水道局において東水労の同盟罷業に際し管理職が就業命令等をしない慣行に関する陳情外9件の進捗状況と、解説動画のおしらせ
先月末に都議会議長あてに以下の10件の陳情を提出しました。(令和7 159~168号で受理)。
水道局において東水労の同盟罷業に際し管理職が就業命令等をしない慣行に関する陳情
水道局において闘争指令下で組合集会等に便宜供与する庁舎管理の慣行に関する陳情
水道局の同盟罷業において就労しない非組合員を「事故欠勤」とする慣例等に関する陳情
水道局における三六協定破棄闘争(職制麻痺闘争)対応実務に関する陳情
水道局における組合の三六協定破棄闘争が就労妨害に利用されている状況に関する陳情
水道局における三六協定破棄闘争において発災時の労基法33条適用に関する陳情
水道局における争議行為の懲戒処分方針の是正に関する陳情
水道局における外形上犯罪構成要件該当行為を取り締まらない実務の是正に関する陳情
水道局営業所における勤務時間内シャワー利用を認める労務管理の是正に関する陳情
都より東京地下鉄乗務員等の「私鉄総連春闘ワッペン」着用に関する要請を要望する陳情
このうち、水道局において「東水労の同盟罷業に際し管理職が就業命令等をしない慣行に関する陳情」、議員にわたる文書表では「全水道東水労の同盟罷業に際し管理職が就業命令等をしない慣行に関する陳情」につきまして、解説動画前編を作りましたので、興味のある方は見てください。
8件は文書表作成と順調に進みましたが、「水道局における三六協定破棄闘争(職制麻痺闘争)対応実務に関する陳情」が、[基本的な人権を否定するなど、違法又は明らかに公序良俗に反する行為を求めるもの]、「都より東京地下鉄乗務員等の『私鉄総連春闘ワッペン』着用に関する要請を要望する陳情」は2件は [東京都の事務に関係しない事項を願意とするもの]にに該当するので委員会へ付託せずに関係議員に写しを送付し、閲覧に供しますということになりました。
三六協定破棄闘争については、違法承知に職務命令するとしたのが引っ掛かったとのことですが、理由に「最高裁は仙台鉄道管理局事件・最二小判昭48・5・25で、職務命令に労基法強行規定の違反があつたとしても就労を拘束的に義務付ける部分の効力に影響を及ぼし得るにとどまり、職務執行の権限を付与する性質の部分についての効力にまで消長をきたすべき理由はないと述べ、倉敷駅信号所事件・岡山地判昭50・1・17(信号所代務を助役に命じた)は、業務命令が労基法上違法であるからといって、それに基づく業務が刑法234条の業務に該当しないというものではない。」などと記し、表面的には違法であっても、法秩序全体の見地から具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ違法ではないとされる場合があるという趣旨だったので、納得はできなかったし、東京地下鉄については民鉄協に加入し、大手私鉄とされるが、都の事業協力団体で、都が株式を保有している特殊会社であるし、元副知事・局長である都のОBが代表取締役会長であり、都の政策が反映されてよいはずで労務管理に注文してもよいと考えたが、事務方は就業規則を追加整備を求めている点を問題とし、そこまでは都の事務と関係しない判断したようだが、これも不満であるが、この問題で抵抗する時間的余裕もなく、とにかく10のうち8件はここまで順調に進んでいるので簡単に了承し、この2つの陳情は別の方法も考えたい。
なお8件の文書票は議員全体に配布されるそうですが、(願意)に(理由)が書かれているものが数件あり、決められたフォーマットに合わせて、公文書の形式に修正する作業を事務方で行い、確認作業のうえこちらからニュアンスの違う文言は、疑問点も指摘のうえ、そこも再修正されたのでこれならいいと了承したものです。
2月に委員会付託される予定ときいており、政治的に採択される確率は低いとはいえ、採択に向けて頑張りたいと思います。
159号文書表
(件名)
全水道東水労の同盟罷業に際し管理職が就業命令等をしない慣行に関する陳情
(願意)
都において、次のことを実現していただきたい。
1 水道局において、全水道東水労による同盟罷業当日、管理職はストライキ集会参加者等に対し職場復帰命令・就業命令、指導者等の現認活動及び現認検書の上申を全くしない方針を是正し、国の省庁と同様に就業命令等を徹底するように改めること。
