を妨害することは、その目的の是非に拘らず許されない」として威力業務妨害罪の成立を認めた。

 新聞社の争議に際して、組合が行なった工務局作業場の占拠が、説得の範囲をこえた違法なものと認められた●東京新聞争議事件.東京地判昭44.10.18労民20-5-1346は企業施設の重要な部分で滞留による業務運営の阻止行為が行なわれた場合において、使用者側が労働者側の説得をきき入れず、あくまでも業務を遂行させるように要求しているにかかわらず、依然として滞留を続け、使用者側が業務を遂行するためには、滞留者を実力をもって排除する以外に方法がないような情況にたち至ったときには、右滞留はもはや説得の範囲をこえて業務運営を阻害しているものというべきであり、違法たるを免れないと判示ししている。
 また業務用機器が隠匿されていたので仕事がでませんでした。スト修了後、○○課長代理がスト終了後に配っていたので隠匿になんらかな形でかかわっている。○○は、目標管理制度の自己申告の際、新人職員に数値目標を書くなと、それをやるとまずいことになるよと強要していて、組合の主張と同じなので、業務妨害の率先助勢者である可能性があります。○○さんは知っている可能性がある。また、○○は、ストを指導する組合役員なので、関与している可能性がある。
 座り込み占拠も機器の隠匿も業務妨害罪の違法性が強く推定されます。ただ3年以上過ぎたので時効です。
 会社の管理する生産手段等財産等を組合の支配下において積極的な業務妨害をすることが正当な争議行為ではないことは、以下の判例で明らかです。
 ●さつきタクシー事件.最二小判昭和45.12.17判タ257はタクシー会社の労働争議において組合側が会社のタクシーの車検およびキーを抑留保管しあるいはタクシーの車輪を取りはずすなどする行為の正当性が争われ、組合員の多数の者が暴力によって会社のタクシーの車検およびキーを奪取し、あるいは多衆共同してその車輪を取りはずすなどする行為、ならびに会社社長の返還要求にもかかわらず、人の意思を制圧する勢力を示して、非組合員の乗務する車両を含め会社のタクシーの車検およびキーの返還を拒絶し組合側において抑留保管する行為は、正当な争議行為の範囲を超えるものであつて、威力業務妨害罪および暴力行為等処罰に関する法律違反の罪を構成するとした。
 バス車両確保の争奪戦となった●山陽電気軌道(現サンデン交通)事件.最二小決昭53.11.15が威力業務妨害罪の成立を認めていることで明白なことです。
 本件はストライキに対抗する性格を有するストライキ中の操業が法的に保護されるか否かが直接の争点となり、ストライキ中の操業が法的に保護されること。組合側の計画していた争議行為に対抗するためにとられた措置であるという理由で業務性を失うことはないことを明らかにした決定的な意義のある裁判例である。先例として、上記の三判例(朝日新聞西部本社事件、羽幌炭礦事件、進駐軍横浜事件)を引用したうえ、違法性阻却判断基準として久留米駅事件方式をとり、建造物侵入罪、威力業務妨害罪、傷害罪の成立を認めた原判決を認容する決定である。
事案は昭和36年春闘に際し団体交渉が難航し、私鉄中国地方山陽電軌支部組合(約500名)のストライキが必至の情勢になったところから、会社側は第二組合員(山陽電軌労働組合約800名)によるバス運行を図り、予め車両の分散をはじめ、支部組合がストライキに入った日以降は、第三者の管理する建物等を選び、営業の終わった貸し切り車等から順次回送する方法で数カ所に車両を分散し、保全管理していたところ、(1)支部組合員Aらは多数の威力を示して会社が取引先の甲整備工場に、またDらは系列下の乙自動車学校に預託中のバスをそれぞれ多数の組合員ととも搬出しようとして建造物に立ち入った。建造物侵入罪、共同正犯(130条60条)。(2)支部組合員らBは、組合員多数による威力を用いて会社が運行させていたバスを停車させ、運転手を強いて立ち退かせそのバスを確保した。威力業務妨害罪、共同正犯(234条233条60条)。棄却。[中村秀次2010「刑法総論に関する裁判例資料-違法性及び違法性阻却-」『熊本ロージャーナル』4号126頁]
 決旨は「使用者は、労働者側がストライキを行っている期間中であっても、操業を継続することができることは、当裁判所の判例の趣旨とするところである(略)。使用者は、労働者側の正当な争議行為によって業務の正常な運営が阻害されることは受忍しなければならないが、ストライキ中であっても業務の遂行自体を停止しなければならないものではなく、操業阻止を目的とする労働者側の争議手段に対しては操業を継続するために必要とする対抗措置をとることができると解すべきであり、このように解しても所論の指摘する労使対等の原則に違背するものではない。(中略)
 ストライキに際し、使用者の継続しようとする操業を阻止するために行われた行為が犯罪構成要件に該当する場合において、その刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するにあたっては、当該行為の動機目的、態様、周囲の客観的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、それが法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否かを判定しなければならない(略)。
‥‥本件の車両確保行為は、いずれも相手方の納得を前提とすることなく一方的に、営業運転中、回送中又は会社駐車場に駐車中の会社バスを奪って支部組合側の支配下に置いたものであって、旅客運送業を営む会社にとり最も重要な生産手段に対する会社の支配管理権を侵害するもの‥‥諸般の事情並びに所論の指摘する交通産業における特殊性をすべて考慮に入れ,法秩序全体の見地から考察するとき、本件車両確保行為は到底許容されるべきものとは認められない。 そうすると、威力業務妨害罪又は住居侵入罪に該当する本件車両確保行為には刑法上の違法性に欠けるところはない。」
 したがってストライキ時に非組合員やストに反対の組合員を使って操業することは許されないという法解釈は間違いである。争議行為の刑民免責のある私企業でも正当とされる使用者の権利が公営企業で否定されることはありえないのに東京都は否定し組合のいいなりになっているのである。
 ○○○○は組合員だが課長代理という職制でもあり、職制が業務妨害に関与している点で深刻な問題である。隠匿したと考えられる機器は機密性のあるもので、これがないと業務遂行は不能になる。公務員の職場でも機密性のある文書を組合の支配下に置くことは悪質と考えられている。
●四国財務局(全財務四国地本勤評闘争)事件・最三小判昭52.12.20民集31巻72号1225頁は、組合執行委員会で勤務状況報告書を組合で保管することを決定し、在庁執行委員は手分けして第一次評定者(係長)の席をまわって、説得して収集したが、Xは他の役員数名とともに四人をまわり説得したが、その際経理係長が経理課長に提出しようとした報告を引っ張り合い、同課長の制止を妨害して、収集した。組合の保管は約1日程度で、その他の懲戒事由も加わっているが、職制が保管すべき機密文書を組合が一時的にせよ確保した行為は悪質と判断され、懲戒免職を適法としている。
 地公労法11条1項違反者は、12条により解雇できるが、罰則規定はない。しかし地方公営企業の争議行為に刑事免責はなく、争議行為及びそれに付随する行為は全逓名古屋中郵事件最大判最大判昭52.5.4刑集31-3-18の判断枠組に適用されるはずで、業務妨害罪、建造物侵入罪等は比較的容易に成立すると考える。
 当局は管理意思を明確に示すことがないので、業務阻害を認め、組合オルグ等の外来者の侵入やストライキ待機のセキュリティ破りを許容し、犯罪が成立しないようにしている。犯罪の協力が管理職と任務となっているのは本末転倒している。東京都は犯罪に協力しているのである。
私は深夜.未明に出入りするセキュリティ破りのスト待機を建造物侵入とみなすが、これは、私は西部支所管内の事例を知っているが、どこでもやっていることです。
 刑事の名古屋中郵判決の判断枠組は以下のとおりで(香城敏麿、国労松山駅事件・最二小判昭53.3.3刑集32-2-159判解.公労法17条1項と地公労法11条1項は別異に解釈する必要はない)
(イ)公労法17条1項違反の争議行為が罰則の構成要件にあたる場合には、労組法1条2項の適用はなく、他の特段の違法性阻却理由がない限り、刑事法上これを違法とすべきである。
(ロ)但し、右の争議行為が単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであって、公労法17条1項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けないようなものである場合には、その単純参加者に限り、当該罰則による処罰を阻却される。
(ハ)これに対し、公労法17条違反の争議行為にあたらず、これに付随して行われた犯罪構成要件該当行為の場合には、その行為が同条項違反の争議行為に際して行われたものである事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきか否かを考察してその違法性阻却事由の有無を判断しなければならない。
少なくとも外形的には新宿営業所の職場占拠と、業務機器の隠匿は(イ)業務妨害罪、オルグやピケッティング目的の無許可侵入、スト待機の深夜の無許可庁舎侵入は(ハ)建造物侵入罪の犯罪構成要件該当行為に当たり、退去命令をすれば不退去罪、組合側は当局が業務阻害を容認しているから犯罪にならないと主張するだろうが、この判断枠組みは、違法行為目的の建造物侵入は違法性が強く推定されるというものである。仮に犯罪が成立しなくてもコンプライアンスは反すると糾弾されてもやむをえないものといえる。

二 新方針の提案 具体的対応
(一)ストライキ対策本部を設置する
 従来の組合側の論理により業務命令権(労務指揮権)、施設管理権が掣肘されていた労務管理をあらため、正常な業務運営の確保を第一義とした労務管理に改めるべきである。
 このため組織をあげて違法行為の中止.解散命令、就業命令の徹底、スト指導者等の現認検書の上申の義務づけなど違法行為の抑止のために取締を行う。ストライキ対策本部を設置し、管理職だけでなく一般の非組合員全員を召集する。
スト対策本部は局長級を本部長とし、26カ所の組合支部に対応して現地対策本部をおく、管理職+非組合員全員を召集し、時間制限のない職務として権限を付与する。非組合員の職務は闘争期間における事業所施設構内の警戒、組合員の行動の監視、違法行為の阻止、排除、また管理職とチームを組んで実況検分、監視、録音、写真撮影を補助する。
 非組合員といっても監察指導課などを別として、大多数の非組合員は、通常の業務を行いつつ、適宜スト対策本部の職務を行うものとするが、権限を与えただけで対策本部の仕事をせずともよいものとする。
新しい労務管理なので、管理職側の訓練が必要と思われる。
営業所におけるスト決行時の来客や電話対応などの不可欠な業務は、管理職が対応するのではなく、非組合員やスト反対派組合員に業務命令して行わせることを原則とする。スト対策本部の主な任務は次のとおりとする。
 非組合員の任務は、闘争期間の組合活動の取締、特に演説あおり、オルグあおり、違法行為を慫慂する集会の取締り、鉢巻、赤腕章など着用の取締、ピケッティング、ビラ貼り、工作物、組合旗の掲出などへの対応。ストライキ当日の監視、写真撮影。録音等、職務命令をする管理職の補助等である。
 予算措置としては、最低限、就業命令を記載したプラカードの作製、写真機、ボイスレコーダー等の監視のための小道具は必要だろう。
 従来やっていない職務命令と事前警告をするので反発する組合員の抗議活動で職場が荒れることは想定してよい。水道局長は殴られてもいいから債務の本旨を履行せよ喝を入れてください。もちろん殴ってくる組合員に対して殴られ損にならぬよう、監視体制も万全なものとして、荒れる職場対策として特別査察チームの編成も必要だろう。旧郵政省でと「トラック部隊」と称され、臨機応変に荒れる職場に配置する。
 そんな面倒なことはやりたくないというかもしれないが、違法行為の助長協力をやっていたことから都民の信頼を回復するためには必要なことである。
 警備員の臨時雇用は考えていないので、人が足りないなら、オリパラ対応やコロナウイルスの保健所支援のようにオール都庁で動員し、争議行為対策をするものとするというのが私の提案である。したがって12月から即実施は困難かもしれないが、できるだけのことはやってもらいたい。

🔷非組合員全員対策本部入りの意義

 非組員全員召集は三六協定破棄闘争対策である。ストライキ時の就業命令をさせないという組合の掣肘を受けていることの打破が最大の目的である。
東京都水道局は長年の慣行として争議行為に関して就業命令をいっさいしない。組合側の論理は、ストライキは労務指揮権から離脱する行為なので、業務命令はできない。職務命令は組合敵視、団結破壊という主張に全面的に屈服しているからである。
 しかし神戸税関事件.最三小判52.12.20が争議行為中であることを理由として、上司の命令に従う義務(国公法98条1項)は免れないと説示し就業命令が適法であることは確定したので、ストライキ時に就業命令を徹底している国の争議対応実務が是認されている。
また、国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28、全逓横浜中郵前ピケ事件差戻後控訴審.東京高判昭47.10.20(差戻後上告審最一小決昭49.7.4棄却)、 動労糸崎駅事件 .広島高判昭48.8.30 (上告審最一小決昭51.4.1棄却)等多数の判例により公労法17条1項違反の争議行為の内部統制権は否定されており、スト決議.指令に法的拘束力はない。スト参加の勧誘.説得を受忍する義務などない。地公労法11条1項違反を別異に解釈する理由はないので、就業命令によりスト参加者を切り崩すことは団結破壊には当たらない。
従って、ストライキ当日就業命令ができるし、管理意思を示すため絶対必要なことである。ところが、組合はスト予定日の前日の退庁時間から、当日は必ず三六協定を破棄することになっており、組合側は就業時限前に管理職の労務指揮権は消滅しているので、職務命令はできないとの解釈により、職制を麻痺させる闘争を行う。
 組合側は、三六協定破棄により、午前8時30分以前の業務はいっさいできないとし。これにより非組合員は服務上の基本的な義務である、カードリーダによる出勤記録をする義務も許されず、したがって非組合員は、三六協定破棄によりピケットラインを越えられないという、奇妙な論理をふりかざして就労阻止をする。管理職もこの見解には従い、職制の労務指揮権や就業規則が否定されることを甘んじて受け入れいる状況がある。
 平成11年以前在籍していた江東営業所で組合役員は、三六協定破棄により、管理職の労務指揮権は時間外においては消滅し、業務命令は犯罪なので、スト当日に出勤時限前に登庁し、できない出勤簿を押すことが許されない。よってピケットラインを越えてはならない趣旨を言っていた。ようするに、三六協定破棄によって就業規則の服務の基本的義務であるICカードリーダにIDカードをタッチするか、職員番号をテンキーで入力する出勤入力(出勤簿に相当)はやってはならない異様な理屈をふりかざし、管理職もそうした屁理屈をのみ、業務命令を放棄することがコンプライアンスだと思っていて、こうした組合側の論理で非組合員やストに反対の職員を締め出し、就労の権利を侵害している。
 しかし最高裁は、三六協定未締結で労働基準法違反の時間外労働であっても職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当するとしている。組合のいう労基法により労務指揮権が消滅するということないのであって、労基法上違法であっても違法を承知で職務命令ができると考えられる。
 以下の判例が、三六協定未締結での業務命令により職務執行職員に対する業務妨害等を有罪としており、三六協定未締結で春闘対策本部の非現業職員がビラ剥がし中、動員された全電通組合員に殴られた事案につき、①仙台駅ビラ剥がし事件(春闘仙台駅)事件.最二小判昭48.5.25刑集27-5-1115が公務執行妨害罪を認め、三六協定未締結で当局が拠点スト対策として指導機関士を召集、出務しない機関士の代務としての業務命令しその運転室乗務をマスピケで実力阻止した事案につき②動労糸崎駅事件.広島高判昭和48.8.30判タ300(上告審.最一小決昭50.4.1刑事裁判資料230棄却)を久留米駅事件方式で威力業務業務妨害罪の成立を認め、三六協定未締結で全逓組合やアルバイトに業務命令した臨時小包便運搬の業務妨害につき③全逓名古屋中郵第二事件.最二小判昭53.3.3刑集32-2-97は威力業務妨害罪の成立を認めている。
但し、三六協定の法的性質について理論的説示があるのは①だけであり、②は一審で争点になった労基法違反の業務命令は問題にせず、久留米駅事件方式の「法秩序全体の見地」かマスピケを有罪。③も一審、二審で争点になっていた労基法違反の業務命令は問題にせず名古屋中郵事件方式により業務妨害を有罪と判断している。
 国労.動労.全逓による三六協定未締結闘争の法的評価は以上の判例で判然としないことが多いが、未締結で職務命令それ自体が違法無効、労務指揮権が消滅するという解釈はとっていないわけである。
ここでは①の判例法理に依拠して、非組合員のストライキ対策本部の任務を与えるという提案する。
当然組合は反発するだろうが、更新期限を年度末として一年間有効な、三六協定を途中、争議行為目的で一方的に破棄するのは信義則に反し、職制に経常業務を押し付けるなど悪質な職制麻痺闘争をやっているわけで、加えてストライキ正当化の道具としている。
現状は正常な業務運営ではなく、保安要員として浄水場など水供給に不可欠な部署は通常勤務としているとはいえ、保安要員を置くこと自体正常ではなく、ライフラインを預かる企業としても弊害が大きい。三六協定を非組合員の就労の権利と義務を否定するのに利用しているあり方が、きわめて悪質なので対策が必要なのでこの提案をするものである。
 ①は労働者の過半を組織する国労・動労と三六協定未締結で春闘対策本部に召集された仙台鉄道管理局総務部労務課の組合員Iが労働基準法32条に反し1日8時間以上就労の時間帯に列車車体鋼板のビラ剥がし作業をしていたしころ、動員組合員らに半円状に取り囲まれ激しい抗議を受けたが、ビラ剥がしを続行したため、Iに対し全電通組合員が手拳で顔面を強打し全治六日の傷害を負わせた事件につき、一審は傷害罪.公務執行妨害罪ともに有罪、控訴審仙台高裁は、職員Iは午前6時より勤務に就き、本件暴行のあった午後2時40分労基法の8時間を超えているので、職務執行の具体的権限を欠き適法性を有さない業務として公務執行妨害罪は無罪、傷害罪は有罪とした。上告審は、公務執行妨害罪を無罪とした原判決を破棄自判した。

 「Iに発せられた本件職務命令は、昭和三九年四月一五日午前六時から仙台駅構内において組合員の行動の監視、違法行為の阻止および排除等の任務に従事すべきことを内容とし、執務時間についてはあらかじめ制限を付さない趣旨のものであつたというのであり、これによれば、右命令が同人に対し、前記の職務に従事すべき労働関係上の義務を課するものであるとともに、その反面、右職務を執行する権限をも付与する性質のものであることが明らかである」
「労働基準法三二条一項は、就労時間の点で労働者を保護することを目的とし、また、もっぱら使用者対労働者間の労働関係について使用者を規制の対象とする強行規定であるが‥‥労働者とその職務執行の相手方その他の第三者との間の法律関係にただちに影響を及ぼすような性質のものではない。‥‥本件職務命令に右強行規定の違反があつたとしても‥‥就労を拘束的に義務付ける部分の効力に影響を及ぼし得るにとどまり、職務執行の権限を付与する性質の部分についての効力にまで消長をきたすべき理由はない‥‥労働基準法の適用を受ける者に対する職務命令が、同法所定の労働時間の制限を超えて就労することをもその内容としており、かつ、その者の就労が右制限を超えたからといつて、そのために職務の執行が具体的権限を欠いて違法となるものではなく、これに対して暴行脅迫を加えたときは公務執行妨害罪の成立を妨げない‥‥」と説示する。
 柴田孝夫調査官判解は「労働者に一定の職務の処理する権限を与える行為と、一定の職務に従事させる義務を負わせる行為は、本来は別個の行動として各別に行うことができるのであり、本件判決は、本件職務命令の内容を性質において二分し、労基法三二条一項違反の意味をそれぞれに分けて検討する方法をとった。これによれば、労働を義務付けるものではない、権限を与えるだけの使用者の行為は、権限を行使しうる時間を限っていようといまいと、これを違法無効とすべき積極的な理由は労基法三二条一項からはでてこない」と解説する。
三六協定未締結で労基法違反の労働が刑法上保護に値せず、超過勤務手当請求もないと二審の結論を批判し、労基法違反の時間帯に商事会社の社員が顧客と契約した場合、代理権の範囲外で会社に効果が帰属しないということにはならないと言う。労基法違反であっても職務の執行それ自体が違法にはならないとしている。
 労基法は悪法でも労働者を保護する立法という建前であるが、逆に第3者から就労権の妨害、労働者を貶めることに利用することは法意に反しており、争議行為に利用されることが立法趣旨ではない。
 以上のことから職務命令にはあらかじめ時間の制限のない業務命令があってよいのであり、労基法が違法.無効とできないことが確認できる。
ということは、春闘仙台駅事件で支援する全電通組合員に殴られた職員Iと同じように、組合員の行動の監視、違法行為の阻止および排除等を非組合員全員に付与するならば、三六協定未締結でも仙台駅事件と同じようにその時間外の業務は正当となるから、通常通り、出勤時限前に登庁し、カードリーダで出勤入力してよいことを意味し、ストライキ参加をそそのかすピケッティングは違法行為であり、管理職は出勤時限前に登庁し、非組合員に就業命令し、ストに参加しない人員を確保できる。組合は、ストライキに対抗して、非組合員や組合員に業務命令し、争議行為中の操業が許されてはなにないし、当局にその権限はないという論理だが、最高裁判例で否定されているし、地公労法11条2項で事業所の閉鎖はできないので、職員を締め出すことはできないと考える。
要するに組合の主張は、
 8時30分以前は三六協定未締結により業務命令は許されない。
 労務指揮権は凍結されているから、非組合員が8時30分の出勤時限前に入庁はできない
 よって就労は認められないので、ピケットラインは超えてはいけないという主張はそもそも間違いだが、最高裁が労基法で違法無効とできないと明言した、組合員の行動の監視等の職務権限を不与されたことにより、出勤時限前の登庁ができないと言う主張を切り崩すことができ、組合の拠ってたつ論理は崩壊する。要するに業務命令するための対策である。
 もちろん召集職員は対策本部の職務をやってもらいたいが、仙台駅判決が「就労を拘束的に義務付ける部分の効力に影響」としている点をふまえ、三六協定未締結時は職務を拘束的には義務づけず、できる人がやるという態勢になる。ただし、就業命令は掣肘されず、就業命令により通常どおり、出勤しカードリーダも入力させる。服務規律上当然のことはやっていただくということになる。
 就業命令の徹底が最大の目的ということになる。(第Ⅰ部(Ⅵ)各論三(六)108頁)
 
(二) 組合中執のオルグ演説-中止命令
従来、許諾している執務室内勤務時間中になされる組合中執のオルグ演説は、不許可、中止.退去命令する。現認・監視対象とする。
 (スト批准投票の呼び掛け、闘争課題の説明、闘争戦術の説明、ストライキの日程などの演説)

根拠 違法行為 地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」に当たる。
新規則違反 1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない
 犯罪 建造物侵入罪、退去命令に従わない場合の不退去罪の犯罪構成要件該当行為

 処分 実際にストが実行された場合、懲戒処分事由とする。監視対象。オルグ演説で中執を紹介し、挨拶や闘争の日程を示す支部.分会役員も同じ。抗議で暴言、暴行を働いた場合は量定を過重。

令和4年の例(スト批准投票の前)
10月25日朝 8時33から43分 所長が支部役員の〇〇と朝長い話、そのあと中執の〇〇が到着。8時33分よりオルグ演説、11月1日スト権一票投票で、まず人事委員会勧告はコロナ渦と物価高で不当だ。都労連闘争の課題を説明、局内闘争については、砧浄水場と長澤浄水場の業務移転、夜間待機が7か所から2か所にして緊急隊の業務とするのは無茶苦茶で容認できない。また営業所の業務移転も提案される可能性がある。局は全営業所移転を計画しており、警戒が必要、株式会社東京水道の社員は入って2~3年の若い人が多く、業務がハードで心を病んでいる人、突然仕事を放棄する人がいる状態でとても円滑な移行はできない。最後にスト権投票は高率の批准をとぶちあげて43分に終了、そのあと〇〇が、棄権が絶対ないように、不在者投票の受付など告知。

令和5年の例(闘争期間中)
11月28日 午前8時30~44分、支部役員の○○と中執の〇〇が所長に挨拶、○○がそこでやると指差し、所長は許諾。司会の○○が中執の〇〇を紹介し、13分間演説。局内闘争の課題、墨田荒川営業所の業務移転に伴う定員削減と、他の営業所の派遣割合の削減、目黒営業所の過員を暫定とするなどの重要な闘争になると説明、さらに中野営業所の病欠者が多い問題をとりあげ、徴収サイクルの見直しによる業務繁忙の改善に不満があり12月1日の拡大窓口では交渉打ち切りも辞さずとい意気込みで臨むなどとし、21日にストを構え、8日の支所集会、19日のふれあいモールでの勤務時間内3割動員決起集会と闘争日程を述べ、19日より3日間の三六協定破棄闘争は、局に24時間態勢で業務を行うのに組合の協力がいかに必要かを自覚させるためのものと争議行為意思を表明。闘争への協力をよびかけ。最後に○○が12月5日の昼休み集会と、19日の賃金カットの動員決起集会の呼びかけなどがあり終了。

(三)中央執行委員候補者の就任演説-中止命令
 組合の役員選挙は私が知る限り無投票当選しか知らないが、告示後立候補の挨拶と称し、勤務時間内に執務室で演説することがあるが、不許可、中止.退去命令する。
 根拠 新規則違反
1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない
 犯罪 建造物侵入罪
 処分 特段懲戒処分とはしない。演説を強行し態度が悪かった場合は別途検討する。

(四)頭上報告-中止命令
(執務室内での演説行為。中央委員会報告.書記長会議報告.友好団体の政治集会参加呼びかけ、指令伝達、オルグ演説、闘争課題の説明、闘争日程等の説示、その他教宣活動)

 勤務時間内.出勤時限前.休憩時間いずれも不許可。中止命令する。現認・監視対象。
根拠 違法行為 地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」に当たる演説がなされるおそれがある。
新規則違反 1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない
昼休み当番や時差出勤による勤務中の職員がいない場合でも、執務室内で囚われの聴衆の状況で組合の訴えかけを聴かされることは、能率的な環境とはいえず、演説の余韻などで作業能率を低下させるおそれがあり、適正.良好な職場環境とはいえないので、職場の秩序を維持する当局の権限にもとづき、中止命令の対象とする。これにより、勤務時間中に限定した平成16年3月東岡職員部長通知による頭上報告の警告は解消する。

処分 中止命令にもかかわらず地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」に当たる演説がなされ、且つストが実行された場合、懲戒処分事由とする。抗議で暴言、暴行があった場合は量定を過重する。

(五)闘争指令下の昼休み集会-中止命令

 闘争課題を確認し、ストライキ決行体制のため意思統一を図り、闘争課題を確認し組合員の意思統一を図り、ストライキ態勢の志気を鼓舞する目的の集会であり、執務室内でなされることが多い。挨拶.基調報告.決意表明.決議文朗読.頑張ろう三唱等がなされる。従来管理職は許諾している。職員部監察指導課は「昼休み集会」に関し何の指示もしていないし、違法行為と言う認識がないので、現場の管理職も認めてしまっている。

不許可。中止.解散命令する。現認・監視対象とし演説者等記録する。その際、スト対策本部の非組合員を動員して監視、写真撮影、録音などにあたらせてよいものとする。国の官庁と同じく、組合がストライキを配置し、闘争態勢をとった時点で、庁舎構内の組合活動の便宜供与はいっさい行わない。
根拠 違法行為 地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」そのものである。または地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用により不許可。
新規則違反 1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない
昼休み当番や勤務中の職員がいない場合でも、執務室内で囚われの聴衆の状況で組合の訴えかけを聴かされることは、能率的な環境とはいえず、演説の余韻などで作業能率を低下させるおそれがあり、休憩時間の自由利用の妨げとなるおそれもあり、適正.良好な職場環境とはいえないので、職場の秩序を維持する当局の権限にもとづき、中止命令の対象とする。
処分 中止命令にもかかわらず集会を強行し且つストが実行された場合、主宰者、演説者、頑張ろう三唱の音頭取り等懲戒処分事由とする。抗議で暴言、暴行があった場合は量定を過重する。

◆実況見分記録(「昼休み集会」平成23年12月9日(金)中野営業所) 

同日15時より全水道東水労の都庁第二本庁舎前で勤務時間離脱3割動員の決起集会(当時は半地下の新宿NSビルとの間の空間で行われていたが近年は地上のふれあいモールに移行している)、夜には書記長会議がある日だが、通常昼休み集会と早朝ビラ配りは、3割動員集会のある日にセットで設定されるので容易に予測できる。

【始業時前朝ビラ情宣行動】構内通用口ドア前
構内の狭い入口の通路の左に二人、右に一人が立ち、通路を挟むかたちで配られる。小さな営業所なので、3人しか立ってないが、支所だと構内入り口前右に5人左に5人といった規模になる。挟まれた間を通行し半強制的にビラを受け取らせる。人数が多い場合は特に威圧感がある。人を挟んだり、包囲する組合活動は押しつけになるので、規制すべきである。ビラの内容も動員集会.ストライキの日程が記載され、違法行為を慫慂する内容であるから、ビラ配布自体が違法行為にあたり中止命令すべき態様と内容といえる。

【昼休み組合決起集会】事務室内ほぼ中央に演説者

 12時28分に分会書記長が赤腕章をつけ基調報告の紙を配りだしたので、自席で昼食をとっていた○○○○所長(のち経理部管理課長、職員部監察指導課長、労務課長)に昼休み集会を組合がやることを知っているのかと問い合わせたところ知らないと言う。
その後分会書記長がこれから集会をやると所長に通告、所長は休憩している人に配慮云々と言っただけで、中止命令せず、集会自体を許諾。
 昼休みはこの年の東日本大震災による電力不足のため消灯していたが電気がつけられ31分頃から集会が始まった。
 なお、過去の例では所長は離席し監視しないように組合に配慮するが、この時は一部始終を管理職が見ている。
 集会の態様は、営業所事務室ほぼ中央(所長席の向かい)に組合役員、演説者等、多くの職員は自席。昼休み当番として2名が休憩時間を午後1時以降にずらして、窓口のレジと電話当番として勤務中、演説者との距離は近く10mも離れていない。従って、折り畳み式の衝立が立っているので、来客からは覗かれないが、演説や鯨波などは当然雑音として入るので、職務への集中を散漫にさせ、電話の相手方の声が聞き取りにくくなるなど職務専念を妨げるおそれがある状況でなされる。

●31分から37分頃 司会の組合分会長挨拶 〇〇
 まず集会時間を20分、目的について闘争課題を確認し意思統一を図ることと述べ、国政の状況、国家公務員の労働基本権付与の法改正は、国会が本日閉会したので、見通しが立ってない現状をまず報告したうえ、今回の闘争目的を説明。 
●38分から43分頃 分会書記長基調報告 ○○
 事前に配られた内容を読み上げた。前半は14日1時間ストを設定して監理団体業務委託を見直し、直営職場を残す闘いをやる云々と述べ、後半は21日1時間を設定しその他の職場要求と反合理化課題の解決を目指す。震災復興が進まないのは被災自治体の人員削減が要因などと言い、人員削減計画を見直す契機とすべきだといった趣旨を述べていた。演説が終わってぱらぱらと拍手があり、司会の分会長が確認のため拍手を催促し、比較的大きな拍手となった。
●44分から46分  組合員代表の決意表明 〇〇
 組合委員代表一人(元中央委員)が矢先漏水調査業務見直しは営業所業務にも影響がある云々と述べたうえ、闘争の決意表明を読み、拍手が求められた。
●47分から49分頃 分会長の音頭で頑張ろう三唱等(組合分会長)〇〇
 事務連絡の後、大声で「14日、21日ストライキに向け闘争課題を確認し、決意表明を受けました、最後に頑張ろう三唱で締めたいと思います」といったことを述べ、「団結用意」とかけ声があり、頑張ろう三唱が行われた。
以上、これは一例だが、組合員代表の決意表明があったのは中野ではこのケースのみなので掲載した。昼休み集会の流れの大筋は上記のとおりである。
参照判例 全逓新宿郵便局事件.最三小判昭58.12.20判時1102、 東京高裁判決昭55.4.30労判340、池上通信機事件.最三小判昭63.7.19、日本チバガイギー事件.最小一判平元.1.19、済生会中央病院事件.最二小判平元.1.29民集43-12-1786全逓長崎中央郵便局事件.長崎地判昭59.2.29労判441号カード、東京城東郵便局事件.東京地判昭59.9.6労判442、熊本貯金局事件.熊本地判昭63.7.18、労判523、郵政省下関局事件.山口地判昭60.3.19判タ566、JR東海鳥飼基地無許可入構(懲戒解雇)事件 .大阪地判平12.3.19労判790、仙台管区気象台(全気象東北支部仙台分会)事件.仙台地判昭60.9.25労判464


(六)本庁・支所・合理化拠点の動員決起集会-中止・退去命令
 勤務時間内に下水道局も含め2割動員.3割動員の決起集会

 当局は2割動員については休暇、時間休をとって参加を認め、3割動員は年間3~4回はあり、大きな闘争のあるときは回数が多くなるが、当局は争議行為と認定し賃金カットする。賃金カット分は組合が闘争資金から補償する。
 内容は昼休み集会と同じ形式と考えられる。基調報告、交渉経過報告、組合員代表決意表明、決議文朗読、頑張ろう三唱でしめくくる。平成12~13年ごろの千代田営業所で庁内デモ行進も行われた。

 勤務時間内いかんにかかわらず庁舎構内は不許可。中止.退去命令する。3割動員は職場復帰命令をする。現認・監視対象とし演説者等記録する。国の官庁と同じく、組合がストライキを配置し、闘争態勢をとった時点で、庁舎構内の組合活動の便宜供与はいっさい行わない。その際、スト対策本部の非組合員を動員して監視、写真撮影、録音などにあたらせてよいものとする。

根拠 違法行為 地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」そのものである。国の官庁と同じく、組合がストライキを配置し、闘争態勢をとった時点で、庁舎構内の組合活動の便宜供与はいっさい行わない。許可すれば当局が違法行為を助長したことになるからである。または地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用により不許可。
新規則違反 1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
犯罪 動員された外来者については建造物侵入罪、退去命令に従わない場合の不退去罪の犯罪構成要件該当行為
ただし、都庁構内の集会は敷地内だが、外部の者が自由に立ち入れる公開空地のため建造物侵入罪が成立するかは微妙。
今後、このような集会は労働組合が自己の負担及び利益において開催するものとする。庁舎管理権の及ばない、公園や集会施設の開催も監視の対象としつつも中止命令まではしないが、三割動員やスト集会の場合は職場復帰命令をしてもよいだろう。道路専用許可をとったうえでの街宣デモ行進は、他の市民団体、政治団体と同じ条件なので当局は関与しない。
処分 中止命令にもかかわらず集会を強行し且つストが実行された場合、主宰者、演説者、頑張ろう三唱の音頭取り等懲戒処分事由とする。抗議で暴言、暴行があった場合は量定を過重する。参照判例は(四)と同じ。


(七)スト決行体制確立、闘争突入した時点で集会等便宜供与の禁止
 国の省庁では組合がストライキを配置した時点で、組合集会に庁舎構内の便宜供与を禁止し、強行した場合の中止命令を徹底している。東京都はなんでも容認し、事実上違法行為の強度の慫慂に加担している。この方針は(五)と(六)の禁止と重複する
旧郵政省では、日常的な組合活動については、会議室等利用を許可している。しかし全逓が、業務規制闘争やストライキを配置し闘争体制に入った時点で、地方郵政局が各郵便局に指示して、局所内の組合活動の便宜供与を停止し、集会を強行した場合は、監視.中止解散命令を徹底している。
 それは、組合が闘争態勢での便宜供与は当局が違法行為を助長することになるので、目的外使用である組合集会を規制する正当な理由があるものとして不許可とする方針で、裁判所もこの方針を是認している。これは重要な改革になる。

根拠 地公法11条1項後段の「そそのかし」「あおり」がなされるおそれがあり、規律ある業務運営を維持する権限、または地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用により不許可。
東京都水道局庁内管理規程第五条の九違反 新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない。
参照判例.東京城東郵便局事件.東京地判昭59.9.6労判442号は、国労札幌地本判決を引用して、全逓本部によるスト決行体制確立、業務規制闘争突入指令発令後の、郵便局内での組合集会開催のための施設の利用を許諾することは、公労法17条1項違反の違法行為を助長する結果となるおそれが大きいと当局側が判断したことについては、相当な理由があるとして、会議室使用不許可に権利濫用と認めるべき特段の事情はないと判示した。熊本貯金局事件.熊本地判昭63.7.18、労判523、郵政省下関局事件.山口地判昭60.3.19判タ566、仙台管区気象台(全気象東北支部仙台分会)事件.仙台地判昭60.9.25労判464)スト決行態勢での便宜供与はしないことになっている。東京都でも国の省庁と同方針をとるべき。
処分 中止命令に従わず集会を強行した場合、集会で演説等に立ち指導的な役割を果たした場合、暴言や暴行をふるった場合は懲戒処分の対象となる。ただし当面、ストライキが実行された場合に限り、懲戒事由とすることとする。

(八)ビラ貼り-パトロールし現認制止する
 ステッカー闘争は組合が指令しているもので、平成半ばまでは夥しい数のビラ貼がなされていた。主として階段やエレベーターホールなどの壁面、支所動員集会のあるときは大がかりなものとなる。しかし平成16年頃後藤雄一都議が西部支所のビラ貼の写真をネットにアップしたことから、当局はビラの枚数の確認や、写真撮影を指示するなどして、一時下火になったが、近年復活傾向にある。
組合掲示板以外のビラ貼りは全面禁止とする。Ⅱ-(Ⅰ)-三-(九)前掲のとおり。
 ビラ貼りは、組合役員が複数の若手の組合員に指図して行うが、廊下の壁面などに午後五時一五分の定時退庁直後になされるのは、管理職が現認.制止をすることがないことがわかっているからであるが、今後はパトロールして、現認し制止することとする。
 根拠 東京都水道局庁内管理規程第五条の九違反 新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない 8(3)職員は、局所内で業務外の文書又は図画を掲示する場合には、組合掲示板を別として、管理者の許可のない文書等以外、掲示してはならない。局は庁舎等の維持管理又は秩序維持上の必要又は理由があるときは、右許可を撤回することができる。
(4)以下に該当する文書又は図画等を配布又は掲示は中止、撤去命令の対象となる。
一 業務の正常な運営を妨げるおそれのあるもの。
二 地公労法11条1項等が禁止する違法行為を慫慂、そそのかし、あおるもの。
三 信用失墜行為に該当するおそれのあるもの
四 違法な掲示物、名誉毀損又は誹謗中傷に該当するおそれのあるもの

五 公の秩序良俗に反するおそれのあるもの。
六 組合旗、激文.寄せ書き、幕の掲出など示威、闘争的言辞の掲示物。
七 その他著しく不都合なもの。
参照判例.国労札幌地本ビラ貼り戒告事件最三小判昭54.10.30民集33-6-676、東京郵政局事件.東京地判昭46.3.18判時624、北九州市若松清掃事務所事件.福岡地判昭56.8.24訟務月報28巻1号109、朝日新聞社西部本社事件.福岡高判昭57.3.5労民集33-2-231、麹町郵便局事件.東京高判昭58.7.20判時1049号75頁、七福交通事件東京地判平10.3.3労判738号38頁、動労甲府支部ビラ貼り損害賠償請求事件.東京地判昭50.7.15労民集26-4-567、帝国興信所岐阜支店事件.岐阜地判昭56.2.23判時1005号167頁、大久保製壜所事件.東京地判昭58.4.28判時1082号134頁。
処分 管理職と現地スト対策本部職員はパトロールし、貼付現場を現認した場合、制止する。制止をはねのけた場合は、1回目警告、2回目訓告、3回目戒告とする。指導的役割を果たした場合ストが実行された場合は懲戒事由とし、量定を過重する場合があるものとする。
写真撮影をする。貼付後の対応は、平成17年頃と同じく、写真撮影ののち、撤去命令に従わない場合、スト対策本部職員を動員して剥がす。剥がしたものは返還しない。組合側はビラ等が組合の財物だと主張し返還を求めているが、「通常のビラの場合、それを使用者の許諾なしに物的施設に貼った段階で所有権が消滅する(所有権の放棄を擬制するか、或いは民法242条、243条の付合の理論)ので返還は不要。東水労の場合大多数はセロテープやまたは両面テープで貼り付けるが、接着剤で糊付けされ、撤去.清掃に費用が掛かった場合は撤去費を貼り付けた責任者に請求するものとする。
(九)ビラ配り-闘争態勢に入った時点で許可制に
 私の職場では、平時は組合の印刷物配布は勤務時間前か後に各職員の机に置くスタイルで、ただし11月15日はビラを午後勤務時間に配布していた。
 庁舎管理規程でビラの無許可配布を禁止事項だが、新規則は、平時は無許可配布でよいこととしたので、態様で規則違反は中止命令する。
ただしストライキを配置し闘争に入った時点で、違法行為の慫慂が目的のビラが配布されるおそれがあるため、無許可配布を認めないものとする。とくにストライキや動員集会の参加の慫慂が目的の、動員集会と昼休み集会とセットでなされる朝ビラ情宣は態様も半強制的なので認めない。
 中止命令をする。Ⅱ-(Ⅰ)-三-(七)131頁参照

根拠 東京都水道局庁内管理規程第五条の九違反 新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない。 
新規則8(1)職員は、局所内で、文書若しくは図画等を配布する場合、職場の規律.秩序をみだすおそれのない平穏な方法又は態様でなければならない。通行の妨害もしくは混乱をもたらす態様、受け取りを強要する態様、職員の休憩時間の自由利用を妨げる態様で行ってはならない。又、局が庁舎等の維持管理又は秩序維持上の必要又は理由があるとき、無許可配布を禁止するものとする。
処分 無許可配布、中止命令に従わなかっただけで処分の対象とせず、2回目に警告、ストライキが実行され、ストを慫慂するビラを配布した場合に戒告処分以上の処分事由とする。

(十) 組合掲示板の公務秩序に反する掲示物の撤去-不適切なものは撤去
 新規則に示された地公労法11条1項等が禁止する違法行為を慫慂、そそのかし、あおるもの「闘争宣言」や「ストライキで戦うぞ」等は撤去対象となる。「闘争宣言」は平成11年以前江東営業所で見た。「ストライキで戦うぞ」のビラは平成12~3年千代田営業所で見た。小さい文言だが、平成6年10月31日スト権批准投票結果92.77%のビラが、11月15日にも貼り出されておりの表示の文言にもあり現在も貼り出されている。少数組合の掲示板でも赤旗に「激」とあり寄せ書き(平成18~19にみかけた)も撤去対象として、撤去命令には違わない場合は、当局で撤去する。
 掲示物撤去判例としては全国税東京足立分会事件・最二小判昭59.1.27労判425等にあり、庁舎管理者による庁舎等における広告物等の掲示の許可は、専ら庁舎等における広告物等の掲示等の方法によってする情報、意見等の伝達、表明等の一般的禁止を特定の場合について解除するものであって、右許可の結果許可を受けた者は右のような伝達、表明等の行為のために指定された場所を使用することができることとなるが、それは、禁止を解除され、当該行為をする自由を回復した結果にすぎず、右許可を受けた者が右行為のために当該場所を使用するなんらかの公法上又は私法上の権利を設定され又はこれを付与されるものではなく、また、右許可が国有財産法18条3項にいう行政財産の目的外使用の許可にもあたらないと解すべき」
 組合掲示板の掲示物は組合に公法上、私法上の権利を設定され付与するものではないので、庁舎管理権にもとづいて公務秩序に反する掲示物を転居する権限が当局にある。違法な文言、違法行為を慫慂する文言の掲示物は撤去されてもやむをえないというものである。
掲示板の法的位置づけの上記の枠組みは、東京都水道局にもあてはまる。庁内管理規程で第五条の十ではり紙若しくは印刷物を掲示することは禁止事項となっており、組合掲示板は禁止を解除されたものと解釈でき、行政財産の目的外使用(地方自治法238条の4第7項)の許可ではない。従って公法上又は私法上の権利を設定され又はこれを付与されるものではない。組合掲示板の掲示物は庁舎管理者で事実上使用することを許可しているだけであって、不当労働行為とされることがないことは、参照判例のとおりである。

根拠 庁舎管理規則第五条の十新規則8以下に該当する文書又は図画等を配布又は掲示は中止、撤去命令の対象となる。
一 業務の正常な運営を妨げるおそれのあるもの。
二 地公労法11条1項等が禁止する違法行為を慫慂、そそのかし、あおるもの。
三 信用失墜行為に該当するおそれのあるもの。
四 違法な掲示物、名誉毀損又は誹謗中傷に該当するおそれのあるもの。
五 公務秩序、良俗に反するおそれのあるもの。
六 組合旗、激文.寄せ書き.幕の掲出など示威、闘争的言辞の掲示物。
七 その他著しく不都合なもの。
参照判例 全逓損害賠償請求(新宿局.空港局.静岡局)事件東京地判昭54.2.27労民集30-1-20、昭和郵便局(全逓昭瑞支部)掲示板撤去事件.最一小判昭57.10.7民集36-10-2091、全国税東京足立分会事件.最二小判昭59.1.27労判425、国鉄清算事業団(東京北等鉄道管理局)事件.東京地判平3.7.3判時1396
処分 撤去命令に従わない場合、当局が庁舎管理権発動で自力撤去するが、抗議活動で、暴言、暴行があった場合は懲戒処分の対象となる。ストライキが実行された場合は懲戒事由に含める。量定を重くする場合がありうる。
 
(十一)マグネットシートの貼付、赤旗の寄書き、煙突闘争等-ビラ貼りと同じ対応
 
 現在は行われてないが、平成15~16年頃、14.5×4.5cmのマグネットシートで「お客様センターNОストライキで戦うぞ! 完結型受付防衛‥‥」とか「イラク戦争反対」と言った文言のある組合の主張が印刷されたものが各組合員に配布され、机や什器、戸棚などに貼り付ける闘争が行われた。
 これは実質ビラ貼りと同じ効果のあるものであり、「ストライキで戦うぞ」のような違法な文言もあるので撤去命令し、従わない場合自力撤去する。
 このほか、平成7年頃七夕の笹飾を机上に設置し、短冊に要求項目を書く闘争があったが、これもビラ貼りと同様の措置とする。またストライキ態勢を固めるため、赤旗に寄せ書きして団結を示威するため、赤旗は事務室内に掲出ないし設置することがしばしば行われるが、これも撤去命令等、ビラ貼りと同じ対応とする。
 煙突闘争というのは円筒状のボール紙などに要求項目を書いて机上に設置して、組合員の訴えかけをするもので水道局では見たことがないが、そういう闘争もありうるが、この場合もビラ貼りと同じ対応とする。
 なお、組合が団扇や手ぬぐい、ボールペン、ティッシュペーパーなどの「全水道東水労」と記載されている組合グッズを組合員に配って使用を促すことがしばしばあるが、見せつけたりしない以上は取締りの対象としないこととする。
 処分 ビラ貼りと同じ。

(十二)春闘ワッペン、赤腕章-取り外し命令
 勤務時間中に業務外の徽章等、春闘ワッペン、頭上報告、集会主宰者が着用する赤腕章、業務外のメッセージが記載されているトレーナーやTシャツの着用を禁止し取り外し命令等、職務命令をする。Ⅱ-(Ⅰ)-三-(四)で詳しく説示したとおりである。争議行為でなく正当でない組合活動の範疇になる。

根拠 地方公務員法35条職務専念義務違反。新規則 3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない。4 職員は、勤務時間中に又は局所施設内で上司が認める業務外の徽章、胸章、腕章等を着用してはならない(解釈としては、ゼッケン、鉢巻、プレート、ワッペン、バッジ、政治的文言等のプリントされたTシャツの着用を含める)
参照判例 服装戦術判例〇服装戦術許容●服装戦術を正当な組合活動と認めない△服装戦術を正当な組合活動と認めないが処分を無効とする。または服装戦術は違法だが違法性を軽微なものとする
●ノースウエスト航空事件 東京高判昭47.12.21(腕章着用が職務専念義務違反と判示)●国労青函地本リボン闘争事件 札幌高判昭48.5.29●神田郵便局腕章事件 東京地判昭49.5.27● 大成観光リボン闘争事件 東京地判昭50.3.11△中部日本放送リボン闘争解雇事件 名古屋高判昭50.10.2●全逓灘郵便局事件 大阪高判昭51.1.30●神田郵便局腕章事件 東京高判昭51.2.25●大成観光リボン闘争事件 東京高判昭52.8.9●目黒電報電話局事件 最三小判昭52.12.13●大成観光リボン闘争事件 最三小判昭57.4.13●東急電鉄自動車部淡島営業所事件 東京地判昭60.8.26△国鉄鹿児島自動車営業所事件 鹿児島地判昭63.6.27△国鉄鹿児島自動車営業所事件 福岡高裁宮崎支判平元.9.18●国鉄鹿児島自動車営業所事件 最三小判平5.6.11〇JR西日本国労広島地本事件 広島地判平5.10.12△延岡学園事件 福岡高裁宮崎支判平5.10.20〇東洋シート警告書事件 東京地判平昭7.6.8●西福岡自動車学校腕章事件 福岡地判平7.9.20(自動車学校の労働組合員らがした腕章着用闘争につき、同闘争は、労働者の団結を示威し、使用者に対し心理的圧迫を加え、労働者の要求ないし主張を貫徹する争議行為的側面と、組合員相互間において連帯感を触発し、団結をより強固にし、使用者との交渉に当たって士気を鼓舞する組合活動的側面の双方を有するものであるが、業務を阻害しなくともその本来的な目的を達することができるから、特別な事情のない限り、本質的には争議行為ではなく組合活動であると解するのが相当であるとした上、就業時間中に組合活動を行うことはその具体的態様にかかわらず職務専念義務に反するもので、正当な組合活動ではないとして、腕章着用闘争を理由とする戒告処分は不当労働行為に当たらないとした)●JR東海国労東京地本新幹線支部国労バッジ事件 東京地判平7.12.14〇JR東日本神奈川国労バッチ事件 東京地判平9.8.7〇神戸陸運事件 神戸地判平9.9.30●JR東海新幹線支部国労バッジ事件 東京高判平9.10.30●JR西日本国労広島地本事件 広島高判平10.4.30●延岡学園事件 宮崎地裁延岡地判平10.6.17●JR東海新幹線支部国労バッジ事件 最三小判平10.7.17△JR東日本神奈川国労バッチ事件 東京高判平11.2.24△JR東日本神奈川国労バッチ事件 最一小決平11.11.11●JR西日本大阪国労バッチ事件 東京地判平24.10.31●JR東日本神奈川国労バッチ出勤停止処分事件 東京地判平24.11.7●JR東日本神奈川国労バッチ事件 東京高判25.3.27△JR東日本神奈川国労バッチ減給処分等事件 東京地判平25.3.28△JR東日本国労神奈川国労バッチ減給処分等事件 東京高判平25.11.28△JR東日本国労神奈川国労バッチ減給処分等事件 最一小決平27.1.22△東京都立南大沢学園養護学校事件 東京地判平29.5.22都立学校教師が、卒業式において、校長の職務命令に違反し、国歌斉唱の際、起立しなかったこと、「強制反対 日の丸 君が代」又は「OBJECTION HINOMARU KIMIGAYO」等と印刷されたトレーナーの着用を続けたことによる停職6月の懲戒処分は、処分の選択が重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、懲戒権者としての裁量権の範囲を逸脱し違法としたが、●都立南大沢学園養護学校事件.最一小判令元10.31TKCは懲戒処分を適法としている。
処分 ワッペン.腕章については取り外し命令 1回目警告、2回目厳重注意、3回目訓告、4回目戒告処分。