2 水道局において、全水道東水労のスト決行体制の確立に際し、管理職は職員一般に対し、服務の示達と称する、違法行為との文言のない偽装の訓示を行っているが、同盟罷業は違法行為であり必要な措置を取らざるを得ない旨の事前警告や、就業命令書の交付がされていないため、今後は警告又は命令書交付を行うよう是正すること。
(理由)
1 就業命令等をしない方針の是正
水道局では、全水道東水労による1時間ストライキ(同盟罷業)が、平成16年以降6回、直近では令和元年12月20日に敢行されたが、当日、庁舎構内で行われたスト集会参加者に対し、管理職による職場復帰命令・就業命令は一切されず、指導者や率先助勢者の現認検書の作成・上申はされていない。
就業命令等は国では必須のものとして重視されているのに対し、水道局職員部監察指導課は、就業命令等や現認検書を義務付けない組織的方針を取っている。
これは、地方公営企業等の労働関係に関する法律(以下「地公労法」という。)第1条の正常な運営を最大限確保する趣旨に反し、違法行為の阻止及び排除を行わない労務管理は違法行為を許容、助長するため、是正されなければならない。
公務員であれ争議中は使用者の指揮から離脱し労務指揮権は及ばないという組合側の学説は、神戸税関事件(最高裁第三小法廷判決、昭和52年12月20日)により明示的に否認され、就業命令は適法である。
同盟罷業は地公労法第11条第1項の前段に違反し、争議行為が正当業務でないことは、北九州市交通局事件(最高裁第一小法廷判決、昭和63年12月8日)以降、累次の判例により、スト集会の交渉経過報告、決議文朗読等演説は、同条項後段が禁止する唆し、あおりに該当することは全運輸近畿陸運支部事件(最高裁第二小法廷判決、昭和60年11月8日)により確定している。
就業命令をしない方針は、単に地方公務員法(以下「地公法」という。)第29条第1項第1号の適用を避けるだけでなく、当局がスト破りを認めない組合の指図に従い、争議中の操業は争議権との対抗の中では権利性を失うというプロレーバー学説に従っているためである。
しかし最高裁は、争議権のある私企業においても、ストライキ中に業務の遂行自体を停止しなければならないものではなく、第二組合員や非組合員等を使って操業を継続するのは正当とする。操業阻止を目的とする労働者側の争議手段に対しては、操業を継続する対抗措置を採ることができる(山陽電気軌道事件、最高裁第二小法廷決定、昭和53年11月15日)。非組合員はもちろん、組合員も切り崩して業務命令をすべきである。
2 職員一般に事前警告をしない方針の是正
水道局は、組合中央執行委員長宛てに違法行為中止の申入れと称する警告を行っており、スト決行ならば本部中闘数名を停職処分するのが通例である。支部・分会役員も各事業場で違法行為中止の申入れが指示されているが、実際されているか不明である。
スト前日の令和元年12月19日のプレス発表では、(1)組合に対する警告 、(2)職員に対する服務規律確保の周知を行っていると記載され、組合と職員で異なる対応を採っていることを隠していない。
(2)は服務規律についての局長通達に基づき、職員部監察指導課から各庶務担当課長宛てに服務の示達について指示し、違法行為との文言のない「職員のみなさんへ」と称する訓示文を前日に掲示すること等を指示し、マイク放送等でそれをなぞった訓示を行っていることを指す。
違法行為との文言を含めないのが約束で、地公法第29条第1項第1号の適用による懲戒処分はしないという裏メッセージと理解され、警告に値しない偽装の訓示である。
違法行為としないのは、大多数の組合員は、中央からの指令を忠実に実行し組合員としての義務を果たしているだけであり、労働組合の争議行為が違法であるとしても、懲戒を許容できないという組合側の主張に従っているためである。
しかしこの見解は、全逓東北地本事件(最高裁第三小法廷判決、昭和53年7月18日)が、「その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない」と明示的に否定しており、この慣例は不当であり是正されなければならない。
水道局において東水労の同盟罷業に際し管理職が就業命令等をしない慣行に関する陳情 (159号提出原文)
(願意)
一 水道局において、全水道東水労による同盟罷業当日、管理職はストライキ集会参加者等に対し職場復帰命令・就業命令、指導者等の現認活動、現認検書上申を全くやらない方針を是正し、国の省庁の実務と同様に就業命令等を徹底するように改めていただきたい。