(十三)所属長要請行動は拒否する
 
 「所属長要請行動」とは、大衆団交スタイルの多衆の包囲と威圧のもとに所属長に争議行為の目的の正当性を認めさせ、交渉当局に分会の要請を伝える走狗にして組合側に取り込む目的のものがある。
役員が号令し、組合員は職務を離脱して所長席前に陣取り、言うことをきかなければ怒号が飛び交い、吊るし上げる態様のもので、事実上執務妨害だが、拒否、退去・.就業命令はいっさいなく受け容れているのが東京都の管理職のならわしで、闘争期間中の職務命令はしないという慣例によるものと考えられるが、実際に平成12年度千代田営業所長は子供の使いのように本局に組合の要請を伝えに行っていたようだ。要請行動とは組合の考えを受け容れよというものだから、労務命令指揮権や庁舎管理権の発動をさせない含みもあるそれゆえ、闘争シーズンは騒々しく殺気立っていた。
 しかし平成16年3月17日公営企業委員会で後藤雄一都議が所属長要請行動の質問したことを契機として、勤務時間内に騒々しく行われていたものが、東岡職員部長通知にもとづき昼休み等に移行させることとなった。
 当局の提案の交渉当事者でない管理職が要請を受ける理由はなく、実質組合の言い分を認めさせるための職制を取り込む儀式であるから、拒否が妥当である。
参照判例 抗議活動、話し合いの強要、執務妨害は懲戒処分の理由になる。神戸税関(全税関神戸支部)事件・最三小判52・2・20民集31巻7号1101頁「組合員Oに対する懲戒処分の抗議行動 神戸税関長官房主事が戒告処分書の交付及び処分説明をしようとしたところ、処分者は「でっち上げだ。」「税関長に会わせろ。」等と大声をあげて処分書等の受取を拒否し、その後、組合員四、五〇名が同室につめかけ、「ばかやろうー、ちんぴら。」などと罵声を浴びせ、あるいは携帯マイクを使用して同様のことをし、他の組合員も机を叩くなどして口々に激しく抗議した。また、室内の壁や入口のドアには「オマエはバカなチンピラだ。」「不当弾圧撤回、首切りを仕事にする‥‥」などと書かれたビラが貼られた。退去要求を無視し、官房主事ららの退出を妨げた。昭和三六年一〇月五日当局の発した前日の警告及び当日の執務命令を無視して、当関本庁舎正面玄関前で勤務時間内にわたつて行なわれた職場集会を積極的に指導し、更に引き続いて当関本庁舎内デモ行進を提案し、これを行なつた。同年一〇月二六日当局の発した前日の警告及び当日の執務命令を無視して、当関本庁舎正面玄関前で勤務時間内にわたつて行なわれた職場集会を積極的に指導した。人員増加要求を貫徹するため、同年一〇月三一日から一一月二日に至る間、当関輸出為替業務担当職員に対し処理件数を低下させるよう提案するなど、輸出事務繁忙期における通関業務の処理を妨げようと企て、これをしようようし、その結果上記業務を妨げた。人員増加要求などを貫徹するため、同年一二月二日全国税関労働組合神戸支部執行部役員とともに、当関輸出関係業務担当職員に、一斉に超過勤務命令徹回願を提出するよう勧しようし、その結果作成された同徹回願を一括して、当関業務及び鑑査両部長にそれぞれ提出し、かつ同日午後一時三〇分から超過勤務に服すべき上記職員約四五名を三階講堂に集結させて、同二時五分頃まで同人らによる通関業務の処理を妨げた。
 上記の行為は国家公務員法第九八条第一項、第五項及び同法第一〇一条第一項並びに人事院規則一四ー一第三項の規定に違反し、国家公務員法第八二条に該当するので同条の規定により懲戒処分として免職する。。
総理府統計局事件・東京地判昭50・12・24判時806、東京高判55・訴務月報26ー9-1594
懲戒免職 統計職組執行委員長 停職四月 統計職組役員2名、月額10/1減給三月 3名 懲戒免職の理由 同職組の代議員会及び合同委員会の決定に基づく職場大会の開催にあたり、これを指導するとともに、ピケツトによる各門からの入門阻止行為の総指揮にあたるなど職場大会の全般にわたり指導的な役割を果したほか、同職組の執行委員会の決定に基づき、賃金カツトに抗議するため、勤務時間中の職場オルグ活動、話合の強要、局長に会わせろ。局長がだめなら、総務課長に会わせろ。」、「今放送した業務命令、退去命令を取り消せ。」、「犬みたいなまねをするな。どういう権限があつて、通さないのだ。」などと大声でどなり、執拗に被告局長に対し、面会を強要し、この間、これに伴う喧騒のため、局長室前の会議室において、開催されていた改正消費者物価指数説明会の運行を妨げた。職制に対する抗議行動をした際にも、指導的かつ積極的な役割を果している。
四国財務局(全財務四国地本)事件・最三小判昭52・12・20民集31巻72号1225頁
全財務四国地本執行委員長は① 10時30分頃から約1時間、組合支部が主催した会合に参加してその職務を妨害した。
② 10時30頃から公務員共闘会議の役員が局長室において局長と会見した際、それに参加してその職務を放棄。局長が退出しようとしたところ、大声で詰問し局長の退出を約七、八分妨害し詰寄る。
③ 勤務時間中の午後3時ごろ、事務室において携帯拡声器を用い、執務中の職員に対し約四、五分間にわたり放送して、職員の執務を妨害した。
④ 組合執行委員会で勤務状況報告書を組合で保管することを決定し、在庁執行委員は手分けして第一次評定者(係長)の席をまわって、説得して収集したが、Xは他の役員数名とともに四人をまわり説得したが、その際経理係長が経理課長に提出しようとした報告を同課長と引っ張り合い、同課長の制止を妨害して、収集した。(組合の保管は約1日程度)
⑤ 中央執行委員長が事務室において執務中の職員三、四分くらい経過報告をした際、これに同行して職務を放棄した。
⑥ 事務室において午後0時30分~午後1時27分頃まで午後4時30分~5時5分頃、約12分間勤務時間に食い込む職場集会が開かれた際、これに参加し、闘争経過報告を行った。
⑦ 勤務時間中の、みだりに職務を放棄し、組合役員約九名とともに、総務課長に対し大声で荒々しく抗議要求し、同課長の勤務を妨害した。①~⑦は国家公務員法101条1項(職務専念義務)及び人事院規則14-1第3項前段(勤務時間中の組合活動に従事し)②の局長退出妨害は国家公務員法99条(信用失墜行為)③⑦の各行為は人事院規則4-1第3項後段(勤務時間中における他の職員の勤務を妨げた)④の行為は国家公務員法98条5項後段、人事院規則14-1第3項後段にそれぞれ違反し、Xの本件各行為は、国家公務員法82条1号2号に該当するとして懲戒免職とした。
(註-昭和37年当時の人事院規則14-1第3項後段は現在の人事院規則17-2第7条2項に相当するものと考えられる)⑨は国家公務員法101条1項(職務専念義務)及び人事院規則14-1第3項前段(勤務時間中の組合活動に従事し)②の局長退出妨害は国家公務員法99条(信用失墜行為)③⑦の各行為は人事院規則4-1第3項後段(勤務時間中における他の職員の勤務を妨げた)④の行為は国家公務員法98条5項後段、人事院規則14-1第3項後段にそれぞれ違反し、Xの本件各行為は、国家公務員法82条1号2号に該当するとして懲戒免職とした。
(註-昭和37年当時の人事院規則14-1第3項後段は現在の人事院規則17-2第7条2項に相当するものと考えられる)
処分 拒否しても強要するならば相応の懲戒処分の対象とする。

(十四)三六協定破棄闘争の対応-不可欠な業務と予め日程に組まれていて委託業者に影響のある業務は違法であっても業務命令する

水道局と過半数組合である全水道東水労の時間外に関する協定(三六協定)では1年おきに更新されるが、第10条で「この協約は、あらかじめ乙が指定する日については、保安のために必要な要員に限定して適用する」という組合が一方的に破棄できる条項があり、令和6年度は、11月15日、12月19.20.21日、1月23日、3月11.12日を指定して超過勤務拒否闘争を実施した。近年では年間10日を超えることはまずないが、毎年恒例であるほか、業務手当闘争のあった平成16年には9日間連続の破棄闘争などがわたりかなりの日数で超勤拒否闘争を行った。
ストライキ時と同様、水の供給、突発事故対応に支障がないようにするため保安要員は適用除外といっても、保安要員を置くことを自体がすでに正常な業務運営ではなく、当局は事実上労働協約で地公労法11条1項違反を容認しているように思える。当局はこのほうが三六協定の現場締結や、短期間で更新するような在り方より安定的と判断しているのかもしれないが、信義則をいつでも破れるという組合のスケジュール闘争を前提とした協定なので問題は当然ある。

 これまでの当局の方針は、組合の主張どおり、三六協定破棄が過半数組合の権利であり、争議行為ではなく適法として、保安要員か組合との事前保安協議で認められた業務を除き、いっさい超過勤務の命令をしてはならないというものである。このため必要な時間外業務は管理職で行うものとされている。
しかし、今後はスケジュールで事前に予定されていた時間外の業務、経常業務で時間外のもの、それを中止すれば委託業者等の実務に工事の日程に支障があるもの等、必要不可欠な時間外の業務は、三六協定未締結でも業務命令する方針に今後は変更するものとする。
組合は労基署に訴えるなど反発が想定できるが、国鉄や旧郵政省で三六協定未締結でも業務命令する場合があり、三六協定未締結で労働基準法違反の時間外労働であっても職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当すると最高裁が判断していることを前提として、労基法違反承知で、経常業務維持の最低限の業務命令を行う方針とする。法秩序全体の見地から労働法が完全優位という組合側の論理にはならないと判断するからである。
 組合は、三六協定未締結の状況で、出勤時限前の労務指揮権が消滅するので、スト参加の説得に応じない非組合員などの出勤時限前の入庁とICカードリーダに出勤入力はできないとの見解を示すことがあり、管理職も同調し、非組合員の締め出しに加担する場合がある。
そもそも、当局は、組合側の争議行為は当局の労務指揮権から離脱するものだから、業務命令を行ってはならないという学説に示したがってストライキに対し就業命令等職務命令はいっさいしないことになっているが、争議中であることを理由として、国公法98条1項の上司の命令に従う義務を免れることはない明示した神戸税関事件.最三小判52.12.20の判例で就業命令が適法であることは確定しているのに、東京都は全く無視している。
 ICカードリーダに出勤記録を自ら入力することは,「勤務時間等規程」、「処務規程」、「事務処理要領」などの規程上、職員の基本的な服務上の義務と東京都水道局長(行政処分取消等請求)事件.東京高判平26.2.12労判1096が説示していることかに、三六協定破棄によって、服務上の基本的義務が否定されることはありえないし、それに同調する管理職は就業規則違反の慫慂することであり許されないことである。
 
1 当局は適法としているが昭和32年内閣法制局意見によれば争議行為である
 北九州市交通局事件.最一小判昭63.12.8民集42-10-739は、最高裁が初めて地公労法11条1項を合憲とし、同条項違反による懲戒処分を適法とした判例だが、三六協定未締結の超過勤務拒否闘争を争議行為と認定した判例でもある。
岩淵正紀判解は、最高裁は明示しなかったが、内閣法制局意見昭32.9.9法制局一発22号(前田正道編『法制意見百選』766頁従来更新を重ねてきた三六協定の更新拒否が、超過勤務自体の条件改善のためではなく、労使間の他の要求貫徹の手段としてなされるときには、禁止された争議行為にあたるという趣旨)に近似した判断とみなしており、この趣旨から、全水道東水労の三六協定破棄闘争も、争議行為である疑いが極めて濃いとみてよい。
 にもかかわらず、東京都水道局職員部の見解は、北九州市交通局事件で三六協定未締結での超勤拒否闘争を争議行為と認定したのは平常ダイヤのバス運行が9勤務、超過勤務が前提のものだからとして、水道局ではバス運転手のように毎日超勤を義務付けている職場はないので、適法とするのである(平成15年に上司を通じて確認した)。
つまり、東京都水道局は、最高裁は三六協定未締結闘争は、市営バス運転手の毎日超勤という特殊な事例について争議行為と判断したが、水道局は違うので争議行為にあたらないとするのである。
 しかし水道局の営業所でも経常業務で、超勤はあるし超勤予算もとっている。又、毎日ではなくても配水課などでは夜間作業が頻繁にあり、時間外労働がなければ成り立たない職場であるのに、職員部当局は組合のいいなり。少なくとも北九州市の判決は未締結闘争を争議行為と認定しているのだから、積極的に適法で労務指揮権を掣肘する組合の不当な権利を容認している東京都の労務管理に問題がある。 
三六協定未締結闘争は、昭和20年代から、争議行為が禁止されていても、職制麻痺できる遵法闘争の一つとして、全逓、国労、動労がよく用いた戦術であった。しかし国鉄や郵政当局は東京都のように労務指揮権を放棄していない。
 動労の全国7拠点昭和38年12月13日19時より2時間の職場大会(事実上スト)において、三六協定が未締結の状況で動労組合員でもある指導機関士を召集し、出務してこない組合員の代務として乗務を業務命令しているし(動労糸崎駅事件.広島地判尾道支部昭43.2.26.下級裁判所刑事裁判例集10巻2号195頁)、三六協定未締結の状態で1日8時間を超える勤務があったとしても、それによって業務遂行の適法性は否定されていない。旧郵政省では法内超勤は合法との見解をとり、全逓名古屋中郵第二事件.名古屋地判昭39.2.20刑集32-2-139のように状況によっては三六協定未締結でも地方郵政局と協議したうえで時間外労働の業務命令をすることがある。
 三六協定破棄によって、組合のいうように時間外の職制の業務命令権や施設管理権が消滅することはなく、労基法違反の業務命令もありうるということである。組合側が労基法違反として訴えるとしても、法制局意見や最高裁の先例で争議行為の疑いが濃いこと、信義則に反する協定の一方的破棄等、法秩序全体の見地からみて、この状況で使用者側が処罰される結論にはなりにくいと判断するからである。

2 労基法違反の時間外労働でも職務の執行は違法にならないとする先例

 三六協定未締結で労働基準法違反の時間外労働であっても職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当するとしている
水道緊急隊は工務係を除き保安要員とされていて、突発事故の対応はできるから問題ないと当局はいうだろうが、悪質な職制麻痺闘争である以上、いつでも組合が違法争議目的で労務指揮権が掣肘されることを許している職場慣行は、1400万都民と首都中枢のライフラインを支える企業としては無責任な体制といえる。
 最高裁は三六協定未締結で国鉄や郵便局が業務命令したケースで、就労を妨害する組合員による、公務執行妨害や業務妨害罪の成立が争点になった事案では以下の判断をとっている。
仙台鉄道管理局(春闘仙台駅)事件.最二小判昭48.5.25は、「労働基準法32条1項は‥‥労働者とその職務執行の相手方その他の第三者との間の法律関係にただちに影響を及ぼすような性質のものではない。‥‥職務執行の権限を付与する性質の部分についての効力にまで消長をきたすべき理由はない」と説示し公務執行妨害罪の成立を認め、動労糸崎駅事件.広島高判昭和48.8.30は労働基準法違反の時間外労働という一審の争点を明示することもなく久留米駅事件方式の「法秩序の全体的見地から」という決まり文句で、名古屋中郵第二事件最二小判昭53.3.3も一審、二審で争点になった三六協定未締結の問題に言及することもなく名古屋中郵判決方式での「法秩序の全体的見地から」、職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当するとし、威力業務妨害罪の成立を認めている。

3 経常業務等の管理職対応はやめ業務命令する
 
 かつて国労が、三六協定未締結超勤拒否で仕事を助役に押し付けていやがらせしたように、営業所では全水道東水労役員は三六協定破棄闘争で、管理職に出勤事件前や定時退庁後の経常業務、金庫をあけれて釣銭を準備し窓口のレジを設営して、8時半の開庁時間のスタンバイをさせるいやがらせをする。退庁時には逆に金庫にしまうまで管理職にやらせるのである。管理職の本来業務でない。組合の指図で管理職が経常業務を行うのは正常な業務運営ではないので、今後は業務命令して管理職対応にしないものとする。このほか年間スケジュールでワックスがけの清掃の検査業務とか時間外のものがあるが、これも、管理職対応でなく、業務命令するものとする。
 1日の定時出勤.退庁で労働時間は東京都水道局は7時間45分なので、法内超勤としては15分の余裕があることと、8時間以上越えでも、先に述べた理由で業務命令する。
 違法であってもやむをえざる事情にしぼっての命令なので当局に不利な結論にはならないと思う。 
 
(十五)スト待機-事務室利用拒否、建造物侵入罪で告訴も検討
 全水道東水労は年間3~4回はストライキを配置し闘争する。令和五年度は4回、11月、12月、1月、3月にあった、スト前日は当局の最終回答を受けて、中央委員会が開催され、そこでストライキを回避するか、決行するかの判断がなされるが、早い場合は午後7時、遅いと深夜、未明にまでずれこむことがしばしばある。
 組合はスト前日の夜から当日の朝方にかけて、各事業所に役員を待機させ、指令の組合員への伝達、スト集会準備などをさせることになっている。
 スト前日の夜から当日は三六協定破棄しているので、職員一般は締め出されるが、組合役員はスト待機という任務ゆえ、深夜、未明に事務室内に滞在、ないし出入りをする。
 
 私の職場では2年前に、次のような事件があった。
 令和4年12月22日スト配置日に早朝中央委員会報告があり組合分会長兼中央委員〇〇が演説し、スト回避と三六協定再締結の経緯の説明渋谷営業所の業務移転は押し返すことができず、ただし、葛飾の1名退職派遣増員させる。徴収サイクル問題について、三六協議が日常茶飯事、健康管理を要請、待機廃止の緊急隊移管は、再来年と2月19日に延期で妥結、ただし事務職でできるのか正月以降継続協議、頭上報告は今年は最後協力ありがとうございましたでしめくくる。
 そのあと朝、所長、総括課長代理、営業係の庶務担当者、3者で深刻な話をしていたので何かと思ったら、昨日スト待機でセキュリティに不具合、所長と〇〇が1階はいいが2、3、4階で不具合との話をしていた。そのあと、別の組合役員と20分ぐらい〇〇が話、その前に、○○とも話、四時十分、四時三十分と言っていた。そのころ〇〇が侵入したのが原因らしい。橋本は警報もならなかったので問題ないと思っていたなどと話していた。
 要するに、〇〇がスト待機で、未明の4時すぎに事務所入り、何か操作をセキュリティ破りをしたので機器に不具合が生じた。
 平成21年から5年間在籍していた中野営業所が、スト待機の日は事前に警備会社に連絡して、警報が鳴らないよう措置を指示していた。平成6年11月13日のスト配置前日は総括課長代理が組合中央委員の〇〇に対し、入室の方法を話していた。
 当局はスト待機を組合の業務として全面的に支持し、セキュリティ破りも認めているのである。
しかし、スト待機の主要な目的が指令伝達とストが決行された場合のスト準備であり、地公法11条1項違反の違法行為を目的とするものゆえ、目的外使用であり、事務室利用の便宜供与を認めることは違法行為の支援、助長であるから、事務室立ち入り拒否すべきである。パトロールをして現認、退去命令してもよいである。新規則では無許可組合活動は勤務時間外でも禁止しているので対応できるので、スト待機を禁止する。
 むろん24時間稼働している部署では深夜でも出入りできるのであるが、警備会社と契約しセキュリティを稼働している部署のセキュリティ破りは建造物侵入罪を成立させるべきである。
 地公労法11条1項違それ自体には罰則規定はないが、労組法1条2項の刑事免責が適用されないことは、指導判例である全逓名古屋中郵事件判決.最大判昭52.5.4により明らかなことであり、これは公労法判例だが地公労法違反のストライキを別異に解する理由はない。
全逓名古屋中郵(第二)事件 最二小判昭53.3.3刑集32-2-97香城敏麿判解は、名古屋中郵事件大法廷判決を次のように要約した。
(イ)公労法一七条一項違反の争議行為が罰則の構成要件にあたる場合には、労組法一条二項の適用はなく、他の特段の違法性阻却理由がない限り、刑事法上これを違法とすべきである。
(ロ)但し、右の争議行為が単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであって、公労法一七条一項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けないようなものである場合には、その単純参加者に限り、当該罰則による処罰を阻却される。
(ハ)これに対し、公労法一七条違反の争議行為にあたらず、これに付随して行われた犯罪構成要件該当行為の場合には、その行為が同条項違反の争議行為に際して行われたものである事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきか否かを考察してその違法性阻却事由の有無を判断しなければならい。
名古屋中郵事件の建造物侵入の行為は(ハ)にあたる。「被告人らは、公労法17条1項に違反する争議行為への参加を呼びかけるため、すなわち、それ自体同条項に違反するあおり行為を行うため、立入りを禁止された建造物にあえて立ち入ったものであつて、その目的も、手段も、共に違法というほかないのであるから、右の行為は、結局、法秩序全体の見地からみて許容される余地のないものと解さざるをえない」と結論している。
 スト待機は、争議行為そのものではないがそれに付随する行為、争議行為目的なので違法性を阻却する余地はないことなる。
ちなみに、建造物侵入罪については、全逓釜石支部大槌郵便局事件.最二小判昭58.4.8刑集37-3-215が、管理者側に有益な先例といえる。「刑法130条前段にいう「侵入シ」とは、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入ることをいうと解すべきであるから、管理権者が予め立入り拒否の意思を積極的に明示していない場合であっても、該建造物の性質、使用目的、管理状況、管理権者の態度、立入りの目的などからみて、現に行われた立入り行為を管理権者が容認していないと合理的に判断されるときは、他に犯罪の成立を阻却すべき事情が認められない以上、同条の罪の成立を免れないというべきである」とする。
 このため、私の提案では新規則に勤務時間外であれ無許可組合活動を禁止事項としているので、規則制定と周知だけでも管理者が容認してないと判断できると思う、そのうえに、当局が管理意思をアナウンスする。災害時対応等の緊急の場合を除き、深夜未明のセキュリティがかかった時間帯の事務室の無許可出入りを禁止することを職務命令すべきである。現状では、庁舎管理者がスト待機を知っていながら黙認しているので犯罪が成立しない。
根拠 スト待機の重要な目的が指令の伝達なので違法行為である地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」の恐れがあるという理由だけて、規律ある業務運営態勢を維持する当局の施設管理権にもとづく。または地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用により不許可。新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない。
処分 無許可立ち入りを現認したうえ、ストが実行された場合は懲戒処分事由とする。刑事告訴も検討(住居侵入罪)。


(十六)ストライキ準備行為の禁止-撤去命令 


 西部支所ではストライキ決行時に、ビラ貼りのほかICカードリーダを紙でふさぐ工作をし、組合旗の掲出、横断幕が用意された集会を過去みている。平成半ば以前だが、江東営業所や千代田営業所で組合旗のほか立看もあり、ストの準備がなされるが、以下の規則違反として扱う。
 根拠 東京都水道局庁内管理規程違反第五条十等の禁止事項違反。地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」の恐れがあるという理由だけて、規律ある業務運営態勢を維持する当局の施設管理権にもとづく。新規則 55 職員は、庁舎、局施設構内において、許可なく業務外の目的で車両.旗.幟.拡声器.プラカード.横断幕.立看板.テントその他工作物を持込んだり、設置してはならない。又、業務用機器を使用させない作為をしてはならない。業務外の目的で、泊まり込み、座り込み、通行規制、集団行進をしてはならない。
処分 撤去命令に従わなかった場合懲戒処分の対象とする。

 (十七)ピケッティング-中止・解散命令
 

 過去の経験では庁舎構内のピケッティングは、入庁させないため、ICカードリーダに出勤入力させないための説得、入庁後、多衆で包囲して罵倒などの行為があった。違法行為の慫慂それ自体が地公労法11条1項後段違反であり、多衆による包囲、通行妨害は、新就業規則(5)違反として、中止、退去命令し、監視、写真撮影し、現認検書の上申を義務づける。
 ピケッティングは同盟罷業だけでなく、平成26年2月5日の中野営業所の業務委託拒否闘争では、〇〇本部委員が勤務時間中オルグ演説し、当日の人事課の退職派遣説明会の入場を阻止するピケを張った。そうしたものも中止命令をしていないが、説明会の開催と出席という業務の妨害なので、当局は認めていないが地公労法違反の違法行為である。
ピケが小人数の場合は、地公労法11条1項後段の違反として戒告以上の処分対象とし、物理的に就労を阻止する大量動員ピケがあった場合は、解散命令など管理意思を示し威力業務妨害罪を成立させるようにする。
 なお、組合側がこだわっている。職員全員を欠務させ、スト破りを認めないこと。ICカードリーダに出勤入力することを阻止することは「勤務時間等規程」、「処務規程」、「事務処理要領」などの規程上、職員の基本的な服務上の義務の否定であり、就業妨害とみなす。
 スト当日は三六協定が破棄される慣例だが、(一)(十四)や第Ⅰ部(Ⅵ)三で述べたとおり、最高裁は、三六協定未締結で労働基準法違反の時間外労働であっても職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当するとしている。組合のいう労基法により労務指揮権が消滅するということはないのであって、労基法上違法であっても違法を承知で職務命令ができると考えられる。業務命令してはならないという組合側の理屈に従う必要はない。出勤時限前の出勤入力は規則で服務上の基本的義務なので、管理職が妨害することは許されない。
 また(一)で言及した非組合員はスト対策本部に召集し、組合員の行動の監視等に権限を時間制限なく与えられているので、春闘仙台駅(仙台鉄道管理局)ビラ剥がし事件.最二小判昭48.5.25刑集27-5-1115の判旨に依拠して、三六協定破棄を口実として、組合によって出勤時限前の入庁を阻まれることはないという解釈をとる。
 大量動員ピケッティング物理的に就労を阻止するスクラムが組まれた場合は、威力業務妨害罪の構成要件該当行為となるので、刑事告訴もありうる。
根拠 地公労法11条1項後段の「そそのかし」「あおり」に当たる違法行為。庁内管理規程第五条十三 新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない。
 参照判例
 違法争議行為の内部統制権は否定されており、組合員であれストの勧誘.説得に受忍義務はない。 根拠 国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28 全逓横浜中郵前ピケ事件差戻後控訴審.東京高判昭47.10.20(差戻後上告審最一小決昭49.7.4棄却)  動労糸崎駅事件 .広島高判昭48.8.30 (上告審最一小決昭51.4.1棄却)、動労鳥栖駅事件.福岡高判昭49.5.2(上告審-最三小決昭50.11.21判時801号101頁 棄却)、国労東和歌山.和歌山駅事件.大阪高判昭50.9.19(上告審最一小決昭51.4.1棄却)
物理的に就労阻止する実力ピケ、大量動員ピケについて多くの事件で有罪と判決している。
 最高裁は積極的業務妨害を正当な行為として認めていない。争議行為は労務提供拒否という不作為を本質とし、これに随伴する行為も消極的限度にとどまるべきであるとする 根拠 羽幌炭鉱鉄道事件.最大判昭33.5.28、久留米駅事件最大判昭48.4.25 物理的に就労阻害する場合(不法な威力 、業務妨害.マスピケ.占拠.逮捕行為.強制的拉致)てせの有罪判例は、  ホテル.ラクヨー事件最一小判昭和32.4.25暴力行為等処罰ニ関スル法律違反、第二港湾司令部駐留軍横浜事件最二小判昭33.6.20威力業務妨害、 東北電力大谷発電所事件最一小判昭33.12.15威力業務妨害、水利妨害、四国電力財田発電所事件最一小昭33.12.25威力業務妨害、嘉穂砿業事件最一小判昭35.5.26威力業務妨害.暴力行為等処罰ニ関スル法律違反、長万部駅事件.最一小判昭45.7.16建造物侵入、浜松動労事件.最一小判昭45.7.16 威力業務妨害全逓横浜中郵前ピケ事件差戻後上告審最一小決昭49.7.4 公務執行妨害、動労鳥栖駅事件、国労東和歌山駅事件、尼崎駅ピケ事件.最一小判昭52.10.20、春闘松山駅事件.最小二判昭53.3.3、動労南延岡機関事件.最一小判昭53.6.2(物理的に業務遂行を妨害するマスピケ)、動労糸崎駅事件(運転席占拠+マスピケ)、動労尾久駅事件最三小決昭49.7.1(乗務員の強制的拉致+マスピケ)、光文社事件最三小判昭50.5.8(出勤途中の包囲ピケ逮捕行為)山陽電軌(現サンデン交通)事件.最二小決昭53.11.15威力業務妨害
 ピケッティングの指導.実践は地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」なので違法
根拠 北見郵便局懲戒免職事件.札幌高裁昭54.3.29、北九州交通局事件福岡高裁昭55.12.22
 処分 スト参加を慫慂する言動、ピケッティングの指導.実践は戒告以上の処分を原則とする。物理的に就労を阻止するマスピケがあった場合は威力業務妨害罪で告訴も検討する。刑事事件にしない場合でも処分の量定は重くなる。

(十八)職員一般向けの「服務の示達」の慣行を廃止し、警告兼就業命令書の手交に改める

 一般職員向けの「服務の示達」と、現行の「職員の皆様へ」は、違法行為という文言がなく、事前警告としてはインチキなので、新しい警告書兼職務命令書の交付に切り替る。マイク放送と掲示のほか、文書で手交を義務づける。
 全員手交ができなくとも最低限支部.分会の組合役員には手交を義務づける。職務命令書を突き返したり、一括返還を指図した場合は非違行為として記録したうえ、ストが実行された場合は、懲戒処分事由に追加し、量定の加重を行う場合があるものとする。

東京都水道局職員に対する警告兼就業命令書(案)

                                   東京都水道局長 〇〇〇〇
                                       所属長 〇〇〇〇

 全水道東京水道労働組合は、〇月〇日勤務時間職場離脱3割動員集会、〇月〇日に2時間のストライキを予定していますが、上記の行動は、「職員及び組合は、地方公営企業等に対して同盟罷業、怠業その他の業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。また、職員並びに組合の組合員及び役員は、このような禁止された行為を共謀し、唆し、又はあおってはならない」と定めた地方公営企業等の労働関係に関する法律11条1項違反行為であり、法令遵守義務等の服務規律に違反し、東京都水道局庁内管理規程に違反する行為でもあります。
 争議行為は集団的組織的行動でありますが、その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものでなく、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者は懲戒責任を免れません(全逓東北地本事件.最三小判昭53.7.18民集32-5-1030)。従って各職員がストライキに参加した場合は関係法令に照らし必要な措置をとらざるをえません。
 労働組合は統制権の行使を理由として、かかる違法な争議行為に参加することを強制することは許されず、組合員は上記組合行動の指令に服従すべき義務はなく、これに参加を促がす勧誘、説得を受忍すべき義務はありません(国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28民集29-10-1634、全逓横浜中郵事件差戻後控訴審.東京高判昭47.10.20判時689、動労糸崎駅事件控訴審 .広島高判昭48.8.30判タ300)。
従って、職員各位は出勤時限前にICカードリーダの所定操作によって出勤記録を自ら入力し、定められた時刻より職務を遂行することともに、当該組合行動の時間に職務放棄しないことを命令する。
 ICカードリーダの出勤記録を自ら入力することは,「勤務時間等規程」、「処務規程」、「事務処理要領」などの規程上、職員の基本的な服務上の義務でありますので妨害は容認しません。
 また争議行為に際して、スト参加の慫慂、庁舎構内での集会、組合旗、横断幕、立て看板等工作物の設置及無許可で旗・のぼり・プラカード・たすき・ゼッケン・はちまき、拡声器等を所持又は着用したままの無断立ち入り、ビラ貼り、ビラ配りを禁止します。
地方公営企業等の労働関係に関する法律11条1項違反の行為については、当局には地方公務員法第29条1項1号、2号、3号、第32条、第33条、第35条の適条により、懲戒処分等に付す権限、もしくは地公労法12条によって解雇する権限があることについて注意を喚起します。
また当該争議行為は違法であり、労組法1条2項は適用されないので、争議行為に際し、ないし付随して積極的な業務遂行妨害、犯罪構成要件該当行為がなされる場合には、違法性が強く推定され、厳正に対処せざるをえないので注意を喚起します。

 この警告書のメリットは、従来組合側の論理に屈従し、ストライキ時に非組合員やストに消極的な組合員に業務命令して操業を維持することをしていなかった方針はあらためることを明確に示したことである。
全員に就業命令を徹底し、法的拘束力などないスト指令からの離反を促す。ストライキ前日は、就労できる職員を申し出させるなど努力により、就業命令に従い出務する職員を多くすることを管理職の責務とする。

参照判例 全運輸近畿陸運支部(大阪陸運局)事件.大阪地判昭54.8.30民集39ー7ー1408は、警告書を職員全員に交付している。全日本国立医療労組事件.最三小判平14.11.26労判840の一審東京地判平11.4.15判時1724によれば職員には掲示だけだが警告書の文面が記載されている。旧郵政省の例では事前に職員に就労意思を確認し就労意思を表明しない職員に業務命令を発出している(昭和48年4月27日(4時間スト)、昭和50年12.8.1(8時間スト)熊本貯金局事件.熊本地判昭63.7.18、労判523、国鉄末期の昭和61年2月15日の千葉動労ストでは、電車の運休を減らす努力として津田沼機関区等が乗務員に対し「私は、昭和 年 月 時 分 私の意思で就労することといたします。ついては、組合のストライキ指令に従うことなく、駅(区、所)長の命令する業務に従事いたします。」との確認書を提出させている(国鉄清算事業団事件.千葉地判平5.3.15)。
警告に加えて事前に職員に職務命令書を交付している例として北九州市の昭和43年10月8日1時間スト(北九州市清掃事業局事件.最二小判昭63.12.9民集42-10-850)、北海道釧路支庁昭和41.10.21、昭43.10.8の事案(北海道釧路支庁事件.札幌高判昭56.2.29労民32-5-231)などがある。
近年では、北教組の平成20年1月20日の1時間ストがあるが、道教委は30分以上職務離脱者全員一律戒告処分としたが、地公労法11条1項が適用される単純労務職員が戒告処分を不当として救済を申立たが、道労委の平成23年6月24日命令書(中労委データベース参照)に「1月29日、 G 養護学校の O 校長は、朝の職員打合せにおいて職員に対してストライキに参加しないよう指導し、所属長訓示を掲示の上、職務命令書を B を含む職員に手交した。」とある。本件は札幌高裁が救済命令取消、最高裁棄却。

(十九)ストライキ当日の集会の中止・解散命令、職場復帰命令の徹底
 

 私が見聞きしたストの集会場所は、品川営業所は構内駐車場、江東営業所は構内駐車場+庁舎内練り歩くデモ、西部支所は来客用駐車場、中野営業所は構内駐車場で、新宿営業所は事務室内シットダウンストライキに近く、執務場所を40名ほどが占拠する業務妨害罪態様の悪質なものだった。
 管理職はスト集会の中止.解散命令、職場復帰命令、就業命令を行っていない。職員部監察指導課の指示は集会場所と人数を報告することにはなっているが、国の官公庁のようにストライキ決行に際し就業命令等の職務命令をすることは指示していないからである。今後は、就業命令を義務付ける。方法は口頭、携帯マイクのほかプラカード等に職務命令を記載して周知する。その際、反抗する場合も想定しスト対策本部の非組合員を動員して監視、写真撮影、録音などにあたらせてよいものとする。
 旧郵政省や林野庁のスト集会は、庁舎構内ではなく、近隣の集会施設、公園やその他の場所で行われることが多いが、その場合でも管理職は監視し、職場復帰命令を徹底して行っているので、これを努力義務とする。
 また国の官公庁では、ストで指導的な役割を果たした者と率先助勢者は記録し、現認検書を上申することになっている。これまで本部中闘をのぞいて各事業所で勤務する組合役員、組合員は懲戒処分の方針とせず、組合の見解や方針に従っていたが、今後は、現認検書上申を義務づける。具体的には組合旗掲出、工作物、ビラ貼り等スト準備、ピケッティングの指導.実践、スト集会の演説者、頑張ろう三唱の音頭取りのすべて。
 なお、非組合員をスト対策本部として召集するのは、違法行為の取り締まりだけでなく、管理職が職務命令をしているか否かの監視役でもある。義務に反し組合と結託したり、組合に業務管理されてしまった場合は告発をスト対策本部長が受理するものとする。
 就業命令の法的根拠を示す主な判例 神戸税関(全税関神戸支部)事件.最三小判52.2.20民集31-7-1101、全運輸近畿陸運支部(大阪陸運局)事件.大阪地判昭54.8.30民集39ー7ー1408、大阪高判昭57.2.25民集39-7-1478、最二小判昭60.11.8民集39-1-1375、北九州市清掃事業局小倉西清掃事務所事件.福岡地判昭51.7.22民集42-10-940、福岡高判昭57.4.27民集42-10-997、最二小判昭63.12.9民集42-10-880

(二〇) ストライキ時、営業所の必要業務の管理職対応は原則としてやめる

 営業所の必要業務とは窓口対応と、電話対応だが、営業所長ともうひとり管理職が派遣されて対応するのが通例になっているが、令和元年12月10日の新宿営業所の1時間ストでは、そもそも組合がスト決行の貼り紙をしていたので窓口に来所する方は一人もいなかった。また電話もお客様センターから取り次いだ苦情の電話1本しかなかった。これは管理職か組合側かわからないが、営業所では通常8時30分より前は、営業時間は8時半からで、緊急の要件はお客様センターへ電話をおかけくださいといったアナウンスが流れ、電話がかかってこないことになるが、留守電は8時半に解除にするが、留守電を解除していなかったのかもしれない。ストにより実質お客様センターに負担がかかっている在り方である。
 管理職対応は当局の方針だが組合の意向を受け容れている、本来は、非組合員やスト反対の組合員に業務命令し出務させ、操業を維持すべきだが、組合がスト完全防衛のため非組合員や組合員に業務命令して操業を一部でも維持することを認めない方針なので管理職対応としており、ストに対抗した業務命令を認めないと方針自体が正常な業務運営ではなく、今後は要員を確保すべく業務命令し、管理職対応はやむをえざる場合に限定するものとする。


(二一)非組合員の出勤時限前の入庁を締め出し「事故欠勤」とする方針を廃止する
1 職員の就労する権利と法令遵守義務を否定する東京都の管理職の悪質さ

 この問題詳細は、「第Ⅰ部のⅤ-二-(八) 非組合員の就労する権利を侵害する管理職の行為について」のとおりであるが、基本的に東京都では1960年代の価値観であるピケットラインを尊重するのが労働者階級の倫理的義務だというような左翼思想にもとづき、非組合員は組合役員にスト協力の説得に応じ、ピケットラインを越えないとべきであるという指導を職員にする。実態として、東京都水道局では私の知る限りでは、組合員は全員近くストに参加し、非組合員も組合の説得に応じ、就労せず、庁舎構内の片隅で待機していることほとんどであり、ストに協力せず破っているのは自分以外ほとんど知らないのである。非組合員の事故欠勤も含めて事実上同盟罷業の参加率が非常に高く、全水道東水労は令和元年77.2%と組織率は高いとはいえ(少数組合の自治労連東水労1.1%)なので非組合員もそこそこいるが、ほとんどすべてと言ってよいほど職員は職務から離脱する。私企業のユニオンショップのストのような状況になっている。
 
 東京都ではスト決行時に、職務離脱者がほとんどすべてになってしまうのは、東京都は違法争議行為を組合の正当業務と事実上認め、争議中の操業(業務運営)は、争議権との対抗の中では権利性を失なうという最高裁が否定しているプロレイバー学説に従って、管理職は非組合員やスト反対の組合員に業務命令して操業を維持することがあってはならないという組合の方針に屈従しているからである。
東京都では最高裁が否定するプロレイバー学説に従うのが絶対的価値になっていて、組合との力関係で、東京都の管理職は就業命令を絶対やらないことになっている。
 しかしこれは異常なことである。国労でも、動労でも、全逓でもストライキの際、組合の指令でなく当局の業務命令に従っている職員は少なからずいる。
 東京都では職員全般に対し、違法行為として事前警告をしていないこと。就業命令していないことと、平成22年.26年、令和元年、過去3回の同盟罷業は26名ほど支部長が訓告とされているが、履歴に載るだけで、これは懲戒処分ではない。各事業所の組合役員は懲戒処分のおそれなく違法行為が慫慂でき、組合活動で絶対不利益賦課させないという組合の方針に従っているためである。
さらに非組合員には事故欠勤にするというストに協力する運用があって、職員は組合の説得に応じやすい環境にあるためである。
ちなみに、昭和44年11月13日の北九州市の市労、市職及び市職労1時間30分時限スト(実際は早く終了)の参加者 門司区880名中330名(38%)、小倉区1760名中500名(28%)、八幡区1710名中340名(20%)で、就業命令書を交付したり、懲戒処分も厳正に対処している自治体ではスト参加率は決して高くないのである。
 
 組合は非組合員に対し出勤簿(現在はICカードリーダ)を押すことは許されないと言ってくるが、管理職も全く同じで、平成7~8年頃の江東営業所は東一副支所長が非組合員は、入庁せず出勤簿を押さす構内屋外で待機せよと命じている。私はそれに逆らって就労したので管理職から非違行為扱いにされたわけである。
平成21年ストはなかったのだが、私が中野営業所長にストが決行されても就労すると申し出たところ、所長はまず組合分会役員と相談し、職員部と連絡をとったうえ、中野営業所○○はが私に指図したことは、まず出勤時限の8時30分以前の入庁を認めない。従ってICカードリーダの操作により出勤入力(IDカードを通すか、職員番号をテンキーで入力する)をしてはならない。事故欠勤にすると強い口調でいい。事実上の出勤停止命令である。
 事故欠勤というのは就労実態がなくても賃金を受け取れる制度で、反発すると、○○は賃金を出すと言っているのに従わないのは非常識だとなじってきた。
 むろん、職員は上司の職務上の命令に従う義務があり、それが組合との共謀で不当なものであろうと、各職員に審査権はないので本来は従うべきだが、就労せずに詐欺的に賃金を受け取る汚いことはやりたくないし、職員は非組合員であれ組合員であれ就労の権利と義務(法令遵守義務.職務専念義務.信用失墜避止義務)がある。水道局長が形式的とはいうえ服務規律の確保と指示している以上、職権を逸脱している、服務の基本的義務である就業規則をやぶり、違法行為することはできない。
この争議行為対応は違法性が顕著なので、その理由を以下述べる。

2 非組合員の就労する権利の否定は違法

 非組合員の就労権の行政解釈は「労働組合の統制力は、原則として労働組合の組合員以外には及ばないから、‥‥正当な就労を妨げることはできない。なお、労働協約等において代替要員雇入禁止の条項が規定されていない限り使用者が争議中必要な業務維持のための代替要員を雇い入れ、その業務を続けることは、労働組合の争議行為に対する使用者の対抗手段であって、そのことが妥当かどうかについては状況によって異なるが、それ自体は違法とはいえない」(昭和29年11月6日労働省発労第41号各都道府県知事あて労働事務次官通牒。)である。
 非組合員と統制権が及ばない組合員(脱退した組合員、争議に反対する第二組合員、組合執行部が争議中止を決定したが執行部に反対する争議続行派が就業派、臨時雇用者)に対する物理力を行使して就業を阻止するピケットについて、最高裁は、特殊な事情や可罰的違法論の適用により無罪とした例外的二例を除きすべて有罪の判断を下しているので、非組合員は、当然就労権を主張できると結論する。以下はいずれも争議行為が合法である私企業等の判例である。
 例えばホテル.ラクヨー事件最判昭32.4.25刑集11-4-1431(就労しようとする非組合員に体当たりするピケ)、羽幌炭礦鉄道事件最大判昭33.5.28刑集12-8-8-1694(争議続行決議に反対して脱退した組合員が結成した第二組合に加わった労働者+非組合員に対する実力ピケ)、進駐軍横浜事件最判昭33.6.23.刑集12-10-2250(非組合員+争議に加わらなかった組合員に対する実力ピケ)。東北電力大谷電所事件最判昭33.12.25刑集12-16-1255(臨時雇用の非組合員に対するピケ)、嘉穂砿業事件最判昭35.5.26刑集14-7-868(嘉穂労組執行部は上部団体の炭労の指導による争議の中止と炭労からの脱退も決定したが、上部団体支持の争議続行派が、就労派砿員+争議に加わってない職員に対してピケットを行った例)が挙げられる。
 上記の判例は使用者が、ストライキ中であっても、非組合員、反対派ないし脱落組合員、第二組合員、臨時雇用者を使って操業する自由を是認するものでもある。
 また、下級審判例においては、非組合員の就労権と組合員の争議権は対等であり、非組合員の就労権を明示するものがある。
例えば横浜第二港湾司令部駐留軍要員労組事件.東京高裁判昭33.3.31『別冊労働法律旬報』№204.1955であるが
「労働組合は、その所属構成員に対してのみ、労働力のコントロールを加えうるものであって、構成員以外にまでこれを強制しえないことは、労働法上の基本理論であるから労働組合が組合員の労働力を統制してストライキを継続することが、当然の権利行使であると同時に、非組合員が右ストライキに同調しないで就業することも、また当然の権利行使であり、右の争議権と就業権とは対等の立場に立ち、互いに並行する関係にあるものと解すべき‥‥非組合員らは、いずれも自己の自由意思によって‥‥労働組合に加入せず、原判示ストライキにも参加しなかったものである上に、就労しようとしたのは、ストライキに同調して就労しないでおれば、その間賃金による収入が中絶するばかりでなく、職場を馘首されるおそれがあったため、‥‥非組合員ら就労しようとしたことは、正当な権利の行使というべきであり、従って、かかる権利の行使に対しては、ストライキ参加者において、これを積極的に妨害することは許されないものといわなければならない。‥‥」
 しかし東京都では争議行為が違法であっても非組合員の就労を認めないことで違法である。

3 組合の統制を受けないで就労する権利の否定は違法

 争議行為が禁止されている公務員の職場においては、組合のストライキ決議や指令は統制権により組合員を拘束しない。違法争議行為に内部統制権はなく、組合のストの勧誘、説得を受忍する義務がないということは、いずれも公労法17条1項の事案で、いずれも、刑事免責を認め争議行為に好意的な中郵判決が判例を維持していた時期だが昭和47年から下記7判例がある。
 東京都の管理職が就業命令等をやらない別の理由として、違法ストライキであっても団結統制権で、組合の決議で、組合員を争議行為参加に拘束できるという考え方を事実上受けいれているという問題がある。
 全水道東水労スト権一票投票は、毎年11月初め頃に、11月半ばの都労連闘争と、12月の局内合理化闘争、2月末に3月の春闘につき行われる。高率で批准されるのが通例である。ちなみに令和6年は10月31日にスト権一票投票がなされ、92.77%で批准した。
投票用紙の裏面は、ストライキが批准されたら、団結して本部指令に従って行動しますと言う趣旨の文言がある。
組合側の主張は、団結統制権により組合員をストライキ態勢から離脱しないよう拘束している。組合役員のスト指導は、指令にしたがって組織の義務として行っているもので、個別責任は問われないというものだが、当局は鵜呑みにして、事実上闘争期間組合の支配下にある各職員に業務命令はできないものとしている。
 しかし私企業のユニオンショップとは違って、争議行為は違法なので、組合員でも本部指令に服従する義務はない。
〇国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28民集29-10-1634は組合の統制権について理論的に説示し「公労法に違反して行われる争議行為とこれに対する組合員の協力義務関係について考察する。同法違反の争議行為に対する直接の効力(争議行為の参加)については、これを組合員に強制することはできないと解すべきである。禁止違反の争議行為の実行に対して刑罰や解雇等の不利益な法的効果が結びつけられている場合に、その不利益を受忍すべきことを強いるのが不当であることはいうまでもなく、また、右のような不利益を受ける可能性がない場合でも、法律は公共の利益のために争議行為を禁止しているのであるから、組合員が一市民として法律の尊重遵守の立場をとることは是認されるべきであり、多数決によって違法行為の実行を強制されるいわれはない。‥‥」
これだけでなく争議行為にも刑事免責を認めた中郵判決が維持されていた時期に、争議行為に可罰的違法なしとしながら、三公社五現業に適用される公労法17条1項違反の争議行為については、組合員であれ、争議行為の勧誘、説得を受忍する義務はなく、違法争議行為参加を団結統制権により拘束されないとしており、そもそも統制権の及ばない非組合員も同じことである。
●全逓横浜中郵前ピケ事件差戻後控訴審.東京高判昭47.10.20(差戻後上告審最一小決昭49.7.4棄却) 
 全逓の2時間の同盟罷業それ自体は中郵判決に従って可罰的違法性なしとしながら、全逓の要請で神奈川地評が動員したスト支援者の約200名のマスピケは争議行為に付随する行為として別個の法的評価をとり、機動隊に暴力をふるった2名の公務執行妨害罪の成立を認め以下のとおり説示している。
「公共企業体等の職員および組合は公労法一七条一項により争議行為を禁止されているのであるから、組合自身も組合員もこれを行なつてはならない義務を負っているこというまでもない。それゆえ、組合としては組合員に対して同盟罷業への参加を強制することのできない筋合いのものであり、これを組合員の側からいえば、各組合員は、法に従うべきであるという建て前からも、また自らが解雇等の民事責任を負わないためにも、組合の指令にもかかわらず、同盟罷業に参加することなく就業する義務を負うとともに権利を有するものである。‥‥公共企業体等の組合がたとえ同盟罷業の決議をしても、その決議は違法であって民間企業の組合の場合のように組合員に対し法的拘束力をもつものではなく、組合員としてはその決議に従わずに就業しても、特段の事由のないかぎり組合の統制に対する違反ないしはいわゆる裏切りの問題は生じない‥‥同支部所属の各組合員が原判示当日出勤就業しようとしたことも正当な行為であって、組合側としてその入局を実力を用いてまで阻止することを正当ならしめる特段の事情があったものとは認められない。」
●動労糸崎駅事件 .広島高判昭48.8.30判タ300 (上告審最一小決昭51.4.1棄却)●国労岡山操車場駅.糸崎駅事件.広島高判昭48.9.13 ●国労尼崎駅事件.大阪高判49.4.24判時734号40頁  (上告審-最一小判昭52.10.20 刑事裁判資料230号812頁 棄却)● 動労鳥栖駅事件.福岡高判昭49.5.25判時770号113頁(上告審-最三小決昭50.11.21判時801号101頁 棄却)● 国労東和歌山.和歌山駅事件.大阪高判昭50.9.19
「国労が企てた本件ストライキが違法なものであることは明らかであり、組合がストライキの決議をしたとしても、組合員に対してストライキへの参加を求めることは組合の統制権を理由としても違法であることに変りはなく、組合員は組合の要請に従ってストライキに参加すべき義務はなく、就労の意思をもつて出務している場合においては、その受忍義務のないことは一層明白であって、まして組合は、非組合員に対してストライキへの参加を強制すべき権能を有するものではない」
 上記は公労法の判例だが、地公労法を別異に解釈する理由はない。したがって、組合員にも就労の権利が、東京都は統制権がないのに、警告と就業命令をあえてやらないことにより統制権を認めるようにアシストしていることで違法性が強い。

4 地公労法11条2項違反の疑い

 私企業で作業所を閉鎖して労働者の就業を拒み、労働者側の自主管理運営を阻止することをロックアウトという。これは11条2項で禁止されている。
 しかし、水道局の管理職は、就労したい職員を締め出して出勤入力をさせない。就労も認めない方針なので、ストライキに対抗するロックアウトとは性格が違い、スト完全防衛をアシストする目的だが、この条項違反の疑いがある。
 この点は、事故欠勤にするので就労せずとも賃金を支払いっているので、ロックアウトに値しないという反論が想定できるが、事故欠勤は就労実態なく賃金を受けとる詐欺的な不正会計であるから、8時29分まで入庁して出勤入力させないという。ストライキに反対の職員に対する措置は、作業所閉鎖に准じた措置として違法性がある

4 「勤務時間等規程」「処務規程」「事務処理要領」違反の強要は職権を逸脱し違法性が強いのでやめる

 東京都水道局出勤記録修正懲戒処分事件.東京高判平26.2.12労判1096は、水道局の管理職が72回につき出勤時限に遅れた上、そのうち71回につき部下に指示して出勤記録を修正させたとして停職三月という重い処分を適法とした事案であるが、「東京都水道局においては,所定操作によって出勤記録を自ら入力することは,『勤務時間等規程』『処務規程』『事務処理要領』などの規程上、職員の基本的な服務上の義務であり」と説示している。
 水道局長は形式的に服務規律の確保を示達している。しかし東京都水道局の管理職は、ストライキ時は、規程に反し基本的な服務上の義務をなすことは許さないとするのである。示達に反しているのではないか。
 これは地方公務員法第32条 「職員は、その職務を遂行するに当って、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い‥‥」の服務上の基本的義務を否定することになり、違法性が強い。
 現場の管理職に服務上の基本的義務を否定する権限はない。職権を逸脱した行為である。
 しかもその目的が地公労法違反のストライキを防衛する違法目的なので余計に悪質である。

5 ストライキ時の非組合員の事故欠勤は不正会計で、違法性が強い
 
 事故欠勤とは水道局処務規程55条の「交通機関の事故等の不可抗力の原因により勤務できないときは、その旨を速やかに連絡」すれば遅延証明を根拠として、遅刻しても賃金カットされず、実質出勤扱いにする制度であるが「交通機関の事故等の不可抗力の原因」とストライキは違う。非組合員であれ組合員であれ、組合に職場離脱を慫慂されたとしても、それは地公労法違反の違法行為であるから、説得を受忍する義務はないことは既に述べたとおりである。
 私は江東営業所で複数の組合員が取り囲む、包囲型ピケッティングで罵声を浴びせられることはあれ、腕を抱えられたり、逮捕行為をされたことはなく、スクラムを組むようなマスピケはない。
しかし「ピケットラインの尊重」は労働組合主義の左翼思想にすぎず、ストに参加しない権利の方が正当なので不可抗力ではない。組合側も逮捕行為や強制連行、物理的に通行を阻止するマスピケか威力業務妨害罪となるのである。昭和48年久留米駅事件以降、犯罪該当構成要件行為に可罰的違法性論は適用されなくなったので、不可抗力はありえないのである。
 ノーワーク.ノーペイの原則からして就労していない職員に賃金を支払う必要はない。不正会計であると同時に、ストに参加している組合員は、賃金カットし、その補償は、組合の闘争資金から出される。しかし非組合員には補償できないので当局にその肩代わりをさせているとみるほかない。この慣行は同盟罷業の慫慂と同じことでありやめるべきである。
仮に事故欠勤を認めるとしても、威力業務妨害罪、逮捕罪の犯罪構成要件該当行為があった場合に限定し、刑事告発もしくは、懲戒処分との見合いですべきである。

処分 ストライキ時の勤務実態なく事故欠勤した者は申請した者も、承認した管理職も原則として懲戒処分の対象とする。ストライキ時、出勤入力をするなとか、ピケットラインを越えるなといった指示を非組合員等に行った管理職も同じである。

(二十二)積極的業務妨害・外形上犯罪構成要件該当行為は許容しない 

 地方公営企業において単純不作為の職場離脱(ウォークアウト)も違法行為であるが、全水道東水労のストは争議権のある私企業のストでも免責されない積極的な業務妨害を行う点でより悪質であり、当局はそれを許容し犯罪を助長することに邁進している。
既に威力教務妨害罪は時効であるが、令和元年12月20日の1時間ストで、新宿営業所では事務室の検針担当執務エリアを40人程度で占拠して集会する態様で、物理的に業務遂行を不可能にするシットダウンストライキである。また業務用機器をストの時間帯隠匿される業務阻害があった。これには組合役員でない当時○○○○課長代理及び〇〇が関与している疑いが強く、外形上業務妨害罪の構成要件該当行為である。
 ところが○○所長は(現サービス推進部業務課長.本庁要職)、積極的業務妨害を全面容認し、中止.解散.就労命令は一切やらない。スト指導者といえる集会の演説者、○○、○○、○○について現認検書の上申しないと言っていた。そればかりか○○所長は、ピケッティングに立って私を出ていけと恫喝し、集会でも演説してストを指導した○○を主任に昇進させている。違法行為を指導して処分されないどころか昇進するのが東京都の倣いである。
 犯罪構成要件該当行為の是認は当然という認識のようであるが、それは刑事免責を肯定した中郵判決が判例を維持していた昭和40年代の考え方で、先例は、刑事免責を否定した名古屋中郵判決方式の判断枠組になるから、違法性が阻却されることはありえない。
職員部から就労命令等の指示はないため、職員部の指示どおり動き、犯罪構成要件該当行為容認がコンプライアンスとなっている。管理意思を示すことを義務づけ犯罪を成立させるべき。
処分 新宿営業所の態様は威力業務妨害罪の犯罪構成要件該当行為なので、刑事告訴か指導者の懲戒処分は加重されてしかるべき。

(二十三)昼当番拒否闘争の協力は拒否し就業命令する
 東京都水道局営業所では、昼休みに窓口と電話では2名、大きな営業所では3名、昼当番といって、休憩時間を午後1時以降にずらして、所長の命令により勤務する。月に1~2回は当番をすることになるが、平成23年10月31日~2日と4日昼休み当番拒否闘争がなされた。労働協約で休憩時間を午後1時以降にずらして業務命令できることになっているので、事実上組合による労務管理、労務指揮権の奪取だが、水道局は闘争、争議行為を認める方針で一貫している。
代務として管理職を動員して対応している。昼当番拒否者は、不完全就労であるが○○所長から直接賃金カットしていないと聴いた。
 足立営業所の監理団体業務移転の提案に反発して突発的にスト権一票投票もやってないのに、突然分会委員長が当局の提案に反対するため2名配置の昼休み当番を引き上げ、電話と窓口を管理職対応とすると宣言。組合役員が管理職に指図して仕事をさせるいやがらせである。当番の職員の代務者に組合役員となり、管理職に仕事を押し付けるが後ろにみえないところで控えていて、経常業務に不慣れな管理職に質問があったら、こう端末を操作するとか、回答するとか、指図する役となる。中野では昼当番は窓口のレジと電話と2人体制であるので、営業所長(後に監察指導課長、労務課長の○○○○)と、もう1名は西部支所配水課もしくは給水課管理職が応援体制であたっていた。
 正常な業務運営ではなく、地公労法11条1項違反だが、当局は争議行為と認定していない。
この闘争はその前は10年前くらいで、めったにやらないが、唯々諾々と管理職が組合役員の指揮下におかれる必要はないので拒否、業務命令し、従わない場合は戒告以上の処分が妥当である。

(二十四)組合役員による労務指揮権の奪取による、業務妨害、業務管理は拒否
 
 平成26年1月28日~2月下旬に当局は争議行為と認めていてないが、中野営業所監理団体への業務移転拒否闘争があった。1月24日スト後も争議行為は続行し、中野営業所では業務移転業務拒否闘争で徹底抗戦、実力で4月から7月に移転時期を延期させている。2月20日停職中の本部書記長〇〇が勝手に侵入しオルグ活動をしたり、これに先立ち1月29日本部委員の〇〇が勤務時間中のオルグのほか職員部人事課の監理団体派遣説明会の前でピケを張り業務を妨害した。
 ○○所長は外来者の本部委員の勤務時間内オルグ、退去命令できず、人事課説明会ピケ容認、組合の移転準備の業務命令をさせない工作により、管理職は職務命令を凍結して闘争に加担している。
 ○○分会書記長は、課長補佐(営業係長)に対し、移転業務のため固定資産.備品の帳簿の現品確認に来た本庁サービス推進部の職員を追い返せと指図した。組合に協力しないとまずいことになりますよと恫喝し、本庁職員は追い返された。さらに○○は○○所長に業務命令の凍結を強要する、組合が労務指揮権を奪う、業務管理態様の争議行為といえる。
 違法争議行為とは同盟罷業だけではない。本庁から固定資産.備品の帳簿と現品の照合という業務で出張してきた職員を追い返しのだから重大な業務妨害なのである。
 北九州市交通局事件.最一小判昭63.12.8民集42-10-7民間ディーラー整備員の入構拒否を争議行為と認定したようにまさに争議行為である。
 最終的には組合はしかも組合は移転に協力させるためにはサービス推進部担当者に謝罪の文書と、実際に中野営業所にきて頭を下げるよう強要もしている。業務移転は7月移転で決着することとなった。実力で3か月移転を遅らせたことを組合は誇っている。
 管理職の業務命令ができないというガバナンス問題は全く解決されていない。所長の○○に質問したところ、非経常業務は組合と事前協議することになっており、協議が不調なので業務命令はしないとの趣旨を言っていたが、言い訳としては苦しい。
事前協議の対象であるとしても、それは数か月前から再三やってきたことで、決裂後の対応としては業務命令するしかないはずだし、それはサービス推進部から指示されているはず。
 組合員である課長補佐の指示に従えとのことだったが、上級部署の指示に従うのがコンプライアンスであるから、組合に屈服してしまうのは問題がある。
 本庁業務課では管理職が業務命令できると思っているのかもしれないが、それが通用するのは本庁部局内部のみと思われる。出先の各事業所では、普段から経常業務以外は事前協議で管理職は組合役員にお伺いする立場で、争議行為は労務指揮権.施設管理権凍結が通例なので、上級部 署の指示は止まってしまうことがあるのである。
以上述べた○○分会書記長の行為は、地公労法11条1項違反行為であり悪質である。
 今後も全水道東水労は中野営業所のような徹底抗戦をやる可能性もありうるので組合の恫喝により労務指揮権を当凍結しないよう、ガバナンスを徹底する必要があり、このような場合、特別査察チームを派遣して、組合に業務管理されないよう万全の体制をしくべきである。
本部中闘以外懲戒処分にしない方針から、本部委員や分会役員はなにをやっても責任は問われないという職場の慣行というものが、非常に大きな悪影響を及ぼしている。

(二十五)同盟罷業の懲戒処分方針を改める
(懲戒処分の在り方の是正  安心して違法行為ができる職場を改革すべき)
 全水道東水労の過去3回の同盟罷業の懲戒処分等は以下のとおりである。

★平成22年12月10日 1時間スト
同盟罷業私の記録では23年2月3日付発令処分は全水道東水労本部中央闘争委員会5名(下水道局職員含)の最大16日間の停職処分[1時間ストライキと17日の勤務時間執務室内職場集会を理由とする]と各支部長に対する訓告これは前例がなく初めてだが、懲戒処分でなく人事記録に載るだけなので痛くない。スト集会参加の組合員は賃金カット(組合が補償する)
★平成26年1月24日 1時間スト  同盟罷業 争議行為が続行(中野営業所業務移転拒否闘争)しているにもかかわらず処分は26年2月5日発令と異様に早く猪瀬氏辞任に伴う都知事選告示の翌日、私の記録では全水道東水労は、本部中闘停職18日2人、停職16日1人、停職7日1人、ほかに下水道局2人、支部長28人に対する訓告処分。スト集会参加の組合員は賃金カット
★令和元年12月20日 1時間スト
同盟罷業 令和2年2月6日発令の全水道東水労の処分は、本部中闘停職13日1人、停職10日1人、停職7日1人もう一人停職3日は未確認と支部長26名の訓告処分。スト集会組合員は賃金カット

 東京都は懲戒処分の対象は組合の機関責任のみを問う形式で、水道局の全水道東水労の場合、本部中央闘争委員のみにしぼっており、実際に各事業所でストを指導している本部委員.支部.分会役員等が懲戒処分に付されることはない。各事業所の組合員は組合活動で不利益賦課させないという組合の方針に従った対応になっているので、安心して違法行為の慫慂「あおり」「そそのかし」という違法行為ができる職場となっている。安心して違法行為ができるのである。
 これは、争議行為は違法であっても団体たる労働組合の行為としての、本来個別労働関係の主体としての地位をはなれた行為であるから、指令に従って組織の義務としてストを指導している個々の組合役員は責任を問われないとするプロレイバー学説を当局が呑んでいるためだが、この組合側の主張は、全逓東北地本懲戒免職事件.最三小判昭53.7.18民集32-5-1030「労働者の争議行為は集団的行動であるが、その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえないことも、多言を要しない」と判示したことであり、最高裁が明示的に否定しているので、東京都の懲戒処分方針は左翼体質で異常である。
 各事業所でスト集会の実行行為者、ストに指導的役割を果たした場合は、本部委員、統制委員、支部.分会役員のほか、無役の組合員、管理職においても率先助勢した場合は、戒告以上の処分の対象とする方針に改めるべきである。
私案は事業所スト集会毎の指導者につき最低一人は戒告にする。悪質な場合は複数以上の処分で量定も加重する。
また、年間3~4回恒常的に行われている3割動員勤務時間内職場集会であるが、当局も争議行為と認めているので賃金カットだけはする(組合が補償するのが通例)。争議行為と認定しているのは、佐教組懲戒処分事件.最一小判昭63.1.21が3割.3割.4割休暇闘争を争議行為としているためだろうが、動員1回につき3時間程度の欠務であるから、年間9時間ぐらい動員に行っている組合員はざらにいる。ベテランの組合員ではスト参加も含め累計100時間以上欠務している人も沢山いるはずである。例えば3年間で15時間の欠務といった基準で戒告等処分対象とすべきである。

(二十六)庁内管理規程で禁止の保険勧誘行為が認められている問題

 とにかく、水道局の庁舎管理は私的利用が暗黙のうちに認められたりおかしなことが多い。業務移転の前、平成25年以前中野営業所で一番威張っていたのは委託業務の日常清掃員の〇〇で、清掃委託業者はしょっちゅう変わっているのに組合役員経由で元請にたのみこんで20年以上雇用され居ついていた。20年いるわけだから、何がどこにあるとか一番よく知っているわけです。個室が与えられ、物置の半分以上野菜だの私物が持ちこまれ、自宅の物置のように勝手に使って、行政財産の目的外使用、私的利用は当然になっていた。高齢者人材センターとかけもちで、個室は待機する時間に休憩するため使っている。時間と仕事の内容は自分が決めるんだと言っていた、一番待遇がいいんです。私は清掃の検査業務もしていたので仕様書に書かれているとおり仕事しろと言っても、言うことを全然きかないし、監督業務をしている職員を見下すんですよ。所長席の机を毎朝雑巾で拭くんだけれども、それは契約にはない仕事で、所長に媚びるために余計なサービスをしている。庁舎管理にルーズなところを外部の人間にも利用されているんです。
 水道局庁内管理規程で、保険勧誘行為は第五条で禁止されている。但し庁内管理者が特別の事情があり、かつ、公務の円滑な遂行を妨げるおそれがないと認めて許可した場合は、当該許可に係る行為をすることができるとしており、禁止事項解除ができるので、庁舎管理者の意向しだいで、禁止事項でも容認できるルーズなものとなっている。
 そもそも禁止事項で積極的に認める理由がないもの認めてしまっているのはコンプライアンスに反する。
私は昭和59年水道局には多摩ニュータウン水道事務所に勤務していたが、昼休みには保険勧誘員が所内に入って営業活動をするのが常であった。ちらしやアメが配られていた。他の事業所も、保険勧誘員に地域の情報を聞けて昔はよかったとか、保険勧誘員に縁談を世話してもらった人もいるというような話を仄聞するので、相当入り込んでいた状態と考えられる。
 しかし、個人情報保護との関連で、執務室内には入れないようしたが、私の職場では、エントランスや廊下までは立入ることができ、休憩時間の勧誘活動を認めている。あくまで外来者には勧誘せず職員だけ。昼休みだけということ認めているということだが、庁内管理規程で禁止である以上、局の公式の方針は禁止である。行政財産の目的外使用(地方自治法238条の4第7項)許可の申請もなく口頭でほいほい容認するような事案ではない。
 むろん営業所には料金その他の窓口もあるので一般住民も出入りするが、あくまでも、所轄業務になんらかの所用がある業者や住民の一時滞留であって、その他の営業活動のため無許可で立ち入らせる必要はない。
 公民館や公園のように住民に開かれた施設ではないので目的外使用を不許可として当然よいのである。
禁止されているのに認める必要はないと前から管理職には苦情を言っているが、当然のように勧誘を認めているのはおかしい。ルーズな庁舎管理になっているのは庁舎管理権の発動がタブーという職場風土にあるのではないかと考えている。
 執務室内に入れないのは効率の悪い営業活動と思えるが、オフィスビルのセキュリティが厳しくなったこともあり、庁舎管理がゆるいことで知られているためか水道局には少なくとも4社が営業活動を行っている実態がある。私に声をかけてきた勧誘員はワンノートに記録してあるが、明治安田生命、第一生命、住友生命、日本生命である。
 しかし、庁内管理規程で保険勧誘は禁止事項であるので認める必要は全くないのに、私が平成24年ころ中野営業所でも、課長補佐が執務室内に入らなければ、エントランス廊下での勧誘活動を認めたので、抗議したところ本庁で認めていいんだとのこと。西部支所長にも抗議した。目的外使用許可の問題も言ってあるが、とにかく管理者は認めたいということのようだ。私は間違って料金を払いにきたお客様に保険を勧誘しないかひやひやしている。
 苦情はないというかもしれませんが、わざわざ支払いにきて、保険の勧誘を受けたらなんで勝手に出入りさせているんだと怒る人がいると思いますよ。
 わたしの職場ではかなりの頻度で昼休みに勧誘員がエントランス、エレベータ付近とそこから25メートルほど廊下に入ったシュレッダーのある場所などに立って、職員に声をかけるような形で勧誘活動がなされる。
複数社が競合する場合も多い。
 平成22年~23年の記録の一部
11 月15日 勧誘員二人確認、新人が捕っていた。
11月25日 勧誘員一人
11月26日 勧誘一人
11月30 日 11時50分頃勧誘員一人
12月8日  カードリーダ前に一人いて営業活動商品説明をしていた。
12月9日  正午、勧誘員から挨拶される
12月10日 勧誘員と女子職員が話している。
12月17日 きょうも勧誘員 女子職員と話。
12月20日 勧誘員二人
12月23日 きょうも勧誘員二人
1 月11日  正午前に勧誘
1月20日  一人勧誘員
1 月27日 昼休み勧誘員二人、第一生命の今森ですと言いしつこく、2回声をかけられたのでうるさいと言ってやった。トイレに行って声をかけられ、キャップを洗いにいってまただ。
1 月31 日 午前エレベータ近く一人勧誘員に声をかけられた。
2 月8 日 奥に1人、エレベータ前に1人、それぞれ職員を捕まえていた。
2 月18日  エレベータ前二人12時45分
 平成24年頃の中野営業所では組合掲示板で、中央労働金庫の営業活動が予告され、打ち合わせスペースなどで。無許可で行われていた。今でも中央労働金庫の金融商品は宣伝のちにしはくばられているし、平成27年頃の世田谷営業所太子堂分室でも若手の職員をあつめて中央労金の営業活動が勤務時間内でもおこなわれていた。それはいいと思います。組合員の福利厚生のために提携関係のある金融機関の商品をあっせんすることも組合活動だという名目で、目的外使用許可申請を出させたうえで、特別の事情により許可すればよいことである。
 それは組合活動への便宜供与であって、平時は認めてよいわけです。労金を認めるから、第一生命や住友生命、明治安田生命も認めるみたいな発想は間違っている。

(二十七)組合の時間外労働規制に都合よく作られている水道局庁内管理規程の問題

 庁内管理規程に(門扉閉鎖後の出入り)という項目があるが、知事部局の東京都庁内管理規則と違うのである。

第十二条 庁内管理者は、門扉閉鎖後又は日曜日、休日等に庁舎に入ろうとする者があるときは、次の各号に掲げる場合を除き、これを拒否することができる。

一 職員については、当該職員が門扉閉鎖後又は日曜日、休日等に勤務に服する旨、当該職員の所属の勤務命令者からあらかじめ庁内管理者に届出がある場合

二 外来者については面会先の承諾がある場合又は料金等の払込み、修繕等の申込みをする場合

 平成20年水道緊急隊工務係に勤務していたとき、庶務経理関係の仕事で忙しくて土日出勤もしていた。管理職が土日出勤は組合協議が必要で、1か月前に出さなければいけないと言うので、これは実質認めないという趣旨なので、協議せずに働くのでもちろん手当なしの奉仕していた。平成20年の3~4月は56日間休日なしのこともあったし(超勤は30時間で組合協議が必要ない範囲内で水特隊の3月はとっていた)、月120時間残業の月(緊急隊ではすべて無償)もあったが、和泉庁舎の待機者みていて私が組合と協議せずに土日出勤しているのをみていて、告発するので、みられないよう遅くなって夜が暗くなってから帰るので余計長時間働いていたのですが、平成20年6月14日 (土)8時43分に最大震度6強の岩手・宮城内陸地震があって、私に地震に関係なく出勤していたが、緊急隊長の佐藤が地震対応で出勤してきて、なんで組合協議もなく土曜出勤しているんだと非違行為扱いされ怒りだし、その根拠が12条の一ということで、規程違反といわれた。これは組合協議でなければ出勤させないという業務規制で組合に都合がよくできていると思った。一方で門扉を閉めたあとでセキュリティを破って深夜や未明に出入りするスト待機は認めている。
 12条の一は、知事部局の庁内管理規則は、職員等については、用向き及び職員カード又は身分を証する書類の提示がある場合土日出勤は拒否できないことになっており、組合との協議に関係なく、仕事で入庁できるのである。組合が三六協定(時間外労働協定)の趣旨で土日出勤を規制する趣旨を庁舎管理の規則に盛り込んでいるのは不適切だし、緊急時にも三六協定で排除されかねない。組合の方針にもとづいている東京都水道局庁内管理12条の一の削除が妥当である。
 なお、たぶんオリパラの警備対策で組合対策でないと思うが、庁内管理規程は令和年以降改訂され以前のようにスカスカなものではなくなった。それは良しとしても、やはり業務外の集会、演説行為の禁止の明文がないのは大きな欠陥であり盛り込む必要がある。

(二十八)夏28度、冬20度の通達の温度設定は出先の庁舎では守られていない

 現在の職場では冬全館空調24度湿度も高くて暑すぎ、小池都知事推奨のウォームビス、下着を重ね着したりすると汗だくになるような状態になる。というのは湿度を高くできる強力な空調なので、湿度が高いと24度でも下着2枚重ねるとかなり暑いのである。この苦情は水道特別作業隊のとき平成19年に管理職に言ったが、かんかんになって怒られた。
温度設定について文句がいえない状況にある。
 くわえてエリア空調もある。杉並営業所は夏は全館空調26度で湿度が20%代まで下がるし、風も舞うのかなり涼しいうえ、エリア空調4器を20度設定まで下げたうえ、暑がりの○○が、扇風機をかけまくるので、頭痛がして喉がいたくなるオミクロンの症状が出るのである。それで私は夏は冬服長袖を着て防衛している。暑がり職員の声が大きく温度設定は全くまもられない。私は29度でも湿度が低いので相当涼しく感じるが、とにかく温度を下げないときがすまない人が勝手に空調を設定してコントロールされてない。庶務経理でコントロールしている全館空調もそもそも設定温度が違う。温度監察をすべきである。
 ちなみに、12月7日休日発災緊急参集訓練で多摩給水管理事務所に初めて訪問したのだが、訓練本部は21度設定、2階事務室は22度と24度設定、1階のTWは25度と26度設定で、多摩給水管理事務所は比較的真面目な温度設定になっていたので事業所によって違うと思う。
 
(二十九)組合による目標管理制度の自己申告形骸化闘争に管理職が屈している問題

 私の職場では2024年10月31日の支部ニュースで自己申告中間報告について
① 面接の強制は行わない
② 書き方の強制は行わない
③ 目標の数値化を求めない 以上は管理職と確認した。
自己採点シートはB以上に統一
コピーを分会に提出
といったことが書かれていたが、南部支所系列の世田谷でも同じだった。目標管理制度とは1990年代に民間企業で流行したもので、多くの企業で導入されている。ピーター.ドラッカーが1954年にManagement by objectivesと呼ばれる目標管理制度を提唱し、社員が自ら目標を設定し、その進捗や実行を主体的に創意工夫でき達成感を与えることのできる制度として流行ったのである。
 東京都でも平成中葉に制度化され、職務に位置づけられているが面接の拒否を認めよとは労務指揮権の掣肘である。
特に問題なのが数値目標を書いてはいけないという方針で、目標管理制度で数値目標の記載はタブーというのは異常で三流企業の人事管理でもありえない。制度の趣旨は捻じ曲げられ、実質形骸化しているといってよい。
 実際令和元年に新宿営業所の○○課長代理が、新人2年目の職員に対して数値目標を絶対書くな、それをすると出世できないよと脅していた。職制が組合の方針を伝えるのである。
 数値目標を書けといえないというのは労務指揮権の掣肘であり、正常な業務運営ではない。

(三十)営業所における勤務時間内浴室のシャワー利用の問題

 私の職場では組合役員の○○○○がグループウェアで職員全員に、地下にある洗濯室とシャワー(浴室)を積極的に利用してくださいと通知していて、利用の仕方の詳細はご相談くださいと浴室のシャワー利用を、当局との合意があるのでうながしている。当局も認めている。利用の仕方は〇〇自身が勤務時間内にしているので勤務時間内でよいとといことのようだ。さかんに推奨しているわけである。
 ただ職員の中にはグレイゾーンだという人もいて、当局組合合意の方針に疑問を持っている職員もいるのである。
私はシャワー利用の在り方は見直し、最高裁判例により労働時間とはみなされないのだから、賃金カットの対象として管理されるべきであると考える。
 シャワーは入浴ではないという理屈で、トイレ利用とおなじように勤務時間中職務離脱してOKという考え方だか、
しかし国鉄池袋電車区.蒲田電車区事件.東京地判昭63.2.24労民集39-1-21は国鉄蒲田電車区において、終業時刻の30分前から洗身施設で身体汚染を洗身して退区することが慣行とされ、池袋電車区でも、作業内容にかかわらず日勤勤務者が勤務時間中に洗身入浴する慣行があった。国鉄の職場規律の乱れが政治問題となった昭和58年に就業規則違反として禁止され、指揮監督を離脱したものとして職員賃金基準規定にもとづき賃金カットした事案で、勤務時間内の洗身入浴が電車区長の承認の下に長期間反覆継続されて行われてきたとしても、電車区長は就業規則で定められた勤務時間を短縮する権限を付与されておらず、また、身体汚染の除去は顔、手足の洗浄及び衣服の更衣等によって可能であり、勤務時間内の洗身入浴が必要不可欠なものであったとは認められないなどとして労使慣行として成立していたとはいえないとされ、賃金減額の措置が、不当でないとされ、確認書が取り交わされたとしても、電車区長は就業規則の改正をもたらすことになる労働協約を締結する権限を有しないから、洗身時間についての有効な労働協約は成立しないとした。 国労は、国鉄末期に勤務時間内の入浴の要求を取下げている。
 三菱重工長崎造船所事件.一審長崎地判平元.2.10労判534は、昭和48年4月三菱重工長崎造船所が完全週休二日制実施に伴い勤怠把握方法を変更し、洗身入浴等について所定時間外にするよう命じた事案で、少数組合が労働基準法上の労働時間に該当すると主張し、賃金の支払を請求したものである。
「作業後の洗身については、労働安全衛生規則625条が、使用者に対し、身体又は被服の汚染を伴う業務に関し、洗身等の設備の設置を義務付けしているだけで、労働者に洗身入浴させることまでも義務付けるものではなく、また洗身入浴は一般に本来の作業を遂行するうえで密接不可分な行為ともいえないので、洗身入浴しなければ通勤が著しく困難といった特段の事情がない限り原則として洗身入浴は使用者の指揮監督下における労務の提供と解されず、これに要する時間は労働基準法上の労働時間には該当しないというべきである‥‥」として請求を棄却した。
控訴審一審の判断を維持。上告審(一次訴訟.組合側上告)最一小判平12.3.9も棄却。
最高裁は、労働基準法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」としたうえで、「実作業の終了後に事業所内の施設において洗身等を行うことを義務付けられてはおらず、特に洗身等をしなければ通勤が著しく困難であるとまではいえなかったというのであるから、上告人らの洗身等は、これに引き続いてされた通勤服の着用を含めて、被上告人の指揮命令下に置かれたものと評価することができず‥‥洗身等に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当しない」と判示した。
 洗身入浴とシャワーは同じと考える、全裸になって洗うのだから。コンプライアンス上、最高裁判例により労働時間とはみなされないのだから、賃金カットの対象として管理されるべきである。
 また○○は時間外でも朝にシャワーを利用しているのを令和元年新宿営業所でみた。自宅でガスや水道を節約するために職場でシャワーを浴びるというせこい根性をもっており、労働衛生施設として時間外であっても利用の仕方は規制すべきである。百歩譲っても事務職員は重筋労働をやっているわけでなく、ごみやバキュームカーの作業員で臭いがつく作業でもない以上、洗身入浴を積極的に奨励する理由はない。水道局だから水は使い方ほうだいでいいと考え方も問題である。
 浴室利用の内規を見直し、コンプライアンス上問題がないようにすべき。

🔶勤務時間中の洗身入浴の問題について(詳論)
 平成15年当時千代田営業所ではYという職員がほとんど毎日16時半前後20分程度、就業時間中にシャワーのために離席していた。私はこれを禁止するよう管理職に訴えたが、所長、接客業務として身だしなみを整える行為としてシャワー利用は当然のように認められなくてはなららないとし、上司の許可など必要ないと断言、小便等の生理現象でトイレを利用するのと同様勤務時間中に離脱もさしつかえないといたぶん組合側が用意した見解を述べ、むしろあなたのように汗臭くお客に不快さを与えてけしからんとし、勤務時間中のシャワー利用をそそのかされたばかりでなく、これについて強く抗議したことなどを理由として、勤務不良として昇給延伸の処分の理由の一つとなり異動希望も出していない部署に転勤させられた。
 もちろん、上司の命令が違法行為であったとしても、職員に違法か否かの審査権はないので従わなければならないし、集団的労働関係にあって、職員個人は労働条件について交渉対象ではないので、質問しても当局は回答は義務付けられてない。不服でも従うのが筋といわれるかもしれないが、私の見解自体は以下のとおり間違ってないと思う。
〇洗身入浴は労働時間に含まれないということは下記に引用する平成12年の最高裁判例により確定している。労働安全衛生規則六二五条は、使用者に対し、身体又は被服の汚染を伴う業務に関し、洗身等の設備の設置を義務付けしているだけで、労働者に洗身入浴させることまでも義務付けるものではないからである。しかし平成15年に千代田営業所で閲覧した入浴に関する内規によると、入浴とは浴槽につかった入湯のことでてシャワー利用のみでは入浴とは定義されないとし、汚れたときは上司の許可があれば就業時間中であってもシャワーを浴びてよいと記載されており、無許可で認めるというのは、内規にも違反しているし、シャワーは入浴じゃないから、勤務時間中の利用可能にしている内規自体もおかしい。
〇勤務時間中の洗身入浴は債務の本旨を履行したものとはいえないし、職務専念義務違反、みだりに離席してならないとする就業規則に反する行為の慫慂であり、営業所長には規則にない職免を付与し労働時間を短縮させる職権はないはずで、所長は管理職しての裁量権を逸脱するものと考えるし、そもそも浴室は汚染を伴う業務に就いた者の労働衛生上の施設で、身だしなみやさっばり汗を流して帰宅するしたり、自宅でガスや水道を節約するために、職員の福利厚生施設として利用されるべきものではないのである。
〇昭和15年当時千代田営業所で組合支部長が毎日、就業時間の後に洗身入浴していた。しかし就業時間外だからよいとは考えない。なぜなら、同人は営業係でデスクワークだけで、身体が汚染する仕事はしていないのである。シャワー利用は身体又は被服の汚染を伴う業務についている者に限定されるべきである。
〇別の部署の内規(水道特別作業隊)をみたが、営業所とは違い勤務時間内に入浴できるのは、管工事等現場作業で著しく汚れがあった場合、16時半以降に上司の許可があった場合に認めると書かれていた。したがって、重筋労働もしていない、たんに外勤があるというだけのケースでは就業時間中は認めていない。したがって営業所の対応を疑問に思う。
〇管理職の説明に常識にも反している。私は判例にもあるとおり通勤に際し支障となるほどの著しい汚染がない限り、シャワーは必要がないとの考えであり、組合に業務指揮権、施設管理権を掣肘されている状況があるといえる。
〇住民に対して渇水時は節水を呼びかけ、環境計画でも水使用量は削減する目標なのに、職員のシャワーはじゃんじゃん使えという管理職の見解が当然視される企業風土はおかしい。

1 洗身入浴時間は労働基準法32条の労働時間に該当しないと最高裁で確定しているのに勤務時間内洗身の有給入浴を認める東京都水道局

 三菱重工長崎造船所事件・.一審長崎地判平元.2.10労判534は、昭和48年4月三菱重工長崎造船所が完全週休二日制実施に伴い勤怠把握方法を変更し、洗身入浴等について所定時間外にするよう命じた事案で、少数組合が労働基準法上の労働時間に該当すると主張し、賃金の支払を請求したものである。
 「作業後の洗身については、労働安全衛生規則625条が、使用者に対し、身体又は被服の汚染を伴う業務に関し、洗身等の設備の設置を義務付けしているだけで、労働者に洗身入浴させることまでも義務付けるものではなく、また洗身入浴は一般に本来の作業を遂行するうえで密接不可分な行為ともいえないので、洗身入浴しなければ通勤が著しく困難といった特段の事情がない限り原則として洗身入浴は使用者の指揮監督下における労務の提供と解されず、これに要する時間は労働基準法上の労働時間には該当しないというべきである‥‥」として請求を棄却した。
控訴審一審の判断を維持。上告審(一次訴訟.組合側上告)最一小判平12.3.9も棄却。
 最高裁は、労働基準法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」としたうえで、「実作業の終了後に事業所内の施設において洗身等を行うことを義務付けられてはおらず、特に洗身等をしなければ通勤が著しく困難であるとまではいえなかったというのであるから、上告人らの洗身等は、これに引き続いてされた通勤服の着用を含めて、被上告人の指揮命令下に置かれたものと評価することができず‥‥洗身等に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当しない」と判示した。
 したがって組合と洗身入浴時間を労働時間に含めその時間の賃金請求権を認めるという合意があったとしても、当局が公式に勤務時間中の職務遂行上、洗身入浴を義務づけてない以上労働時間には含まれないという結論になる。

2 勤務時間中の洗身入浴は、指揮監督から離脱し債務不履行として賃金カットできるとする下級審
 国鉄池袋電車区.蒲田電車区事件.東京地判昭63.2.24労民集39-1-21は国鉄蒲田電車区において、終業時刻の30分前から洗身施設で身体汚染を洗身して退区することが慣行とされ、池袋電車区でも、作業内容にかかわらず日勤勤務者が勤務時間中に洗身入浴する慣行があった。国鉄の職場規律の乱れが政治問題となった昭和58年に就業規則違反として禁止され、指揮監督を離脱したものとして職員賃金基準規定にもとづき賃金カットした事案で、勤務時間内の洗身入浴が電車区長の承認の下に長期間反覆継続されて行われてきたとしても、電車区長は就業規則で定められた勤務時間を短縮する権限を付与されておらず、また、身体汚染の除去は顔、手足の洗浄及び衣服の更衣等によって可能であり、勤務時間内の洗身入浴が必要不可欠なものであったとは認められないなどとして労使慣行として成立していたとはいえないとされ、賃金減額の措置が、不当でないとされ、確認書が取り交わされたとしても、電車区長は就業規則の改正をもたらすことになる労働協約を締結する権限を有しないから、洗身時間についての有効な労働協約は成立しないとした。
 国労は、国鉄末期に勤務時間内の入浴の要求を取下げている。
 昭和40年代の北九州市の清掃事業局では勤務時間内に洗身入浴を認めていた。当時はゴミだけでなく屎尿(バキュームカー)の処理もやっていたので、洗身入浴しなければ通勤が著しく困難といった特段の事情に当たると解釈してもいいだろう。
 力士は取組のあと支度部屋で入浴するが、お相撲さんは個人事業主なので労働者と同列に議論できない。平成15年この問題をつついたことにより、不利益処分の理由になっており、組合の既得権優先思考の東京都の管理職には悪者扱いされているので、遺恨がある。
現在の状況はどうかというと、令和元年新宿営業所に転勤したとき、組合役員で庶務担当の○○○○が転勤者に庁舎内の施設を案内し、更衣室に附属している、洗濯機とシャワー室を案内し、いつでもいいから利用せよとしきりに利用をすすめ、○○自身は勤務時間前によくシャワーを利用していた。私は家で水道代とガス代を払って入浴すべきだと思うが、朝登庁してシャワーで汗を流して、ガス代と水道代を節約するのはせこいと考える。
 令和6年に夜間待機が、水道緊急隊の業務となったため、これまで夜間待機当番やっていた人が、当番制で浴室の清掃をしていたが、夜間待機業務が廃止されたので浴室の清掃は、配水課などと、営業所で回り持ちとなり、しかし実際は利用者は少なく、風呂掃除をする人が少なくなって困っているために○○は○○に組合要求として委託業務で風呂清掃をさせよと言っていた。
 いずれにせよ、造船所のような重筋労働でも洗身入浴は労働時間に含めないことになっている。国労は昭和時代に勤務時間内の要求をやめたのである。でも水道局は今でも勤務時間内に事務職でもシャワーは勤務時間内自由とされ、労働時間に含めている。水道局だからいいじゃないかと言われるかもしれないが、局の環境計画では電気や紙と同じく、水道使用量を減らすことになっているのである。
 だからといって勤務時間外だからによいというものではなく、あくまで労働衛生上の施設という位置づけであるなら、水道代やガス代を節約するために職場で風呂をすますという利用の仕方には問題があるので、規則で明文化することは慎重にした。
現在は内規で運用しているが実際は内規に勤務時間内のシャワーは上司の許可が必要としているとこめ実際には無許可利用で内規も守られていない。この問題は別途見直すこととして、当面この問題は「上司の許可を得ないで、執務場所を離れ」てはならないという規則で対応することとする。
 当局が、どうしても勤務時間内のシャワーを認めたいのなら、浴室に入っていた時間を申告させ、賃金カットとすべき。


第Ⅲ部 私鉄総連組合員の春闘ワッペン着用を規制すべき.国会議員と知事、都議会議員へ要望

 私鉄総連組合員の春闘ワッペン着用を規制すべき、会社に取り外し命令をするよう特に国と都が株主の東京メトロの労務管理の是正を要望します。
これは一旅客公衆の立場から公式の請願ではなく、たんに非公式な意見具申です。
 私鉄総連加盟の組合のある民鉄の駅員や乗務員が、直径7~8センチの円形の春闘と記載されているデザインのワッペンを毎年2月15日頃から3月中旬頃まで胸章として着用するのが通例になっている。私が知る限りでは、鉄道では東京メトロ、東急、東武、京成、京急、京王(但し京王は着用しない駅員もおり他社と温度差がある)が恒例である(なお小田急の鉄道部門で春闘ワッペンは見たことはない。西武は私鉄総連ではないから論外、関西や地方の状況は把握してない)。バスの運転手もつけているし、制服を着用せず、ワッペンをつけた制服を吊り下げている東急バスの運転手など過去にみたことがあるが、バス運転手の態度も非常に不快だがさしあたり鉄道を問題にする。
 駅員や乗務員が勤務しながらワッペンによる春闘の宣伝をしていることは不快。目につきます。会社は職務に専念させるべきである、雇用契約の債務の本旨にしたがった履行でないことを許しているのは労務管理として怠慢である。

 ワッペンは、私鉄総連組合員として意思表示をし、相互の団結と使用者に対する示威、旅客公衆に対する春闘への連帯を訴えかける活動といえる。勤務時間中に職務の遂行に関係のない行為または活動をするときは当然に職務に対する注意力がそがれるから、旅客公衆が不快、不安に思うのは当然のことである。
 具体的な要求項目の記載はない。ワッペンの記載は、民鉄協会と合同して行っている「公共交通利用促進」というスローガン、西暦と「春闘」、私鉄総連の英訳の頭文字、電車やバスのデザインである。
 しかし「春闘」とは2月ころから労働組合が一斉に賃上げ等を要求する闘争を意味することは明らかであり、近年はこれが目立つようになっている。
業務外の徽章.胸章.腕章等の着用を禁止する就業規則を定め、適正良好な職場環境を維持し規律のある業務運営体制を確立するため最高裁が案出した企業秩序論に基づく労務管理、取り外し命令を徹底し、JRの国労バッチのケースでは、指導に従わない場合、夏季手当の減額という不利益賦課がなされた。それをやるべきである。
 もちろん気にしない人も多数いるだろう。しかし乗務員.駅員の業務が旅客公衆の身体、財産の安全にかかわるものとして、特に強く要請される職場規律の保持を確保するという観点で業務用でないワッペンの着用は規制されてしかるべきなのである。
 春闘と書かれている以上組合活動であり、有名な中川幹郎チームの名判決、リボン闘争の大成観光ホテルオークラ事件東京地裁昭和50年3月11日判決労判221号が「本来労働組合が自己の負担及び利益においてその時間及び場所を設営しておこなうべきものであつて、このことは負担及び利益の帰属関係からして当然の事理に属する。ところで、勤務時間中であるという場面は、労働者が使用者の業務上の指揮命令に服して労務の給付ないし労働をしなければならない状況下のものであり、まさに使用者の負担及び利益において用意されたものにほかならないから、勤務時間の場で労働者がリボン闘争による組合活動に従事することは、人の褌で相撲を取る類の便乗行為であるというべく、経済的公正を欠く」と批判したとおりで、それがワッペンであれ同じことだ。
 中川判決では、リボン闘争がホテルサービスに求めている休らい、寛ぎ、そして快適さとはおよそ無縁であるばかりでなく、徒らに違和、緊張、警戒の情感を掻き立てることが特別違法性とされているが、民鉄もホームライナー等快適な輸送のサービスで集客しており私が知る限り、京王の車掌はワッペンを着用し、春闘との連帯を訴える行為をされることは同種のことがいえる。
 この論点については、JRの労務管理が圧倒的に優れている。就業規則に「社員は、勤務時間中に又は会社施設内で会社の認める以外の胸章、腕章等を着用してはならない」とあり、業務上の徽章以外の着用を禁止し「くまんばち」はもちろん春闘ワッペンよりずっと小さい縦1.1㎝、横1.3㎝の四角形国労バッチの着用を禁止し、徹底してきた。平成中葉には着用者はいなくなった。要するに民鉄もJR並みの労務管理を要求する。

 春闘を宣伝するワッペン着用は、企業秩序維持と職務専念義務違反もしくは雇用契約の債務の本旨に従った履行ではないとして就業規則(もしくは労働協約)で禁止し、着用した者は軽微であれ懲戒処分等不利益賦課の対象とすべきであると要求したい。
もっとも基本的には鉄道会社の労使関係の問題であって、政治が介入すべきことではないかもしれないが、公共交通機関という公益性の強い事業で、しかも旅客公衆に接客対応の駅員もそれをつけているのだから、一般市民や乗客からの非難にこたえるべきである。
 ちなみに目黒電報電話局反戦プレート事件.最三小判昭52.12.13以降の企業秩序論判例は、抽象的危険説をとり、具体的業務阻害がないことを理由に組合活動が正当化されることはないことを明示している。
 つまりワッペンを禁止するのに具象的な業務阻害を説明する必要はない。2014年2月15日午前0時半すぎに、東急東横線元住吉駅で、大雪の影響で電車が追突し乗客65人が負傷した事故があった。2月15日というと東急では春闘ワッペンを着用しだす時期である。事故の原因については究明されていることであり、その時、運転指令室や乗務員がワッペンを着けていたかどうかは知らない。仮に着けていたとしても春闘ワッペンを意識した雑念が事故と関係しているという根拠はないから無関係だろう。しかし、ワッペンはたんに抽象的な理由、それが目に触れるため春闘を意識し他の社員の職務専念義務を妨げるおそれがあるというだけでも企業秩序をみだすものとして禁止できるのである。
 とりわけ東京メトロは、国と東京都が株主となっている特殊会社である以上、国会議員や都議会議員が労務管理に口出ししてよいはずである。永田町駅の駅員もやってます。国会議員は不快ではないのか。