二 水道局において、全水道東水労のスト決行体制の確立に際し、管理職は職員一般に対し、「服務の示達」と称する「違法行為」との文言のない偽装の訓示を行っているが、同盟罷業は「違法行為なので必要な措置を取らざるを得ない」旨の事前警告や、就業命令書の交付がなされておらず、今後は警告又は命令書交付を行うよう是正していただきたい。
(理由)
一 就業命令等をやらない方針の是正
水道局では、全水道東水労による1時間ストライキ(同盟罷業)が、平成16年以降6回、直近は令和元年12月20日に敢行されたが、当日、庁舎構内で行われるスト集会参加者に対し、管理職による職場復帰命令、就業命令は一切なされず、指導者や率先助勢者の現認検書の作成、上申はなされていない。
就業命令等は国の省庁では必須の任務として重視されているのに対し、都水道局職員部監察指導課は、就業命令等や現認検書を義務づけてないから組織的方針である。
これは地方公営企業等の労働関係に関する法律1条の正常な運営を最大限確保する趣旨に反し、違法行為の阻止及び排除を行わない労務管理は、違法行為を許容、助長するから是正されなければならない。
公務員であれ争議中は使用者の指揮から離脱し労務指揮権は及ばないという組合側の学説は神戸税関事件・最三小判昭52・12・20により明示的に否認され、就業命令は適法である。
同盟罷業は地公労法11条1項の前段に違反し、争議行為が正当業務でないことは、北九州市交通局事件・最一小判昭63・12・8以降累次の判例により、スト集会の交渉経過報告、決議文朗読等演説は、同条項後段が禁止する「唆し」「あおり」に該当することは全運輸近畿陸運支部事件・最二小判昭60・11・8により確定している。
就業命令しない方針はたんに地公法29条1号の適条を避けることだけでなく、当局がスト破りを認めない組合の指図に従い、争議中の操業は争議権との対抗の中では権利性を失なうというプロレイバー学説に従っているためである。
しかし最高裁は、争議権のある私企業においても、ストライキ中に業務の遂行自体を停止しなければならないものではなく、第二組合員や非組合員等を使って操業を継続するのは正当とする。操業阻止を目的とする労働者側の争議手段に対しては操業を継続する対抗措置をとることができる(山陽電気軌道事件・最二小決昭53・11・15刑集32-8-1855)。非組合員は勿論、組合員も切り崩して業務命令するべきである。
二 職員一般に事前警告をしない方針の是正
当局は組合中央執行委員長宛「違法行為中止の申入れ」と称する警告を行っており、スト決行ならば本部中闘数名を停職処分する。支部・分会役員も各事業場で違法行為中止の申入れが指示されているが、実際は為されているか不明である。
スト前日の令和元年12・19のプレス発表では「1)組合に対する警告 2)職員に対する服務規律確保の周知」を行っていると記載され、組合と職員で異なる対応をとっていることを隠していない。
2)は服務規律についての局長通達に基づき、職員部監察指導課から各庶務担当課長宛に「服務の示達」について指示し、違法行為の文言のない「職員のみなさんへ」と称する訓示文を前日に掲示すること等を指示し、マイク放送等でそれをなぞった訓示を行っていることを指す。
「違法行為」を文言に含めないのが「お約束」で、地公法29条1号適条による懲戒処分はしないという裏メッセージと理解され、警告に値しない偽装の訓示である。
「違法行為」としていないのは、大多数の組合員は、中央からの指令を忠実に実行し組合員としての義務を果たしているだけであり、労働組合の争議行為が違法であるとしても、懲戒を許容できないという組合側の主張に従っているためである。
しかしこの見解は、全逓東北地本事件・最三小判昭53・7・18が「その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない‥‥」と明示的に否定しており、この慣例は不当であり是正されなければならない。
(AIの要約を補正)
一 就業命令等していない方針の是正
水道局では平成16年以降6回ストライキが行われましたが、参加者への職場復帰命令や就業命令はなく、現認検書も作成されていません。国の省庁ではこれらの対応が重要視されますが、水道局では義務づけられておらず、違法行為への対策が不十分です。最高裁判例によれば、争議中でも非組合員などを使って操業を続けることは認められています。
二 職員への警告をしていない方針の是正