 具体的法的根拠、判例については、前記三-(四)業務外の徽章・胸章・腕章の禁止121頁 全水道東水労の春闘ワッペン規制の提言と同じなので参照されたい。

主な参照判例等
 ●〇は労働組合.被用者.住民側からみた勝敗 第Ⅱ部でビラ配りについては類型別にまとめた。

●山田鋼業事件.最大判昭25.11.15刑集4-11-2257(生産管理)
●朝日新聞小倉支店解雇事件.最大判昭27.10.22民集6-9-857(非組合員による業務の遂行の暴行脅迫)
〇三友炭鉱事件.最三小判昭31.12.11刑集10-12-605
●ホテル.ラクヨー事件.最一小昭和32.4.25刑集11-4-1431(体当たりによる就労阻止)
●羽幌炭鉱鉄道事件.最大判昭33.5.28刑集12.8.1694(マスピケによる罷業脱退派と非組合員による出炭業務阻止)
●進駐軍横浜(駐留軍横浜陸上輸送部)事件.最二小昭33.6.20刑集12-10-2250(非組合員運転のバス輸送を止める妨害)
●東北電力大谷発電所事件.最一小昭33.12.15刑集12-16-355(電源スト.会社側から臨時に雇われたがスト破りの代替雇用者のピケットによる阻止)。
●四国電力財田発電所事件.最一小昭33.12.25刑集12-16-3627(スクラムを組んで会社側の業務を妨害)
●嘉穂砿業事件.最一小判昭35.5.26.最一小判昭35.5.26刑集14-7号-868 (鉱員の組合と、職員の組合が分かれていて、鉱員の労働組合のみがストライキを実行中、争議行為に加わっていない職員が就業のために出勤するに際し、炭労傘下の嘉穂砿業労働組合員数百人が、ピケを強行突破しようとする職員組合員甲等に体当たりするなどして十数回にわたり押し返した)
●国鉄檜山丸事件.函館地判昭36.4.8●札幌高裁函館支部判昭37.7.3判時308●最二小判昭38.3.15刑集17-2-23(職場集会の指令点検、指導等のために、船長の制止を振り切り乗船した国労青函支部執行委員ら刑法130条艦船侵入罪とする)
◯都教組勤評反対闘争事件.東京地判昭37.4.18判時304●東京高判昭40.11.16判時437最大判昭44.4.2刑集23-5-305(1日一斉休暇闘争)
◯全逓東京中郵職場離脱事件.東京地判昭37.5.30●東京高判昭38.11.27判時363○最大判昭41.10.26刑集20-8-901○差戻後控訴審東京高判昭42.9.6判時509(単純不作為職場離脱)
●国鉄檜山丸事件.函館地判昭36.4.8●札幌高裁函館支部判昭37.7.3判時308●最二小判昭38.3.15刑集17-2-23(職場集会の指令点検、指導等のために、船長の制止を振り切り乗船した国労青函支部執行委員ら刑法130条艦船侵入罪とする)
●全司法仙台支部事件.福島地判昭38.3.27 下級裁判所刑事裁判例集5-3.4-309●仙台高判昭41.3.29判タ190●最大判昭44.4.2刑集23-5-685(安保反対.あおりの罪)
○全農林警職法事件.東京地判昭38.4.19判時338●東京高判昭43.9.30判時547●最大判昭48.4.25刑集27-4-547(あおり.あおりの企ての罪)
●米空軍立川基地出勤停止処分事件.東京地判昭和38.5.14労民14-3-733●東京高判昭40.4.27労民16-2-377●最三小判昭49.11.29訟務月報21-2-421(休憩時間の集会)
●津電話局懲戒解雇事件.名古屋地判昭38.5.20労民14-3-777
◯横浜中郵事件.横浜地判昭38.6.28判時341号、●東京高判.昭41.8.26判タ202号◯最大判昭45.9.16刑集24-10-1345破棄差戻 8対6、●★差戻後控訴審東京高判.昭47.10.20判時689●差戻後上告審最一小決.昭49.7.4判時784(支援者によるマスピケ、公務執行妨害.久留米事件方式で有罪)
●全逓名古屋中郵事件.名古屋地判昭39.2.20刑集31-3-517○名古屋高判昭44.10.29●最大判昭52.5.4刑集31-3-18(郵便法違反幇助、建造物侵入)
〇全逓名古屋中郵第二事件.名古屋地判昭39.2.20刑集32-2-139●名古屋高判昭45.9.30刑集32-2-148●最二小判昭53.3.3刑集32-2-97(臨時小包便搬出の業務妨害.名古屋中郵事件方式で有罪)
▲国鉄小郡駅事件.最三小判昭39.11.24刑集18巻9号610頁(ビラ貼り.建造物侵入罪.軽犯罪法は時効)
◯東京都水道局時間外労働拒否事件.東京地判昭40.12.27労民16-6-1212◯東京高判昭43.4.26労民19-2-623
●仙台鉄道管理局(春闘仙台駅)事件.仙台地判.昭41.1.8刑集27-5-1170〇仙台高判昭44.4.1刑集27-5-1170●最二小判昭48.4.25刑集27-5-1115(三六協定未締結での就労者への暴力)
●動労仙台地本役員解雇事件.仙台地判昭41.1.31労民18-1-37●仙台高判昭42.11.6労民18-6-1101
○丸亀電報電話局事件.高松地判昭41.3.31労民17-2-405
○動労四国地本事件.高松地判昭41.5.31労民17-3-726 〇高松高判昭45.1.22労民21-1-37
○四国財務局勤評闘争(全財務四国地本)事件.昭41.6.23高松地判民集31-7-1256○高松高判昭46.12.13民集31-7-1433●最三小判昭52.12.20民集31-72-1225
●国労久留米駅事件.福岡地裁久留米支部 昭41.12.14刑集27-3-521)◯福岡高判昭43.3.26判時516号●最大判昭48.9.16刑集27-10-418●差戻後控訴審福岡高判昭52.10.25判時884(マスピケ)
◯尼崎駅ピケ事件.神戸地判昭41.12.16●★大阪高裁昭49.4.24判時743(線路上で渦巻デモや座り込 久留米事件方式で有罪) ●最一小判昭52.10.20刑事裁判資料203号812頁) 
●安西郵便局事件.最三小判昭42.2.7刑集21-1-19(特定郵便局長が拒否した組合の点検活動の立入を強行)
◯全逓灘郵便局リボン闘争事件 神戸地判昭42.4.6労民18-2-302●大阪高判昭51.1.30労民27-1-18(勤務時間中に「さあ!団結で大巾賃上げをかちとろう」と記載したリボン及び「全逓、灘郵便局支部」と記載した腕章を着用したことは就業規則に違反し、取外し命令に対する不服従を理由とする訓告処分を適法と判示。)
●日本鉄工所事件.大阪地裁昭42.4.47刑集29-7-468◯大阪高裁昭46.4.21刑集29-7-481●最二小判 昭50.8.27刑集29-7-442(逮捕行為.久留米事件方式で有罪)
◯春闘松山駅事件.松山地判昭42.7.10刑集32-2-191〇高松高裁昭46.3.26刑集32-2-204●最二小判昭53.3.3刑集32-2-159(マスピケ.名古屋中郵事件方式で有罪)
○長岡電報電話局事件.新潟地判長岡支部昭42.8.7判時491●東京高判.昭46.4.19判時638(管理者側のピケ突破実力行使)
〇長田電報電話局公務執行妨害事件.神戸地判昭42.9.30刑集32-2-895●大阪高裁昭50.11.12刑集32-4-914、●最一小判昭53.6.29刑集32-4-816
◯動労糸崎駅事件.広島地判尾道支部昭43.2.26.下級裁判所刑事裁判例集10巻2号195頁9マロ●★.広島高判昭和48.8.30判タ300(マスピケ.運転室占拠 久留米事件方式で有罪)●最一小決昭51.4.1
◯国労岡山操車場.糸崎駅事件広島地裁尾道支部昭43.6.10判時529号●★広島高裁 昭48.9.13判時727号(マスピケ.久留米事件方式で有罪)
●九建日報社救済命令取消事件.福岡地判昭43.8.30労民集19巻4号1092頁(ポスター貼付.諭旨解雇)
●全逓労組幹部解雇事件.東京地判昭44.6.17労民20-3-585
◯動労南延岡機関区事件.宮崎地判昭44.7.15刑集32-4-801〇福岡高判昭47.2.29刑集32-4-807●最一小判昭53.6.29刑集32-4-759(マスピケ.名古屋中郵事件方式で有罪)
〇七十七銀行政暴反対斗争事件.仙台地判昭45.5.29労民21-3-6891
●国鉄鹿ノ谷駅事件.札幌高判昭49.8.28判時764
〇神戸税関(全税関神戸支部)事件.神戸地判昭44.9.24民集317-1164、○大阪高判昭47.2.16民集31-7-1211●最三小判52.2.20民集31巻7号1101頁
〇青函連絡船渡島丸事件.札幌高判昭44.2.17
△中部日本放送リボン闘争解雇事件 名古屋地判昭47.12.22労民27-5-779△名古屋高判昭50.10.2労民26-5-762(就業時間中、社内及び取引先において、リボン、腕章、はちまき等を着用、正当な行為ではないが、解雇処分は懲戒権の濫用)
●長岡電報電話局解雇事件.新潟地判昭44.11.25労民20-6-1553、●東京高判昭56.9.30訴務月報28-4-665
〇浜松市役所事件.静岡地判昭45.3.6行政事件裁判例集21巻3号438頁
◯毎日放送千里スタジオ事件.大阪地裁昭45.4.4判時619〇大阪高裁昭47.1.31判時671●最一小判昭51.5.6刑集30-4-519(生放送中に騒音混入.久留米駅事件方式で有罪)
◯札幌市労連事件(札幌市電ピケット事件)札幌地判昭41.5.2判時449◯札幌高判昭42.4.27判時491〇最三小決昭45.6.23刑集24-6-311(マスピケ)
○目黒電報電話局事件.東京地判昭45.4.13判タ248.○東京高判昭47.5.10判タ276●最三小判昭52.12.13民集31-7-974(「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」プレート着用とビラ配布を理由とする戒告)
◯国労東和歌山駅事件.和歌山地判昭45.4.25刑事裁判資料201●★大阪高裁 昭50.9.19刑事裁判月報7巻9.10合併号826頁(マスピケ.久留米駅事件方式で有罪)
◯動労鳥栖駅事件.佐賀地判昭45.5.14●★福岡高判昭49.5.25判時770号(マスピケ久留米駅事件方式で有罪.●最三小決昭50-11-21判時801
●第七青函丸.長万部駅事件 最一小判昭45.7.16刑集24-7-475(オルグのため艦船侵入とマスピケ)
●浜松動労事件.最一小判昭45.7.16判時605(マスピケ)
●東京郵政局事件.東京地判昭46.3.18判時624は、(ビラ撤去業務の妨害)
◯佐教組事件.最三小判昭46.3.23刑集25-2-110 3対2(3割.3割.4割休暇闘争)
●平和タクシー争議事件.最三小判昭46.3.23刑集25-2-239(ビラ貼り.器物損壊罪)
●三井鉱山賃金カット事件.福岡地判昭46.3.15労民集22-2-268(ゼッケン着用)
●江戸川.昭島郵便局減給戒告.東京地判事件.昭48.6.28労民24.3.345
〇佐教組懲戒処分事件.佐賀地判昭46.8.10判時640判タ266、●福岡高裁昭58.5.27判タ501、●最一小判昭63.1.21判時1284、判タ266(3割.3割.4割休暇闘争)
○都教組勤評懲戒処分事件.東京地判昭46.10.15判時645,判タ230☆、●東京高判昭51.7.3判時835、判タ337、●最二小判昭52.12.23裁判所ウェブサイト☆
〇全逓都城郵便局事件.東京地判昭46.11.12判時658判タ270
●光文社事件.東京地裁昭47.4.3刑集29-10-962◯東京高裁昭48.4.26判時708●最三小判昭50-5-8刑集29-10-929(包囲型ピケ.逮捕行為.久留米事件方式で有罪)
○静岡県教委事件.静岡地判昭47.4.7判タ227、●東京高判昭52.3.15、●最一小判昭53.9.7
◯国労青函地本リボン闘争事件 .函館地判昭47.5.19労民23-3-347●札幌高判昭48..5.29労民24-3-257(制服の左胸に「大巾賃上げを斗いとろう、16万5千人合理化粉砕」と書いたリボンを着用したことは、職務専念義務に違反し、鉄道営業法第22条及び国鉄の服装に関する定めに違反
●静岡鉄道管理局沼津機関区事件.静岡支部沼津支部判昭47.7.15判時685
〇日本専売公社山形工場事件.昭47.11.27山形地判民集35ー3ー545●仙台高裁昭53.3.31民集35ー3-565●最一小判昭56.4.9民集35-3ー477
◯富士重工業原水禁運動調査事件.東京地判昭47.12.9判時687●東京高判昭49.4.26判時743○最三小昭52.12.13民集31-7-103
●動労幹部解雇事件.東京地判昭47.12.19労民23-5.6-637
○国労札幌地本ビラ貼り事件.札幌地判昭47.12.22判時709●札幌高判昭49.8.28判時764●最三小判54.10.30民集33-6-647
〇全林野西条分会宿直日拒否闘争事件.大阪地判昭48.3.27労民24ー1.2ー112、●大阪高判昭54.12.7労民30-6-1164
〇国労熊本地本事件.熊本地判昭48.10.4判時719
〇国労大阪地本半日スト事件.昭48.12.22判時731
●関西電力事件.神戸地裁尼崎支部判昭49.2.8判判時739●大阪高判昭53.6.29判時898●最一小判昭58.9.8判時1094
●墨田民商事件.東京地判昭49.3.27税務訴訟資料84号748頁●東京高判昭52.5.30判時882(税務署会計係長長による民主商工会員の庁内立入阻止行為)
●神田郵便局腕章事件 .東京地判昭49.5.27労民25-3-206(腕章取りはずし命令に従わないことを理由とした担務変更命令を放棄したことによる減給処分)●東京高判昭51.2.25訟務月報22-3-740(勤務中に赤地に白く「全逓神田支部」と染め抜いた腕章を着用)
〇動労盛岡地本半日スト解雇事件.盛岡地判昭49.6.6判時743、判タ308
●国労東京地本新宿駅事件.東京地判昭49.6.24判時757
●全逓東北地本事件.東京地判昭49.7.1民集32ー5-1064●東京高判昭50.3.30民集32-5-1139●最三小判昭53.7.18民集32-5-1030
○北九州市交通局12条解雇事件.福岡地裁昭49.11.19判時766●福岡高裁昭55.11.11判タ435●最二小判昭55.2.8 労判335、
●北見郵便局懲戒免職事件.札幌地判昭50.2.26判時771、●札幌高裁昭54.3.29判時940判タ397
●大成観光リボン闘争事件. 東京地判昭50.3.11民集36-4-681(花形から垂らした幅約2.5センチメートル、長さ6ないし11センチメートルの白の布地に「要求貫徹」等の文字を記載したリボン闘争「人の褌で相撲を取る類の便乗行為‥‥誠意に労務に服すべき労働者の義務に違背する」として争議行為としても、その他の組合活動としても正当性を欠くと説示した中川幹郎判決)●東京高判昭52.8.9民集36-4ー702●最三小判昭57.4.13民集36-4-6592(就業時間中の組合活動であって、労働組合の正当な行為にあたらない)
●動労天王寺地本一日スト地位保全仮処分事件.大阪地裁昭50.3.14判時774、判タ321
●全逓昭和瑞穂支部郵便局事件.名古屋地判昭50.4.30民集36-10-2109●名古屋高判最52.1.31民集36-10-2128●最二小判昭57.10.7民集36-10-2091(組合掲示板撤去.掲示の許可は、公法上又は私法上の権利を設定、付与するものではなく、また、国有財産法18条3項にいう行政財産の目的外使用の許可にもあたらない。)
〇全林野旭川地本(美瑛営林署)事件.旭川地判昭50.7.17労民33-5-900●札幌高判昭57.10.27労民33-5-893●最二小判昭62.3.27判タ634
●動労甲府支部ビラ貼り損害賠償事件.東京地判昭50.7.15判時784使用者が無断ビラ貼りを「受忍」すべきいわれはなく、当該のビラ貼りは使用者の所有権ないし施設管理権の侵害にあたるとして、初めて労働組合及び組合員に不法行為に基づく損害賠償責任を認めビラはがし代142,300円の支払いを動労側に命じた中川幹郎判決
〇和教組懲戒免職事件.和歌山地判昭50.6.9判時780
□国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28民集29-10-163
●総理府統計局事件.東京地判昭50.12.24判時806、●東京高判55.訴務月報26ー9-1594●最三小判昭53.7.18民集32-5-1030
●国鉄田端機関区事件.昭51.1.22判時805、●最一小判昭56.4.6判時1001
○全林野広島営林署分会事件.広島地判昭51.4.21 判時812、●最三小判昭62.3.20判時1228
●岩教組学力調査事件.盛岡地判昭41.7.22判時462○仙台高判昭44.2.19判時548●最大判昭51.5.21刑集30-5-1178(あおりの罪.道路交通法違反)〇北海道立釧路診療所.札幌地判昭52.3.31労民32-5-623●札幌高判昭56.9.29労民32-5-593▲北九州市清掃局事件.福岡地判昭52.12.2労民34-2-183☆、▲福岡高判昭58.3.16労民34-2-169☆、▲最一小判平元.1.19労判540
◯全国税東京足立分会事件.東京地判昭52.2.24判時850●東京高判昭57.3.10労判385●最二小判昭59.1.27労判425(争議行為をそそのかす掲示物の自力撤去)
●動労北陸地本判決.金沢地判52.6.10昭43.9.12判時859●名古屋高判昭56.2.18判時1024
●日本エヌ.シー.アール事件.東京高判昭52.7.14労民28-5.6-411(ビラ配布.出勤停止処分)
●全建労事件.東京地判昭52.7.25行裁集28-67-680 (リボン闘争)
●信越郵便局事件.長野地判昭52.10.13訟務月報23
●北九州市清掃局年末休日勤務拒否事件.福岡地判昭52.12.2労民34-2-183、●福岡高判昭58.3.18労民34-2-169、●福岡高判昭58.3.16労民34-2-169、最一小判平元.1.19労判540
○北九州市交通局事件.福岡地判昭52.11.18判時874●福岡高判昭55.10.22労民31-5-1033●最小一判昭63.12.8民集42-10-739
〇全林野青森地本事件.青森地判昭52.12.13 判時885
●福教組内申抜き処分事件.福岡地判昭52.12.27民集40-2-37 ●福岡高判昭56.11.27判時1026、判タ459、最一小判昭61.3.13民集40-27-258
◯全逓釜石支部(大槌郵便局)事件.盛岡地判昭53.3.22刑集37-3-294◯仙台高判昭55.3.18判時979●最二小判昭55.4.8刑集37-3-215●差戻控訴審仙台高判昭61.2.3判時1194(ビラ貼り.建造物侵入罪)
●全林野三役18条解雇事件.東京地判昭53.7.14労民29-4-494●東京高判昭58.10.5労民349-5.6-861●最三小判昭62.3.20判タ634
●全電通一宮局事件.名古屋地判昭53.12.15労民29-5.6-776
●富岡営林署(全林野前橋地本富岡分会)事件.東京地判昭54.3.22労民30-2-457
〇恵庭営林署事件.札幌地判54.3.29労民34-5.6-831●札幌高裁58.9.28労民34-5.6-812
●新潟貯金局事件.新潟地判.昭54.3.30判タ396
○北教組(41~43年闘争事件)札幌地判昭54.5.10判時945判タ394 ▲札幌高判昭60.6.25判時1159▲最一小判昭4.9.24労判615
●全運輸近畿陸運支部(大阪陸運局)事件.大阪地判昭54.8.30民集39ー7ー1408●大阪高判昭57.2.25民集39-7-1478●最二小判昭60.11.8民集39-1-1375
●全電通荻窪局事件 東京地判昭54.9.14判時954
●北海道開発局網走開発建設部事件.札幌地判昭54.10.9判時964、●札幌高判58.3.15訴務月報29-9-1709
●明石郵便局事件.神戸地判昭54.12.13訴務月報26ー3ー473
●東北電通局事件.仙台高判昭55.1.24 判タ420(ビラ貼り.建造物損壊罪)
●昭和49年春闘日教組スト事件.東京地判昭55.3.14判時967●東京高判昭60.11.20判時1177●最一小判平元.12.18刑集43-13-882)
●全逓新宿郵便局事件.東京高判昭55.4.30労民31-2-544.●最三小判昭58.12.20判時1102号(無許可集会等)
●北九州市病院局事件.福岡地判昭55.5.7労判341●福岡高判昭55.9.28判タ534●最三小判平元.4.25判時1336
●京都西郵便局(太秦郵便局)事件.京都地判昭55.6.6労民31-3-682
●長崎県職組事件.長崎地判昭55.9.8判時998●福岡高判昭60.9.26労判461、●最一小判平元.9.28判時1349判タ729
〇全林野川内営林署事件.東京地判昭55.11.17訴務月報27-4●東京高判昭61.8.14労判481
●帝国興信所岐阜支店事件.岐阜地判昭56.2.23判時1005(ビラ貼り.損害賠償)
●北九州市役所労組事件.福岡地判昭56.2.26判時1011
●北九州市職員組合事件.福岡地判.56.4.22労判365
▲校長着任拒否闘争事件.福岡地裁昭56.7.26判時1021、▲福岡高裁昭60.9.27判時1166判タ572、▲最二小判平1.9.8判例地方自治72
●北九州市若松清掃事務所事件.福岡地判昭56.8.24訟務月報28-1(ビラ貼り.戒告処分)。
●エッソ.スタンダード石油事件.東京地決昭56.12.25労民集32-6-988(ビラ貼り禁止仮処分申請)
●朝日新聞社西部本社事件.福岡高判昭57.3.5労民集33-2-231(ビラ貼り.懲戒処分)
●岩手県教組事件.盛岡地判昭57.6.11刑集43-13-1326●仙台高判昭61.10.21判時1216●最一小判平元.12.18刑集43-50-10-783●差戻後控訴審仙台高判平5.5.27刑集50-10-783●差戻後上告審平8-11-18刑集50-10-745
●三菱重工事件.東京地判昭58.4.28労民集34-3-279
●池上通信機事件.横浜地判昭58.9.29労判420●東京高判昭59.8.30判時1154●最三小判昭63.7.19判時1293(無許可施設利用集会)
◯明治乳業福岡工場事件.最三小判昭和58-11-1判時1100
●大栃営林署事件.高知地判昭58.12.19訴務月報30-7●高松高裁昭61.9.30訴務月報33-7
●東京城東郵便局事件.東京地判昭59.9.6労判442
●戸塚郵便局事件.横浜地判昭59.10.25.労民集37-4.5-407(ビラ貼り.落書き)
●北九州市現業職員給料表分離反対闘争等懲戒免職処分事件.福岡地判昭59.12.26判例地方自治13
●鹿児島県立大島高校等6カ所の学校施設目的外使用不許可事件.福岡高裁宮崎支部判昭60.3.29判タ574 
●郵政省下関局事件.山口地判昭60.3.19判タ566
●日東運輸事件.大阪地決昭60.5.16労判454(車両にビラ貼付禁止の仮処分申請)
◯総合花巻病院事件.最一小判昭60. 5.23労働委員会関係裁判例集20集164頁(施設利用拒否)
●埼玉県教組事件東京地判昭60.6.27刑集44-3-184●東京高判昭63.5.26刑集44-3-247●最三小判平2.4.17刑集44-3-1(あおりの罪)
●北九州市(43年闘争水道局)事件.昭60.6.26労判468、●最三小判平元.6.20労判552
●北海道開発局昭和48年事件.札幌地判昭60.9.24判時964
●福教組.福高教組事件.福岡地判昭60.12.16判タ588、●福岡高裁.平3.12.26労判639、●最一小判平5.4.8労判639
●国鉄千葉鉄道管理局事件.昭60.12.25
●福岡県教委(福教組.高教組事件)福岡地判昭60.12.26判タ588●福岡高判平3.12.26労判639、●最一小判平5.4.8労判639
〇済生会中央病院事件.東京地判昭61.1.29民集43-12-1821〇東京高判昭63.7.27民集43-12-1890.●最二小判平元年12.11民集43-12-1786(無許可集会)
●全商工事件.東京地判昭61.3.25 判時1189号 ○アヅミ事件.大阪地決昭62.8.21労判503
●国鉄甲府駅事件.甲府地判昭62.6.9労判500、●東京高判平2.2.28判時1346、●最二小判平2.10.19労判572
●仙台管区気象台(全気象東北支部仙台分会)事件.仙台地判昭60.9.25労判464●仙台高判.平2.3.30●最三小判平5.3.2判時1457.判タ817
●北九州市(48年闘争)事件 (福岡地裁昭62.9.29 労判511-82頁)
●エッソ石油事件.東京地判昭62.12.23労判509(ビラ貼り禁止の仮処分決定の異議申立を却下したもので、「ビラは貼付されている限り視覚を通じ常時従業員等に対する組合活動に関する訴えかけを行う効果」に言及している)。
●灰孝小野田レミコン.洛北レミコン事件.東京地判昭63.1.14労判515(ビラ貼り禁止仮処分申請)
●福岡県職労(43年公務員共闘)事件.福岡地判昭63.3.15判例地方自治49●福岡高判平3.9.18労判601
●国労兵庫支部鷹取分会事件.神戸地決昭63.3.22労働判例517号52頁(ビラ配布禁止仮処分)
●ミツミ電機事件.東京高判昭63.3.31判タ682(争議中の集会、デモ、泊り込み、ビラ貼付.赤旗掲揚.懲戒解雇)
●熊本貯金局事件.熊本地判昭63.7.18、労判523
●福岡県職労(43年公務員共闘)事件.福岡地判昭63.9.18判例地方自治49
◯国鉄鹿児島自動車営業所事件.鹿児島地判昭63.9.27 労民39-2.3-21〇福岡高判平元.9.18労民40-4.5-565●最三小判平5.6.11判時1466(26ミリ×26ミリの布製、NURの文字の大型組合バッチ離脱命令に従わなかった職員の業務外し、火山灰除去作業の業務命令)
●福岡県教委内申抜き処分第二事件.福岡地判昭63.10.5労判528、●福岡高裁平4.11.24労判620
●日本チバガイギー事件.東京地判昭60.4.25労判452●東京高判昭60.12.24労民36-6-785●最小一判平元.1.19労判533中労委DB(食堂使用集会不許可)
●全農林(82秋季年末闘争)事件.東京地判平元.10.31判時1331●東京高判令和7.2.28判タ877●最二小判平成12.3.17判時1710
●オリエンタルモーター事件.東京地判平2.2.21労民41-1-16◯東京高判平2.11.21労民41-1-971●平7.9.8判時1546(従業員食堂利用の不許可)
○国労直方自動車営業所事件.福岡地判直方支部平2.3.30労判561、●福岡高判平4.9.24労判639、〇北海道釧路診療所事件.札幌地判平2.12.26労判578
●平和第一交通事件.福岡地判平3.1.16労経速1423(組合旗)
●国鉄清算事業団(東京北等鉄道管理局)事件.東京高判平4.2.9労判617号29頁(無許可集会)
●熊本人勧スト事件.熊本地判平4.11.26判時1477.判タ814、●熊本高裁平4.11.12判タ1026、●最二小判平12.12.15労判803
〇大分県教組人勧スト事件.大分地判平5.1.19判時1457判タ814●福岡高裁平12.10.6判タ1108
◯国鉄清算事業団(千葉鉄道管理局)事件.千葉地判平5.3.15
●総評全国一般東京ユニオン.神谷商事事件.東京地判平6.4.28判時1493(ビラ貼り.損害賠償)
○国産自動車交通事件.最三小判.平6.6.7労働法律旬報1349
〇北海道教育委員会(学力テスト不実施)事件.札幌地判平7.5.30労判685
●社団法人全国社会保険協会連合会(鳴和病院)事件 東京地判平8.3.6労判693(組合旗掲揚)
●新潟高教組事件.新潟地判平成8.3.19判タ919●最二小判平.12.12.15労判803
●北海道教育委員会(北教組)事件.札幌地判平7.11.13労判691中労委DB"
○中労委(倉田学園学園事件).東京地判平9.2.27労民集48-1.2-20
●医療法人南労会事件.大阪地判平9.4.30労経速1641号3頁(ビラ貼付等)
〇北海道教育委員会事件.札幌地判平11.2.16
●全日本国立医療労組事件.東京地判平11.4.15判時1724●東京高判平12.11.29労判840●最三小判平14.11.26労判840
◯呉市立中学校教研集会目的外使用拒否事件.広島地判平14.3.18民集60-2-401〇広島高判平15.9.18民集60-2-471〇最二小判平18.2.7民集60-2-443
●広島県高教組「人事委員会報告説明会」県立高校体育館使用拒否事件.広島地判平14.3.28裁判所ウェブサイト
〇金融経済新聞社事件.東京地判平15.5.19労判858(無許可集会)
●広島県高教組定期総会学校施設使用不許可事件.広島地判平17.2.9裁判所ウェブサイト
●大阪市立人権センター事件.大阪地判平20.3.27判タ1300
●札幌市教委(北教組スト)事件.札幌地判.平成20.7.7判例地方自治311
●北教組事件.札幌高裁平20.8.29☆
●北海道.北海道教育委員会事件.平成26.3.26判時2250
○北海道.道労委(北教組)事件.札幌地判平26.3.31労判1136中労委DB、●福岡高裁平27.3.26労判1136中労委DB、●最二小判平28.6.3別冊中央労働時報1502中労委DB
◯●大阪市労連、市職、市従、学給労等組合事務所使用不許可事件.大阪高判27.6.26判時2282
◯●大阪市労組.大阪市労働組合総連合組合事務所使用不許可事件.大阪高判27.6.26判時2278
●大阪市教職員組合分会会議使用不許可事件.大阪地判平29.12.20判タ1452
●エッソ石油(出勤停止処分)事件.名古屋地判平6.10.17労判664号18頁(ビラ貼り.ゼッケン着用.店内デモ.ピケによる入退場阻止.出勤停止処分)
○本荘保線区国労ベルト事件 仙台高判秋田支部平4.12.25労判690◯仙台高裁秋田支部判平4.12.25労判690〇最二小判平8.2.23労判690(バックルに国労マークの入ったベルト取り外し命令に従わなかった組合員を就業規則の書き写しを命じる)
△九州女子学園事件.福岡地小倉地判平5.8.9労判714号77頁(煙突闘争.リボン闘争.ビラ貼付.プラカード闘争につき正当な組合活動ではないとしたが、解雇が解雇権の濫用とされた)な)。
〇JR西日本(国労広島地本組合バッジ)事件 広島地判平5.10.12判タ851、△広島高判平10.4.30判タ97(組合バッジ着用等を理由として夏季一時金の減率査定(5%カット)(組合バッジの着用行為のみを減率の理由とした者以外の減率査定には合理性が認められ,裁量権の濫用とはいえないとした)
△延岡学園事件 福岡高裁宮崎支判平5.10.20労判650(リボン闘争)
●西福岡自動車学校腕章事件 福岡地判平7.9.20労民46-5.6-1233(腕章着用闘争.戒告処分)
●七福交通事件東京地判平10.3.3労判738号38頁は営業用自動車へのステッカー貼付その他の理由による懲戒解雇を有効
●大和交通事件.大阪高判平11.6.29労判773(タクシーパレード)
●JR東海(懲戒解雇)事件。大阪地判平12.3.19労判790
●JR東海(国労東京地本新幹線支部バッジ着用)事件 東京地判平7.12.14判時1556●東京高判平9.10.30判時1626●最二小判平10.7.17労判744.中労委DB(組合バッヂ着用の厳重注意と夏期手当減額の措置を不当労働行為に当たらないとして都労委の救済命令を取消した原判決を支持)
〇JR東日本神奈川国労バッチ事件 東京地判平9.8.7判タ957◯東京高判平11.2.24判時1665(組合バッジ着用を理由とする訓告処分、夏季手当減額、業務外し「敵意と嫌悪感を露骨に示す言動を繰り返し」バッジ取外しの指示.指導等は「執拗かつ臓烈なもので,平和的な説得の域を大きく逸脱するものであり」「就業規則の書き写しの作業などは,嫌がらせ」である)〇最二小判平11.11.11労判770.中労委DB(て)
〇神戸陸運事件 神戸地判平9.9.30労判726 中労委DB(腕章着用を理由とする乗務拒否)
●延岡学園事件 宮崎地裁延岡地判平10.6.17労判752(リボン着用、生徒配布文書の配布、父兄等文書配布行為.解雇)
●国立ピースリボン事件.東京地判平18.7.26裁判所ウェブサイト
●全国一般労働組合長崎地本.支部(光仁会病院.組合旗)事件長崎地判平18.11.16
●自治労.公共サービス清掃労働組合ほか(白井運輸)事件.東京地判平18.12.26労判93(ピケッティング.損害賠償)
□全国一般労働組合長崎地本.支部(光仁会病院.組合旗)事件.福岡高判平20.6.25労判1004
●千葉動労事件.東京地判平20.9.17中労委DB●東京高判平21.7.22中労委DB(掲示板貸与、施設利用、団体交渉の勤務開放拒否)
◯国.中労委(医療法人光仁会)事件東京地判平21.2.21労判981◯東京高判平21.8.19労判1001(組合旗掲出)
●杉並区立○○中「夜スペシャル」目的外使用許可処分違法確認等請求事件.東京地判平22.3.30判時2087(私塾連携有料補習授業の目的外使用許可及び使用料免除を適法とする)
●JR西日本大阪国労バッチ事件 東京地判平24.10.31別冊中央労働時報1434中労委DB(国労バッチ着用を理由とする平成12年、13年の訓告と同年の夏季手当減額を不当労働行為とした大阪府労働委員会の救済命令につき、会社側は不服として中労委に再審査申し立てしたところ、初審命令を取り消したので、原告側が中労委の処分を取り消しを求めた事案で、東京地裁は本件組合バッジの取外しの注意.指導は,労働組合に対する団結権の否認ないし嫌悪の意図を決定的動機として行われたものであると認めることはできず,の不当労働行為に当たるということはできないとして、原告の請求を棄却)
●渋谷区行政財産目的外使用許可取消請求等事件 東京地判平25.6.11判例地方自治383号22頁(在日トルコ人子弟のための教育事業に対する、学校施設の一部の目的外使用許可及び使用料免除を適法とする)
●JR東日本神奈川国労バッチ出勤停止処分事件 東京地判平24.11.7労判1067(就業規則違反行為は約15年にもおよんで再三反復継続していたことからすれば業務に対する支障がない行為ではあるがそれに対する処分の加重性には合理的理由があり,さらに国労は昭和62年の会社発足以来組織的な組合活動としてバッジ着用行為を指示し,組織としても不当労働行為救済申立てを行うなどしてきたが,平成14年3月末以降は,組織として不当労働行為救済申立てを行うことはなくなり,平成18年11月には,バッジ事件を含む合計61件の不当労働行為救済申立事件を取り下げているのであって、平成15年7月以降は国労バッジ着用者が□□のみとなり,本件各処分の対象となった平成19年ころには,既にその組合活動としての色彩が後退し,個人的行為の側面が強く不当労働行為には当たらないとした。)●東京高判25.3.27別冊中央労働時報1445●最一小決平27.1.22別冊中央労働時報1478中労委DB。
△JR東日本神奈川国労バッチ減給処分等事件 東京地判平25.3.28別冊中央労働時報1443
(救済命令取り消し訴訟、棄却。平成12年5月30日になされた四党合意について,国労は,平成13年1月27日,これを受諾し,さらに,平成14年3月末ころ,国労バッジ着用処分について,組織として救済申立てをしない方針に転換した。国労の上記方針の転換の時期と相前後する平成14年3月28日,原告は本件警告書の掲出を行い,国労バッジ着用行為に対し,従前行っていた1年度2回の訓告よりも処分を加重する旨を通告した。6名はその後の調査期間(平成14年4月から同年6月まで)経過後も国労バッジ着用行為を続けたため,これを止めるまで減給以上の処分を受けた。本件警告書掲出前にされていた処分と,掲出後にされた処分は,後者の方が格段に大きな経済的不利益をもたらすものと認められるが,この極端な厳罰化は,組合バッジ着用を継続する国労内少数派が組合活動を行うことを嫌悪していた会社が,組合執行部の方針転換を認識するに至り,これを機に,組合内少数派の組合活動を一掃しようとの意図に基づき行ったものであると推認することができることから,組合内少数派の勢力を減殺し,組合執行部の方針に加担したものと認められ,支配介入を構成し不当労働行為が成立するとした)。△JR東日本国労神奈川国労バッチ減給処分等事件 東京高判平25.11.28別冊中央労働時報1455号△JR東日本国労神奈川国労バッチ減給処分等事件 最一小決平27.1.22別冊中央労働時報1478中労委データベース。
●東京都水道局長(行政処分取消等請求)事件.東京地判昭25.6.6労判1081◯東京高判平26.2.12労判1096◯最三小判平27.4.14決TKC(出勤記録の操作を部下に指示)
●枚方市組合事務所使用料徴収処分取消請求事件.大阪地判平28.3.28TKC
〇東京都立南大沢学園養護学校事件 東京地判平29.5.22判例地方自治439●東京高判平31.3.14労働判例ジャーナル88(「強制反対 日の丸 君が代」等と書かれたトレーナー着用等)●最一小判令元10.31TKC

(承前)
令和6年12月18日
  東京都知事、都議会議員、水道局長、国会議員へ
 東京都水道局は、4類型の違法行為.外形上犯罪構成要件該当行為、職場の秩序を乱す行為を広範に許容し、平成16年3月後藤都議の質問の対応として行った東岡職員部長通知による頭上報告の警告以外、いっさい職務命令を行わない。最高裁が否認しているプロレイバー学説による脱法的不適切な労務管理・庁舎管理がなされており、抜本的是正を求める意見具申 その4
(公開用・簡略版-実際に知事等に送ったものから実名や固有名詞等の一部等を省略したうえ、文章をやや簡略化したもの)
                           川西正彦
 東京都水道局は事実上、全水道東水労の違法争議行為と外形上犯罪構成要件該当行為を正当業務として扱い就業命令.中止解散命令等の職務命令を行わず、規律ある業務の運営体制を確立することを放棄し、違法行為を助長していることが、コンプライアンス経営宣言に反し、地公労法11条1項の保護法益である住民全体の利益を侵害しているので是正されるべきでありその改善策を提案するというのが意見書の基本的趣旨です。
(Ⅱ)新方針の策定・.4類型の違法行為に対し、職務命令(警告、中止.解散命令)、監視、便宜供与拒否の徹底 3
一 4類型の違法行為とは 3
(一)地公労法11条1項後段「唆し」「あおり」 3
(二)地公労法11条1項違反の同盟罷業 4
1 職員一般に対して違法行為として事前警告をやらず、本部中闘以外は懲戒処分としない方針を改める 4
2 スト当日の、職場集会の中止命令、職場復帰命令、就業命令、監視、現認検書等一切しない在り方の是正 5
(三)組合役員による労務指揮権の奪取による、業務妨害、業務管理 6
(四)外形上犯罪要件該当行為 7
二 新方針の提案 具体的対応 9
(一)ストライキ対策本部を設置する 9
🔷非組合員全員対策本部入りの意義 9
(二) 組合中執のオルグ演説-中止命令 11
(三)中央執行委員候補者の就任演説-中止命令 12
(四)頭上報告-中止命令 12
(五)闘争指令下の昼休み集会-中止命令 12
(六)本庁・支所・合理化拠点の動員決起集会-中止・退去命令 14
(七)スト決行体制確立、闘争突入した時点で集会等便宜供与の禁止 14
(八)ビラ貼り-パトロールし現認制止する 15
(九)ビラ配り-闘争態勢に入った時点で許可制に 15
(十) 組合掲示板の公務秩序に反する掲示物の撤去-不適切なものは撤去 16
(十一)マグネットシートの貼付、赤旗の寄書き、煙突闘争等-ビラ貼りと同じ対応 16
(十二)春闘ワッペン、赤腕章-取り外し命令 17
(十三)所属長要請行動は拒否する 17
(十四)三六協定破棄闘争の対応-不可欠な業務と予め日程に組まれていて委託業者に影響のある業務は違法であっても業務命令する 18
1 当局は適法としているが昭和32年内閣法制局意見によれば争議行為である 19
2 労基法違反の時間外労働でも職務の執行は違法にならないとする先例 19
3 経常業務等の管理職対応はやめ業務命令する 20
(十五)スト待機-事務室利用拒否、建造物侵入罪で告訴も検討 20
(十六)ストライキ準備行為の禁止-撤去命令 21
(十七)ピケッティング-中止・解散命令 21
(十八)職員一般向けの「服務の示達」の慣行を廃止し、警告兼就業命令書の手交に改める 22
(十九)ストライキ当日の集会の中止・解散命令、職場復帰命令の徹底 23
(二〇) ストライキ時、営業所の必要業務の管理職対応は原則としてやめる 24
(二一)非組合員の出勤時限前の入庁を締め出し「事故欠勤」とする方針を廃止する 24
1 職員の就労する権利と法令遵守義務を否定する東京都の管理職の悪質さ 24
2 非組合員の就労する権利の否定は違法 25
3 組合の統制を受けないで就労する権利の否定は違法 26
4 地公労法11条2項違反の疑い 26
4 「勤務時間等規程」「処務規程」「事務処理要領」違反の強要は職権を逸脱で違法性が強いのでやめる 27
5 ストライキ時の非組合員の事故欠勤は不正会計で、違法性が強い 27
(十九)積極的業務妨害・外形上犯罪構成要件該当行為は許容しない 27
(二十)昼当番拒否闘争の協力は拒否し就業命令する 28
(二十一)組合役員による労務指揮権の奪取による、業務妨害、業務管理は拒否 28
(二十二)同盟罷業の懲戒処分の在り方を改める。 29
(二十三)庁内管理規程で禁止の保険勧誘行為が認められている問題 29
(二十四)組合の時間外労働規制に都合よく作られている水道局庁内管理規程の問題 31
(二十五)夏28度、冬20度の通達の温度設定は出先の庁舎では守られていない 31
(二十七)組合による目標管理制度の自己申告形骸化闘争に管理職が屈している問題 31
(二十八)営業所における勤務時間内浴室のシャワー利用の問題 32
🔶勤務時間中の洗身入浴の問題について(詳論) 33
1 洗身入浴時間は労働基準法32条の労働時間に該当しないと最高裁で確定しているのに勤務時間内洗身の有給入浴を認める東京都水道局 33
2 勤務時間中の洗身入浴は、指揮監督から離脱し債務不履行として賃金カットできるとする下級審 34
第Ⅲ部 私鉄総連組合員の春闘ワッペン着用を規制すべき.国会議員と知事、都議会議員へ要望 34
主な参照判例等 35
(Ⅱ)新方針の策定・.4類型の違法行為に対し、職務命令(警告、中止.解散命令)、監視、便宜供与拒否の徹底
 
東京都(水道局)は、次の4種類の違法行為を全面是認しているが方針を改める。
 都は組織的に、以下の4種類の違法行為を組合の正当業務でないのに、事実上正当業務是認し支援している。それは組合の論理に従った労務管理によるものであり、地公労法11争議行為禁止の保護法益である、住民の共同利益の否定であり、水道局長のコンプライアンス宣言に著しく反するものである。
 当局には労務管理につき広範な裁量権があり、違法行為を違法行為といわない。職務命令、就業命令や警告をしないことが違法でないからコンプライアンスに反しないというかもしれないが、現状は法令違反を自覚させないため、職員は積極的な業務妨害、犯罪要件該当行為も違法と思ってない、規律のある正常な業務運営ができていないことは是正されるべき。
一 4類型の違法行為とは
第Ⅰ部(Ⅱ)一15頁と同趣旨
(一)地公労法11条1項後段「唆し」「あおり」
 地方公営企業職員の争議行為が、労組法7条1号で保護される正当な行為でないことは、北九州市交通局事件・最一小判昭63.12.8民集42-10-7等の先例が地公労法11条1項違反の争議行為に対する懲戒処分を是認したことにより明白であり、後段の「唆し」「あおり」について組合側のという限定解釈をとらないことは、地方公務員法の判例だが、日教組スト事件.最一小平成元.12.18刑集43-13-88、埼教組事件.最三小判平2.4.17刑集44-3-1の判旨より明白であり、オルグ演説や頭上報告等での指令の伝達、組合員の意思統一を図る「昼休み集会」、駐車場等での動員決起集会。ピケッティングの指導等が、「唆し」「あおり」に当たる違法行為であることは明白なのに、東京都の管理職は違法行為と全く認識していない。闘争シーズンに毎年恒常的に行われ是認されるものとなっている。後藤雄一都議の質問の対応として平成16年3月の東岡職員部長通知で頭上報告に対し賃金カットの「警告」を行うようになったが、これは演説者の職務専念義務違反に限定して警告するだけで、地公労法11条1項後段違反や他の職員の職務専念妨害のおそれは念頭におかれてない。
 国の官公庁、特に旧郵政であるが、全逓が業務規制闘争、ストを配置した時点で、地方郵政局が、各郵便局に、組合に対する便宜供与拒否の徹底を指示し、集会を強行する場合は中止.解散命令と監視を徹底しているが、東京都は国の省庁のような取り締まりをやらない在り方は、異様であり、是正する。
(二)地公労法11条1項違反の同盟罷業
1 職員一般に対して違法行為として事前警告をやらず、本部中闘以外は懲戒処分としない方針を改める
東京都水道局の同盟罷業の対応は、全水道東水労側の学説に大筋で従うものである。争議行為があっても職員個人の責任は生じないという、学説に大筋で従っている。
つまり東京都では職員一般に対し、事前警告せず「服務の示達」と称する慣行で、同盟罷業を違法行為と言わない訓示をすることになっている。
就業命令でもないので、ストに参加しても地方公務員法32条「‥‥法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」の適条による懲戒処分はやらないことを示唆するものとなっており、それは組合員もわかっているので、この訓示はインチキ、片八百長であるから是正する必要があるということである。
違法行為であるとして警告していることが明らかなのは組合執行委員長に対してだけであり、組合委員長向けと明確に区別して、職員一般に対しては「服務の示達」と称する事前警告とは全く違った対応をしていることが問題なのである。
水道局の争議行為対応はシンプルで、局長名で各部長宛てに服務規律の確保のため地公法30条の服務の基本方針を形式的に述べたA文書と、それを受けて職員部監察指導課が各庶務担当課長宛てに具体的な指示をするB文書を流し、各管理職は庶務担当課長の指示を受け、部下に対し以下のような訓示等を行うのが通例となっているが、文面は規定されておらず、「職員の皆様へ」という雛形か、A文書をなぞった文面とするのが通例である。
次の文面これは2024年11月8日付グループウェアによる「服務の示達」の通知であるが、以前はマイク放送が通例だったが、違法行為ということは絶対言わないことがお約束になっている訓示である。
 2024年12月13日グループウェアによる「服務の示達」
○○課長 
 ○○の皆様へ、全水道東京水道労働組合は12月18日(水)午後3時30分から都庁ふれあいモール3割動員決起集会を、12月20日(金)午前8時30分から早朝2時間ストライキを計画している模様です。また、東京水道労働組合は、午前8時30分から早朝1時間ストライキを計画している模様です。
 集会等の行動に参加するために多数の職員が職場を離れ、かつ権限ある上司の承認なく勤務しない等の行為に及ぶことは、当局業務の正常な運営に支障を生じさせるばかりでなく、都民の信頼に背く結果となることは明らかです。
皆様におかれましては、全体の奉仕者として公共の利益のために全力を挙げて職務を遂行するとともに、都民の批判招くことのないように良識ある行動とられることをお願いします。
「職員の皆さんへ」(平成20年頃の例-現在もフォーマットは同じと考えられる・職員部監察指導課がスト前日に貼りだすよう指示しているが、近年はやらなくなっている)
                                                       東京都水道局長
皆さんは、都民全体の奉仕者として、公共の利益のために全力を挙げて職務を行う立場にあります。とりわけ、今日都民が都政によせる関心と期待にこたえるため、皆さん一人ひとりの自覚と職務への精励が従来にも増して必要な時期にあります。
とりわけ、今日都民が都政によせる関心と期待はさらに高まりつつあり、この期待に応えるため、皆さん一人ひとりの自覚と職務への精励が従来にも増して必要な時期にあります。
ところで、全水道東京水道労働組合は、明日3月18日に始業時から2時間のストライキを予定している模様です。
皆さんが一斉に職場を離れることは、都民の生活に大きな影響を与えるばかりでなく、都政に対する信頼を都政に対する信頼を裏切ることになります。
皆さんが、公務員の本分を十分にわきまえ、都民の批判を招くことのないように良識のある行動をとられることを求めます
なお、支部.分会役員にはB文書でスト中止の申し入れをすることになっているが、現場を見たことは一度もなく、文言や口頭でよいのか警告書を交付するのか形式も規定していないので警告はしていないとみられる。B文書では違法行為との文言のない訓示である「職員の皆様へ」をスト配置前日ら掲示することになっているが杉並営業所では行われていない。
職員一般に事前警告をしていないことは以下のプレス発表でも明らかで当局は隠蔽すらしていない。違法であっても責任を負うのは組合だけという組合側の主張どおり、組合中央には警告するが、それ以外警告しないという体制である。 
令和5年12月19日付【東京都水道局プレス発表】
12月20日(金)の労働組合ストライキについて
1 組合の行動態様
(略)
2 当局の措置
1)組合に対する警告
2)職員に対する服務規律確保の周知
3)管理職員による事務事業の支障の防止
国の省庁では職員すべてに違法行為なので必要な措置をとる旨事前警告する。また地方自治体等では就業命令を事前に交付するケースもある。
これは、組合側の主張では、懲戒処分が個別職務秩序違反者に対する制裁で、集団的組織的行動である争議行為にはなじまない。争議行為が違法であるとしても組合の統一的意思のもとに組織されていることから、集団的性格を有するという事実に変わりはなく、個々の組合員の行為は独立した行為として個人の責任を追及できないという学説に大筋従った方針であり、当局のメンツを維持するため、組合の機関責任を問うと言う形で本部中央闘争委員会のメンバー3~4名を停職処分としているが、それ以外のスト指導者である本部役員、支部.分会役員は懲戒処分の対象せず、組合活動で不利益賦課させないという組合の方針を呑んでいるためである。
但し平成22年、26年、令和元年の1時間ストライキは、支部長を訓告としているがこれは懲戒処分ではない。
官公庁の近年の懲戒処分の事例では、平成3年11月13日の国立病院の最大27分勤務時間に食い込む集会(11年ぶりの争議行為)があるが、本部役員と地方協議会専従者(26名)支部長(147名)を戒告、支部副支部長及び書記長(399名)に対しては文書訓告、単純参加者(2518名)は厳重注意(全日本国立医療労組事件.東京高判平12.11.29労判840)。としている在り方と比較すると、昭和56年の同様の争議行為で支部三役が訓告にとどまっていたのに対し、平成3年は支部長が戒告となっている。
また北教組の平成20年1月30日終業時1時間同盟罷業につき、道教委は30分以上の職務離脱者12,551名に対し一律戒告処分。札幌市教委は 支部長に対し減給2月、 副支部長、書記長、書記次長ら5名に対し各減給1月、 その他の支部専従役員に対し戒告、 授業を欠務したストライキ参加組合員190名に対し戒告、 その他のストライキ参加組合員1,698名に対し文書訓告であり(北海道労委事件・最二小判決平28.6.17(中労委データベース参照)、東京都が組合中央の機関責任だけを問う、指令に従って組織の方針に従って違法行為をしている組合役員以下は懲戒処分にしないという方針は明らかに抑止効果のない処分であり、指令に従っている大多数の組合員を免責している点で、指導的判例である全逓東北地本懲戒免職事件・最三小判昭53.7.18民集32-5-1030「争議行為は集団的行動であるが、その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえない」との判旨に反し不当であるので是正する必要がある。
ちなみに、平成3年の国立病院の勤務時間に約29分以内食い込む方針で職場大会を開催したケース、西多賀病院(仙台市)では「同病院長名義の西多賀支部支部長あての『貴支部は11月13日に勤務時間内職場大会を計画している模様であるが、国家公務員はいかなる場合においても争議行為を行うことは許されず、このような違法行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし若しくはあおってはならないこととされている。当局は、貴支部が違法な争議行為を行った場合には、厳正な措置をとらざるを得ないので、違法行為が行われないよう貴支部の自重を強く要望する。」旨の警告書を用意して、庶務課長及び会計課長両名が、同月8日、西多賀支部副支部長に同警告書を交付しようとしたが、同人は右警告書の受領を拒否した。
西多賀病院は、12日、同病院長名義の職員あての「全医労西多賀支部の時間内職場大会について」と題する書面において、「伝えられるところによれば、全医労西多賀支部は来る11月13日早朝時間内職場大会を計画している模様であります。すでに承知のとおり、勤務時間内職場大会は国家公務員法で禁止された争議行為でありますから、このような違法行為には、絶対に参加しないようにして下さい。もしこれに参加した場合には、関係法令に照らし、必要な措置をとらざるをえないので、皆さんの良識ある行動を望んでやみません。」と記載し、この書面を、西多賀病院内の四か所の掲示板に掲出して、職員に対し、違法な時間内職場大会への参加を辞めるよう警告を発した。(全日本国立医療労組事件.東京地判平11.4.15判時1724)とあり、必ず争議行為は違法だから警告する文言だが、争議行為=違法は、東京都では職員一般に対しては口が腐っても言ってはいけないタブーとなっているが、各事業所の組合役員が違法争議行為を指導しても責任は問われないシステムはコンプライアンスに著しく反することを臆面もなくやり続けている。
2 スト当日の、職場集会の中止命令、職場復帰命令、就業命令、監視、現認検書等一切しない在り方の是正
 
 国の省庁はストライキ当日の職場復帰命令、就業命令を非常に重視していることは、マイクだけでなく、プラカード、懸垂幕など小道具も使って、必ずやっていることからに明らかである。庁舎構内だけでなく、郵政や林野庁のように、庁舎外の会場で集会がなされる場合も、監視、就業命令をしているのである。
 ところが、東京都(水道局)次の3点の理由で組合側の論理を受け容れ、組織的に就業命令をやらない主義になっていると考えている。カッコ内に示す通り最高裁が明示的に否定している。
 A 闘争期間に管理者が業務命令することは労働基本権の趣旨に反し不当、あるいはストライキに突入した場合もはや上司の指揮.支配から離脱しているので業務命令できない。
(神戸税関事件.最三小判52.2.20民集31-7-1101が否定)
B 業務命令は団結破壊.組合敵視で認められない、
(そもそも違法争議行為の決議.指令に内部統制権はない。国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28民集29-10-163.横浜中郵事件.戻後控訴審東京高判.昭47.10.20判時689等が否定)
C争議中の操業(業務運営)は、争議権との対抗の中では権利性を失なうとして、非組合員や脱落組合員に業務命令して操業してはならない。私企業のユニオンショップと同様の対応を組合が主張。ただし管理職対応の業務は認める。
(最高裁は私企業において争議行為時に、非組合員、スト反対派組合員、第二組合、臨時雇用者に業務命令して操業を維持することは認められているし、山陽電気軌道事件.最二小決昭53.11.15 刑集32-8-18はバス事業者において、私鉄総連系組合のストに反対する第二組合員の就労によるストライキ対抗措置としての操業行為は、完全に法的保護の対象となり、組合側の計画していた争議行為に対抗するためにとられた措置を理由として業務性を失うことはない旨説示しており、操業権は肯定されている。加えて地公労法11条2項でロックアウトできないので、非組合員はもちろん組合員であれ、ストの勧誘を受忍する義務はなく就業の権利と義務があり、むしろ非組合員に業務命令せず、ピケットラインを越えないよう管理職側から指図していることは違法性が強いというべき)
 組織的にというのは、監察指導課のB文書に就業命令は指示されていないので当局の方針である。集会場所と参加者数の報告は義務付けているが、ストに指導している役員や率先助勢者、具体的には集会の演説者、ピケッティングの指導.実践等の現認検書の上申も指示されていない。
 上級部署の指示に忠実に従うのがコンプライアンスなので現場の管理職は何もやらない。違法行為是認して黒いものを白にすることこそ、コンプライアンスという東京都の職場風土なので腐っているといわざるをえない。就業命令をやらないということは、違法行為を自覚させず、抑止せず、放置することで、管理職の債務の本旨を履行していない状況といえる。それは懲戒処分しない前提ともいえるが、当局には広範な裁量権があって、やらせもありだと、違法行為を抑止しないことが労務管理の在り方として違法ではないと都は主張するかもしれないが、苦しい抗弁になると思う。
 当局は地公法32条適条の懲戒処分の前提にもなりうる職務命令は力関係で組合に逆らうことになり、円滑な労使関係が期待でないので絶対できない。信頼関係も重要だというかもしれないけど、私は要求を譲歩してこのさい処分しなくていいから、就業命令だけはやって王手をかけてくださいと言いたい。違法争議行為に服務規律確保といいながら就業命令しないというのは譬えていうなら「王手をかけない詰将棋」か八百長ゲームに等しいのであって、労務指揮権、職務命令する権限が発動できないというのは、正常な業務運営でなく、それ自体が違法状態であり、争議行為禁止の保護法益である住民の共同利益の侵害と断定できるので、是正されてしかるべきである。
(三)組合役員による労務指揮権の奪取による、業務妨害、業務管理
 平成26年1月24日ストが打たれ、決裂した後、組合は中野営業所監理団体業務移転阻止闘争のオルグ活動に入り、退職派遣制度(一時出向して戻る)を希望させない。人事課による出向派遣の説明会には出席させないことを組合員に徹底させたうえ、当局を交渉にひきずりこむという戦略の闘争だが、2月5日には○○本部委員がオルグ演説し、当日の人事課の説明会の入場を阻止するピケを張った。一方で、○○分会書記長が、移転業務の一つである固定資産、備品リストの照合業務のため来所したところ、サービス推進部業務課担当者を追い返し、業務妨害をしたこと。
課長補佐に対し○○は、移転業務に協力するとあなたの立場は悪くなりますよと脅しのようなことを言っていた。
さらに○○は所長の○○に対し移転関連業務の業務命令をしないよう強要したことである。
移転関連業務が進捗しないから、4月移転は無理ということになり、組合の主張がとおって7月移転に延期したのである。
所長の○○に質問したところ、非経常業務は組合と事前協議することになっており、協議が不調なので業務命令はしないとの趣旨を言っていたが、言い訳としては苦しい。
事前協議の対象であるとしても、それは数か月前から再三やってきたことで、決裂後の対応と業務命令するしかないはず。
組合員である課長補佐の指示に従えとのことだったが、上級部署の指示に従うのがコンプライアンスであるから、組合に屈服してしまうのは問題がある。しかも組合は移転に協力させるためにはサービス推進部担当者に謝罪の文書と、実際に中野営業所にきて頭を下げるよう強要もしている。
本庁業務課では管理職が業務命令できると思っているのかもしれないが、それが通用するのは本庁部局内部のみと思われる。出先の各事業所では、普段から経常業務以外は事前協議で管理職は組合役員にお伺いする立場で、争議行為は労務指揮権.施設管理権凍結が通例なので、上級部署の指示は止まってしまうことがあるのである。
以上述べた○○本部委員や○○分会書記長の行為は、地公労法11条1項違反行為であるが、職員部当局は全く問題視していない。1月24日のストは処分を終えており、争議行為は終わったものと認識しているのが大間違いである。本部中闘指令の同盟罷業と動員集会等というスケジュール闘争だけ争議行為と認識し、特定拠点の争議行為は放置するのが職員部当局である。
こうなってしまうのは、スケジュール化された争議行為でいっさい職務命令をやらない慣行がきいているのである。日頃から違法行為の抑止、職務命令という国の官庁ではあたりまえのことをやってないので、交渉決裂後の業務命令のような修羅場の状況でも組合のいいなりになってしまう。組合によって労務指揮権を凍結されられる状態は、正常な業務運営でないから地公労法11条1項違反で悪質な違法行為である。本部中闘以外懲戒処分にしない方針から、本部委員や分会役員はなにをやっても責任は問われないという職場の慣行というものが、非常に大きな悪影響を及ぼしている。
(四)外形上犯罪要件該当行為
地方公営企業において単純不作為の職場離脱(ウォークアウト)も違法行為であるが、全水道東水労のストは争議権のある私企業のストでも免責されない積極的な業務妨害を行う点でより悪質であり、当局はそれを許容し犯罪を助長している。
全水道東水労の直近の同盟罷業は令和元年12月20日の1時間ストライキである。新宿営業所で、スト集会は、営業所分会と給水課分会が合同して40名程度で始業時から9時30分近くまで実施され、営業内検針担当エリアに、組合旗を掲出、ビラを貼り、約40名が占拠し座り込む形でなされ、支部組合役員の○○、○○、○○と給水課一名が、司会、交渉経過報告等の演説、決議文朗読、頑張ろう三唱の音頭取りなどを行った。
執務室で働く場所を多数占拠していて、就労を物理的に妨害しているのは非常に悪質。検針担当のエリアだが、非組合員もいるはずで、業務妨害とみなしてよい。
新宿営業所長の○○はスト参加の組合員に対し、中止.解散.退去.就労命令はいっさい行っていない。
また○○は、紙で塞いだICカードリーダ前に立ち、非組合員に出勤記録を入力しないようピケを張り、私を所内から出るよう指図して、違法行為を強度に慫慂したが、これらの地公労法11条1項違反行為、外形上威力業務妨害罪の犯罪構成要件該当行為(シットダウンストライキの態様に近く、刑事免責がないので当局が職場占拠を容認しなければ犯罪は成立する-指導判例である名古屋中郵事件最大判昭52.5.4の判断枠組み参照)に対して、いっさい中止.退去命令、就労命令等を行っていない。
ちなみに、ストで指導的な役割を果たした○○は翌年3月に主任に昇進した。
非常に深刻な問題として、東京都では職員一般に争議行為が違法行為と警告もしないので、水道局職員は争議行為の限界を知らないので、業務遂行を妨害することを平の組合員まで率先しておこなっている
座り込みストライキというのは、大恐慌の1937年にアメリカで流行った悪質な態様です。ウォークアウト(単純不作為の職務離脱)と違って、私企業でも正当な行為ではありません。
執務場所を占拠するのはマスピケに類似していますが、外形的には威力業務妨害罪の構成要件該当行為に当たります。
最高裁先例によれば、争議行為は労務提供拒否としいう不作為を本質とし、これに随伴する行為も消極的限度にとどまるべきであるとする(●朝日新聞西部本社事件.最大判昭27.10.22刑集6-9-27、●羽幌炭礦鉄道事件大法廷判決昭33.5.28刑集12-8-16)。プロレイバー学説のように、争議権に積極的な業務阻害行為を含めないのである。組合は業務阻害権があると主張するかもしれないがそれに従う理由はない。
要するに新宿営業所は積極的な業務妨害をやっているので悪質です。スト当日の集会場所は、監察指導課に報告することになっており、同様の態様の事業所もあるはず。当局は把握しているはずなので、積極的業務妨害は組織的に容認されているといってよい。
職場占拠や座り込みについて、例えば国鉄が業務命令した指導機関士の乗務を阻止するため、機関車運転室に乗り込み占拠しマスピケを指導した事案につき●動労糸崎駅事件 広島高判昭48.8.30判タ300号363頁  (上告審最一小決昭51.4.1棄却)では
「国鉄当局の適法な業務命令を受けてこれに服従し、就労の意思を以て出務している者の場合においては叙上受忍義務のないことは一層明白であるから、同人に本件職場集会への参加を勧誘、説得するに当つては、その時期、場所、手段、影響等において尚更厳しい制約を受け、団結による示威の程度を超えた物理的な力を以て同人の就労を妨害したり、そのため国鉄の施設や車両を占拠する等して国鉄の正常な列車運行業務を妨害することは、その目的の是非に拘らず許されない」として威力業務妨害罪の成立を認めた。
新聞社の争議に際して、組合が行なった工務局作業場の占拠が、説得の範囲をこえた違法なものと認められた●東京新聞争議事件.東京地判昭44.10.18労民20-5-1346は企業施設の重要な部分で滞留による業務運営の阻止行為が行なわれた場合において、使用者側が労働者側の説得をきき入れず、あくまでも業務を遂行させるように要求しているにかかわらず、依然として滞留を続け、使用者側が業務を遂行するためには、滞留者を実力をもって排除する以外に方法がないような情況にたち至ったときには、右滞留はもはや説得の範囲をこえて業務運営を阻害しているものというべきであり、違法たるを免れないと判示ししている。
また業務用機器が隠匿されていたので仕事がでませんでした。スト修了後、○○課長代理がスト終了後に配っていたので隠匿になんらかな形でかかわっている。○○は、目標管理制度の自己申告の際、新人職員に数値目標を書くなと、それをやるとまずいことになるよと強要していて、組合の主張と同じなので、業務妨害の率先助勢者である可能性があります。○○さんは知っている可能性がある。また、○○は、ストを指導する組合役員なので、関与している可能性がある。
座り込み占拠も機器の隠匿も業務妨害罪の違法性が強く推定されます。ただ3年以上過ぎたので時効です。
会社の管理する生産手段等財産等を組合の支配下において積極的な業務妨害をすることが正当な争議行為ではないことは、以下の判例で明らかです。
●さつきタクシー事件.最二小判昭和45.12.17判タ257はタクシー会社の労働争議において組合側が会社のタクシーの車検およびキーを抑留保管しあるいはタクシーの車輪を取りはずすなどする行為の正当性が争われ、組合員の多数の者が暴力によって会社のタクシーの車検およびキーを奪取し、あるいは多衆共同してその車輪を取りはずすなどする行為、ならびに会社社長の返還要求にもかかわらず、人の意思を制圧する勢力を示して、非組合員の乗務する車両を含め会社のタクシーの車検およびキーの返還を拒絶し組合側において抑留保管する行為は、正当な争議行為の範囲を超えるものであつて、威力業務妨害罪および暴力行為等処罰に関する法律違反の罪を構成するとした。
バス車両確保の争奪戦となった●山陽電気軌道(現サンデン交通)事件.最二小決昭53.11.15が威力業務妨害罪の成立を認めていることで明白なことです。
本件はストライキに対抗する性格を有するストライキ中の操業が法的に保護されるか否かが直接の争点となり、ストライキ中の操業が法的に保護されること。組合側の計画していた争議行為に対抗するためにとられた措置であるという理由で業務性を失うことはないことを明らかにした決定的な意義のある裁判例である。先例として、上記の三判例(朝日新聞西部本社事件、羽幌炭礦事件、進駐軍横浜事件)を引用したうえ、違法性阻却判断基準として久留米駅事件方式をとり、建造物侵入罪、威力業務妨害罪、傷害罪の成立を認めた原判決を認容する決定である。
事案は昭和36年春闘に際し団体交渉が難航し、私鉄中国地方山陽電軌支部組合(約500名)のストライキが必至の情勢になったところから、会社側は第二組合員(山陽電軌労働組合約800名)によるバス運行を図り、予め車両の分散をはじめ、支部組合がストライキに入った日以降は、第三者の管理する建物等を選び、営業の終わった貸し切り車等から順次回送する方法で数カ所に車両を分散し、保全管理していたところ、(1)支部組合員Aらは多数の威力を示して会社が取引先の甲整備工場に、またDらは系列下の乙自動車学校に預託中のバスをそれぞれ多数の組合員ととも搬出しようとして建造物に立ち入った。建造物侵入罪、共同正犯(130条60条)。(2)支部組合員らBは、組合員多数による威力を用いて会社が運行させていたバスを停車させ、運転手を強いて立ち退かせそのバスを確保した。威力業務妨害罪、共同正犯(234条233条60条)。棄却。[中村秀次2010「刑法総論に関する裁判例資料-違法性及び違法性阻却-」『熊本ロージャーナル』4号126頁]
決旨は「使用者は、労働者側がストライキを行っている期間中であっても、操業を継続することができることは、当裁判所の判例の趣旨とするところである(略)。使用者は、労働者側の正当な争議行為によって業務の正常な運営が阻害されることは受忍しなければならないが、ストライキ中であっても業務の遂行自体を停止しなければならないものではなく、操業阻止を目的とする労働者側の争議手段に対しては操業を継続するために必要とする対抗措置をとることができると解すべきであり、このように解しても所論の指摘する労使対等の原則に違背するものではない。(中略)
ストライキに際し、使用者の継続しようとする操業を阻止するために行われた行為が犯罪構成要件に該当する場合において、その刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するにあたっては、当該行為の動機目的、態様、周囲の客観的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、それが法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否かを判定しなければならない(略)。
‥‥本件の車両確保行為は、いずれも相手方の納得を前提とすることなく一方的に、営業運転中、回送中又は会社駐車場に駐車中の会社バスを奪って支部組合側の支配下に置いたものであって、旅客運送業を営む会社にとり最も重要な生産手段に対する会社の支配管理権を侵害するもの‥‥諸般の事情並びに所論の指摘する交通産業における特殊性をすべて考慮に入れ,法秩序全体の見地から考察するとき、本件車両確保行為は到底許容されるべきものとは認められない。 そうすると、威力業務妨害罪又は住居侵入罪に該当する本件車両確保行為には刑法上の違法性に欠けるところはない。」
したがってストライキ時に非組合員やストに反対の組合員を使って操業することは許されないという法解釈は間違いである。争議行為の刑民免責のある私企業でも正当とされる使用者の権利が公営企業で否定されることはありえないのに東京都は否定し組合のいいなりになっているのである。
○○○○は組合員だが課長代理という職制でもあり、職制が業務妨害に関与している点で深刻な問題である。隠匿したと考えられる機器は機密性のあるもので、これがないと業務遂行は不能になる。公務員の職場でも機密性のある文書を組合の支配下に置くことは悪質と考えられている。
●四国財務局(全財務四国地本勤評闘争)事件・最三小判昭52.12.20民集31巻72号1225頁は、組合執行委員会で勤務状況報告書を組合で保管することを決定し、在庁執行委員は手分けして第一次評定者(係長)の席をまわって、説得して収集したが、Xは他の役員数名とともに四人をまわり説得したが、その際経理係長が経理課長に提出しようとした報告を引っ張り合い、同課長の制止を妨害して、収集した。組合の保管は約1日程度で、その他の懲戒事由も加わっているが、職制が保管すべき機密文書を組合が一時的にせよ確保した行為は悪質と判断され、懲戒免職を適法としている。
地公労法11条1項違反者は、12条により解雇できるが、罰則規定はない。しかし地方公営企業の争議行為に刑事免責はなく、争議行為及びそれに付随する行為は全逓名古屋中郵事件最大判最大判昭52.5.4刑集31-3-18の判断枠組に適用されるはずで、業務妨害罪、建造物侵入罪等は比較的容易に成立すると考える。
当局は管理意思を明確に示すことがないので、業務阻害を認め、組合オルグ等の外来者の侵入やストライキ待機のセキュリティ破りを許容し、犯罪が成立しないようにしている。犯罪の協力が管理職と任務となっているのは本末転倒している。東京都は犯罪に協力しているのである。
私は深夜.未明に出入りするセキュリティ破りのスト待機を建造物侵入とみなすが、これは、私は西部支所管内の事例を知っているが、どこでもやっていることです。
刑事の名古屋中郵判決の判断枠組は以下のとおりで(香城敏麿、国労松山駅事件・最二小判昭53.3.3刑集32-2-159判解.公労法17条1項と地公労法11条1項は別異に解釈する必要はない)
(イ)公労法17条1項違反の争議行為が罰則の構成要件にあたる場合には、労組法1条2項の適用はなく、他の特段の違法性阻却理由がない限り、刑事法上これを違法とすべきである。
(ロ)但し、右の争議行為が単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであって、公労法17条1項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けないようなものである場合には、その単純参加者に限り、当該罰則による処罰を阻却される。
(ハ)これに対し、公労法17条違反の争議行為にあたらず、これに付随して行われた犯罪構成要件該当行為の場合には、その行為が同条項違反の争議行為に際して行われたものである事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきか否かを考察してその違法性阻却事由の有無を判断しなければならない。
少なくとも外形的には新宿営業所の職場占拠と、業務機器の隠匿は(イ)業務妨害罪、オルグやピケッティング目的の無許可侵入、スト待機の深夜の無許可庁舎侵入は(ハ)建造物侵入罪の犯罪構成要件該当行為に当たり、退去命令をすれば不退去罪、組合側は当局が業務阻害を容認しているから犯罪にならないと主張するだろうが、この判断枠組みは、違法行為目的の建造物侵入は違法性が強く推定されるというものである。仮に犯罪が成立しなくてもコンプライアンスは反すると糾弾されてもやむをえないものといえる。
二 新方針の提案 具体的対応
(一)ストライキ対策本部を設置する
従来の組合側の論理により業務命令権(労務指揮権)、施設管理権が掣肘されていた労務管理をあらため、正常な業務運営の確保を第一義とした労務管理に改めるべきである。
このため組織をあげて違法行為の中止.解散命令、就業命令の徹底、スト指導者等の現認検書の上申の義務づけなど違法行為の抑止のために取締を行う。ストライキ対策本部を設置し、管理職だけでなく一般の非組合員全員を召集する。
スト対策本部は局長級を本部長とし、26カ所の組合支部に対応して現地対策本部をおく、管理職+非組合員全員を召集し、時間制限のない職務として権限を付与する。非組合員の職務は闘争期間における事業所施設構内の警戒、組合員の行動の監視、違法行為の阻止、排除、また管理職とチームを組んで実況検分、監視、録音、写真撮影を補助する。
 非組合員といっても監察指導課などを別として、大多数の非組合員は、通常の業務を行いつつ、適宜スト対策本部の職務を行うものとするが、権限を与えただけで対策本部の仕事をせずともよいものとする。
新しい労務管理なので、管理職側の訓練が必要と思われる。
営業所におけるスト決行時の来客や電話対応などの不可欠な業務は、管理職が対応するのではなく、非組合員やスト反対派組合員に業務命令して行わせることを原則とする。スト対策本部の主な任務は次のとおりとする。
非組合員の任務は、闘争期間の組合活動の取締、特に演説あおり、オルグあおり、違法行為を慫慂する集会の取締り、鉢巻、赤腕章など着用の取締、ピケッティング、ビラ貼り、工作物、組合旗の掲出などへの対応。ストライキ当日の監視、写真撮影。録音等、職務命令をする管理職の補助等である。
 予算措置としては、最低限、就業命令を記載したプラカードの作製、写真機、ボイスレコーダー等の監視のための小道具は必要だろう。
 従来やっていない職務命令と事前警告をするので反発する組合員の抗議活動で職場が荒れることは想定してよい。水道局長は殴られてもいいから債務の本旨を履行せよ喝を入れてください。もちろん殴ってくる組合員に対して殴られ損にならぬよう、監視体制も万全なものとして、荒れる職場対策として特別査察チームの編成も必要だろう。旧郵政省でと「トラック部隊」と称され、臨機応変に荒れる職場に配置する。
 そんな面倒なことはやりたくないというかもしれないが、違法行為の助長協力をやっていたことから都民の信頼を回復するためには必要なことである。
 警備員の臨時雇用は考えていないので、人が足りないなら、オリパラ対応やコロナウイルスの保健所支援のようにオール都庁で動員し、争議行為対策をするものとするというのが私の提案である。したがって12月から即実施は困難かもしれないが、できるだけのことはやってもらいたい。
🔷非組合員全員対策本部入りの意義
 非組員全員召集は三六協定破棄闘争対策である。ストライキ時の就業命令をさせないという組合の掣肘を受けていることの打破が最大の目的である。
東京都水道局は長年の慣行として争議行為に関して就業命令をいっさいしない。組合側の論理は、ストライキは労務指揮権から離脱する行為なので、業務命令はできない。職務命令は組合敵視、団結破壊という主張に全面的に屈服しているからである。
しかし神戸税関事件.最三小判52.12.20が争議行為中であることを理由として、上司の命令に従う義務(国公法98条1項)は免れないと説示し就業命令が適法であることは確定したので、ストライキ時に就業命令を徹底している国の争議対応実務が是認されている。
また、国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28、全逓横浜中郵前ピケ事件差戻後控訴審.東京高判昭47.10.20(差戻後上告審最一小決昭49.7.4棄却)、 動労糸崎駅事件 .広島高判昭48.8.30 (上告審最一小決昭51.4.1棄却)等多数の判例により公労法17条1項違反の争議行為の内部統制権は否定されており、スト決議.指令に法的拘束力はない。スト参加の勧誘.説得を受忍する義務などない。地公労法11条1項違反を別異に解釈する理由はないので、就業命令によりスト参加者を切り崩すことは団結破壊には当たらない。
従って、ストライキ当日就業命令ができるし、管理意思を示すため絶対必要なことである。ところが、組合はスト予定日の前日の退庁時間から、当日は必ず三六協定を破棄することになっており、組合側は就業時限前に管理職の労務指揮権は消滅しているので、職務命令はできないとの解釈により、職制を麻痺させる闘争を行う。
 組合側は、三六協定破棄により、午前8時30分以前の業務はいっさいできないとし。これにより非組合員は服務上の基本的な義務である、カードリーダによる出勤記録をする義務も許されず、したがって非組合員は、三六協定破棄によりピケットラインを越えられないという、奇妙な論理をふりかざして就労阻止をする。管理職もこの見解には従い、職制の労務指揮権や就業カードリーダ力により否定されることを甘んじて受け入れいる状況がある。
 平成11年以前在籍していた江東営業所で組合役員は、三六協定破棄により、管理職の労務指揮権は時間外においては消滅し、業務命令は犯罪なので、スト当日に出勤時限前に登庁し、できない出勤簿を押すことが許されない。よってピケットラインを越えてはならない趣旨を言っていた。ようするに、三六協定破棄によって就業規則の服務の基本的義務であるICカードリーダにIDカードをタッチするか、職員番号をテンキーで入力する出勤入力(出勤簿に相当)はやってはならない異様な理屈をふりかざし、管理職もそうした屁理屈をのみ、業務命令を放棄することがコンプライアンスだと思っていて、こうした組合側の論理で非組合員やストに反対の職員を締め出し、就労の権利を侵害している。
 しかし最高裁は、三六協定未締結で労働基準法違反の時間外労働であっても職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当するとしている。組合のいう労基法により労務指揮権が消滅するということないのであって、労基法上違法であっても違法を承知で職務命令ができると考えられる。
以下の判例が、三六協定未締結での業務命令により職務執行職員に対する業務妨害等を有罪としており、三六協定未締結で春闘対策本部の非現業職員がビラ剥がし中、動員された全電通組合員に殴られた事案につき、①仙台駅ビラ剥がし事件(春闘仙台駅)事件.最二小判昭48.5.25刑集27-5-1115が公務執行妨害罪を認め、三六協定未締結で当局が拠点スト対策として指導機関士を召集、出務しない機関士の代務としての業務命令しその運転室乗務をマスピケで実力阻止した事案につき②動労糸崎駅事件.広島高判昭和48.8.30判タ300(上告審.最一小決昭50.4.1刑事裁判資料230棄却)を久留米駅事件方式で威力業務業務妨害罪の成立を認め、三六協定未締結で全逓組合やアルバイトに業務命令した臨時小包便運搬の業務妨害につき③全逓名古屋中郵第二事件.最二小判昭53.3.3刑集32-2-97は威力業務妨害罪の成立を認めている。
但し、三六協定の法的性質について理論的説示があるのは①だけであり、②は一審で争点になった労基法違反の業務命令は問題にせず、久留米駅事件方式の「法秩序全体の見地」かマスピケを有罪。③も一審、二審で争点になっていた労基法違反の業務命令は問題にせず名古屋中郵事件方式により業務妨害を有罪と判断している。
 国労.動労.全逓による三六協定未締結闘争の法的評価は以上の判例で判然としないことが多いが、未締結で職務命令それ自体が違法無効、労務指揮権が消滅するという解釈はとっていないわけである。
ここでは①の判例法理に依拠して、非組合員のストライキ対策本部の任務を与えるという提案する。
当然組合は反発するだろうが、更新期限を年度末として一年間有効な、三六協定を途中、争議行為目的で一方的に破棄するのは信義則に反し、職制に経常業務を押し付けるなど悪質な職制麻痺闘争をやっているわけで、加えてストライキ正当化の道具としている。
現状は正常な業務運営ではなく、保安要員として浄水場など水供給に不可欠な部署は通常勤務としているとはいえ、保安要員を置くこと自体正常ではなく、ライフラインを預かる企業としても弊害が大きい。三六協定を非組合員の就労の権利と義務を否定するのに利用しているあり方が、きわめて悪質なので対策が必要なのでこの提案をするものである。
①は労働者の過半を組織する国労・動労と三六協定未締結で春闘対策本部に召集された仙台鉄道管理局総務部労務課の組合員Iが労働基準法32条に反し1日8時間以上就労の時間帯に列車車体鋼板のビラ剥がし作業をしていたしころ、動員組合員らに半円状に取り囲まれ激しい抗議を受けたが、ビラ剥がしを続行したため、Iに対し全電通組合員が手拳で顔面を強打し全治六日の傷害を負わせた事件につき、一審は傷害罪.公務執行妨害罪ともに有罪、控訴審仙台高裁は、職員Iは午前6時より勤務に就き、本件暴行のあった午後2時40分労基法の8時間を超えているので、職務執行の具体的権限を欠き適法性を有さない業務として公務執行妨害罪は無罪、傷害罪は有罪とした。上告審は、公務執行妨害罪を無罪とした原判決を破棄自判した。
「Iに発せられた本件職務命令は、昭和三九年四月一五日午前六時から仙台駅構内において組合員の行動の監視、違法行為の阻止および排除等の任務に従事すべきことを内容とし、執務時間についてはあらかじめ制限を付さない趣旨のものであつたというのであり、これによれば、右命令が同人に対し、前記の職務に従事すべき労働関係上の義務を課するものであるとともに、その反面、右職務を執行する権限をも付与する性質のものであることが明らかである」
「労働基準法三二条一項は、就労時間の点で労働者を保護することを目的とし、また、もっぱら使用者対労働者間の労働関係について使用者を規制の対象とする強行規定であるが‥‥労働者とその職務執行の相手方その他の第三者との間の法律関係にただちに影響を及ぼすような性質のものではない。‥‥本件職務命令に右強行規定の違反があつたとしても‥‥就労を拘束的に義務付ける部分の効力に影響を及ぼし得るにとどまり、職務執行の権限を付与する性質の部分についての効力にまで消長をきたすべき理由はない‥‥労働基準法の適用を受ける者に対する職務命令が、同法所定の労働時間の制限を超えて就労することをもその内容としており、かつ、その者の就労が右制限を超えたからといつて、そのために職務の執行が具体的権限を欠いて違法となるものではなく、これに対して暴行脅迫を加えたときは公務執行妨害罪の成立を妨げない‥‥」と説示する。
 柴田孝夫調査官判解は「労働者に一定の職務の処理する権限を与える行為と、一定の職務に従事させる義務を負わせる行為は、本来は別個の行動として各別に行うことができるのであり、本件判決は、本件職務命令の内容を性質において二分し、労基法三二条一項違反の意味をそれぞれに分けて検討する方法をとった。これによれば、労働を義務付けるものではない、権限を与えるだけの使用者の行為は、権限を行使しうる時間を限っていようといまいと、これを違法無効とすべき積極的な理由は労基法三二条一項からはでてこない」と解説する。
三六協定未締結で労基法違反の労働が刑法上保護に値せず、超過勤務手当請求もないと二審の結論を批判し、労基法違反の時間帯に商事会社の社員が顧客と契約した場合、代理権の範囲外で会社に効果が帰属しないということにはならないと言う。労基法違反であっても職務の執行それ自体が違法にはならないとしている。
労基法は悪法でも労働者を保護する立法という建前であるが、逆に第3者から就労権の妨害、労働者を貶めることに利用することは法意に反しており、争議行為に利用されることが立法趣旨ではない。
 以上のことから職務命令にはあらかじめ時間の制限のない業務命令があってよいのであり、労基法が違法.無効とできないことが確認できる。
ということは、春闘仙台駅事件で支援する全電通組合員に殴られた職員Iと同じように、組合員の行動の監視、違法行為の阻止および排除等を非組合員全員に付与するならば、三六協定未締結でも仙台駅事件と同じようにその時間外の業務は正当となるから、通常通り、出勤時限前に登庁し、カードリーダで出勤入力してよいことを意味し、ストライキ参加をそそのかすピケッティングは違法行為であり、管理職は出勤時限前に登庁し、非組合員に就業命令し、ストに参加しない人員を確保できる。組合は、ストライキに対抗して、非組合員や組合員に業務命令し、争議行為中の操業が許されてはなにないし、当局にその権限はないという論理だが、最高裁判例で否定されているし、地公労法11条2項で事業所の閉鎖はできないので、職員を締め出すことはできないと考える。
要するに組合の主張は、
8時30分以前は三六協定未締結により業務命令は許されない。
 労務指揮権は凍結されているから、非組合員が8時30分の出勤時限前に入庁はできない
 よって就労は認められないので、ピケットラインは超えてはいけないという主張はそもそも間違いだが、最高裁が労基法で違法無効とできないと明言した、組合員の行動の監視等の職務権限を不与されたことにより、出勤時限前の登庁ができないと言う主張を切り崩すことができ、組合の拠ってたつ論理は崩壊する。要するに業務命令するための対策である。
 もちろん召集職員は対策本部の職務をやってもらいたいが、仙台駅判決が「就労を拘束的に義務付ける部分の効力に影響」としている点をふまえ、三六協定未締結時は職務を拘束的には義務づけず、できる人がやるという態勢になる。ただし、就業命令は掣肘されず、就業命令により通常どおり、出勤しカードリーダも入力させる。服務規律上当然のことはやっていただくということになる。
 就業命令の徹底が最大の目的ということになる。(第Ⅰ部(Ⅵ)各論三(六)108頁)
 
(二) 組合中執のオルグ演説-中止命令
従来、許諾している執務室内勤務時間中になされる組合中執のオルグ演説は、不許可、中止.退去命令する。現認・監視対象とする。
 (スト批准投票の呼び掛け、闘争課題の説明、闘争戦術の説明、ストライキの日程などの演説)
根拠 違法行為 地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」に当たる。
新規則違反 1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない
 犯罪 建造物侵入罪、退去命令に従わない場合の不退去罪の犯罪構成要件該当行為
 処分 実際にストが実行された場合、懲戒処分事由とする。監視対象。オルグ演説で中執を紹介し、挨拶や闘争の日程を示す支部.分会役員も同じ。抗議で暴言、暴行を働いた場合は量定を過重。
令和4年の例(スト批准投票の前)
10月25日朝 8時33から43分 所長が支部役員の〇〇と朝長い話、そのあと中執の〇〇が到着。8時33分よりオルグ演説、11月1日スト権一票投票で、まず人事委員会勧告はコロナ渦と物価高で不当だ。都労連闘争の課題を説明、局内闘争については、砧浄水場と長澤浄水場の業務移転、夜間待機が7か所から2か所にして緊急隊の業務とするのは無茶苦茶で容認できない。また営業所の業務移転も提案される可能性がある。局は全営業所移転を計画しており、警戒が必要、株式会社東京水道の社員は入って2~3年の若い人が多く、業務がハードで心を病んでいる人、突然仕事を放棄する人がいる状態でとても円滑な移行はできない。最後にスト権投票は高率の批准をとぶちあげて43分に終了、そのあと〇〇が、棄権が絶対ないように、不在者投票の受付など告知。
令和5年の例(闘争期間中)
11月28日 午前8時30~44分、支部役員の○○と中執の国谷が所長に挨拶、○○がそこでやると指差し、所長は許諾。司会の○○が中執の国谷を紹介し、13分間演説。局内闘争の課題、墨田荒川営業所の業務移転に伴う定員削減と、他の営業所の派遣割合の削減、目黒営業所の過員を暫定とするなどの重要な闘争になると説明、さらに中野営業所の病欠者が多い問題をとりあげ、徴収サイクルの見直しによる業務繁忙の改善に不満があり12月1日の拡大窓口では交渉打ち切りも辞さずとい意気込みで臨むなどとし、21日にストを構え、8日の支所集会、19日のふれあいモールでの勤務時間内3割動員決起集会と闘争日程を述べ、19日より3日間の三六協定破棄闘争は、局に24時間態勢で業務を行うのに組合の協力がいかに必要かを自覚させるためのものと争議行為意思を表明。闘争への協力をよびかけ。最後に○○が12月5日の昼休み集会と、19日の賃金カットの動員決起集会の呼びかけなどがあり終了。
(三)中央執行委員候補者の就任演説-中止命令
 組合の役員選挙は私が知る限り無投票当選しか知らないが、告示後立候補の挨拶と称し、勤務時間内に執務室で演説することがあるが、不許可、中止.退去命令する。
 根拠 新規則違反
1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない
 犯罪 建造物侵入罪
 処分 特段懲戒処分とはしない。演説を強行し態度が悪かった場合は別途検討する。
(四)頭上報告-中止命令
(執務室内での演説行為。中央委員会報告.書記長会議報告.友好団体の政治集会参加呼びかけ、指令伝達、オルグ演説、闘争課題の説明、闘争日程等の説示、その他教宣活動)
 勤務時間内.出勤時限前.休憩時間いずれも不許可。中止命令する。現認・監視対象。
根拠 違法行為 地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」に当たる演説がなされるおそれがある。
新規則違反 1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない
昼休み当番や時差出勤による勤務中の職員がいない場合でも、執務室内で囚われの聴衆の状況で組合の訴えかけを聴かされることは、能率的な環境とはいえず、演説の余韻などで作業能率を低下させるおそれがあり、適正.良好な職場環境とはいえないので、職場の秩序を維持する当局の権限にもとづき、中止命令の対象とする。これにより、勤務時間中に限定した平成16年3月東岡職員部長通知による頭上報告の警告は解消する。
処分 中止命令にもかかわらず地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」に当たる演説がなされ、且つストが実行された場合、懲戒処分事由とする。抗議で暴言、暴行があった場合は量定を過重する。
(五)闘争指令下の昼休み集会-中止命令
 闘争課題を確認し、ストライキ決行体制のため意思統一を図り、闘争課題を確認し組合員の意思統一を図り、ストライキ態勢の志気を鼓舞する目的の集会であり、執務室内でなされることが多い。挨拶.基調報告.決意表明.決議文朗読.頑張ろう三唱等がなされる。従来管理職は許諾している。職員部監察指導課は「昼休み集会」に関し何の指示もしていないし、違法行為と言う認識がないので、現場の管理職も認めてしまっている。
不許可。中止.解散命令する。現認・監視対象とし演説者等記録する。その際、スト対策本部の非組合員を動員して監視、写真撮影、録音などにあたらせてよいものとする。国の官庁と同じく、組合がストライキを配置し、闘争態勢をとった時点で、庁舎構内の組合活動の便宜供与はいっさい行わない。
根拠 違法行為 地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」そのものである。または地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用により不許可。
新規則違反 1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない
昼休み当番や勤務中の職員がいない場合でも、執務室内で囚われの聴衆の状況で組合の訴えかけを聴かされることは、能率的な環境とはいえず、演説の余韻などで作業能率を低下させるおそれがあり、休憩時間の自由利用の妨げとなるおそれもあり、適正.良好な職場環境とはいえないので、職場の秩序を維持する当局の権限にもとづき、中止命令の対象とする。
処分 中止命令にもかかわらず集会を強行し且つストが実行された場合、主宰者、演説者、頑張ろう三唱の音頭取り等懲戒処分事由とする。抗議で暴言、暴行があった場合は量定を過重する。
◆実況見分記録(「昼休み集会」平成23年12月9日(金)中野営業所) 
同日15時より全水道東水労の都庁第二本庁舎前で勤務時間離脱3割動員の決起集会(当時は半地下の新宿NSビルとの間の空間で行われていたが近年は地上のふれあいモールに移行している)、夜には書記長会議がある日だが、通常昼休み集会と早朝ビラ配りは、3割動員集会のある日にセットで設定されるので容易に予測できる。
【始業時前朝ビラ情宣行動】構内通用口ドア前
構内の狭い入口の通路の左に二人、右に一人が立ち、通路を挟むかたちで配られる。小さな営業所なので、3人しか立ってないが、支所だと構内入り口前右に5人左に5人といった規模になる。挟まれた間を通行し半強制的にビラを受け取らせる。人数が多い場合は特に威圧感がある。人を挟んだり、包囲する組合活動は押しつけになるので、規制すべきである。ビラの内容も動員集会.ストライキの日程が記載され、違法行為を慫慂する内容であるから、ビラ配布自体が違法行為にあたり中止命令すべき態様と内容といえる。
【昼休み組合決起集会】事務室内ほぼ中央に演説者
12時28分に分会書記長が赤腕章をつけ基調報告の紙を配りだしたので、自席で昼食をとっていた○○○○所長(のち経理部管理課長、職員部監察指導課長、労務課長)に昼休み集会を組合がやることを知っているのかと問い合わせたところ知らないと言う。
その後分会書記長がこれから集会をやると所長に通告、所長は休憩している人に配慮云々と言っただけで、中止命令せず、集会自体を許諾。
昼休みはこの年の東日本大震災による電力不足のため消灯していたが電気がつけられ31分頃から集会が始まった。
なお、過去の例では所長は離席し監視しないように組合に配慮するが、この時は一部始終を管理職が見ている。
集会の態様は、営業所事務室ほぼ中央(所長席の向かい)に組合役員、演説者等、多くの職員は自席。昼休み当番として2名が休憩時間を午後1時以降にずらして、窓口のレジと電話当番として勤務中、演説者との距離は近く10mも離れていない。従って、折り畳み式の衝立が立っているので、来客からは覗かれないが、演説や鯨波などは当然雑音として入るので、職務への集中を散漫にさせ、電話の相手方の声が聞き取りにくくなるなど職務専念を妨げるおそれがある状況でなされる。
●31分から37分頃 司会の組合分会長挨拶 〇〇
 まず集会時間を20分、目的について闘争課題を確認し意思統一を図ることと述べ、国政の状況、国家公務員の労働基本権付与の法改正は、国会が本日閉会したので、見通しが立ってない現状をまず報告したうえ、今回の闘争目的を説明。 
●38分から43分頃 分会書記長基調報告 ○○
事前に配られた内容を読み上げた。前半は14日1時間ストを設定して監理団体業務委託を見直し、直営職場を残す闘いをやる云々と述べ、後半は21日1時間を設定しその他の職場要求と反合理化課題の解決を目指す。震災復興が進まないのは被災自治体の人員削減が要因などと言い、人員削減計画を見直す契機とすべきだといった趣旨を述べていた。演説が終わってぱらぱらと拍手があり、司会の分会長が確認のため拍手を催促し、比較的大きな拍手となった。
●44分から46分  組合員代表の決意表明 〇〇
 組合委員代表一人(元中央委員)が矢先漏水調査業務見直しは営業所業務にも影響がある云々と述べたうえ、闘争の決意表明を読み、拍手が求められた。
●47分から49分頃 分会長の音頭で頑張ろう三唱等(組合分会長)〇〇
事務連絡の後、大声で「14日、21日ストライキに向け闘争課題を確認し、決意表明を受けました、最後に頑張ろう三唱で締めたいと思います」といったことを述べ、「団結用意」とかけ声があり、頑張ろう三唱が行われた。
以上、これは一例だが、組合員代表の決意表明があったのは中野ではこのケースのみなので掲載した。昼休み集会の流れの大筋は上記のとおりである。
参照判例 全逓新宿郵便局事件.最三小判昭58.12.20判時1102、 東京高裁判決昭55.4.30労判340、池上通信機事件.最三小判昭63.7.19、日本チバガイギー事件.最小一判平元.1.19、済生会中央病院事件.最二小判平元.1.29民集43-12-1786全逓長崎中央郵便局事件.長崎地判昭59.2.29労判441号カード、東京城東郵便局事件.東京地判昭59.9.6労判442、熊本貯金局事件.熊本地判昭63.7.18、労判523、郵政省下関局事件.山口地判昭60.3.19判タ566、JR東海鳥飼基地無許可入構(懲戒解雇)事件 .大阪地判平12.3.19労判790、仙台管区気象台(全気象東北支部仙台分会)事件.仙台地判昭60.9.25労判464
(六)本庁・支所・合理化拠点の動員決起集会-中止・退去命令
 勤務時間内に下水道局も含め2割動員.3割動員の決起集会
 当局は2割動員については休暇、時間休をとって参加を認め、3割動員は年間3~4回はあり、大きな闘争のあるときは回数が多くなるが、当局は争議行為と認定し賃金カットする。賃金カット分は組合が闘争資金から補償する。
 内容は昼休み集会と同じ形式と考えられる。基調報告、交渉経過報告、組合員代表決意表明、決議文朗読、頑張ろう三唱でしめくくる。平成12~13年ごろの千代田営業所で庁内デモ行進も行われた。
勤務時間内いかんにかかわらず庁舎構内は不許可。中止.退去命令する。3割動員は職場復帰命令をする。現認・監視対象とし演説者等記録する。国の官庁と同じく、組合がストライキを配置し、闘争態勢をとった時点で、庁舎構内の組合活動の便宜供与はいっさい行わない。その際、スト対策本部の非組合員を動員して監視、写真撮影、録音などにあたらせてよいものとする。
根拠 違法行為 地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」そのものである。国の官庁と同じく、組合がストライキを配置し、闘争態勢をとった時点で、庁舎構内の組合活動の便宜供与はいっさい行わない。許可すれば当局が違法行為を助長したことになるからである。または地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用により不許可。
新規則違反 1 職員は、許可なく、局所施設内で、業務外の集会、演説、放送又はこれらに類する行為を行ってはならない。
2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
犯罪 動員された外来者については建造物侵入罪、退去命令に従わない場合の不退去罪の犯罪構成要件該当行為
ただし、都庁構内の集会は敷地内だが、外部の者が自由に立ち入れる公開空地のため建造物侵入罪が成立するかは微妙。
今後、このような集会は労働組合が自己の負担及び利益において開催するものとする。庁舎管理権の及ばない、公園や集会施設の開催も監視の対象としつつも中止命令まではしないが、三割動員やスト集会の場合は職場復帰命令をしてもよいだろう。道路専用許可をとったうえでの街宣デモ行進は、他の市民団体、政治団体と同じ条件なので当局は関与しない。
処分 中止命令にもかかわらず集会を強行し且つストが実行された場合、主宰者、演説者、頑張ろう三唱の音頭取り等懲戒処分事由とする。抗議で暴言、暴行があった場合は量定を過重する。参照判例は(四)と同じ。
(七)スト決行体制確立、闘争突入した時点で集会等便宜供与の禁止
国の省庁では組合がストライキを配置した時点で、組合集会に庁舎構内の便宜供与を禁止し、強行した場合の中止命令を徹底している。東京都はなんでも容認し、事実上違法行為の強度の慫慂に加担している。この方針は(五)と(六)の禁止と重複する
旧郵政省では、日常的な組合活動については、会議室等利用を許可している。しかし全逓が、業務規制闘争やストライキを配置し闘争体制に入った時点で、地方郵政局が各郵便局に指示して、局所内の組合活動の便宜供与を停止し、集会を強行した場合は、監視.中止解散命令を徹底している。
それは、組合が闘争態勢での便宜供与は当局が違法行為を助長することになるので、目的外使用である組合集会を規制する正当な理由があるものとして不許可とする方針で、裁判所もこの方針を是認している。これは重要な改革になる。
根拠 地公法11条1項後段の「そそのかし」「あおれ」がなされるおそれがあり、規律ある業務運営を維持する権限、または地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用により不許可。
東京都水道局庁内管理規程第五条の九違反 新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない。
参照判例.東京城東郵便局事件.東京地判昭59.9.6労判442号は、国労札幌地本判決を引用して、全逓本部によるスト決行体制確立、業務規制闘争突入指令発令後の、郵便局内での組合集会開催のための施設の利用を許諾することは、公労法17条1項違反の違法行為を助長する結果となるおそれが大きいと当局側が判断したことについては、相当な理由があるとして、会議室使用不許可に権利濫用と認めるべき特段の事情はないと判示した。熊本貯金局事件.熊本地判昭63.7.18、労判523、郵政省下関局事件.山口地判昭60.3.19判タ566、仙台管区気象台(全気象東北支部仙台分会)事件.仙台地判昭60.9.25労判464)スト決行態勢での便宜供与はしないことになっている。東京都でも国の省庁と同方針をとるべき。
処分 中止命令に従わず集会を強行した場合、集会で演説等に立ち指導的な役割を果たした場合、暴言や暴行をふるった場合は懲戒処分の対象となる。ただし当面、ストライキが実行された場合に限り、懲戒事由とすることとする。
(八)ビラ貼り-パトロールし現認制止する
 ステッカー闘争は組合が指令しているもので、平成半ばまでは夥しい数のビラ貼がなされていた。主として階段やエレベーターホールなどの壁面、支所動員集会のあるときは大がかりなものとなる。しかし平成16年頃後藤雄一都議が西部支所のビラ貼の写真をネットにアップしたことから、当局はビラの枚数の確認や、写真撮影を指示するなどして、一時下火になったが、近年復活傾向にある。
組合掲示板以外のビラ貼りは全面禁止とする。Ⅱ-(Ⅰ)-三-(九)前掲のとおり。
 ビラ貼りは、組合役員が複数の若手の組合員に指図して行うが、廊下の壁面などに午後五時一五分の定時退庁直後になされるのは、管理職が現認.制止をすることがないことがわかっているからであるが、今後はパトロールして、現認し制止することとする。
 根拠 東京都水道局庁内管理規程第五条の九違反 新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない 8(3)職員は、局所内で業務外の文書又は図画を掲示する場合には、組合掲示板を別として、管理者の許可のない文書等以外、掲示してはならない。局は庁舎等の維持管理又は秩序維持上の必要又は理由があるときは、右許可を撤回することができる。
(4)以下に該当する文書又は図画等を配布又は掲示は中止、撤去命令の対象となる。
一 業務の正常な運営を妨げるおそれのあるもの。
二 地公労法11条1項等が禁止する違法行為を慫慂、そそのかし、あおるもの。
三 信用失墜行為に該当するおそれのあるもの
四 違法な掲示物、名誉毀損又は誹謗中傷に該当するおそれのあるもの
五 公の秩序良俗に反するおそれのあるもの。
六 組合旗、激文.寄せ書き、幕の掲出など示威、闘争的言辞の掲示物。
七 その他著しく不都合なもの。
参照判例.国労札幌地本ビラ貼り戒告事件最三小判昭54.10.30民集33-6-676、東京郵政局事件.東京地判昭46.3.18判時624、北九州市若松清掃事務所事件.福岡地判昭56.8.24訟務月報28巻1号109、朝日新聞社西部本社事件.福岡高判昭57.3.5労民集33-2-231、麹町郵便局事件.東京高判昭58.7.20判時1049号75頁、七福交通事件東京地判平10.3.3労判738号38頁、動労甲府支部ビラ貼り損害賠償請求事件.東京地判昭50.7.15労民集26-4-567、帝国興信所岐阜支店事件.岐阜地判昭56.2.23判時1005号167頁、大久保製壜所事件.東京地判昭58.4.28判時1082号134頁。
処分 管理職と現地スト対策本部職員はパトロールし、貼付現場を現認した場合、制止する。制止をはねのけた場合は、1回目警告、2回目訓告、3回目戒告とする。指導的役割を果たした場合ストが実行された場合は懲戒事由とし、量定を過重する場合があるものとする。
写真撮影をする。貼付後の対応は、平成17年頃と同じく、写真撮影ののち、撤去命令に従わない場合、スト対策本部職員を動員して剥がす。剥がしたものは返還しない。組合側はビラ等が組合の財物だと主張し返還を求めているが、「通常のビラの場合、それを使用者の許諾なしに物的施設に貼った段階で所有権が消滅する(所有権の放棄を擬制するか、或いは民法242条、243条の付合の理論)ので返還は不要。東水労の場合大多数はセロテープやまたは両面テープで貼り付けるが、接着剤で糊付けされ、撤去.清掃に費用が掛かった場合は撤去費を貼り付けた責任者に請求するものとする。
(九)ビラ配り-闘争態勢に入った時点で許可制に
 私の職場では、平時は組合の印刷物配布は勤務時間前か後に各職員の机に置くスタイルで、ただし11月15日はビラを午後勤務時間に配布していた。
 庁舎管理規程でビラの無許可配布を禁止事項だが、新規則は、平時は無許可配布でよいこととしたので、態様で規則違反は中止命令する。
ただしストライキを配置し闘争に入った時点で、違法行為の慫慂が目的のビラが配布されるおそれがあるため、無許可配布を認めないものとする。とくにストライキや動員集会の参加の慫慂が目的の、動員集会と昼休み集会とセットでなされる朝ビラ情宣は態様も半強制的なので認めない。
中止命令をする。Ⅱ-(Ⅰ)-三-(七)131頁参照
根拠 東京都水道局庁内管理規程第五条の九違反 新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない。 
新規則8(1)職員は、局所内で、文書若しくは図画等を配布する場合、職場の規律.秩序をみだすおそれのない平穏な方法又は態様でなければならない。通行の妨害もしくは混乱をもたらす態様、受け取りを強要する態様、職員の休憩時間の自由利用を妨げる態様で行ってはならない。又、局が庁舎等の維持管理又は秩序維持上の必要又は理由があるとき、無許可配布を禁止するものとする。
処分 無許可配布、中止命令に従わなかっただけで処分の対象とせず、2回目に警告、ストライキが実行され、ストを慫慂するビラを配布した場合に戒告処分以上の処分事由とする。
(十) 組合掲示板の公務秩序に反する掲示物の撤去-不適切なものは撤去
 新規則に示された地公労法11条1項等が禁止する違法行為を慫慂、そそのかし、あおるもの「闘争宣言」や「ストライキで戦うぞ」等は撤去対象となる。「闘争宣言」は平成11年以前江東営業所で見た。「ストライキで戦うぞ」のビラは平成12~3年千代田営業所で見た。小さい文言だが、平成6年10月31日スト権批准投票結果92.77%のビラが、11月15日にも貼り出されておりの表示の文言にもあり現在も貼り出されている。少数組合の掲示板でも赤旗に「激」とあり寄せ書き(平成18~19にみかけた)も撤去対象として、撤去命令には違わない場合は、当局で撤去する。
掲示物撤去判例としては全国税東京足立分会事件・最二小判昭59.1.27労判425等にあり、庁舎管理者による庁舎等における広告物等の掲示の許可は、専ら庁舎等における広告物等の掲示等の方法によってする情報、意見等の伝達、表明等の一般的禁止を特定の場合について解除するものであって、右許可の結果許可を受けた者は右のような伝達、表明等の行為のために指定された場所を使用することができることとなるが、それは、禁止を解除され、当該行為をする自由を回復した結果にすぎず、右許可を受けた者が右行為のために当該場所を使用するなんらかの公法上又は私法上の権利を設定され又はこれを付与されるものではなく、また、右許可が国有財産法18条3項にいう行政財産の目的外使用の許可にもあたらないと解すべき」
組合掲示板の掲示物は組合に公法上、私法上の権利を設定され付与するものではないので、庁舎管理権にもとづいて公務秩序に反する掲示物を転居する権限が当局にある。違法な文言、違法行為を慫慂する文言の掲示物は撤去されてもやむをえないというものである。
掲示板の法的位置づけの上記の枠組みは、東京都水道局にもあてはまる。庁内管理規程で第五条の十ではり紙若しくは印刷物を掲示することは禁止事項となっており、組合掲示板は禁止を解除されたものと解釈でき、行政財産の目的外使用(地方自治法238条の4第7項)の許可ではない。従って公法上又は私法上の権利を設定され又はこれを付与されるものではない。組合掲示板の掲示物は庁舎管理者で事実上使用することを許可しているだけであって、不当労働行為とされることがないことは、参照判例のとおりである。
根拠 庁舎管理規則第五条の十新規則8以下に該当する文書又は図画等を配布又は掲示は中止、撤去命令の対象となる。
一 業務の正常な運営を妨げるおそれのあるもの。
二 地公労法11条1項等が禁止する違法行為を慫慂、そそのかし、あおるもの。
三 信用失墜行為に該当するおそれのあるもの。
四 違法な掲示物、名誉毀損又は誹謗中傷に該当するおそれのあるもの。
五 公務秩序、良俗に反するおそれのあるもの。
六 組合旗、激文.寄せ書き.幕の掲出など示威、闘争的言辞の掲示物。
七 その他著しく不都合なもの。
参照判例 全逓損害賠償請求(新宿局.空港局.静岡局)事件東京地判昭54.2.27労民集30-1-20、昭和郵便局(全逓昭瑞支部)掲示板撤去事件.最一小判昭57.10.7民集36-10-2091、全国税東京足立分会事件.最二小判昭59.1.27労判425、国鉄清算事業団(東京北等鉄道管理局)事件.東京地判平3.7.3判時1396
処分 撤去命令に従わない場合、当局が庁舎管理権発動で自力撤去するが、抗議活動で、暴言、暴行があった場合は懲戒処分の対象となる。ストライキが実行された場合は懲戒事由に含める。量定を重くする場合がありうる。
 
(十一)マグネットシートの貼付、赤旗の寄書き、煙突闘争等-ビラ貼りと同じ対応
 
 現在は行われてないが、平成15~16年頃、14.5×4.5cmのマグネットシートで「お客様センターNОストライキで戦うぞ! 完結型受付防衛‥‥」とか「イラク戦争反対」と言った文言のある組合の主張が印刷されたものが各組合員に配布され、机や什器、戸棚などに貼り付ける闘争が行われた。
 これは実質ビラ貼りと同じ効果のあるものであり、「ストライキで戦うぞ」のような違法な文言もあるので撤去命令し、従わない場合自力撤去する。
 このほか、平成7年頃七夕の笹飾を机上に設置し、短冊に要求項目を書く闘争があったが、これもビラ貼りと同様の措置とする。またストライキ態勢を固めるため、赤旗に寄せ書きして団結を示威するため、赤旗は事務室内に掲出ないし設置することがしばしば行われるが、これも撤去命令等、ビラ貼りと同じ対応とする。
 煙突闘争というのは円筒状のボール紙などに要求項目を書いて机上に設置して、組合員の訴えかけをするもので水道局では見たことがないが、そういう闘争もありうるが、この場合もビラ貼りと同じ対応とする。
 なお、組合が団扇や手ぬぐい、ボールペン、ティッシュペーパーなどの「全水道東水労」と記載されている組合グッズを組合員に配って使用を促すことがしばしばあるが、見せつけたりしない以上は取締りの対象としないこととする。
 処分 ビラ貼りと同じ。
(十二)春闘ワッペン、赤腕章-取り外し命令
勤務時間中に業務外の徽章等、春闘ワッペン、頭上報告、集会主宰者が着用する赤腕章、業務外のメッセージが記載されているトレーナーやTシャツの着用を禁止し取り外し命令等、職務命令をする。Ⅱ-(Ⅰ)-三-(四)で詳しく説示したとおりである。争議行為でなく正当でない組合活動の範疇になる。
根拠 地方公務員法35条職務専念義務違反。新規則 3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない。4 職員は、勤務時間中に又は局所施設内で上司が認める業務外の徽章、胸章、腕章等を着用してはならない(解釈としては、ゼッケン、鉢巻、プレート、ワッペン、バッジ、政治的文言等のプリントされたTシャツの着用を含める)
参照判例 服装戦術判例〇服装戦術許容●服装戦術を正当な組合活動と認めない△服装戦術を正当な組合活動と認めないが処分を無効とする。または服装戦術は違法だが違法性を軽微なものとする
●ノースウエスト航空事件 東京高判昭47.12.21(腕章着用が職務専念義務違反と判示)●国労青函地本リボン闘争事件 札幌高判昭48.5.29●神田郵便局腕章事件 東京地判昭49.5.27● 大成観光リボン闘争事件 東京地判昭50.3.11△中部日本放送リボン闘争解雇事件 名古屋高判昭50.10.2●全逓灘郵便局事件 大阪高判昭51.1.30●神田郵便局腕章事件 東京高判昭51.2.25●大成観光リボン闘争事件 東京高判昭52.8.9●目黒電報電話局事件 最三小判昭52.12.13●大成観光リボン闘争事件 最三小判昭57.4.13●東急電鉄自動車部淡島営業所事件 東京地判昭60.8.26△国鉄鹿児島自動車営業所事件 鹿児島地判昭63.6.27△国鉄鹿児島自動車営業所事件 福岡高裁宮崎支判平元.9.18●国鉄鹿児島自動車営業所事件 最三小判平5.6.11〇JR西日本国労広島地本事件 広島地判平5.10.12△延岡学園事件 福岡高裁宮崎支判平5.10.20〇東洋シート警告書事件 東京地判平昭7.6.8●西福岡自動車学校腕章事件 福岡地判平7.9.20(自動車学校の労働組合員らがした腕章着用闘争につき、同闘争は、労働者の団結を示威し、使用者に対し心理的圧迫を加え、労働者の要求ないし主張を貫徹する争議行為的側面と、組合員相互間において連帯感を触発し、団結をより強固にし、使用者との交渉に当たって士気を鼓舞する組合活動的側面の双方を有するものであるが、業務を阻害しなくともその本来的な目的を達することができるから、特別な事情のない限り、本質的には争議行為ではなく組合活動であると解するのが相当であるとした上、就業時間中に組合活動を行うことはその具体的態様にかかわらず職務専念義務に反するもので、正当な組合活動ではないとして、腕章着用闘争を理由とする戒告処分は不当労働行為に当たらないとした)●JR東海国労東京地本新幹線支部国労バッジ事件 東京地判平7.12.14〇JR東日本神奈川国労バッチ事件 東京地判平9.8.7〇神戸陸運事件 神戸地判平9.9.30●JR東海新幹線支部国労バッジ事件 東京高判平9.10.30●JR西日本国労広島地本事件 広島高判平10.4.30●延岡学園事件 宮崎地裁延岡地判平10.6.17●JR東海新幹線支部国労バッジ事件 最三小判平10.7.17△JR東日本神奈川国労バッチ事件 東京高判平11.2.24△JR東日本神奈川国労バッチ事件 最一小決平11.11.11●JR西日本大阪国労バッチ事件 東京地判平24.10.31●JR東日本神奈川国労バッチ出勤停止処分事件 東京地判平24.11.7●JR東日本神奈川国労バッチ事件 東京高判25.3.27△JR東日本神奈川国労バッチ減給処分等事件 東京地判平25.3.28△JR東日本国労神奈川国労バッチ減給処分等事件 東京高判平25.11.28△JR東日本国労神奈川国労バッチ減給処分等事件  最一小決平27.1.22△東京都立南大沢学園養護学校事件 東京地判平29.5.22都立学校教師が、卒業式において、校長の職務命令に違反し、国歌斉唱の際、起立しなかったこと、「強制反対 日の丸 君が代」又は「OBJECTION HINOMARU KIMIGAYO」等と印刷されたトレーナーの着用を続けたことによる停職6月の懲戒処分は、処分の選択が重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、懲戒権者としての裁量権の範囲を逸脱し違法としたが、●都立南大沢学園養護学校事件.最一小判令元10.31TKCは懲戒処分を適法としている。
処分 ワッペン.腕章については取り外し命令 1回目警告、2回目厳重注意、3回目訓告、4回目戒告処分。
(十三)所属長要請行動は拒否する
 
 「所属長要請行動」とは、大衆団交スタイルの多衆の包囲と威圧のもとに所属長に争議行為の目的の正当性を認めさせ、交渉当局に分会の要請を伝える走狗にして組合側に取り込む目的のものがある。
役員が号令し、組合員は職務を離脱して所長席前に陣取り、言うことをきかなければ怒号が飛び交い、吊るし上げる態様のもので、事実上執務妨害だが、拒否、退去・.就業命令はいっさいなく受け容れているのが東京都の管理職のならわしで、闘争期間中の職務命令はしないという慣例によるものと考えられるが、実際に平成12年度千代田営業所長は子供の使いのように本局に組合の要請を伝えに行っていたようだ。要請行動とは組合の考えを受け容れよというものだから、労務命令指揮権や庁舎管理権の発動をさせない含みもあるそれゆえ、闘争シーズンは騒々しく殺気立っていた。
しかし平成16年3月17日公営企業委員会で後藤雄一都議が所属長要請行動の質問したことを契機として、勤務時間内に騒々しく行われていたものが、東岡職員部長通知にもとづき昼休み等に移行させることとなった。
 当局の提案の交渉当事者でない管理職が要請を受ける理由はなく、実質組合の言い分を認めさせるための職制を取り込む儀式であるから、拒否が妥当である。
参照判例 抗議活動、話し合いの強要、執務妨害は懲戒処分の理由になる。神戸税関(全税関神戸支部)事件・最三小判52・2・20民集31巻7号1101頁「組合員Oに対する懲戒処分の抗議行動 神戸税関長官房主事が戒告処分書の交付及び処分説明をしようとしたところ、処分者は「でっち上げだ。」「税関長に会わせろ。」等と大声をあげて処分書等の受取を拒否し、その後、組合員四、五〇名が同室につめかけ、「ばかやろうー、ちんぴら。」などと罵声を浴びせ、あるいは携帯マイクを使用して同様のことをし、他の組合員も机を叩くなどして口々に激しく抗議した。また、室内の壁や入口のドアには「オマエはバカなチンピラだ。」「不当弾圧撤回、首切りを仕事にする‥‥」などと書かれたビラが貼られた。退去要求を無視し、官房主事ららの退出を妨げた。昭和三六年一〇月五日当局の発した前日の警告及び当日の執務命令を無視して、当関本庁舎正面玄関前で勤務時間内にわたつて行なわれた職場集会を積極的に指導し、更に引き続いて当関本庁舎内デモ行進を提案し、これを行なつた。同年一〇月二六日当局の発した前日の警告及び当日の執務命令を無視して、当関本庁舎正面玄関前で勤務時間内にわたつて行なわれた職場集会を積極的に指導した。人員増加要求を貫徹するため、同年一〇月三一日から一一月二日に至る間、当関輸出為替業務担当職員に対し処理件数を低下させるよう提案するなど、輸出事務繁忙期における通関業務の処理を妨げようと企て、これをしようようし、その結果上記業務を妨げた。人員増加要求などを貫徹するため、同年一二月二日全国税関労働組合神戸支部執行部役員とともに、当関輸出関係業務担当職員に、一斉に超過勤務命令徹回願を提出するよう勧しようし、その結果作成された同徹回願を一括して、当関業務及び鑑査両部長にそれぞれ提出し、かつ同日午後一時三〇分から超過勤務に服すべき上記職員約四五名を三階講堂に集結させて、同二時五分頃まで同人らによる通関業務の処理を妨げた。
 上記の行為は国家公務員法第九八条第一項、第五項及び同法第一〇一条第一項並びに人事院規則一四ー一第三項の規定に違反し、国家公務員法第八二条に該当するので同条の規定により懲戒処分として免職する。。
総理府統計局事件・東京地判昭50・12・24判時806、東京高判55・訴務月報26ー9-1594
懲戒免職 統計職組執行委員長 停職四月 統計職組役員2名、月額10/1減給三月 3名 懲戒免職の理由 同職組の代議員会及び合同委員会の決定に基づく職場大会の開催にあたり、これを指導するとともに、ピケツトによる各門からの入門阻止行為の総指揮にあたるなど職場大会の全般にわたり指導的な役割を果したほか、同職組の執行委員会の決定に基づき、賃金カツトに抗議するため、勤務時間中の職場オルグ活動、話合の強要、局長に会わせろ。局長がだめなら、総務課長に会わせろ。」、「今放送した業務命令、退去命令を取り消せ。」、「犬みたいなまねをするな。どういう権限があつて、通さないのだ。」などと大声でどなり、執拗に被告局長に対し、面会を強要し、この間、これに伴う喧騒のため、局長室前の会議室において、開催されていた改正消費者物価指数説明会の運行を妨げた。職制に対する抗議行動をした際にも、指導的かつ積極的な役割を果している。
四国財務局(全財務四国地本)事件・最三小判昭52・12・20民集31巻72号1225頁
全財務四国地本執行委員長は① 10時30分頃から約1時間、組合支部が主催した会合に参加してその職務を妨害した。
② 10時30頃から公務員共闘会議の役員が局長室において局長と会見した際、それに参加してその職務を放棄。局長が退出しようとしたところ、大声で詰問し局長の退出を約七、八分妨害し詰寄る。
③ 勤務時間中の午後3時ごろ、事務室において携帯拡声器を用い、執務中の職員に対し約四、五分間にわたり放送して、職員の執務を妨害した。
④ 組合執行委員会で勤務状況報告書を組合で保管することを決定し、在庁執行委員は手分けして第一次評定者(係長)の席をまわって、説得して収集したが、Xは他の役員数名とともに四人をまわり説得したが、その際経理係長が経理課長に提出しようとした報告を同課長と引っ張り合い、同課長の制止を妨害して、収集した。(組合の保管は約1日程度)
⑤ 中央執行委員長が事務室において執務中の職員三、四分くらい経過報告をした際、これに同行して職務を放棄した。
⑥ 事務室において午後0時30分~午後1時27分頃まで午後4時30分~5時5分頃、約12分間勤務時間に食い込む職場集会が開かれた際、これに参加し、闘争経過報告を行った。
⑦ 勤務時間中の、みだりに職務を放棄し、組合役員約九名とともに、総務課長に対し大声で荒々しく抗議要求し、同課長の勤務を妨害した。①~⑦は国家公務員法101条1項(職務専念義務)及び人事院規則14-1第3項前段(勤務時間中の組合活動に従事し)②の局長退出妨害は国家公務員法99条(信用失墜行為)③⑦の各行為は人事院規則4-1第3項後段(勤務時間中における他の職員の勤務を妨げた)④の行為は国家公務員法98条5項後段、人事院規則14-1第3項後段にそれぞれ違反し、Xの本件各行為は、国家公務員法82条1号2号に該当するとして懲戒免職とした。
(註-昭和37年当時の人事院規則14-1第3項後段は現在の人事院規則17-2第7条2項に相当するものと考えられる)⑨は国家公務員法101条1項(職務専念義務)及び人事院規則14-1第3項前段(勤務時間中の組合活動に従事し)②の局長退出妨害は国家公務員法99条(信用失墜行為)③⑦の各行為は人事院規則4-1第3項後段(勤務時間中における他の職員の勤務を妨げた)④の行為は国家公務員法98条5項後段、人事院規則14-1第3項後段にそれぞれ違反し、Xの本件各行為は、国家公務員法82条1号2号に該当するとして懲戒免職とした。
(註-昭和37年当時の人事院規則14-1第3項後段は現在の人事院規則17-2第7条2項に相当するものと考えられる)
処分 拒否しても強要するならば相応の懲戒処分の対象とする。
(十四)三六協定破棄闘争の対応-不可欠な業務と予め日程に組まれていて委託業者に影響のある業務は違法であっても業務命令する
水道局と過半数組合である全水道東水労の時間外に関する協定(三六協定)では1年おきに更新されるが、第10条で「この協約は、あらかじめ乙が指定する日については、保安のために必要な要員に限定して適用する」という組合が一方的に破棄できる条項があり、令和6年度は、11月15日、12月19.20.21日、1月23日、3月11.12日を指定して超過勤務拒否闘争を実施した。近年では年間10日を超えることはまずないが、毎年恒例であるほか、業務手当闘争のあった平成16年には9日間連続の破棄闘争などがわたりかなりの日数で超勤拒否闘争を行った。
ストライキ時と同様、水の供給、突発事故対応に支障がないようにするため保安要員は適用除外といっても、保安要員を置くことを自体がすでに正常な業務運営ではなく、当局は事実上労働協約で地公労法11条1項違反を容認しているように思える。当局はこのほうが三六協定の現場締結や、短期間で更新するような在り方より安定的と判断しているのかもしれないが、信義則をいつでも破れるという組合のスケジュール闘争を前提とした協定なので問題は当然ある。
 これまでの当局の方針は、組合の主張どおり、三六協定破棄が過半数組合の権利であり、争議行為ではなく適法として、保安要員か組合との事前保安協議で認められた業務を除き、いっさい超過勤務の命令をしてはならないというものである。このため必要な時間外業務は管理職で行うものとされている。
しかし、今後はスケジュールで事前に予定されていた時間外の業務、経常業務で時間外のもの、それを中止すれば委託業者等の実務に工事の日程に支障があるもの等、必要不可欠な時間外の業務は、三六協定未締結でも業務命令する方針に今後は変更するものとする。
組合は労基署に訴えるなど反発が想定できるが、国鉄や旧郵政省で三六協定未締結でも業務命令する場合があり、三六協定未締結で労働基準法違反の時間外労働であっても職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当すると最高裁が判断していることを前提として、労基法違反承知で、経常業務維持の最低限の業務命令を行う方針とする。法秩序全体の見地から労働法が完全優位という組合側の論理にはならないと判断するからである。
 組合は、三六協定未締結の状況で、出勤時限前の労務指揮権が消滅するので、スト参加の説得に応じない非組合員などの出勤時限前の入庁とICカードリーダに出勤入力はできないとの見解を示すことがあり、管理職も同調し、非組合員の締め出しに加担する場合がある。
そもそも、当局は、組合側の争議行為は当局の労務指揮権から離脱するものだから、業務命令を行ってはならないという学説に示したがってストライキに対し就業命令等職務命令はいっさいしないことになっているが、争議中であることを理由として、国公法98条1項の上司の命令に従う義務を免れることはない明示した神戸税関事件.最三小判52.12.20の判例で就業命令が適法であることは確定しているのに、東京都は全く無視している。
ICカードリーダに出勤記録を自ら入力することは,「勤務時間等規程」、「処務規程」、「事務処理要領」などの規程上、職員の基本的な服務上の義務と東京都水道局長(行政処分取消等請求)事件.東京高判平26.2.12労判1096が説示していることかに、三六協定破棄によって、服務上の基本的義務が否定されることはありえないし、それに同調する管理職は就業規則違反の慫慂することであり許されないことである。
 
1 当局は適法としているが昭和32年内閣法制局意見によれば争議行為である
北九州市交通局事件.最一小判昭63.12.8民集42-10-739は、最高裁が初めて地公労法11条1項を合憲とし、同条項違反による懲戒処分を適法とした判例だが、三六協定未締結の超過勤務拒否闘争を争議行為と認定した判例でもある。
岩淵正紀判解は、最高裁は明示しなかったが、内閣法制局意見昭32.9.9法制局一発22号(前田正道編『法制意見百選』766頁従来更新を重ねてきた三六協定の更新拒否が、超過勤務自体の条件改善のためではなく、労使間の他の要求貫徹の手段としてなされるときには、禁止された争議行為にあたるという趣旨)に近似した判断とみなしており、この趣旨から、全水道東水労の三六協定破棄闘争も、争議行為である疑いが極めて濃いとみてよい。
にもかかわらず、東京都水道局職員部の見解は、北九州市交通局事件で三六協定未締結での超勤拒否闘争を争議行為と認定したのは平常ダイヤのバス運行が9勤務、超過勤務が前提のものだからとして、水道局ではバス運転手のように毎日超勤を義務付けている職場はないので、適法とするのである(平成15年に上司を通じて確認した)。
つまり、東京都水道局は、最高裁は三六協定未締結闘争は、市営バス運転手の毎日超勤という特殊な事例について争議行為と判断したが、水道局は違うので争議行為にあたらないとするのである。
しかし水道局の営業所でも経常業務で、超勤はあるし超勤予算もとっている。又、毎日ではなくても配水課などでは夜間作業が頻繁にあり、時間外労働がなければ成り立たない職場であるのに、職員部当局は組合のいいなり。少なくとも北九州市の判決は未締結闘争を争議行為と認定しているのだから、積極的に適法で労務指揮権を掣肘する組合の不当な権利を容認している東京都の労務管理に問題がある。 
三六協定未締結闘争は、昭和20年代から、争議行為が禁止されていても、職制麻痺できる遵法闘争の一つとして、全逓、国労、動労がよく用いた戦術であった。しかし国鉄や郵政当局は東京都のように労務指揮権を放棄していない。
動労の全国7拠点昭和38年12月13日19時より2時間の職場大会(事実上スト)において、三六協定が未締結の状況で動労組合員でもある指導機関士を召集し、出務してこない組合員の代務として乗務を業務命令しているし(動労糸崎駅事件.広島地判尾道支部昭43.2.26.下級裁判所刑事裁判例集10巻2号195頁)、三六協定未締結の状態で1日8時間を超える勤務があったとしても、それによって業務遂行の適法性は否定されていない。旧郵政省では法内超勤は合法との見解をとり、全逓名古屋中郵第二事件.名古屋地判昭39.2.20刑集32-2-139のように状況によっては三六協定未締結でも地方郵政局と協議したうえで時間外労働の業務命令をすることがある。
 三六協定破棄によって、組合のいうように時間外の職制の業務命令権や施設管理権が消滅することはなく、労基法違反の業務命令もありうるということである。組合側が労基法違反として訴えるとしても、法制局意見や最高裁の先例で争議行為の疑いが濃いこと、信義則に反する協定の一方的破棄等、法秩序全体の見地からみて、この状況で使用者側が処罰される結論にはなりにくいと判断するからである。
2 労基法違反の時間外労働でも職務の執行は違法にならないとする先例
 三六協定未締結で労働基準法違反の時間外労働であっても職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当するとしている
水道緊急隊は工務係を除き保安要員とされていて、突発事故の対応はできるから問題ないと当局はいうだろうが、悪質な職制麻痺闘争である以上、いつでも組合が違法争議目的で労務指揮権が掣肘されることを許している職場慣行は、1400万都民と首都中枢のライフラインを支える企業としては無責任な体制といえる。
最高裁は三六協定未締結で国鉄や郵便局が業務命令したケースで、就労を妨害する組合員による、公務執行妨害や業務妨害罪の成立が争点になった事案では以下の判断をとっている。
仙台鉄道管理局(春闘仙台駅)事件.最二小判昭48.5.25は、「労働基準法32条1項は‥‥労働者とその職務執行の相手方その他の第三者との間の法律関係にただちに影響を及ぼすような性質のものではない。‥‥職務執行の権限を付与する性質の部分についての効力にまで消長をきたすべき理由はない」と説示し公務執行妨害罪の成立を認め、動労糸崎駅事件.広島高判昭和48.8.30は労働基準法違反の時間外労働という一審の争点を明示することもなく久留米駅事件方式の「法秩序の全体的見地から」という決まり文句で、名古屋中郵第二事件最二小判昭53.3.3も一審、二審で争点になった三六協定未締結の問題に言及することもなく名古屋中郵判決方式での「法秩序の全体的見地から」、職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当するとし、威力業務妨害罪の成立を認めている。
3 経常業務等の管理職対応はやめ業務命令する
 
かつて国労が、三六協定未締結超勤拒否で仕事を助役に押し付けていやがらせしたように、営業所では全水道東水労役員は三六協定破棄闘争で、管理職に出勤事件前や定時退庁後の経常業務、金庫をあけれて釣銭を準備し窓口のレジを設営して、8時半の開庁時間のスタンバイをさせるいやがらせをする。退庁時には逆に金庫にしまうまで管理職にやらせるのである。管理職の本来業務でない。組合の指図で管理職が経常業務を行うのは正常な業務運営ではないので、今後は業務命令して管理職対応にしないものとする。このほか年間スケジュールでワックスがけの清掃の検査業務とか時間外のものがあるが、これも、管理職対応でなく、業務命令するものとする。
 1日の定時出勤.退庁で労働時間は東京都水道局は7時間45分なので、法内超勤としては15分の余裕があることと、8時間以上越えでも、先に述べた理由で業務命令する。
 違法であってもやむをえざる事情にしぼっての命令なので当局に不利な結論にはならないと思う。 
 
(十五)スト待機-事務室利用拒否、建造物侵入罪で告訴も検討
 全水道東水労は年間3~4回はストライキを配置し闘争する。令和五年度は4回、11月、12月、1月、3月にあった、スト前日は当局の最終回答を受けて、中央委員会が開催され、そこでストライキを回避するか、決行するかの判断がなされるが、早い場合は午後7時、遅いと深夜、未明にまでずれこむことがしばしばある。
 組合はスト前日の夜から当日の朝方にかけて、各事業所に役員を待機させ、指令の組合員への伝達、スト集会準備などをさせることになっている。
 スト前日の夜から当日は三六協定破棄しているので、職員一般は締め出されるが、組合役員はスト待機という任務ゆえ、深夜、未明に事務室内に滞在、ないし出入りをする。
 
 私の杉並営業所では2年前に、次のような事件があった。
令和4年12月22日スト配置日に早朝中央委員会報告があり組合分会長兼中央委員〇〇が演説し、スト回避と三六協定再締結の経緯の説明渋谷営業所の業務移転は押し返すことができず、ただし、葛飾の1名退職派遣増員させる。徴収サイクル問題について、三六協議が日常茶飯事、健康管理を要請、待機廃止の緊急隊移管は、再来年と2月19日に延期で妥結、ただし事務職でできるのか正月以降継続協議、頭上報告は今年は最後協力ありがとうございましたでしめくくる。
 そのあと朝、所長、総括課長代理、営業係の庶務担当者、3者で深刻な話をしていたので何かと思ったら、昨日スト待機でセキュリティに不具合、所長と橋本が1階はいいが2、3、4階で不具合との話をしていた。そのあと、別の組合役員と20分ぐらい〇〇が話、その前に、○○とも話、四時十分、四時三十分と言っていた。そのころ橋本が侵入したのが原因らしい。橋本は警報もならなかったので問題ないと思っていたなどと話していた。
 要するに、橋本がスト待機で、未明の4時すぎに事務所入り、何か操作をセキュリティ破りをしたので機器に不具合が生じた。
 平成21年から5年間在籍していた中野営業所が、スト待機の日は事前に警備会社に連絡して、警報が鳴らないよう措置を指示していた。平成6年11月13日のスト配置前日は総括課長代理が組合中央委員の〇〇に対し、入室の方法を話していた。
当局はスト待機を組合の業務として全面的に支持し、セキュリティ破りも認めているのである。
しかし、スト待機の主要な目的が指令伝達とストが決行された場合のスト準備であり、地公法11条1項違反の違法行為を目的とするものゆえ、目的外使用であり、事務室利用の便宜供与を認めることは違法行為の支援、助長であるから、事務室立ち入り拒否すべきである。パトロールをして現認、退去命令してもよいである。新規則では無許可組合活動は勤務時間外でも禁止しているので対応できるので、スト待機を禁止する。
むろん24時間稼働している部署では深夜でも出入りできるのであるが、警備会社と契約しセキュリティを稼働している部署のセキュリティ破りは建造物侵入罪を成立させるべきである。
地公労法11条1項違それ自体には罰則規定はないが、労組法1条2項の刑事免責が適用されないことは、指導判例である全逓名古屋中郵事件判決.最大判昭52.5.4により明らかなことであり、これは公労法判例だが地公労法違反のストライキを別異に解する理由はない。
全逓名古屋中郵(第二)事件 最二小判昭53.3.3刑集32-2-97香城敏麿判解は、名古屋中郵事件大法廷判決を次のように要約した。
(イ)公労法一七条一項違反の争議行為が罰則の構成要件にあたる場合には、労組法一条二項の適用はなく、他の特段の違法性阻却理由がない限り、刑事法上これを違法とすべきである。
(ロ)但し、右の争議行為が単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであって、公労法一七条一項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けないようなものである場合には、その単純参加者に限り、当該罰則による処罰を阻却される。
(ハ)これに対し、公労法一七条違反の争議行為にあたらず、これに付随して行われた犯罪構成要件該当行為の場合には、その行為が同条項違反の争議行為に際して行われたものである事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきか否かを考察してその違法性阻却事由の有無を判断しなければならい。
名古屋中郵事件の建造物侵入の行為は(ハ)にあたる。「被告人らは、公労法17条1項に違反する争議行為への参加を呼びかけるため、すなわち、それ自体同条項に違反するあおり行為を行うため、立入りを禁止された建造物にあえて立ち入ったものであつて、その目的も、手段も、共に違法というほかないのであるから、右の行為は、結局、法秩序全体の見地からみて許容される余地のないものと解さざるをえない」と結論している
スト待機は、争議行為そのものではないがそれに付随する行為、争議行為目的なので違法性を阻却する余地はないことなる。
ちなみに、建造物侵入罪については、全逓釜石支部大槌郵便局事件.最二小判昭58.4.8刑集37-3-215が、管理者側に有益な先例といえる。「刑法130条前段にいう「侵入シ」とは、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入ることをいうと解すべきであるから、管理権者が予め立入り拒否の意思を積極的に明示していない場合であっても、該建造物の性質、使用目的、管理状況、管理権者の態度、立入りの目的などからみて、現に行われた立入り行為を管理権者が容認していないと合理的に判断されるときは、他に犯罪の成立を阻却すべき事情が認められない以上、同条の罪の成立を免れないというべきである」とする。
このため、私の提案では新規則に勤務時間外であれ無許可組合活動を禁止事項としているので、規則制定と周知だけでも管理者が容認してないと判断できると思う、そのうえに、当局が管理意思をアナウンスする。災害時対応等の緊急の場合を除き、深夜未明のセキュリティがかかった時間帯の事務室の無許可出入りを禁止することを職務命令すべきである。現状では、庁舎管理者がスト待機を知っていながら黙認しているので犯罪が成立しない。
根拠 スト待機の重要な目的が指令の伝達なので違法行為である地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」の恐れがあるという理由だけて、規律ある業務運営態勢を維持する当局の施設管理権にもとづく。または地方自治法238条の4第7項の行政財産の目的外使用により不許可。新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない。
処分 無許可立ち入りを現認したうえ、ストが実行された場合は懲戒処分事由とする。刑事告訴も検討(住居侵入罪)。
(十六)ストライキ準備行為の禁止-撤去命令 
 西部支所ではストライキ決行時に、ビラ貼りのほかICカードリーダを紙でふさぐ工作をし、組合旗の掲出、横断幕が用意された集会を過去みている。平成半ば以前だが、江東営業所や千代田営業所で組合旗のほか立看もあり、ストの準備がなされるが、以下の規則違反として扱う。
 根拠 東京都水道局庁内管理規程違反第五条十等の禁止事項違反。地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」の恐れがあるという理由だけて、規律ある業務運営態勢を維持する当局の施設管理権にもとづく。新規則 55 職員は、庁舎、局施設構内において、許可なく業務外の目的で車両.旗.幟.拡声器.プラカード.横断幕.立看板.テントその他工作物を持込んだり、設置してはならない。又、業務用機器を使用させない作為をしてはならない。業務外の目的で、泊まり込み、座り込み、通行規制、集団行進をしてはならない。
処分 撤去命令に従わなかった場合懲戒処分の対象とする。
 (十七)ピケッティング-中止・解散命令
 過去の経験では庁舎構内のピケッティングは、入庁させないため、ICカードリーダに出勤入力させないための説得、入庁後、多衆で包囲して罵倒などの行為があった。違法行為の慫慂それ自体が地公労法11条1項後段違反であり、多衆による包囲、通行妨害は、新就業規則(5)違反として、中止、退去命令し、監視、写真撮影し、現認検書の上申を義務づける。
 ピケッティングは同盟罷業だけでなく、平成26年2月5日の中野営業所の業務委託拒否闘争では、〇〇本部委員が勤務時間中オルグ演説し、当日の人事課の退職派遣説明会の入場を阻止するピケを張った。そうしたものも中止命令をしていないが、説明会の開催と出席という業務の妨害なので、当局は認めていないが地公労法違反の違法行為である。
ピケが小人数の場合は、地公労法11条1項後段の違反として戒告以上の処分対象とし、物理的に就労を阻止する大量動員ピケがあった場合は、解散命令など管理意思を示し威力業務妨害罪を成立させるようにする。
 なお、組合側がこだわっている。職員全員を欠務させ、スト破りを認めないこと。ICカードリーダに出勤入力することを阻止することは「勤務時間等規程」、「処務規程」、「事務処理要領」などの規程上、職員の基本的な服務上の義務の否定であり、就業妨害とみなす。
 スト当日は三六協定が破棄される慣例だが、(一)(十四)や第Ⅰ部(Ⅵ)三で述べたとおり、最高裁は、三六協定未締結で労働基準法違反の時間外労働であっても職務の執行が違法となるものではなく、刑法234条によって保護される業務に該当するとしている。組合のいう労基法により労務指揮権が消滅するということはないのであって、労基法上違法であっても違法を承知で職務命令ができると考えられる。業務命令してはならないという組合側の理屈に従う必要はない。出勤時限前の出勤入力は規則で服務上の基本的義務なので、管理職が妨害することは許されない。
 また(一)で言及した非組合員はスト対策本部に召集し、組合員の行動の監視等に権限を時間制限なく与えられているので、春闘仙台駅(仙台鉄道管理局)ビラ剥がし事件.最二小判昭48.5.25刑集27-5-1115の判旨に依拠して、三六協定破棄を口実として、組合によって出勤時限前の入庁を阻まれることはないという解釈をとる。
 大量動員ピケッティング物理的に就労を阻止するスクラムが組まれた場合は、威力業務妨害罪の構成要件該当行為となるので、刑事告訴もありうる。
根拠 地公労法11条1項後段の「そそのかし」「あおり」に当たる違法行為。庁内管理規程第五条十三 新規則2 職員は、局が許可した場合のほか、勤務時間中に又は局所施設内で、組合活動を行ってはならない
3 職員は、職場において、他の職員の職務遂行を妨げ、もしくは職務専念を妨げる行為をしてはならない。
 参照判例
 違法争議行為の内部統制権は否定されており、組合員であれストの勧誘.説得に受忍義務はない。 根拠 国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28 全逓横浜中郵前ピケ事件差戻後控訴審.東京高判昭47.10.20(差戻後上告審最一小決昭49.7.4棄却)  動労糸崎駅事件 .広島高判昭48.8.30 (上告審最一小決昭51.4.1棄却)、動労鳥栖駅事件.福岡高判昭49.5.2(上告審-最三小決昭50.11.21判時801号101頁 棄却)、国労東和歌山.和歌山駅事件.大阪高判昭50.9.19(上告審最一小決昭51.4.1棄却)
物理的に就労阻止する実力ピケ、大量動員ピケについて多くの事件で有罪と判決している。
 最高裁は積極的業務妨害を正当な行為として認めていない。争議行為は労務提供拒否という不作為を本質とし、これに随伴する行為も消極的限度にとどまるべきであるとする 根拠 羽幌炭鉱鉄道事件.最大判昭33.5.28、久留米駅事件最大判昭48.4.25 物理的に就労阻害する場合(不法な威力 、業務妨害.マスピケ.占拠.逮捕行為.強制的拉致)てせの有罪判例は、  ホテル.ラクヨー事件最一小判昭和32.4.25暴力行為等処罰ニ関スル法律違反、第二港湾司令部駐留軍横浜事件最二小判昭33.6.20威力業務妨害、 東北電力大谷発電所事件最一小判昭33.12.15威力業務妨害、水利妨害、四国電力財田発電所事件最一小昭33.12.25威力業務妨害、嘉穂砿業事件最一小判昭35.5.26威力業務妨害.暴力行為等処罰ニ関スル法律違反、長万部駅事件.最一小判昭45.7.16建造物侵入、浜松動労事件.最一小判昭45.7.16 威力業務妨害全逓横浜中郵前ピケ事件差戻後上告審最一小決昭49.7.4 公務執行妨害、動労鳥栖駅事件、国労東和歌山駅事件、尼崎駅ピケ事件.最一小判昭52.10.20、春闘松山駅事件.最小二判昭53.3.3、動労南延岡機関事件.最一小判昭53.6.2(物理的に業務遂行を妨害するマスピケ)、動労糸崎駅事件(運転席占拠+マスピケ)、動労尾久駅事件最三小決昭49.7.1(乗務員の強制的拉致+マスピケ)、光文社事件最三小判昭50.5.8(出勤途中の包囲ピケ逮捕行為)山陽電軌(現サンデン交通)事件.最二小決昭53.11.15威力業務妨害
 ピケッティングの指導.実践は地公労法11条1項後段の「唆し」「あおり」なので違法
根拠 北見郵便局懲戒免職事件.札幌高裁昭54.3.29、北九州交通局事件福岡高裁昭55.12.22 
 処分 スト参加を慫慂する言動、ピケッティングの指導.実践は戒告以上の処分を原則とする。物理的に就労を阻止するマスピケがあった場合は威力業務妨害罪で告訴も検討する。刑事事件にしない場合でも処分の量定は重くなる。
(十八)職員一般向けの「服務の示達」の慣行を廃止し、警告兼就業命令書の手交に改める
 一般職員向けの「服務の示達」と、現行の「職員の皆様へ」は、違法行為という文言がなく、事前警告としてはインチキなので、新しい警告書兼職務命令書の交付に切り替る。マイク放送と掲示のほか、文書で手交を義務づける。
 全員手交ができなくとも最低限支部.分会の組合役員には手交を義務づける。職務命令書を突き返したり、一括返還を指図した場合は非違行為として記録したうえ、ストが実行された場合は、懲戒処分事由に追加し、量定の加重を行う場合があるものとする。
東京都水道局職員に対する警告兼就業命令書(案)
                                   東京都水道局長 〇〇〇〇
                                       所属長 〇〇〇〇
全水道東京水道労働組合は、〇月〇日勤務時間職場離脱3割動員集会、〇月〇日に2時間のストライキを予定していますが、上記の行動は、「職員及び組合は、地方公営企業等に対して同盟罷業、怠業その他の業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。また、職員並びに組合の組合員及び役員は、このような禁止された行為を共謀し、唆し、又はあおってはならない」と定めた地方公営企業等の労働関係に関する法律11条1項違反行為であり、法令遵守義務等の服務規律に違反し、東京都水道局庁内管理規程に違反する行為でもあります。
争議行為は集団的組織的行動でありますが、その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものでなく、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者は懲戒責任を免れません(全逓東北地本事件.最三小判昭53.7.18民集32-5-1030)。従って各職員がストライキに参加した場合は関係法令に照らし必要な措置をとらざるをえません。
労働組合は統制権の行使を理由として、かかる違法な争議行為に参加することを強制することは許されず、組合員は上記組合行動の指令に服従すべき義務はなく、これに参加を促がす勧誘、説得を受忍すべき義務はありません(国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28民集29-10-1634、全逓横浜中郵事件差戻後控訴審.東京高判昭47.10.20判時689、動労糸崎駅事件控訴審 .広島高判昭48.8.30判タ300)。
従って、職員各位は出勤時限前にICカードリーダの所定操作によって出勤記録を自ら入力し、定められた時刻より職務を遂行することともに、当該組合行動の時間に職務放棄しないことを命令する。
ICカードリーダの出勤記録を自ら入力することは,「勤務時間等規程」、「処務規程」、「事務処理要領」などの規程上、職員の基本的な服務上の義務でありますので妨害は容認しません。
また争議行為に際して、スト参加の慫慂、庁舎構内での集会、組合旗、横断幕、立て看板等工作物の設置及無許可で旗・のぼり・プラカード・たすき・ゼッケン・はちまき、拡声器等を所持又は着用したままの無断立ち入り、ビラ貼り、ビラ配りを禁止します。
地方公営企業等の労働関係に関する法律11条1項違反の行為については、当局には地方公務員法第29条1項1号、2号、3号、第32条、第33条、第35条の適条により、懲戒処分等に付す権限、もしくは地公労法12条によって解雇する権限があることについて注意を喚起します。
また当該争議行為は違法であり、労組法1条2項は適用されないので、争議行為に際し、ないし付随して積極的な業務遂行妨害、犯罪構成要件該当行為がなされる場合には、違法性が強く推定され、厳正に対処せざるをえないので注意を喚起します。
 この警告書のメリットは、従来組合側の論理に屈従し、ストライキ時に非組合員やストに消極的な組合員に業務命令して操業を維持することをしていなかった方針はあらためることを明確に示したことである。
全員に就業命令を徹底し、法的拘束力などないスト指令からの離反を促す。ストライキ前日は、就労できる職員を申し出させるなど努力により、就業命令に従い出務する職員を多くすることを管理職の責務とする。
参照判例 全運輸近畿陸運支部(大阪陸運局)事件.大阪地判昭54.8.30民集39ー7ー1408は、警告書を職員全員に交付している。全日本国立医療労組事件.最三小判平14.11.26労判840の一審東京地判平11.4.15判時1724によれば職員には掲示だけだが警告書の文面が記載されている。旧郵政省の例では事前に職員に就労意思を確認し就労意思を表明しない職員に業務命令を発出している(昭和48年4月27日(4時間スト)、昭和50年12.8.1(8時間スト)熊本貯金局事件.熊本地判昭63.7.18、労判523、国鉄末期の昭和61年2月15日の千葉動労ストでは、電車の運休を減らす努力として津田沼機関区等が乗務員に対し「私は、昭和 年 月 時 分 私の意思で就労することといたします。ついては、組合のストライキ指令に従うことなく、駅(区、所)長の命令する業務に従事いたします。」との確認書を提出させている(国鉄清算事業団事件.千葉地判平5.3.15)。
警告に加えて事前に職員に職務命令書を交付している例として北九州市の昭和43年10月8日1時間スト(北九州市清掃事業局事件.最二小判昭63.12.9民集42-10-850)、北海道釧路支庁昭和41.10.21、昭43.10.8の事案(北海道釧路支庁事件.札幌高判昭56.2.29労民32-5-231)などがある。
近年では、北教組の平成20年1月20日の1時間ストがあるが、道教委は30分以上職務離脱者全員一律戒告処分としたが、地公労法11条1項が適用される単純労務職員が戒告処分を不当として救済を申立たが、道労委の平成23年6月24日命令書(中労委データベース参照)に「1月29日、 G 養護学校の O 校長は、朝の職員打合せにおいて職員に対してストライキに参加しないよう指導し、所属長訓示を掲示の上、職務命令書を B を含む職員に手交した。」とある。本件は札幌高裁が救済命令取消、最高裁棄却。
(十九)ストライキ当日の集会の中止・解散命令、職場復帰命令の徹底
 私が見聞きしたストの集会場所は、品川営業所は構内駐車場、江東営業所は構内駐車場+庁舎内練り歩くデモ、西部支所は来客用駐車場、中野営業所は構内駐車場で、新宿営業所は事務室内シットダウンストライキに近く、執務場所を40名ほどが占拠する業務妨害罪態様の悪質なものだった。
 管理職はスト集会の中止.解散命令、職場復帰命令、就業命令を行っていない。職員部監察指導課の指示は集会場所と人数を報告することにはなっているが、国の官公庁のようにストライキ決行に際し就業命令等の職務命令をすることは指示していないからである。今後は、就業命令を義務付ける。方法は口頭、携帯マイクのほかプラカード等に職務命令を記載して周知する。その際、反抗する場合も想定しスト対策本部の非組合員を動員して監視、写真撮影、録音などにあたらせてよいものとする。
 旧郵政省や林野庁のスト集会は、庁舎構内ではなく、近隣の集会施設、公園やその他の場所で行われることが多いが、その場合でも管理職は監視し、職場復帰命令を徹底して行っているので、これを努力義務とする。
 また国の官公庁では、ストで指導的な役割を果たした者と率先助勢者は記録し、現認検書を上申することになっている。これまで本部中闘をのぞいて各事業所で勤務する組合役員、組合員は懲戒処分の方針とせず、組合の見解や方針に従っていたが、今後は、現認検書上申を義務づける。具体的には組合旗掲出、工作物、ビラ貼り等スト準備、ピケッティングの指導.実践、スト集会の演説者、頑張ろう三唱の音頭取りのすべて。
 なお、非組合員をスト対策本部として召集するのは、違法行為の取り締まりだけでなく、管理職が職務命令をしているか否かの監視役でもある。義務に反し組合と結託したり、組合に業務管理されてしまった場合は告発をスト対策本部長が受理するものとする。
 就業命令の法的根拠を示す主な判例 神戸税関(全税関神戸支部)事件.最三小判52.2.20民集31-7-1101、全運輸近畿陸運支部(大阪陸運局)事件.大阪地判昭54.8.30民集39ー7ー1408、大阪高判昭57.2.25民集39-7-1478、最二小判昭60.11.8民集39-1-1375、北九州市清掃事業局小倉西清掃事務所事件.福岡地判昭51.7.22民集42-10-940、福岡高判昭57.4.27民集42-10-997、最二小判昭63.12.9民集42-10-880
(二〇) ストライキ時、営業所の必要業務の管理職対応は原則としてやめる
 営業所の必要業務とは窓口対応と、電話対応だが、営業所長ともうひとり管理職が派遣されて対応するのが通例になっているが、令和元年12月10日の新宿営業所の1時間ストでは、そもそも組合がスト決行の貼り紙をしていたので窓口に来所する方は一人もいなかった。また電話もお客様センターから取り次いだ苦情の電話1本しかなかった。これは管理職か組合側かわからないが、営業所では通常8時30分より前は、営業時間は8時半からで、緊急の要件はお客様センターへ電話をおかけくださいといったアナウンスが流れ、電話がかかってこないことになるが、留守電は8時半に解除にするが、留守電を解除していなかったのかもしれない。ストにより実質お客様センターに負担がかかっている在り方である。
 管理職対応は当局の方針だが組合の意向を受け容れている、本来は、非組合員やスト反対の組合員に業務命令し出務させ、操業を維持すべきだが、組合がスト完全防衛のため非組合員や組合員に業務命令して操業を一部でも維持することを認めない方針なので管理職対応としており、ストに対抗した業務命令を認めないと方針自体が正常な業務運営ではなく、今後は要員を確保すべく業務命令し、管理職対応はやむをえざる場合に限定するものとする。
(二一)非組合員の出勤時限前の入庁を締め出し「事故欠勤」とする方針を廃止する
1 職員の就労する権利と法令遵守義務を否定する東京都の管理職の悪質さ
 この問題詳細は、「第Ⅰ部のⅤ-二-(八) 非組合員の就労する権利を侵害する管理職の行為について」のとおりであるが、基本的に東京都では1960年代の価値観であるピケットラインを尊重するのが労働者階級の倫理的義務だというような左翼思想にもとづき、非組合員は組合役員にスト協力の説得に応じ、ピケットラインを越えないとべきであるという指導を職員にする。実態として、東京都水道局では私の知る限りでは、組合員は全員近くストに参加し、非組合員も組合の説得に応じ、就労せず、庁舎構内の片隅で待機していることほとんどであり、ストに協力せず破っているのは自分以外ほとんど知らないのである。非組合員の事故欠勤も含めて事実上同盟罷業の参加率が非常に高く、全水道東水労は令和元年77.2%と組織率は高いとはいえ(少数組合の自治労連東水労1.1%)なので非組合員もそこそこいるが、ほとんどすべてと言ってよいほど職員は職務から離脱する。私企業のユニオンショップのストのような状況になっている。
 
東京都ではスト決行時に、職務離脱者がほとんどすべてになってしまうのは、東京都は違法争議行為を組合の正当業務と事実上認め、争議中の操業(業務運営)は、争議権との対抗の中では権利性を失なうという最高裁が否定しているプロレイバー学説に従って、管理職は非組合員やスト反対の組合員に業務命令して操業を維持することがあってはならないという組合の方針に屈従しているからである。
東京都では最高裁が否定するプロレイバー学説に従うのが絶対的価値になっていて、組合との力関係で、東京都の管理職は就業命令を絶対やらないことになっている。
 しかしこれは異常なことである。国労でも、動労でも、全逓でもストライキの際、組合の指令でなく当局の業務命令に従っている職員は少なからずいる。
東京都では職員全般に対し、違法行為として事前警告をしていないこと。就業命令していないことと、平成22年.26年、令和元年、過去3回の同盟罷業は26名ほど支部長が訓告とされているが、履歴に載るだけで、これは懲戒処分ではない。各事業所の組合役員は懲戒処分のおそれなく違法行為が慫慂でき、組合活動で絶対不利益賦課させないという組合の方針に従っているためである。
さらに非組合員には事故欠勤にするというストに協力する運用があって、職員は組合の説得に応じやすい環境にあるためである。
ちなみに、昭和44年11月13日の北九州市の市労、市職及び市職労1時間30分時限スト(実際は早く終了)の参加者 門司区880名中330名(38%)、小倉区1760名中500名(28%)、八幡区1710名中340名(20%)で、就業命令書を交付したり、懲戒処分も厳正に対処している自治体ではスト参加率は決して高くないのである。
 
組合は非組合員に対し出勤簿(現在はICカードリーダ)を押すことは許されないと言ってくるが、管理職も全く同じで、平成7~8年頃の江東営業所は東一副支所長が非組合員は、入庁せず出勤簿を押さす構内屋外で待機せよと命じている。私はそれに逆らって就労したので管理職から非違行為扱いにされたわけである。
平成21年ストはなかったのだが、私が中野営業所長にストが決行されても就労すると申し出たところ、所長はまず組合分会役員と相談し、職員部と連絡をとったうえ、中野営業所○○はが私に指図したことは、まず出勤時限の8時30分以前の入庁を認めない。従ってICカードリーダの操作により出勤入力(IDカードを通すか、職員番号をテンキーで入力する)をしてはならない。事故欠勤にすると強い口調でいい。事実上の出勤停止命令である。
事故欠勤というのは就労実態がなくても賃金を受け取れる制度で、反発すると、○○は賃金を出すと言っているのに従わないのは非常識だとなじってきた。
むろん、職員は上司の職務上の命令に従う義務があり、それが組合との共謀で不当なものであろうと、各職員に審査権はないので本来は従うべきだが、就労せずに詐欺的に賃金を受け取る汚いことはやりたくないし、職員は非組合員であれ組合員であれ就労の権利と義務(法令遵守義務.職務専念義務.信用失墜避止義務)がある。水道局長が形式的とはいうえ服務規律の確保と指示している以上、職権を逸脱している、服務の基本的義務である就業規則をやぶり、違法行為することはできない。
この争議行為対応は違法性が顕著なので、その理由を以下述べる。
2 非組合員の就労する権利の否定は違法
非組合員の就労権の行政解釈は「労働組合の統制力は、原則として労働組合の組合員以外には及ばないから、‥‥正当な就労を妨げることはできない。なお、労働協約等において代替要員雇入禁止の条項が規定されていない限り使用者が争議中必要な業務維持のための代替要員を雇い入れ、その業務を続けることは、労働組合の争議行為に対する使用者の対抗手段であって、そのことが妥当かどうかについては状況によって異なるが、それ自体は違法とはいえない」(昭和29年11月6日労働省発労第41号各都道府県知事あて労働事務次官通牒。)である。
非組合員と統制権が及ばない組合員(脱退した組合員、争議に反対する第二組合員、組合執行部が争議中止を決定したが執行部に反対する争議続行派が就業派、臨時雇用者)に対する物理力を行使して就業を阻止するピケットについて、最高裁は、特殊な事情や可罰的違法論の適用により無罪とした例外的二例を除きすべて有罪の判断を下しているので、非組合員は、当然就労権を主張できると結論する。以下はいずれも争議行為が合法である私企業等の判例である。
例えばホテル.ラクヨー事件最判昭32.4.25刑集11-4-1431(就労しようとする非組合員に体当たりするピケ)、羽幌炭礦鉄道事件最大判昭33.5.28刑集12-8-8-1694(争議続行決議に反対して脱退した組合員が結成した第二組合に加わった労働者+非組合員に対する実力ピケ)、進駐軍横浜事件最判昭33.6.23.刑集12-10-2250(非組合員+争議に加わらなかった組合員に対する実力ピケ)。東北電力大谷電所事件最判昭33.12.25刑集12-16-1255(臨時雇用の非組合員に対するピケ)、嘉穂砿業事件最判昭35.5.26刑集14-7-868(嘉穂労組執行部は上部団体の炭労の指導による争議の中止と炭労からの脱退も決定したが、上部団体支持の争議続行派が、就労派砿員+争議に加わってない職員に対してピケットを行った例)が挙げられる。
上記の判例は使用者が、ストライキ中であっても、非組合員、反対派ないし脱落組合員、第二組合員、臨時雇用者を使って操業する自由を是認するものでもある。
また、下級審判例においては、非組合員の就労権と組合員の争議権は対等であり、非組合員の就労権を明示するものがある。
例えば横浜第二港湾司令部駐留軍要員労組事件.東京高裁判昭33.3.31『別冊労働法律旬報』№204.1955であるが
「労働組合は、その所属構成員に対してのみ、労働力のコントロールを加えうるものであって、構成員以外にまでこれを強制しえないことは、労働法上の基本理論であるから労働組合が組合員の労働力を統制してストライキを継続することが、当然の権利行使であると同時に、非組合員が右ストライキに同調しないで就業することも、また当然の権利行使であり、右の争議権と就業権とは対等の立場に立ち、互いに並行する関係にあるものと解すべき‥‥非組合員らは、いずれも自己の自由意思によって‥‥労働組合に加入せず、原判示ストライキにも参加しなかったものである上に、就労しようとしたのは、ストライキに同調して就労しないでおれば、その間賃金による収入が中絶するばかりでなく、職場を馘首されるおそれがあったため、‥‥非組合員ら就労しようとしたことは、正当な権利の行使というべきであり、従って、かかる権利の行使に対しては、ストライキ参加者において、これを積極的に妨害することは許されないものといわなければならない。‥‥」
 しかし東京都では争議行為が違法であっても非組合員の就労を認めないことで違法である。
3 組合の統制を受けないで就労する権利の否定は違法
 争議行為が禁止されている公務員の職場においては、組合のストライキ決議や指令は統制権により組合員を拘束しない。違法争議行為に内部統制権はなく、組合のストの勧誘、説得を受忍する義務がないということは、いずれも公労法17条1項の事案で、いずれも、刑事免責を認め争議行為に好意的な中郵判決が判例を維持していた時期だが昭和47年から下記7判例がある。
 東京都の管理職が就業命令等をやらない別の理由として、違法ストライキであっても団結統制権で、組合の決議で、組合員を争議行為参加に拘束できるという考え方を事実上受けいれているという問題がある。
全水道東水労スト権一票投票は、毎年11月初め頃に、11月半ばの都労連闘争と、12月の局内合理化闘争、2月末に3月の春闘につき行われる。高率で批准されるのが通例である。ちなみに令和6年は10月31日にスト権一票投票がなされ、92.77%で批准した。
投票用紙の裏面は、ストライキが批准されたら、団結して本部指令に従って行動しますと言う趣旨の文言がある。
組合側の主張は、団結統制権により組合員をストライキ態勢から離脱しないよう拘束している。組合役員のスト指導は、指令にしたがって組織の義務として行っているもので、個別責任は問われないというものだが、当局は鵜呑みにして、事実上闘争期間組合の支配下にある各職員に業務命令はできないものとしている。
しかし私企業のユニオンショップとは違って、争議行為は違法なので、組合員でも本部指令に服従する義務はない。
〇国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28民集29-10-1634は組合の統制権について理論的に説示し「公労法に違反して行われる争議行為とこれに対する組合員の協力義務関係について考察する。同法違反の争議行為に対する直接の効力(争議行為の参加)については、これを組合員に強制することはできないと解すべきである。禁止違反の争議行為の実行に対して刑罰や解雇等の不利益な法的効果が結びつけられている場合に、その不利益を受忍すべきことを強いるのが不当であることはいうまでもなく、また、右のような不利益を受ける可能性がない場合でも、法律は公共の利益のために争議行為を禁止しているのであるから、組合員が一市民として法律の尊重遵守の立場をとることは是認されるべきであり、多数決によって違法行為の実行を強制されるいわれはない。‥‥」
これだけでなく争議行為にも刑事免責を認めた中郵判決が維持されていた時期に、争議行為に可罰的違法なしとしながら、三公社五現業に適用される公労法17条1項違反の争議行為については、組合員であれ、争議行為の勧誘、説得を受忍する義務はなく、違法争議行為参加を団結統制権により拘束されないとしており、そもそも統制権の及ばない非組合員も同じことである。
●全逓横浜中郵前ピケ事件差戻後控訴審.東京高判昭47.10.20(差戻後上告審最一小決昭49.7.4棄却) 
全逓の2時間の同盟罷業それ自体は中郵判決に従って可罰的違法性なしとしながら、全逓の要請で神奈川地評が動員したスト支援者の約200名のマスピケは争議行為に付随する行為として別個の法的評価をとり、機動隊に暴力をふるった2名の公務執行妨害罪の成立を認め以下のとおり説示している。
「公共企業体等の職員および組合は公労法一七条一項により争議行為を禁止されているのであるから、組合自身も組合員もこれを行なつてはならない義務を負っているこというまでもない。それゆえ、組合としては組合員に対して同盟罷業への参加を強制することのできない筋合いのものであり、これを組合員の側からいえば、各組合員は、法に従うべきであるという建て前からも、また自らが解雇等の民事責任を負わないためにも、組合の指令にもかかわらず、同盟罷業に参加することなく就業する義務を負うとともに権利を有するものである。‥‥公共企業体等の組合がたとえ同盟罷業の決議をしても、その決議は違法であって民間企業の組合の場合のように組合員に対し法的拘束力をもつものではなく、組合員としてはその決議に従わずに就業しても、特段の事由のないかぎり組合の統制に対する違反ないしはいわゆる裏切りの問題は生じない‥‥同支部所属の各組合員が原判示当日出勤就業しようとしたことも正当な行為であって、組合側としてその入局を実力を用いてまで阻止することを正当ならしめる特段の事情があったものとは認められない。」
●動労糸崎駅事件 .広島高判昭48.8.30判タ300 (上告審最一小決昭51.4.1棄却)●国労岡山操車場駅.糸崎駅事件.広島高判昭48.9.13 ●国労尼崎駅事件.大阪高判49.4.24判時734号40頁   (上告審-最一小判昭52.10.20 刑事裁判資料230号812頁 棄却)● 動労鳥栖駅事件.福岡高判昭49.5.25判時770号113頁(上告審-最三小決昭50.11.21判時801号101頁 棄却)● 国労東和歌山.和歌山駅事件.大阪高判昭50.9.19
「国労が企てた本件ストライキが違法なものであることは明らかであり、組合がストライキの決議をしたとしても、組合員に対してストライキへの参加を求めることは組合の統制権を理由としても違法であることに変りはなく、組合員は組合の要請に従ってストライキに参加すべき義務はなく、就労の意思をもつて出務している場合においては、その受忍義務のないことは一層明白であって、まして組合は、非組合員に対してストライキへの参加を強制すべき権能を有するものではない」
 上記は公労法の判例だが、地公労法を別異に解釈する理由はない。したがって、組合員にも就労の権利が、東京都は統制権がないのに、警告と就業命令をあえてやらないことにより統制権を認めるようにアシストしていることで違法性が強い。
4 地公労法11条2項違反の疑い
 私企業で作業所を閉鎖して労働者の就業を拒み、労働者側の自主管理運営を阻止することをロックアウトという。これは11条2項で禁止されている。
 しかし、水道局の管理職は、就労したい職員を締め出して出勤入力をさせない。就労も認めない方針なので、ストライキに対抗するロックアウトとは性格が違い、スト完全防衛をアシストする目的だが、この条項違反の疑いがある。
 この点は、事故欠勤にするので就労せずとも賃金を支払いっているので、ロックアウトに値しないという反論が想定できるが、事故欠勤は就労実態なく賃金を受けとる詐欺的な不正会計であるから、8時29分まで入庁して出勤入力させないという。ストライキに反対の職員に対する措置は、作業所閉鎖に准じた措置として違法性がある
4 「勤務時間等規程」「処務規程」「事務処理要領」違反の強要は職権を逸脱で違法性が強いのでやめる
 東京都水道局出勤記録修正懲戒処分事件.東京高判平26.2.12労判1096は、水道局の管理職が72回につき出勤時限に遅れた上、そのうち71回につき部下に指示して出勤記録を修正させたとして停職三月という重い処分を適法とした事案であるが、「東京都水道局においては,所定操作によって出勤記録を自ら入力することは,『勤務時間等規程』『処務規程』『事務処理要領』などの規程上、職員の基本的な服務上の義務であり」と説示している。
 水道局長は形式的に服務規律の確保を示達している。しかし東京都水道局の管理職は、ストライキ時は、規程に反し基本的な服務上の義務をなすことは許さないとするのである。示達に反しているのではないか。
 これは地方公務員法第32条 「職員は、その職務を遂行するに当って、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い‥‥」の服務上の基本的義務を否定することになり、違法性が強い。
 現場の管理職に服務上の基本的義務を否定する権限はない。職権を逸脱した行為である。
 しかもその目的が地公労法違反のストライキを防衛する違法目的なので余計に悪質である。
5 ストライキ時の非組合員の事故欠勤は不正会計で、違法性が強い
 
事故欠勤とは水道局処務規程55条の「交通機関の事故等の不可抗力の原因により勤務できないときは、その旨を速やかに連絡」すれば遅延証明を根拠として、遅刻しても賃金カットされず、実質出勤扱いにする制度であるが「交通機関の事故等の不可抗力の原因」とストライキは違う。非組合員であれ組合員であれ、組合に職場離脱を慫慂されたとしても、それは地公労法違反の違法行為であるから、説得を受忍する義務はないことは既に述べたとおりである。
私は江東営業所で複数の組合員が取り囲む、包囲型ピケッティングで罵声を浴びせられることはあれ、腕を抱えられたり、逮捕行為をされたことはなく、スクラムを組むようなマスピケはない。
しかし「ピケットラインの尊重」は労働組合主義の左翼思想にすぎず、ストに参加しない権利の方が正当なので不可抗力ではない。組合側も逮捕行為や強制連行、物理的に通行を阻止するマスピケか威力業務妨害罪となるのである。昭和48年久留米駅事件以降、犯罪該当構成要件行為に可罰的違法性論は適用されなくなったので、不可抗力はありえないのである。
ノーワーク.ノーペイの原則からして就労していない職員に賃金を支払う必要はない。不正会計であると同時に、ストに参加している組合員は、賃金カットし、その補償は、組合の闘争資金から出される。しかし非組合員には補償できないので当局にその肩代わりをさせているとみるほかない。この慣行は同盟罷業の慫慂と同じことでありやめるべきである。
仮に事故欠勤を認めるとしても、威力業務妨害罪、逮捕罪の犯罪構成要件該当行為があった場合に限定し、刑事告発もしくは、懲戒処分との見合いですべきである。
処分 ストライキ時の勤務実態なく事故欠勤した者は申請した者も、承認した管理職も原則として懲戒処分の対象とする。ストライキ時、出勤入力をするなとか、ピケットラインを越えるなといった指示を非組合員等に行った管理職も同じである。
(十九)積極的業務妨害・外形上犯罪構成要件該当行為は許容しない 
地方公営企業において単純不作為の職場離脱(ウォークアウト)も違法行為であるが、全水道東水労のストは争議権のある私企業のストでも免責されない積極的な業務妨害を行う点でより悪質であり、当局はそれを許容し犯罪を助長することに邁進している。
既に威力教務妨害罪は時効であるが、令和元年12月20日の1時間ストで、新宿営業所では事務室の検針担当執務エリアを40人程度で占拠して集会する態様で、物理的に業務遂行を不可能にするシットダウンストライキである。また水道局ネットワークシステムを起動するためのセキュリティIDカードをストの時間帯隠匿される業務阻害があった。これには組合役員でない当時○○○○収納担当課長代理及び当時収納担当の森静江が関与している疑いが強く、外形上業務妨害罪の構成要件該当行為である。
ところが○○所長は(現サービス推進部業務課長.本庁要職)、積極的業務妨害を全面容認し、中止.解散.就労命令は一切やらない。スト指導者といえる集会の演説者、○○○○、○○茂雄、○○○○(支部.分会役員いずれも現杉並営業所勤務)について現認検書の上申しないと言っていた。そればかりか○○所長は、ピケッティングに立って私を出ていけと恫喝し、集会でも演説してストを指導した○○茂雄を主任に昇進させている。違法行為を指導して処分されないどころか昇進するのが東京都の倣いである。
犯罪構成要件該当行為の是認は当然という認識のようであるが、それは刑事免責を肯定した中郵判決が判例を維持していた昭和40年代の考え方で、先例は、刑事免責を否定した名古屋中郵判決方式の判断枠組になるから、違法性が阻却されることはありえない。
職員部から就労命令等の指示はないため、職員部の指示どおり動き、犯罪構成要件該当行為容認がコンプライアンスとなっている。管理意思を示すことを義務づけ犯罪を成立させるべき。
処分 新宿営業所の態様は威力業務妨害罪の犯罪構成要件該当行為なので、刑事告訴か指導者の懲戒処分は加重されてしかるべき。
(二十)昼当番拒否闘争の協力は拒否し就業命令する
東京都水道局営業所では、昼休みに窓口と電話では2名、大きな営業所では3名、昼当番といって、休憩時間を午後1時以降にずらして、所長の命令により勤務する。月に1~2回は当番をすることになるが、平成23年10月31日~2日と4日昼休み当番拒否闘争がなされた。労働協約で休憩時間を午後1時以降にずらして業務命令できることになっているので、事実上組合による労務管理、労務指揮権の奪取だが、水道局は闘争、争議行為を認める方針で一貫している。
代務として管理職を動員して対応している。昼当番拒否者は、不完全就労であるが○○所長から直接賃金カットしていないと聴いた。
足立営業所の監理団体業務移転の提案に反発して突発的にスト権一票投票もやってないのに、突然分会委員長が当局の提案に反対するため2名配置の昼休み当番を引き上げ、電話と窓口を管理職対応とすると宣言。組合役員が管理職に指図して仕事をさせるいやがらせである。当番の職員の代務者に組合役員となり、管理職に仕事を押し付けるが後ろにみえないところで控えていて、経常業務に不慣れな管理職に質問があったら、こう端末を操作するとか、回答するとか、指図する役となる。中野では昼当番は窓口のレジと電話と2人体制であるので、営業所長(後に監察指導課長、労務課長の○○○○)と、もう1名は西部支所配水課もしくは給水課管理職が応援体制であたっていた。
正常な業務運営ではなく、地公労法11条1項違反だが、当局は争議行為と認定していない。
この闘争はその前は10年前くらいで、めったにやらないが、唯々諾々と管理職が組合役員の指揮下におかれる必要はないので拒否、業務命令し、従わない場合は戒告以上の処分が妥当である。
(二十一)組合役員による労務指揮権の奪取による、業務妨害、業務管理は拒否
 
平成26年1月28日~2月下旬に当局は争議行為と認めていてないが、中野営業所監理団体への業務移転拒否闘争があった。1月24日スト後も争議行為は続行し、中野営業所では業務移転業務拒否闘争で徹底抗戦、実力で4月から7月に移転時期を延期させている。2月20日停職中の本部書記長渡邉洋が勝手に侵入しオルグ活動をしたり、これに先立ち1月29日本部委員の今井博之が勤務時間中のオルグのほか職員部人事課の監理団体派遣説明会の前でピケを張り業務を妨害した。
○○所長は外来者の本部委員の勤務時間内オルグ、退去命令できず、人事課説明会ピケ容認、組合の移転準備の業務命令をさせない工作により、管理職は職務命令を凍結して闘争に加担している。
○○分会書記長は、課長補佐(営業係長)に対し、移転業務のため固定資産.備品の帳簿の現品確認に来た本庁サービス推進部の職員を追い返せと指図した。組合に協力しないとまずいことになりますよと恫喝し、本庁職員は追い返された。さらに○○は○○所長に業務命令の凍結を強要する、組合が労務指揮権を奪う、業務管理態様の争議行為といえる。
違法争議行為とは同盟罷業だけではない。本庁から固定資産.備品の帳簿と現品の照合という業務で出張してきた職員を追い返しのだから重大な業務妨害なのである。
北九州市交通局事件.最一小判昭63.12.8民集42-10-7民間ディーラー整備員の入構拒否を争議行為と認定したようにまさに争議行為である。
最終的には組合はしかも組合は移転に協力させるためにはサービス推進部担当者に謝罪の文書と、実際に中野営業所にきて頭を下げるよう強要もしている。業務移転は7月移転で決着することとなった。実力で3か月移転を遅らせたことを組合は誇っている。
管理職の業務命令ができないというガバナンス問題は全く解決されていない。所長の○○に質問したところ、非経常業務は組合と事前協議することになっており、協議が不調なので業務命令はしないとの趣旨を言っていたが、言い訳としては苦しい。
事前協議の対象であるとしても、それは数か月前から再三やってきたことで、決裂後の対応としては業務命令するしかないはずだし、それはサービス推進部から指示されているはず。
組合員である課長補佐の指示に従えとのことだったが、上級部署の指示に従うのがコンプライアンスであるから、組合に屈服してしまうのは問題がある。
本庁業務課では管理職が業務命令できると思っているのかもしれないが、それが通用するのは本庁部局内部のみと思われる。出先の各事業所では、普段から経常業務以外は事前協議で管理職は組合役員にお伺いする立場で、争議行為は労務指揮権.施設管理権凍結が通例なので、上級部署の指示は止まってしまうことがあるのである。
以上述べた○○分会書記長の行為は、地公労法11条1項違反行為であり悪質である。
今後も全水道東水労は中野営業所のような徹底抗戦をやる可能性もありうるので組合の恫喝により労務指揮権を当凍結しないよう、ガバナンスを徹底する必要があり、このような場合、特別査察チームを派遣して、組合に業務管理されないよう万全の体制をしくべきである。
本部中闘以外懲戒処分にしない方針から、本部委員や分会役員はなにをやっても責任は問われないという職場の慣行というものが、非常に大きな悪影響を及ぼしている。
(二十二)同盟罷業の懲戒処分の在り方を改める。
(懲戒処分の在り方の是正  安心して違法行為ができる職場を改革すべき)
全水道東水労の過去3回の同盟罷業の懲戒処分等は以下のとおりである。
★平成22年12月10日 1時間スト
同盟罷業私の記録では23年2月3日付発令処分は全水道東水労本部中央闘争委員会5名(下水道局職員含)の最大16日間の停職処分[1時間ストライキと17日の勤務時間執務室内職場集会を理由とする]と各支部長に対する訓告これは前例がなく初めてだが、懲戒処分でなく人事記録に載るだけなので痛くない。スト集会参加の組合員は賃金カット(組合が補償する)
★平成26年1月24日 1時間スト  同盟罷業 争議行為が続行(中野営業所業務移転拒否闘争)しているにもかかわらず処分は26年2月5日発令と異様に早く猪瀬氏辞任に伴う都知事選告示の翌日、私の記録では全水道東水労は、本部中闘停職18日2人、停職16日1人、停職7日1人、ほかに下水道局2人、支部長28人に対する訓告処分。スト集会参加の組合員は賃金カット
★令和元年12月20日 1時間スト
同盟罷業 令和2年2月6日発令の全水道東水労の処分は、本部中闘停職13日1人、停職10日1人、停職7日1人もう一人停職3日は未確認と支部長26名の訓告処分。スト集会組合員は賃金カット
東京都は懲戒処分の対象は組合の機関責任のみを問う形式で、水道局の全水道東水労の場合、本部中央闘争委員のみにしぼっており、実際に各事業所でストを指導している本部委員.支部.分会役員等が懲戒処分に付されることはない。各事業所の組合員は組合活動で不利益賦課させないという組合の方針に従った対応になっているので、安心して違法行為の慫慂「あおり」「そそのかし」という違法行為ができる職場となっている。安心して違法行為ができるのである。
これは、争議行為は違法であっても団体たる労働組合の行為としての、本来個別労働関係の主体としての地位をはなれた行為であるから、指令に従って組織の義務としてストを指導している個々の組合役員は責任を問われないとするプロレイバー学説を当局が呑んでいるためだが、この組合側の主張は、全逓東北地本懲戒免職事件.最三小判昭53.7.18民集32-5-1030「労働者の争議行為は集団的行動であるが、その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえないことも、多言を要しない」と判示したことであり、最高裁が明示的に否定しているので、東京都の懲戒処分方針は左翼体質で異常である。
各事業所でスト集会の実行行為者、ストに指導的役割を果たした場合は、本部委員、統制委員、支部.分会役員のほか、無役の組合員、管理職においても率先助勢した場合は、戒告以上の処分の対象とする方針に改めるべきである。
私案は事業所スト集会毎の指導者につき最低一人は戒告にする。悪質な場合は複数以上の処分で量定も加重する。
また、年間3~4回恒常的に行われている3割動員勤務時間内職場集会であるが、当局も争議行為と認めているので賃金カットだけはする(組合が補償するのが通例)。争議行為と認定しているのは、佐教組懲戒処分事件.最一小判昭63.1.21が3割.3割.4割休暇闘争を争議行為としているためだろうが、動員1回につき3時間程度の欠務であるから、年間9時間ぐらい動員に行っている組合員はざらにいる。ベテランの組合員ではスト参加も含め累計100時間以上欠務している人も沢山いるはずである。例えば3年間で15時間の欠務といった基準で戒告等処分対象とすべきである。
(二十三)庁内管理規程で禁止の保険勧誘行為が認められている問題
とにかく、水道局の庁舎管理は私的利用が暗黙のうちに認められたりおかしなことが多い。業務移転の前、平成25年以前中野営業所で一番威張っていたのは委託業務の日常清掃員の〇〇で、清掃委託業者はしょっちゅう変わっているのに組合役員経由で元請にたのみこんで20年以上雇用され居ついていた。20年いるわけだから、何がどこにあるとか一番よく知っているわけです。個室が与えられ、物置の半分以上野菜だの私物が持ちこまれ、自宅の物置のように勝手に使って、行政財産の目的外使用、私的利用は当然になっていた。高齢者人材センターとかけもちで、個室は待機する時間に休憩するため使っている。時間と仕事の内容は自分が決めるんだと言っていた、一番待遇がいいんです。私は清掃の検査業務もしていたので仕様書に書かれているとおり仕事しろと言っても、言うことを全然きかないし、監督業務をしている職員を見下すんですよ。所長席の机を毎朝雑巾で拭くんだけれども、それは契約にはない仕事で、所長に媚びるために余計なサービスをしている。庁舎管理にルーズなところを外部の人間にも利用されているんです。
水道局庁内管理規程で、保険勧誘行為は第五条で禁止されている。但し庁内管理者が特別の事情があり、かつ、公務の円滑な遂行を妨げるおそれがないと認めて許可した場合は、当該許可に係る行為をすることができるとしており、禁止事項解除ができるので、庁舎管理者の意向しだいで、禁止事項でも容認できるルーズなものとなっている。
そもそも禁止事項で積極的に認める理由がないもの認めてしまっているのはコンプライアンスに反する。
私は昭和59年水道局には多摩ニュータウン水道事務所に勤務していたが、昼休みには保険勧誘員が所内に入って営業活動をするのが常であった。ちらしやアメが配られていた。他の事業所も、保険勧誘員に地域の情報を聞けて昔はよかったとか、保険勧誘員に縁談を世話してもらった人もいるというような話を仄聞するので、相当入り込んでいた状態と考えられる。
しかし、個人情報保護との関連で、執務室内には入れないようしたが、現在の職場では、エントランスや廊下までは立入ることができ、休憩時間の勧誘活動を認めている。あくまで外来者には勧誘せず職員だけ。昼休みだけということ認めているということだが、庁内管理規程で禁止である以上、局の公式の方針は禁止である。行政財産の目的外使用(地方自治法238条の4第7項)許可の申請もなく口頭でほいほい容認するような事案ではない。
むろん営業所には料金その他の窓口もあるので一般住民も出入りするが、あくまでも、所轄業務になんらかの所用がある業者や住民の一時滞留であって、その他の営業活動のため無許可で立ち入らせる必要はない。
 公民館や公園のように住民に開かれた施設ではないので目的外使用を不許可として当然よいのである。
禁止されているのに認める必要はないと前から管理職には苦情を言っているが、当然のように勧誘を認めているのはおかしい。ルーズな庁舎管理になっているのは庁舎管理権の発動がタブーという職場風土にあるのではないかと考えている。
執務室内に入れないのは効率の悪い営業活動と思えるが、オフィスビルのセキュリティが厳しくなったこともあり、庁舎管理がゆるいことで知られているためか水道局には少なくとも4社が営業活動を行っている実態がある。私に声をかけてきた勧誘員はワンノートに記録してあるが、明治安田生命、第一生命、住友生命、日本生命である。
しかし、庁内管理規程で保険勧誘は禁止事項であるので認める必要は全くないのに、私が平成24年ころ中野営業所でも、課長補佐が執務室内に入らなければ、エントランス廊下での勧誘活動を認めたので、抗議したところ本庁で認めていいんだとのこと。西部支所長にも抗議した。目的外使用許可の問題も言ってあるが、とにかく管理者は認めたいということのようだ。私は間違って料金を払いにきたお客様に保険を勧誘しないかひやひやしている。
苦情はないというかもしれませんが、わざわざ支払いにきて、保険の勧誘を受けたらなんで勝手に出入りさせているんだと怒る人がいると思いますよ。
わたしの職場ではかなりの頻度で昼休みに勧誘員がエントランス、エレベータ付近とそこから25メートルほど廊下に入ったシュレッダーのある場所などに立って、職員に声をかけるような形で勧誘活動がなされる。
複数社が競合する場合も多い。
 平成22年~23年の記録の一部
11 月15日  勧誘員二人確認、新人が捕っていた。
11月25日 勧誘員一人
11月26日 勧誘一人
11月30 日 11時50分頃勧誘員一人
12月8日  カードリーダ前に一人いて営業活動商品説明をしていた。
12月9日  正午、勧誘員から挨拶される
12月10日 勧誘員と女子職員が話している。
12月17日 きょうも勧誘員 女子職員と話。
 12月20日 勧誘員二人
12月23日 きょうも勧誘員二人
1 月11日  正午前に勧誘
1月20日  一人勧誘員
1 月27日 昼休み勧誘員二人、第一生命の今森ですと言いしつこく、2回声をかけられたのでうるさいと言ってやった。トイレに行って声をかけられ、キャップを洗いにいってまただ。
1 月31 日 午前エレベータ近く一人勧誘員に声をかけられた。
2 月8 日 奥に1人、エレベータ前に1人、それぞれ職員を捕まえていた。
2 月18日  エレベータ前二人12時45分
  平成24年頃の中野営業所では組合掲示板で、中央労働金庫の営業活動が予告され、打ち合わせスペースなどで。無許可で行われていた。それは公式に申請して、今でも中央労働金庫の金融商品は宣伝のちにしはくばられているし、平成27年頃の世田谷営業所太子堂分室でも若手の職員をあつめて中央労金の営業活動が勤務時間内でもおこなわれていた。それはいいと思います。組合員の福利厚生のために提携関係のある金融機関の商品をあっせんすることも組合活動だという名目で、目的外使用許可申請を出させたうえで、特別の事情により許可すればよいことである。
 それは組合活動への便宜供与であって、平時は認めてよいわけです。労金を認めるから、第一生命や住友生命も認めるみたいな発想は間違っている。
(二十四)組合の時間外労働規制に都合よく作られている水道局庁内管理規程の問題
 庁内管理規程に(門扉閉鎖後の出入り)という項目があるが、知事部局の東京都庁内管理規則と違うのである。
第十二条 庁内管理者は、門扉閉鎖後又は日曜日、休日等に庁舎に入ろうとする者があるときは、次の各号に掲げる場合を除き、これを拒否することができる。
一 職員については、当該職員が門扉閉鎖後又は日曜日、休日等に勤務に服する旨、当該職員の所属の勤務命令者からあらかじめ庁内管理者に届出がある場合
二 外来者については面会先の承諾がある場合又は料金等の払込み、修繕等の申込みをする場合
 平成20年水道緊急隊工務係に勤務していたとき、庶務経理関係の仕事で忙しくて土日出勤もしていた。管理職が土日出勤は組合協議が必要で、1か月前に出さなければいけないと言うので、これは実質認めないという趣旨なので、協議せずに働くのでもちろん手当なしの奉仕していた。平成20年の3~4月は56日間休日なしのこともあったし(超勤は30時間で組合協議が必要ない範囲内で水特隊の3月はとっていた)、月120時間残業の月(緊急隊ではすべて無償)もあったが、和泉庁舎の待機者みていて私が組合と協議せずに土日出勤しているのをみていて、告発するので、みられないよう遅くなって夜が暗くなってから帰るので余計長時間働いていたのですが、平成20年6月14日 (土)8時43分に最大震度6強の岩手・宮城内陸地震があって、私に地震に関係なく出勤していたが、緊急隊長の佐藤が地震対応で出勤してきて、なんで組合協議もなく土曜出勤しているんだと非違行為扱いされ怒りだし、その根拠が12条の一ということで、規程違反といわれた。これは組合協議でなければ出勤させないという業務規制で組合に都合がよくできていると思った。一方で門扉を閉めたあとでセキュリティを破って深夜や未明に出入りするスト待機は認めている。
12条の一は、知事部局の庁内管理規則は、職員等については、用向き及び職員カード又は身分を証する書類の提示がある場合土日出勤は拒否できないことになっており、組合との協議に関係なく、仕事で入庁できるのである。組合が三六協定(時間外労働協定)の趣旨で土日出勤を規制する趣旨を庁舎管理の規則に盛り込んでいるのは不適切だし、緊急時にも三六協定で排除されかねない。組合の方針にもとづいている東京都水道局庁内管理12条の一の削除が妥当である。
 なお、たぶんオリパラの警備対策で組合対策でないと思うが、庁内管理規程は令和年以降改訂され以前のようにスカスカなものではなくなった。それは良しとしても、やはり業務外の集会、演説行為の禁止の明文がないのは大きな欠陥であり盛り込む必要がある。
(二十五)夏28度、冬20度の通達の温度設定は出先の庁舎では守られていない
 現在の職場では冬全館空調24度湿度も高くて暑すぎ、小池都知事推奨のウォームビス、下着を重ね着したりすると汗だくになるような状態になる。というのは湿度を高くできる強力な空調なので、湿度が高いと24度でも下着2枚重ねるとかなり暑いのである。この苦情は水道特別作業隊のとき平成19年に管理職に言ったが、かんかんになって怒られた。
温度設定について文句がいえない状況にある。
くわえてエリア空調もある。杉並営業所は夏は全館空調26度で湿度が20%代まで下がるし、風も舞うのかなり涼しいうえ、エリア空調4器を20度設定まで下げたうえ、暑がりの○○が、扇風機をかけまくるので、頭痛がして喉がいたくなるオミクロンの症状が出るのである。それで私は夏は冬服長袖を着て防衛している。暑がり職員の声が大きく温度設定は全くまもられない。私は29度でも湿度が低いので相当涼しく感じるが、とにかく温度を下げないときがすまない人が勝手に空調を設定してコントロールされてない。庶務経理でコントロールしている全館空調もそもそも設定温度が違う。温度監察をすべきである。
  
(二十七)組合による目標管理制度の自己申告形骸化闘争に管理職が屈している問題
 2024年10月31日の西部支部ニュースでは自己申告中間報告について
面接の強制は行わない
書き方の強制は行わない
目標の数値化を求めない 以上は管理職と確認した。
自己採点シートはB以上に統一
コピーを分会に提出
といったことが書かれていたが、南部支所系列の世田谷でも同じだった。目標管理制度とは1990年代に民間企業で流行したもので、多くの企業で導入されている。ピーター.ドラッカーが1954年にManagement by objectivesと呼ばれる目標管理制度を提唱し、社員が自ら目標を設定し、その進捗や実行を主体的に創意工夫でき達成感を与えることのできる制度として流行ったのである。
 東京都でも平成中葉に制度化され、職務に位置づけられているが面接の拒否を認めよとは労務指揮権の掣肘である。
特に問題なのが数値目標を書いてはいけないという方針で、目標管理制度で数値目標の記載はタブーというのは異常で三流企業の人事管理でもありえない。制度の趣旨は捻じ曲げられ、実質形骸化しているといってよい。
 実際令和元年に新宿営業所の○○課長代理が、新人2年目の職員に対して数値目標を絶対書くな、それをすると出世できないよと脅していた。職制が組合の方針を伝えるのである。
 数値目標を書けといえないというのは労務指揮権の掣肘であり、正常な業務運営ではない。
(二十八)営業所における勤務時間内浴室のシャワー利用の問題
 私の職場では組合役員の○○○○がグループウェアで職員全員に、地下にある洗濯室とシャワー(浴室)を積極的に利用してくださいと通知していて、利用の仕方の詳細はご相談くださいと浴室のシャワー利用を、当局との合意があるのでうながしている。当局も認めている。利用の仕方は〇〇自身が勤務時間内にしているので勤務時間内でよいとといことのようだ。さかんに推奨しているわけである。
 ただ職員の中にはグレイゾーンだという人もいて、当局組合合意の方針に疑問を持っている職員もいるのである。
私はシャワー利用の在り方は見直し、最高裁判例により労働時間とはみなされないのだから、賃金カットの対象として管理されるべきであると考える。
 シャワーは入浴ではないという理屈で、トイレ利用とおなじように勤務時間中職務離脱してOKという考え方だか、
しかし国鉄池袋電車区.蒲田電車区事件.東京地判昭63.2.24労民集39-1-21は国鉄蒲田電車区において、終業時刻の30分前から洗身施設で身体汚染を洗身して退区することが慣行とされ、池袋電車区でも、作業内容にかかわらず日勤勤務者が勤務時間中に洗身入浴する慣行があった。国鉄の職場規律の乱れが政治問題となった昭和58年に就業規則違反として禁止され、指揮監督を離脱したものとして職員賃金基準規定にもとづき賃金カットした事案で、勤務時間内の洗身入浴が電車区長の承認の下に長期間反覆継続されて行われてきたとしても、電車区長は就業規則で定められた勤務時間を短縮する権限を付与されておらず、また、身体汚染の除去は顔、手足の洗浄及び衣服の更衣等によって可能であり、勤務時間内の洗身入浴が必要不可欠なものであったとは認められないなどとして労使慣行として成立していたとはいえないとされ、賃金減額の措置が、不当でないとされ、確認書が取り交わされたとしても、電車区長は就業規則の改正をもたらすことになる労働協約を締結する権限を有しないから、洗身時間についての有効な労働協約は成立しないとした。 国労は、国鉄末期に勤務時間内の入浴の要求を取下げている。
 三菱重工長崎造船所事件.一審長崎地判平元.2.10労判534は、昭和48年4月三菱重工長崎造船所が完全週休二日制実施に伴い勤怠把握方法を変更し、洗身入浴等について所定時間外にするよう命じた事案で、少数組合が労働基準法上の労働時間に該当すると主張し、賃金の支払を請求したものである。
「作業後の洗身については、労働安全衛生規則625条が、使用者に対し、身体又は被服の汚染を伴う業務に関し、洗身等の設備の設置を義務付けしているだけで、労働者に洗身入浴させることまでも義務付けるものではなく、また洗身入浴は一般に本来の作業を遂行するうえで密接不可分な行為ともいえないので、洗身入浴しなければ通勤が著しく困難といった特段の事情がない限り原則として洗身入浴は使用者の指揮監督下における労務の提供と解されず、これに要する時間は労働基準法上の労働時間には該当しないというべきである‥‥」として請求を棄却した。
控訴審一審の判断を維持。上告審(一次訴訟.組合側上告)最一小判平12.3.9も棄却。
最高裁は、労働基準法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」としたうえで、「実作業の終了後に事業所内の施設において洗身等を行うことを義務付けられてはおらず、特に洗身等をしなければ通勤が著しく困難であるとまではいえなかったというのであるから、上告人らの洗身等は、これに引き続いてされた通勤服の着用を含めて、被上告人の指揮命令下に置かれたものと評価することができず‥‥洗身等に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当しない」と判示した。
 洗身入浴とシャワーは同じと考える、全裸になって洗うのだから。コンプライアンス上、最高裁判例により労働時間とはみなされないのだから、賃金カットの対象として管理されるべきである。
 また○○は時間外でも朝にシャワーを利用しているのを令和元年新宿営業所でみた。自宅でガスや水道を節約するために職場でシャワーを浴びるというせこい根性をもっており、労働衛生施設として時間外であっても利用の仕方は規制すべきである。百歩譲っても事務職員は重筋労働をやっているわけでなく、ごみやバキュームカーの作業員で臭いがつく作業でもない以上、洗身入浴を積極的に奨励する理由はない。水道局だから水は使い方ほうだいでいいと考え方も問題である。
 浴室利用の内規を見直し、コンプライアンス上問題がないようにすべき。
🔶勤務時間中の洗身入浴の問題について(詳論)
平成15年当時千代田営業所ではYという職員がほとんど毎日16時半前後20分程度、就業時間中にシャワーのために離席していた。私はこれを禁止するよう管理職に訴えたが、所長、接客業務として身だしなみを整える行為としてシャワー利用は当然のように認められなくてはなららないとし、上司の許可など必要ないと断言、小便等の生理現象でトイレを利用するのと同様勤務時間中に離脱もさしつかえないといたぶん組合側が用意した見解を述べ、むしろあなたのように汗臭くお客に不快さを与えてけしからんとし、勤務時間中のシャワー利用をそそのかされたばかりでなく、これについて強く抗議したことなどを理由として、勤務不良として昇給延伸の処分の理由の一つとなり異動希望も出していない部署に転勤させられた。
もちろん、上司の命令が違法行為であったとしても、職員に違法か否かの審査権はないので従わなければならないし、集団的労働関係にあって、職員個人は労働条件について交渉対象ではないので、質問しても当局は回答は義務付けられてない。不服でも従うのが筋といわれるかもしれないが、私の見解自体は以下のとおり間違ってないと思う。
〇洗身入浴は労働時間に含まれないということは下記に引用する平成12年の最高裁判例により確定している。労働安全衛生規則六二五条は、使用者に対し、身体又は被服の汚染を伴う業務に関し、洗身等の設備の設置を義務付けしているだけで、労働者に洗身入浴させることまでも義務付けるものではないからである。しかし平成15年に千代田営業所で閲覧した入浴に関する内規によると、入浴とは浴槽につかった入湯のことでてシャワー利用のみでは入浴とは定義されないとし、汚れたときは上司の許可があれば就業時間中であってもシャワーを浴びてよいと記載されて
おり、無許可で認めるというのは、内規にも違反しているし、シャワーは入浴じゃないから、勤務時間中の利用可能にしている内規自体もおかしい。
〇勤務時間中の洗身入浴は債務の本旨を履行したものとはいえないし、職務専念義務違反、みだりに離席してならないとする就業規則に反する行為の慫慂であり、営業所長には規則にない職免を付与し労働時間を短縮させる職権はないはずで、所長は管理職しての裁量権を逸脱するものと考えるし、そもそも浴室は汚染を伴う業務に就いた者の労働衛生上の施設で、身だしなみやさっばり汗を流して帰宅するしたり、自宅でガスや水道を節約するために、職員の福利厚生施設として利用されるべきものではないのである。
〇昭和15年当時千代田営業所で組合支部長が毎日、就業時間の後に洗身入浴していた。しかし就業時間外だからよいとは考えない。なぜなら、同人は営業係でデスクワークだけで、身体が汚染する仕事はしていないのである。シャワー利用は身体又は被服の汚染を伴う業務についている者に限定されるべきである。
〇別の部署の内規(水道特別作業隊)をみたが、営業所とは違い勤務時間内に入浴できるのは、管工事等現場作業で著しく汚れがあった場合、16時半以降に上司の許可があった場合に認めると書かれていた。したがって、重筋労働もしていない、たんに外勤があるというだけのケースでは就業時間中は認めていない。したがって営業所の対応を疑問に思う。
〇管理職の説明に常識にも反している。私は判例にもあるとおり通勤に際し支障となるほどの著しい汚染がない限り、シャワーは必要がないとの考えであり、組合に業務指揮権、施設管理権を掣肘されている状況があるといえる。
〇住民に対して渇水時は節水を呼びかけ、環境計画でも水使用量は削減する目標なのに、職員のシャワーはじゃんじゃん使えという管理職の見解が当然視される企業風土はおかしい。
1 洗身入浴時間は労働基準法32条の労働時間に該当しないと最高裁で確定しているのに勤務時間内洗身の有給入浴を認める東京都水道局
三菱重工長崎造船所事件・.一審長崎地判平元.2.10労判534は、昭和48年4月三菱重工長崎造船所が完全週休二日制実施に伴い勤怠把握方法を変更し、洗身入浴等について所定時間外にするよう命じた事案で、少数組合が労働基準法上の労働時間に該当すると主張し、賃金の支払を請求したものである。
「作業後の洗身については、労働安全衛生規則625条が、使用者に対し、身体又は被服の汚染を伴う業務に関し、洗身等の設備の設置を義務付けしているだけで、労働者に洗身入浴させることまでも義務付けるものではなく、また洗身入浴は一般に本来の作業を遂行するうえで密接不可分な行為ともいえないので、洗身入浴しなければ通勤が著しく困難といった特段の事情がない限り原則として洗身入浴は使用者の指揮監督下における労務の提供と解されず、これに要する時間は労働基準法上の労働時間には該当しないというべきである‥‥」として請求を棄却した。
控訴審一審の判断を維持。上告審(一次訴訟.組合側上告)最一小判平12.3.9も棄却。
最高裁は、労働基準法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」としたうえで、「実作業の終了後に事業所内の施設において洗身等を行うことを義務付けられてはおらず、特に洗身等をしなければ通勤が著しく困難であるとまではいえなかったというのであるから、上告人らの洗身等は、これに引き続いてされた通勤服の着用を含めて、被上告人の指揮命令下に置かれたものと評価することができず‥‥洗身等に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当しない」と判示した。
 したがって組合と洗身入浴時間を労働時間に含めその時間の賃金請求権を認めるという合意があったとしても、当局が公式に勤務時間中の職務遂行上、洗身入浴を義務づけてない以上労働時間には含まれないという結論になる。
2 勤務時間中の洗身入浴は、指揮監督から離脱し債務不履行として賃金カットできるとする下級審
国鉄池袋電車区.蒲田電車区事件.東京地判昭63.2.24労民集39-1-21は国鉄蒲田電車区において、終業時刻の30分前から洗身施設で身体汚染を洗身して退区することが慣行とされ、池袋電車区でも、作業内容にかかわらず日勤勤務者が勤務時間中に洗身入浴する慣行があった。国鉄の職場規律の乱れが政治問題となった昭和58年に就業規則違反として禁止され、指揮監督を離脱したものとして職員賃金基準規定にもとづき賃金カットした事案で、勤務時間内の洗身入浴が電車区長の承認の下に長期間反覆継続されて行われてきたとしても、電車区長は就業規則で定められた勤務時間を短縮する権限を付与されておらず、また、身体汚染の除去は顔、手足の洗浄及び衣服の更衣等によって可能であり、勤務時間内の洗身入浴が必要不可欠なものであったとは認められないなどとして労使慣行として成立していたとはいえないとされ、賃金減額の措置が、不当でないとされ、確認書が取り交わされたとしても、電車区長は就業規則の改正をもたらすことになる労働協約を締結する権限を有しないから、洗身時間についての有効な労働協約は成立しないとした。 
国労は、国鉄末期に勤務時間内の入浴の要求を取下げている。
昭和40年代の北九州市の清掃事業局では勤務時間内に洗身入浴を認めていた。当時はゴミだけでなく屎尿(バキュームカー)の処理もやっていたので、洗身入浴しなければ通勤が著しく困難といった特段の事情に当たると解釈してもいいだろう。
力士は取組のあと支度部屋で入浴するが、お相撲さんは個人事業主なので労働者と同列に議論できない。平成15年この問題をつついたことにより、不利益処分の理由になっており、組合の既得権優先思考の東京都の管理職には悪者扱いされているので、遺恨がある。
現在の状況はどうかというと、令和元年新宿営業所に転勤したとき、組合役員で庶務担当の○○○○が転勤者に庁舎内の施設を案内し、更衣室に附属している、洗濯機とシャワー室を案内し、いつでもいいから利用せよとしきりに利用をすすめ、○○自身は勤務時間前によくシャワーを利用していた。私は家で水道代とガス代を払って入浴すべきだと思うが、朝登庁してシャワーで汗を流して、ガス代と水道代を節約するのはせこいと考える。
令和6年に夜間待機が、水道緊急隊の業務となったため、これまで夜間待機当番やっていた人が、当番制で浴室の清掃をしていたが、夜間待機業務が廃止されたので浴室の清掃は、配水課などと、営業所で回り持ちとなり、しかし実際は利用者は少なく、風呂掃除をする人が少なくなって困っているために○○は○○に組合要求として委託業務で風呂清掃をさせよと言っていた。
いずれにせよ、造船所のような重筋労働でも洗身入浴は労働時間に含めないことになっている。国労は昭和時代に勤務時間内の要求をやめたのである。でも水道局は今でも勤務時間内に事務職でもシャワーは勤務時間内自由とされ、労働時間に含めている。水道局だからいいじゃないかと言われるかもしれないが、局の環境計画では電気や紙と同じく、水道使用量を減らすことになっているのである。
だからといって勤務時間外だからによいというものではなく、あくまで労働衛生上の施設という位置づけであるなら、水道代やガス代を節約するために職場で風呂をすますという利用の仕方には問題があるので、規則で明文化することは慎重にした。
現在は内規で運用しているが実際は内規に勤務時間内のシャワーは上司の許可が必要としているとこめ実際には無許可利用で内規も守られていない。この問題は別途見直すこととして、当面この問題は「上司の許可を得ないで、執務場所を離れ」てはならないという規則で対応することとする。
当局が、どうしても勤務時間内のシャワーを認めたいのなら、浴室に入っていた時間を申告させ、賃金カットとすべき。
第Ⅲ部 私鉄総連組合員の春闘ワッペン着用を規制すべき.国会議員と知事、都議会議員へ要望 
 私鉄総連組合員の春闘ワッペン着用を規制すべき、会社に取り外し命令をするよう特に国と都が株主の東京メトロの労務管理の是正を要望します。
これは一旅客公衆の立場から公式の請願ではなく、たんに非公式な意見具申です。
 私鉄総連加盟の組合のある民鉄の駅員や乗務員が、直径7~8センチの円形の春闘と記載されているデザインのワッペンを毎年2月15日頃から3月中旬頃まで胸章として着用するのが通例になっている。私が知る限りでは、鉄道では東京メトロ、東急、東武、京成、京急、京王(但し京王は着用しない駅員もおり他社と温度差がある)が恒例である(なお小田急の鉄道部門で春闘ワッペンは見たことはない。西武は私鉄総連ではないから論外、関西や地方の状況は把握してない)。バスの運転手もつけているし、制服を着用せず、ワッペンをつけた制服を吊り下げている東急バスの運転手など過去にみたことがあるが、バス運転手の態度も非常に不快だがさしあたり鉄道を問題にする。
 駅員や乗務員が勤務しながらワッペンによる春闘の宣伝をしていることは不快。目につきます。会社は職務に専念させるべきである、雇用契約の債務の本旨にしたがった履行でないことを許しているのは労務管理として怠慢である。
 ワッペンは、私鉄総連組合員として意思表示をし、相互の団結と使用者に対する示威、旅客公衆に対する春闘への連帯を訴えかける活動といえる。勤務時間中に職務の遂行に関係のない行為または活動をするときは当然に職務に対する注意力がそがれるから、旅客公衆が不快、不安に思うのは当然のことである。
 具体的な要求項目の記載はない。ワッペンの記載は、民鉄協会と合同して行っている「公共交通利用促進」というスローガン、西暦と「春闘」、私鉄総連の英訳の頭文字、電車やバスのデザインである。
 しかし「春闘」とは2月ころから労働組合が一斉に賃上げ等を要求する闘争を意味することは明らかであり、近年はこれが目立つようになっている。
 業務外の徽章.胸章.腕章等の着用を禁止する就業規則を定め、適正良好な職場環境を維持し規律のある業務運営体制を確立するため最高裁が案出した企業秩序論に基づく労務管理、取り外し命令を徹底し、JRの国労バッチのケースでは、指導に従わない場合、夏季手当の減額という不利益賦課がなされた。それをやるべきである。
 もちろん気にしない人も多数いるだろう。しかし乗務員.駅員の業務が旅客公衆の身体、財産の安全にかかわるものとして、特に強く要請される職場規律の保持を確保するという観点で業務用でないワッペンの着用は規制されてしかるべきなのである。
 春闘と書かれている以上組合活動であり、有名な中川幹郎チームの名判決、リボン闘争の大成観光ホテルオークラ事件東京地裁昭和50年3月11日判決労判221号が「本来労働組合が自己の負担及び利益においてその時間及び場所を設営しておこなうべきものであつて、このことは負担及び利益の帰属関係からして当然の事理に属する。ところで、勤務時間中であるという場面は、労働者が使用者の業務上の指揮命令に服して労務の給付ないし労働をしなければならない状況下のものであり、まさに使用者の負担及び利益において用意されたものにほかならないから、勤務時間の場で労働者がリボン闘争による組合活動に従事することは、人の褌で相撲を取る類の便乗行為であるというべく、経済的公正を欠く」と批判したとおりで、それがワッペンであれ同じことだ。
 中川判決では、リボン闘争がホテルサービスに求めている休らい、寛ぎ、そして快適さとはおよそ無縁であるばかりでなく、徒らに違和、緊張、警戒の情感を掻き立てることが特別違法性とされているが、民鉄もホームライナー等快適な輸送のサービスで集客しており私が知る限り、京王の車掌はワッペンを着用し、春闘との連帯を訴える行為をされることは同種のことがいえる。
 この論点については、JRの労務管理が圧倒的に優れている。就業規則に「社員は、勤務時間中に又は会社施設内で会社の認める以外の胸章、腕章等を着用してはならない」とあり、業務上の徽章以外の着用を禁止し「くまんばち」はもちろん春闘ワッペンよりずっと小さい縦1.1㎝、横1.3㎝の四角形国労バッチの着用を禁止し、徹底してきた。平成中葉には着用者はいなくなった。要するに民鉄もJR並みの労務管理を要求する。
 春闘を宣伝するワッペン着用は、企業秩序維持と職務専念義務違反もしくは雇用契約の債務の本旨に従った履行ではないとして就業規則(もしくは労働協約)で禁止し、着用した者は軽微であれ懲戒処分等不利益賦課の対象とすべきであると要求したい。
  もっとも基本的には鉄道会社の労使関係の問題であって、政治が介入すべきことではないかもしれないが、公共交通機関という公益性の強い事業で、しかも旅客公衆に接客対応の駅員もそれをつけているのだから、一般市民や乗客からの非難にこたえるべきである。
 ちなみに目黒電報電話局反戦プレート事件.最三小判昭52.12.13以降の企業秩序論判例は、抽象的危険説をとり、具体的業務阻害がないことを理由に組合活動が正当化されることはないことを明示している。
 つまりワッペンを禁止するのに具象的な業務阻害を説明する必要はない。2014年2月15日午前0時半すぎに、東急東横線元住吉駅で、大雪の影響で電車が追突し乗客65人が負傷した事故があった。2月15日というと東急では春闘ワッペンを着用しだす時期である。事故の原因については究明されていることであり、その時、運転指令室や乗務員がワッペンを着けていたかどうかは知らない。仮に着けていたとしても春闘ワッペンを意識した雑念が事故と関係しているという根拠はないから無関係だろう。しかし、ワッペンはたんに抽象的な理由、それが目に触れるため春闘を意識し他の社員の職務専念義務を妨げるおそれがあるというだけでも企業秩序をみだすものとして禁止できるのである。
 とりわけ東京メトロは、国と東京都が株主となっている特殊会社である以上、国会議員や都議会議員が労務管理に口出ししてよいはずである。永田町駅の駅員もやってます。国会議員は不快ではないのか。
 具体的法的根拠、判例については、前記三-(四)業務外の徽章・胸章・腕章の禁止121頁 全水道東水労の春闘ワッペン規制の提言と同じなので参照されたい。
主な参照判例等
 ●〇は労働組合.被用者.住民側からみた勝敗 第Ⅱ部でビラ配りについては類型別にまとめた。
●山田鋼業事件.最大判昭25.11.15刑集4-11-2257(生産管理)
●朝日新聞小倉支店解雇事件.最大判昭27.10.22民集6-9-857(非組合員による業務の遂行の暴行脅迫)
〇三友炭鉱事件.最三小判昭31.12.11刑集10-12-605
●ホテル.ラクヨー事件.最一小昭和32.4.25刑集11-4-1431(体当たりによる就労阻止)
●羽幌炭鉱鉄道事件.最大判昭33.5.28刑集12.8.1694(マスピケによる罷業脱退派と非組合員による出炭業務阻止)
●進駐軍横浜(駐留軍横浜陸上輸送部)事件.最二小昭33.6.20刑集12-10-2250(非組合員運転のバス輸送を止める妨害)
●東北電力大谷発電所事件.最一小昭33.12.15刑集12-16-355(電源スト.会社側から臨時に雇われたがスト破りの代替雇用者のピケットによる阻止)。
●四国電力財田発電所事件.最一小昭33.12.25刑集12-16-3627(スクラムを組んで会社側の業務を妨害)
●嘉穂砿業事件.最一小判昭35.5.26.最一小判昭35.5.26刑集14-7号-868 (鉱員の組合と、職員の組合が分かれていて、鉱員の労働組合のみがストライキを実行中、争議行為に加わっていない職員が就業のために出勤するに際し、炭労傘下の嘉穂砿業労働組合員数百人が、ピケを強行突破しようとする職員組合員甲等に体当たりするなどして十数回にわたり押し返した)
●国鉄檜山丸事件.函館地判昭36.4.8●札幌高裁函館支部判昭37.7.3判時308●最二小判昭38.3.15刑集17-2-23(職場集会の指令点検、指導等のために、船長の制止を振り切り乗船した国労青函支部執行委員ら刑法130条艦船侵入罪とする)
◯都教組勤評反対闘争事件.東京地判昭37.4.18判時304●東京高判昭40.11.16判時437最大判昭44.4.2刑集23-5-305(1日一斉休暇闘争)
◯全逓東京中郵職場離脱事件.東京地判昭37.5.30●東京高判昭38.11.27判時363○最大判昭41.10.26刑集20-8-901○差戻後控訴審東京高判昭42.9.6判時509(単純不作為職場離脱)
●国鉄檜山丸事件.函館地判昭36.4.8●札幌高裁函館支部判昭37.7.3判時308●最二小判昭38.3.15刑集17-2-23(職場集会の指令点検、指導等のために、船長の制止を振り切り乗船した国労青函支部執行委員ら刑法130条艦船侵入罪とする)
●全司法仙台支部事件.福島地判昭38.3.27 下級裁判所刑事裁判例集5-3.4-309●仙台高判昭41.3.29判タ190●最大判昭44.4.2刑集23-5-685(安保反対.あおりの罪)
○全農林警職法事件.東京地判昭38.4.19判時338●東京高判昭43.9.30判時547●最大判昭48.4.25刑集27-4-547(あおり.あおりの企ての罪)
●米空軍立川基地出勤停止処分事件.東京地判昭和38.5.14労民14-3-733●東京高判昭40.4.27労民16-2-377●最三小判昭49.11.29訟務月報21-2-421(休憩時間の集会)
●津電話局懲戒解雇事件.名古屋地判昭38.5.20労民14-3-777
◯横浜中郵事件.横浜地判昭38.6.28判時341号、●東京高判.昭41.8.26判タ202号◯最大判昭45.9.16刑集24-10-1345破棄差戻 8対6、●★差戻後控訴審東京高判.昭47.10.20判時689●差戻後上告審最一小決.昭49.7.4判時784(支援者によるマスピケ、公務執行妨害.久留米事件方式で有罪)
●全逓名古屋中郵事件.名古屋地判昭39.2.20刑集31-3-517○名古屋高判昭44.10.29●最大判昭52.5.4刑集31-3-18(郵便法違反幇助、建造物侵入)
〇全逓名古屋中郵第二事件.名古屋地判昭39.2.20刑集32-2-139●名古屋高判昭45.9.30刑集32-2-148●最二小判昭53.3.3刑集32-2-97(臨時小包便搬出の業務妨害.名古屋中郵事件方式で有罪)
▲国鉄小郡駅事件.最三小判昭39.11.24刑集18巻9号610頁(ビラ貼り.建造物侵入罪.軽犯罪法は時効)
◯東京都水道局時間外労働拒否事件.東京地判昭40.12.27労民16-6-1212◯東京高判昭43.4.26労民19-2-623
●仙台鉄道管理局(春闘仙台駅)事件.仙台地判.昭41.1.8刑集27-5-1170〇仙台高判昭44.4.1刑集27-5-1170●最二小判昭48.4.25刑集27-5-1115(三六協定未締結での就労者への暴力)
●動労仙台地本役員解雇事件.仙台地判昭41.1.31労民18-1-37●仙台高判昭42.11.6労民18-6-1101
○丸亀電報電話局事件.高松地判昭41.3.31労民17-2-405
○動労四国地本事件.高松地判昭41.5.31労民17-3-726 〇高松高判昭45.1.22労民21-1-37
○四国財務局勤評闘争(全財務四国地本)事件.昭41.6.23高松地判民集31-7-1256○高松高判昭46.12.13民集31-7-1433●最三小判昭52.12.20民集31-72-1225
●国労久留米駅事件.福岡地裁久留米支部 昭41.12.14刑集27-3-521)◯福岡高判昭43.3.26判時516号●最大判昭48.9.16刑集27-10-418●差戻後控訴審福岡高判昭52.10.25判時884(マスピケ)
◯尼崎駅ピケ事件.神戸地判昭41.12.16●★大阪高裁昭49.4.24判時743(線路上で渦巻デモや座り込 久留米事件方式で有罪) ●最一小判昭52.10.20刑事裁判資料203号812頁) 
●安西郵便局事件.最三小判昭42.2.7刑集21-1-19(特定郵便局長が拒否した組合の点検活動の立入を強行)
◯全逓灘郵便局リボン闘争事件 神戸地判昭42.4.6労民18-2-302●大阪高判昭51.1.30労民27-1-18(勤務時間中に「さあ!団結で大巾賃上げをかちとろう」と記載したリボン及び「全逓、灘郵便局支部」と記載した腕章を着用したことは就業規則に違反し、取外し命令に対する不服従を理由とする訓告処分を適法と判示。)
●日本鉄工所事件.大阪地裁昭42.4.47刑集29-7-468◯大阪高裁昭46.4.21刑集29-7-481●最二小判 昭50.8.27刑集29-7-442(逮捕行為.久留米事件方式で有罪)
◯春闘松山駅事件.松山地判昭42.7.10刑集32-2-191〇高松高裁昭46.3.26刑集32-2-204●最二小判昭53.3.3刑集32-2-159(マスピケ.名古屋中郵事件方式で有罪)
○長岡電報電話局事件.新潟地判長岡支部昭42.8.7判時491●東京高判.昭46.4.19判時638(管理者側のピケ突破実力行使)
〇長田電報電話局公務執行妨害事件.神戸地判昭42.9.30刑集32-2-895●大阪高裁昭50.11.12刑集32-4-914、●最一小判昭53.6.29刑集32-4-816
◯動労糸崎駅事件.広島地判尾道支部昭43.2.26.下級裁判所刑事裁判例集10巻2号195頁9マロ●★.広島高判昭和48.8.30判タ300(マスピケ.運転室占拠 久留米事件方式で有罪)●最一小決昭51.4.1
◯国労岡山操車場.糸崎駅事件広島地裁尾道支部昭43.6.10判時529号●★広島高裁 昭48.9.13判時727号(マスピケ.久留米事件方式で有罪)
●九建日報社救済命令取消事件.福岡地判昭43.8.30労民集19巻4号1092頁(ポスター貼付.諭旨解雇)
●全逓労組幹部解雇事件.東京地判昭44.6.17労民20-3-585
◯動労南延岡機関区事件.宮崎地判昭44.7.15刑集32-4-801〇福岡高判昭47.2.29刑集32-4-807●最一小判昭53.6.29刑集32-4-759(マスピケ.名古屋中郵事件方式で有罪)
〇七十七銀行政暴反対斗争事件.仙台地判昭45.5.29労民21-3-6891
●国鉄鹿ノ谷駅事件.札幌高判昭49.8.28判時764
〇神戸税関(全税関神戸支部)事件.神戸地判昭44.9.24民集317-1164、○大阪高判昭47.2.16民集31-7-1211●最三小判52.2.20民集31巻7号1101頁
〇青函連絡船渡島丸事件.札幌高判昭44.2.17
△中部日本放送リボン闘争解雇事件 名古屋地判昭47.12.22労民27-5-779△名古屋高判昭50.10.2労民26-5-762(就業時間中、社内及び取引先において、リボン、腕章、はちまき等を着用、正当な行為ではないが、解雇処分は懲戒権の濫用)
●長岡電報電話局解雇事件.新潟地判昭44.11.25労民20-6-1553、●東京高判昭56.9.30訴務月報28-4-665
〇浜松市役所事件.静岡地判昭45.3.6行政事件裁判例集21巻3号438頁
◯毎日放送千里スタジオ事件.大阪地裁昭45.4.4判時619〇大阪高裁昭47.1.31判時671●最一小判昭51.5.6刑集30-4-519(生放送中に騒音混入.久留米駅事件方式で有罪)
◯札幌市労連事件(札幌市電ピケット事件)札幌地判昭41.5.2判時449◯札幌高判昭42.4.27判時491〇最三小決昭45.6.23刑集24-6-311(マスピケ)
○目黒電報電話局事件.東京地判昭45.4.13判タ248.○東京高判昭47.5.10判タ276●最三小判昭52.12.13民集31-7-974(「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」プレート着用とビラ配布を理由とする戒告)
◯国労東和歌山駅事件.和歌山地判昭45.4.25刑事裁判資料201●★大阪高裁 昭50.9.19刑事裁判月報7巻9.10合併号826頁(マスピケ.久留米駅事件方式で有罪)
◯動労鳥栖駅事件.佐賀地判昭45.5.14●★福岡高判昭49.5.25判時770号(マスピケ久留米駅事件方式で有罪.●最三小決昭50-11-21判時801
●第七青函丸.長万部駅事件 最一小判昭45.7.16刑集24-7-475(オルグのため艦船侵入とマスピケ)
●浜松動労事件.最一小判昭45.7.16判時605(マスピケ)
●東京郵政局事件.東京地判昭46.3.18判時624は、(ビラ撤去業務の妨害)
◯佐教組事件.最三小判昭46.3.23刑集25-2-110 3対2(3割.3割.4割休暇闘争)
●平和タクシー争議事件.最三小判昭46.3.23刑集25-2-239(ビラ貼り.器物損壊罪)
●三井鉱山賃金カット事件.福岡地判昭46.3.15労民集22-2-268(ゼッケン着用)
●江戸川.昭島郵便局減給戒告.東京地判事件.昭48.6.28労民24.3.345
〇佐教組懲戒処分事件.佐賀地判昭46.8.10判時640判タ266、●福岡高裁昭58.5.27判タ501、●最一小判昭63.1.21判時1284、判タ266(3割.3割.4割休暇闘争)
○都教組勤評懲戒処分事件.東京地判昭46.10.15判時645,判タ230☆、●東京高判昭51.7.3判時835、判タ337、●最二小判昭52.12.23裁判所ウェブサイト☆
〇全逓都城郵便局事件.東京地判昭46.11.12判時658判タ270
●光文社事件.東京地裁昭47.4.3刑集29-10-962◯東京高裁昭48.4.26判時708●最三小判昭50-5-8刑集29-10-929(包囲型ピケ.逮捕行為.久留米事件方式で有罪)
○静岡県教委事件.静岡地判昭47.4.7判タ227、●東京高判昭52.3.15、●最一小判昭53.9.7
◯国労青函地本リボン闘争事件 .函館地判昭47.5.19労民23-3-347●札幌高判昭48..5.29労民24-3-257(制服の左胸に「大巾賃上げを斗いとろう、16万5千人合理化粉砕」と書いたリボンを着用したことは、職務専念義務に違反し、鉄道営業法第22条及び国鉄の服装に関する定めに違反
●静岡鉄道管理局沼津機関区事件.静岡支部沼津支部判昭47.7.15判時685
〇日本専売公社山形工場事件.昭47.11.27山形地判民集35ー3ー545●仙台高裁昭53.3.31民集35ー3-565●最一小判昭56.4.9民集35-3ー477
◯富士重工業原水禁運動調査事件.東京地判昭47.12.9判時687●東京高判昭49.4.26判時743○最三小昭52.12.13民集31-7-103
●動労幹部解雇事件.東京地判昭47.12.19労民23-5.6-637
○国労札幌地本ビラ貼り事件.札幌地判昭47.12.22判時709●札幌高判昭49.8.28判時764●最三小判54.10.30民集33-6-647
〇全林野西条分会宿直日拒否闘争事件.大阪地判昭48.3.27労民24ー1.2ー112、●大阪高判昭54.12.7労民30-6-1164
〇国労熊本地本事件.熊本地判昭48.10.4判時719
〇国労大阪地本半日スト事件.昭48.12.22判時731
●関西電力事件.神戸地裁尼崎支部判昭49.2.8判判時739●大阪高判昭53.6.29判時898●最一小判昭58.9.8判時1094
●墨田民商事件.東京地判昭49.3.27税務訴訟資料84号748頁●東京高判昭52.5.30判時882(税務署会計係長長による民主商工会員の庁内立入阻止行為)
●神田郵便局腕章事件 .東京地判昭49.5.27労民25-3-206(腕章取りはずし命令に従わないことを理由とした担務変更命令を放棄したことによる減給処分)●東京高判昭51.2.25訟務月報22-3-740(勤務中に赤地に白く「全逓神田支部」と染め抜いた腕章を着用)
〇動労盛岡地本半日スト解雇事件.盛岡地判昭49.6.6判時743、判タ308
●国労東京地本新宿駅事件.東京地判昭49.6.24判時757
●全逓東北地本事件.東京地判昭49.7.1民集32ー5-1064●東京高判昭50.3.30民集32-5-1139●最三小判昭53.7.18民集32-5-1030
○北九州市交通局12条解雇事件.福岡地裁昭49.11.19判時766●福岡高裁昭55.11.11判タ435●最二小判昭55.2.8 労判335、
●北見郵便局懲戒免職事件.札幌地判昭50.2.26判時771、●札幌高裁昭54.3.29判時940判タ397
●大成観光リボン闘争事件. 東京地判昭50.3.11民集36-4-681(花形から垂らした幅約2.5センチメートル、長さ6ないし11センチメートルの白の布地に「要求貫徹」等の文字を記載したリボン闘争「人の褌で相撲を取る類の便乗行為‥‥誠意に労務に服すべき労働者の義務に違背する」として争議行為としても、その他の組合活動としても正当性を欠くと説示した中川幹郎判決)●東京高判昭52.8.9民集36-4ー702●最三小判昭57.4.13民集36-4-6592(就業時間中の組合活動であって、労働組合の正当な行為にあたらない)
●動労天王寺地本一日スト地位保全仮処分事件.大阪地裁昭50.3.14判時774、判タ321
●全逓昭和瑞穂支部郵便局事件.名古屋地判昭50.4.30民集36-10-2109●名古屋高判最52.1.31民集36-10-2128●最二小判昭57.10.7民集36-10-2091(組合掲示板撤去.掲示の許可は、公法上又は私法上の権利を設定、付与するものではなく、また、国有財産法18条3項にいう行政財産の目的外使用の許可にもあたらない。)
〇全林野旭川地本(美瑛営林署)事件.旭川地判昭50.7.17労民33-5-900●札幌高判昭57.10.27労民33-5-893●最二小判昭62.3.27判タ634
●動労甲府支部ビラ貼り損害賠償事件.東京地判昭50.7.15判時784使用者が無断ビラ貼りを「受忍」すべきいわれはなく、当該のビラ貼りは使用者の所有権ないし施設管理権の侵害にあたるとして、初めて労働組合及び組合員に不法行為に基づく損害賠償責任を認めビラはがし代142,300円の支払いを動労側に命じた中川幹郎判決
〇和教組懲戒免職事件.和歌山地判昭50.6.9判時780
□国労広島地本組合費請求事件.最三小判昭50.11.28民集29-10-163
●総理府統計局事件.東京地判昭50.12.24判時806、●東京高判55.訴務月報26ー9-1594●最三小判昭53.7.18民集32-5-1030
●国鉄田端機関区事件.昭51.1.22判時805、●最一小判昭56.4.6判時1001
○全林野広島営林署分会事件.広島地判昭51.4.21 判時812、●最三小判昭62.3.20判時1228
●岩教組学力調査事件.盛岡地判昭41.7.22判時462○仙台高判昭44.2.19判時548●最大判昭51.5.21刑集30-5-1178(あおりの罪.道路交通法違反)〇北海道立釧路診療所.札幌地判昭52.3.31労民32-5-623●札幌高判昭56.9.29労民32-5-593▲北九州市清掃局事件.福岡地判昭52.12.2労民34-2-183☆、▲福岡高判昭58.3.16労民34-2-169☆、▲最一小判平元.1.19労判540
◯全国税東京足立分会事件.東京地判昭52.2.24判時850●東京高判昭57.3.10労判385●最二小判昭59.1.27労判425(争議行為をそそのかす掲示物の自力撤去)
●動労北陸地本判決.金沢地判52.6.10昭43.9.12判時859●名古屋高判昭56.2.18判時1024
●日本エヌ.シー.アール事件.東京高判昭52.7.14労民28-5.6-411(ビラ配布.出勤停止処分)
●全建労事件.東京地判昭52.7.25行裁集28-67-680 (リボン闘争)
●信越郵便局事件.長野地判昭52.10.13訟務月報23
●北九州市清掃局年末休日勤務拒否事件.福岡地判昭52.12.2労民34-2-183、●福岡高判昭58.3.18労民34-2-169、●福岡高判昭58.3.16労民34-2-169、最一小判平元.1.19労判540
○北九州市交通局事件.福岡地判昭52.11.18判時874●福岡高判昭55.10.22労民31-5-1033●最小一判昭63.12.8民集42-10-739
〇全林野青森地本事件.青森地判昭52.12.13 判時885
●福教組内申抜き処分事件.福岡地判昭52.12.27民集40-2-37 ●福岡高判昭56.11.27判時1026、判タ459、最一小判昭61.3.13民集40-27-258
◯全逓釜石支部(大槌郵便局)事件.盛岡地判昭53.3.22刑集37-3-294◯仙台高判昭55.3.18判時979●最二小判昭55.4.8刑集37-3-215●差戻控訴審仙台高判昭61.2.3判時1194(ビラ貼り.建造物侵入罪)
●全林野三役18条解雇事件.東京地判昭53.7.14労民29-4-494●東京高判昭58.10.5労民349-5.6-861●最三小判昭62.3.20判タ634
●全電通一宮局事件.名古屋地判昭53.12.15労民29-5.6-776
●富岡営林署(全林野前橋地本富岡分会)事件.東京地判昭54.3.22労民30-2-457
〇恵庭営林署事件.札幌地判54.3.29労民34-5.6-831●札幌高裁58.9.28労民34-5.6-812
●新潟貯金局事件.新潟地判.昭54.3.30判タ396
○北教組(41~43年闘争事件)札幌地判昭54.5.10判時945判タ394 ▲札幌高判昭60.6.25判時1159▲最一小判昭4.9.24労判615
●全運輸近畿陸運支部(大阪陸運局)事件.大阪地判昭54.8.30民集39ー7ー1408●大阪高判昭57.2.25民集39-7-1478●最二小判昭60.11.8民集39-1-1375
●全電通荻窪局事件 東京地判昭54.9.14判時954
●北海道開発局網走開発建設部事件.札幌地判昭54.10.9判時964、●札幌高判58.3.15訴務月報29-9-1709
●明石郵便局事件.神戸地判昭54.12.13訴務月報26ー3ー473
●東北電通局事件.仙台高判昭55.1.24 判タ420(ビラ貼り.建造物損壊罪)
●昭和49年春闘日教組スト事件.東京地判昭55.3.14判時967●東京高判昭60.11.20判時1177●最一小判平元.12.18刑集43-13-882)
●全逓新宿郵便局事件.東京高判昭55.4.30労民31-2-544.●最三小判昭58.12.20判時1102号(無許可集会等)
●北九州市病院局事件.福岡地判昭55.5.7労判341●福岡高判昭55.9.28判タ534●最三小判平元.4.25判時1336
●京都西郵便局(太秦郵便局)事件.京都地判昭55.6.6労民31-3-682
●長崎県職組事件.長崎地判昭55.9.8判時998●福岡高判昭60.9.26労判461、●最一小判平元.9.28判時1349判タ729
〇全林野川内営林署事件.東京地判昭55.11.17訴務月報27-4●東京高判昭61.8.14労判481
●帝国興信所岐阜支店事件.岐阜地判昭56.2.23判時1005(ビラ貼り.損害賠償)
●北九州市役所労組事件.福岡地判昭56.2.26判時1011
●北九州市職員組合事件.福岡地判.56.4.22労判365
▲校長着任拒否闘争事件.福岡地裁昭56.7.26判時1021、▲福岡高裁昭60.9.27判時1166判タ572、▲最二小判平1.9.8判例地方自治72
●北九州市若松清掃事務所事件.福岡地判昭56.8.24訟務月報28-1(ビラ貼り.戒告処分)。
●エッソ.スタンダード石油事件.東京地決昭56.12.25労民集32-6-988(ビラ貼り禁止仮処分申請)
●朝日新聞社西部本社事件.福岡高判昭57.3.5労民集33-2-231(ビラ貼り.懲戒処分)
●岩手県教組事件.盛岡地判昭57.6.11刑集43-13-1326●仙台高判昭61.10.21判時1216●最一小判平元.12.18刑集43-50-10-783●差戻後控訴審仙台高判平5.5.27刑集50-10-783●差戻後上告審平8-11-18刑集50-10-745
●三菱重工事件.東京地判昭58.4.28労民集34-3-279
●池上通信機事件.横浜地判昭58.9.29労判420●東京高判昭59.8.30判時1154●最三小判昭63.7.19判時1293(無許可施設利用集会)
◯明治乳業福岡工場事件.最三小判昭和58-11-1判時1100
●大栃営林署事件.高知地判昭58.12.19訴務月報30-7●高松高裁昭61.9.30訴務月報33-7
●東京城東郵便局事件.東京地判昭59.9.6労判442
●戸塚郵便局事件.横浜地判昭59.10.25.労民集37-4.5-407(ビラ貼り.落書き)
●北九州市現業職員給料表分離反対闘争等懲戒免職処分事件.福岡地判昭59.12.26判例地方自治13
●鹿児島県立大島高校等6カ所の学校施設目的外使用不許可事件.福岡高裁宮崎支部判昭60.3.29判タ574 
●郵政省下関局事件.山口地判昭60.3.19判タ566
●日東運輸事件.大阪地決昭60.5.16労判454(車両にビラ貼付禁止の仮処分申請)
◯総合花巻病院事件.最一小判昭60. 5.23労働委員会関係裁判例集20集164頁(施設利用拒否)
●埼玉県教組事件東京地判昭60.6.27刑集44-3-184●東京高判昭63.5.26刑集44-3-247●最三小判平2.4.17刑集44-3-1(あおりの罪)
●北九州市(43年闘争水道局)事件.昭60.6.26労判468、●最三小判平元.6.20労判552
●北海道開発局昭和48年事件.札幌地判昭60.9.24判時964
●福教組.福高教組事件.福岡地判昭60.12.16判タ588、●福岡高裁.平3.12.26労判639、●最一小判平5.4.8労判639
●国鉄千葉鉄道管理局事件.昭60.12.25
●福岡県教委(福教組.高教組事件)福岡地判昭60.12.26判タ588●福岡高判平3.12.26労判639、●最一小判平5.4.8労判639
〇済生会中央病院事件.東京地判昭61.1.29民集43-12-1821〇東京高判昭63.7.27民集43-12-1890.●最二小判平元年12.11民集43-12-1786(無許可集会)
●全商工事件.東京地判昭61.3.25 判時1189号 ○アヅミ事件.大阪地決昭62.8.21労判503
●国鉄甲府駅事件.甲府地判昭62.6.9労判500、●東京高判平2.2.28判時1346、●最二小判平2.10.19労判572
●仙台管区気象台(全気象東北支部仙台分会)事件.仙台地判昭60.9.25労判464●仙台高判.平2.3.30●最三小判平5.3.2判時1457.判タ817
●北九州市(48年闘争)事件 (福岡地裁昭62.9.29 労判511-82頁)
●エッソ石油事件.東京地判昭62.12.23労判509(ビラ貼り禁止の仮処分決定の異議申立を却下したもので、「ビラは貼付されている限り視覚を通じ常時従業員等に対する組合活動に関する訴えかけを行う効果」に言及している)。
●灰孝小野田レミコン.洛北レミコン事件.東京地判昭63.1.14労判515(ビラ貼り禁止仮処分申請)
●福岡県職労(43年公務員共闘)事件.福岡地判昭63.3.15判例地方自治49●福岡高判平3.9.18労判601
●国労兵庫支部鷹取分会事件.神戸地決昭63.3.22労働判例517号52頁(ビラ配布禁止仮処分)
●ミツミ電機事件.東京高判昭63.3.31判タ682(争議中の集会、デモ、泊り込み、ビラ貼付.赤旗掲揚.懲戒解雇)
●熊本貯金局事件.熊本地判昭63.7.18、労判523
●福岡県職労(43年公務員共闘)事件.福岡地判昭63.9.18判例地方自治49
◯国鉄鹿児島自動車営業所事件.鹿児島地判昭63.9.27 労民39-2.3-21〇福岡高判平元.9.18労民40-4.5-565●最三小判平5.6.11判時1466(26ミリ×26ミリの布製、NURの文字の大型組合バッチ離脱命令に従わなかった職員の業務外し、火山灰除去作業の業務命令)
●福岡県教委内申抜き処分第二事件.福岡地判昭63.10.5労判528、●福岡高裁平4.11.24労判620
●日本チバガイギー事件.東京地判昭60.4.25労判452●東京高判昭60.12.24労民36-6-785●最小一判平元.1.19労判533中労委DB(食堂使用集会不許可)
●全農林(82秋季年末闘争)事件.東京地判平元.10.31判時1331●東京高判令和7.2.28判タ877●最二小判平成12.3.17判時1710 
●オリエンタルモーター事件.東京地判平2.2.21労民41-1-16◯東京高判平2.11.21労民41-1-971●平7.9.8判時1546(従業員食堂利用の不許可)
○国労直方自動車営業所事件.福岡地判直方支部平2.3.30労判561、●福岡高判平4.9.24労判639、〇北海道釧路診療所事件.札幌地判平2.12.26労判578
●平和第一交通事件.福岡地判平3.1.16労経速1423(組合旗)
●国鉄清算事業団(東京北等鉄道管理局)事件.東京高判平4.2.9労判617号29頁(無許可集会)
●熊本人勧スト事件.熊本地判平4.11.26判時1477.判タ814、●熊本高裁平4.11.12判タ1026、●最二小判平12.12.15労判803
〇大分県教組人勧スト事件.大分地判平5.1.19判時1457判タ814●福岡高裁平12.10.6判タ1108
◯国鉄清算事業団(千葉鉄道管理局)事件.千葉地判平5.3.15
●総評全国一般東京ユニオン.神谷商事事件.東京地判平6.4.28判時1493(ビラ貼り.損害賠償)
○国産自動車交通事件.最三小判.平6.6.7労働法律旬報1349
〇北海道教育委員会(学力テスト不実施)事件.札幌地判平7.5.30労判685
●社団法人全国社会保険協会連合会(鳴和病院)事件 東京地判平8.3.6労判693(組合旗掲揚)
●新潟高教組事件.新潟地判平成8.3.19判タ919●最二小判平.12.12.15労判803
●北海道教育委員会(北教組)事件.札幌地判平7.11.13労判691中労委DB"
○中労委(倉田学園学園事件).東京地判平9.2.27労民集48-1.2-20
●医療法人南労会事件.大阪地判平9.4.30労経速1641号3頁(ビラ貼付等)
〇北海道教育委員会事件.札幌地判平11.2.16
●全日本国立医療労組事件.東京地判平11.4.15判時1724●東京高判平12.11.29労判840●最三小判平14.11.26労判840
◯呉市立中学校教研集会目的外使用拒否事件.広島地判平14.3.18民集60-2-401〇広島高判平15.9.18民集60-2-471〇最二小判平18.2.7民集60-2-443
●広島県高教組「人事委員会報告説明会」県立高校体育館使用拒否事件.広島地判平14.3.28裁判所ウェブサイト
〇金融経済新聞社事件.東京地判平15.5.19労判858(無許可集会)
●広島県高教組定期総会学校施設使用不許可事件.広島地判平17.2.9裁判所ウェブサイト
●大阪市立人権センター事件.大阪地判平20.3.27判タ1300
●札幌市教委(北教組スト)事件.札幌地判.平成20.7.7判例地方自治311
●北教組事件.札幌高裁平20.8.29☆
●北海道.北海道教育委員会事件.平成26.3.26判時2250
○北海道.道労委(北教組)事件.札幌地判平26.3.31労判1136中労委DB、●福岡高裁平27.3.26労判1136中労委DB、●最二小判平28.6.3別冊中央労働時報1502中労委DB
◯●大阪市労連、市職、市従、学給労等組合事務所使用不許可事件.大阪高判27.6.26判時2282
◯●大阪市労組.大阪市労働組合総連合組合事務所使用不許可事件.大阪高判27.6.26判時2278
●大阪市教職員組合分会会議使用不許可事件.大阪地判平29.12.20判タ1452
●エッソ石油(出勤停止処分)事件.名古屋地判平6.10.17労判664号18頁(ビラ貼り.ゼッケン着用.店内デモ.ピケによる入退場阻止.出勤停止処分)
○本荘保線区国労ベルト事件 仙台高判秋田支部平4.12.25労判690◯仙台高裁秋田支部判平4.12.25労判690〇最二小判平8.2.23労判690(バックルに国労マークの入ったベルト取り外し命令に従わなかった組合員を就業規則の書き写しを命じる)
△九州女子学園事件.福岡地小倉地判平5.8.9労判714号77頁(煙突闘争.リボン闘争.ビラ貼付.プラカード闘争につき正当な組合活動ではないとしたが、解雇が解雇権の濫用とされた)な)。
〇JR西日本(国労広島地本組合バッジ)事件 広島地判平5.10.12判タ851、△広島高判平10.4.30判タ97(組合バッジ着用等を理由として夏季一時金の減率査定(5%カット)(組合バッジの着用行為のみを減率の理由とした者以外の減率査定には合理性が認められ,裁量権の濫用とはいえないとした)
△延岡学園事件 福岡高裁宮崎支判平5.10.20労判650(リボン闘争)
●西福岡自動車学校腕章事件 福岡地判平7.9.20労民46-5.6-1233(腕章着用闘争.戒告処分)
●七福交通事件東京地判平10.3.3労判738号38頁は営業用自動車へのステッカー貼付その他の理由による懲戒解雇を有効
●大和交通事件.大阪高判平11.6.29労判773(タクシーパレード)
●JR東海(懲戒解雇)事件。大阪地判平12.3.19労判790
●JR東海(国労東京地本新幹線支部バッジ着用)事件 東京地判平7.12.14判時1556●東京高判平9.10.30判時1626●最二小判平10.7.17労判744.中労委DB(組合バッヂ着用の厳重注意と夏期手当減額の措置を不当労働行為に当たらないとして都労委の救済命令を取消した原判決を支持)
〇JR東日本神奈川国労バッチ事件 東京地判平9.8.7判タ957◯東京高判平11.2.24判時1665(組合バッジ着用を理由とする訓告処分、夏季手当減額、業務外し「敵意と嫌悪感を露骨に示す言動を繰り返し」バッジ取外しの指示.指導等は「執拗かつ臓烈なもので,平和的な説得の域を大きく逸脱するものであり」「就業規則の書き写しの作業などは,嫌がらせ」である)〇最二小判平11.11.11労判770.中労委DB(て)
〇神戸陸運事件 神戸地判平9.9.30労判726 中労委DB(腕章着用を理由とする乗務拒否)
●延岡学園事件 宮崎地裁延岡地判平10.6.17労判752(リボン着用、生徒配布文書の配布、父兄等文書配布行為.解雇)
●国立ピースリボン事件.東京地判平18.7.26裁判所ウェブサイト
●全国一般労働組合長崎地本.支部(光仁会病院.組合旗)事件長崎地判平18.11.16
●自治労.公共サービス清掃労働組合ほか(白井運輸)事件.東京地判平18.12.26労判93(ピケッティング.損害賠償)
□全国一般労働組合長崎地本.支部(光仁会病院.組合旗)事件.福岡高判平20.6.25労判1004
●千葉動労事件.東京地判平20.9.17中労委DB●東京高判平21.7.22中労委DB(掲示板貸与、施設利用、団体交渉の勤務開放拒否)
◯国.中労委(医療法人光仁会)事件東京地判平21.2.21労判981◯東京高判平21.8.19労判1001(組合旗掲出)
●杉並区立○○中「夜スペシャル」目的外使用許可処分違法確認等請求事件.東京地判平22.3.30判時2087(私塾連携有料補習授業の目的外使用許可及び使用料免除を適法とする)
●JR西日本大阪国労バッチ事件 東京地判平24.10.31別冊中央労働時報1434中労委DB(国労バッチ着用を理由とする平成12年、13年の訓告と同年の夏季手当減額を不当労働行為とした大阪府労働委員会の救済命令につき、会社側は不服として中労委に再審査申し立てしたところ、初審命令を取り消したので、原告側が中労委の処分を取り消しを求めた事案で、東京地裁は本件組合バッジの取外しの注意.指導は,労働組合に対する団結権の否認ないし嫌悪の意図を決定的動機として行われたものであると認めることはできず,の不当労働行為に当たるということはできないとして、原告の請求を棄却)
●渋谷区行政財産目的外使用許可取消請求等事件 東京地判平25.6.11判例地方自治383号22頁(在日トルコ人子弟のための教育事業に対する、学校施設の一部の目的外使用許可及び使用料免除を適法とする)
●JR東日本神奈川国労バッチ出勤停止処分事件 東京地判平24.11.7労判1067(就業規則違反行為は約15年にもおよんで再三反復継続していたことからすれば業務に対する支障がない行為ではあるがそれに対する処分の加重性には合理的理由があり,さらに国労は昭和62年の会社発足以来組織的な組合活動としてバッジ着用行為を指示し,組織としても不当労働行為救済申立てを行うなどしてきたが,平成14年3月末以降は,組織として不当労働行為救済申立てを行うことはなくなり,平成18年11月には,バッジ事件を含む合計61件の不当労働行為救済申立事件を取り下げているのであって、平成15年7月以降は国労バッジ着用者が□□のみとなり,本件各処分の対象となった平成19年ころには,既にその組合活動としての色彩が後退し,個人的行為の側面が強く不当労働行為には当たらないとした。)●東京高判25.3.27別冊中央労働時報1445●最一小決平27.1.22別冊中央労働時報1478中労委DB。
△JR東日本神奈川国労バッチ減給処分等事件 東京地判平25.3.28別冊中央労働時報1443
(救済命令取り消し訴訟、棄却。平成12年5月30日になされた四党合意について,国労は,平成13年1月27日,これを受諾し,さらに,平成14年3月末ころ,国労バッジ着用処分について,組織として救済申立てをしない方針に転換した。国労の上記方針の転換の時期と相前後する平成14年3月28日,原告は本件警告書の掲出を行い,国労バッジ着用行為に対し,従前行っていた1年度2回の訓告よりも処分を加重する旨を通告した。6名はその後の調査期間(平成14年4月から同年6月まで)経過後も国労バッジ着用行為を続けたため,これを止めるまで減給以上の処分を受けた。本件警告書掲出前にされていた処分と,掲出後にされた処分は,後者の方が格段に大きな経済的不利益をもたらすものと認められるが,この極端な厳罰化は,組合バッジ着用を継続する国労内少数派が組合活動を行うことを嫌悪していた会社が,組合執行部の方針転換を認識するに至り,これを機に,組合内少数派の組合活動を一掃しようとの意図に基づき行ったものであると推認することができることから,組合内少数派の勢力を減殺し,組合執行部の方針に加担したものと認められ,支配介入を構成し不当労働行為が成立するとした)。△JR東日本国労神奈川国労バッチ減給処分等事件 東京高判平25.11.28別冊中央労働時報1455号△JR東日本国労神奈川国労バッチ減給処分等事件  最一小決平27.1.22別冊中央労働時報1478中労委データベース。
●東京都水道局長(行政処分取消等請求)事件.東京地判昭25.6.6労判1081◯東京高判平26.2.12労判1096◯最三小判平27.4.14決TKC(出勤記録の操作を部下に指示)
●枚方市組合事務所使用料徴収処分取消請求事件.大阪地判平28.3.28TKC
〇東京都立南大沢学園養護学校事件 東京地判平29.5.22判例地方自治439●東京高判平31.3.14労働判例ジャーナル88(「強制反対 日の丸 君が代」等と書かれたトレーナー着用等)●最一小判令元10.31TKC

 

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