当局は組合には警告を行いますが、職員全般への明確な警告はありません。服務規律の周知に留まり、「違法行為」という表現は避けて、懲戒処分を控える意図が示されています。しかし、判例では集団行動であっても個人の責任は問われうることが明言されているため、この慣習は見直すべきです。
160号文書表
水道局の同盟罷業において就労しない非組合員を事故欠勤とする慣例等に関する陳情
(願意)
都において、次のことを実現していただきたい。
1 水道局における同盟罷業において、組合の説得に応じピケットラインを越えない非組合員は事故欠勤として賃金カットしない組織的方針となっているが、職務離脱し勤務実態のない非組合員に対する給与支払義務はなく、全員をストに参加させる組合の方針を支援する目的での給与支出は違法行為を助長しているので、組合員と同様、賃金カットする方針に是正すること。
2 水道局において、就労を申し出る職員に対し、管理職が就労を拒否し事故欠勤にするのでピケットラインを越え、出勤時限前にICカードリーダーによる出勤入力をしてはならないと指示することがあるが、服務の基本的義務である出勤入力の禁止の指示やストライキ全員参加の慫慂(しょうよう)は、権限を逸脱しており、違法行為を支援しているので是正すること。
(理由)
非組合員の就労権の行政解釈は、「労働組合の統制力は、原則として労働組合の組合員以外には及ばないから、(中略)正当な就労を妨げることはできない。」(昭和29年11月6日付労働省発労第41号)である。
横浜第二港湾司令部駐留軍要員労組事件(東京高裁判決、昭和30年3月31日)は、「労働組合は、その所属構成員に対してのみ、労働力のコントロールを加え得るものであつて、構成員以外にまでこれを強制しえないことは、労働法上の基本理論であるから、労働組合が組合員の労働力を統制してストライキを継続することが、当然の権利行使であると同時に、非組合員が右ストライキに同調しないで就業することも、また当然の権利行使であり、右の争議権と就業権とは、対等の立場に立ち、互に並立する関係にあるものと解すべき」とし、非組合員に対し、平和的温和な説得行為ならば格別その限度を超えて就労を拒否する手段に出ることは許されないとする。
ところが水道局の管理職は、ピケットラインを尊重し、非組合員にスト参加の勧誘・説得を受忍すべきとの前提、若しくは組合の意思との対立は許さない趣旨で就業命令を一切しない。
ピケラインを越えないことが労働者階級の倫理義務という思想は、団体の意思が個人の意思を制圧する組織強制の思想であり都の管理職がスト防衛のために協力体制をとっているのは悪質である。
東京都水道局処務規程第55条における事故欠勤とは、交通機関の事故等の不可抗力が原因で、出勤時限に遅参しても賃金カットせず救済する趣旨だが、組合のスト参加の勧誘・説得に応じた非組合員にも適用され、勤務実態なく給与を請求するのは詐欺行為に等しい。これは組合と当局共謀の組織的方針で、職員部も認めている。
通説は、私企業でストライキに反対の第二組合員等がピケに阻まれて、就労が事実上不能となった場合、使用者は民法第536条第1項により賃金の支払義務を免れるとされる。支払義務がないのに違法スト支援のため当局が不正な支出をするのは悪質であり、この慣例は中止すべきである。
なお、公共企業体等労働関係法第17条第1項に違反するストライキ決議が法的拘束力を持たず、組合の内部統制権を否認する多数の先例がある(国労広島地本組合費請求事件、最高裁第三小法廷判決、昭和50年11月28日。全逓横浜中郵事件、差戻後控訴審東京高裁判決、昭和47年10月20日。動労糸崎駅事件、広島高裁判決、昭和48年8月30日等)。
動労糸崎駅事件控訴審判決は、「争議行為が(中略)労働法上(中略)違法とされている国鉄においては、組合は組合員に対する統制権の行使を理由として、斯る違法な争議行為に参加することを強制することは許されず、組合員は(中略)組合本部指令に服従すべき義務はなく、従って、これに参加を促がす勧誘、説得を受忍すべき義務もない」と説示し、国労や動労のストで、国鉄では組合員や非組合員に業務命令し、職務離脱者の代務とするのは通例であった。
地方公営企業等の労働関係に関する法律第11条第1項違反の争議行為を別異に解釈する理由はなく、非組合員はもちろん、組合員であれ就労の権利と義務があるのに、それを否定する都の労務管理は左翼体質が著しく異常である。
また、東京都・東京都公営企業管理者東京都水道局長(行政処分取消等請求)事件(東京高裁判決、平成26年2月12日)は、水道局においては、所定操作によって出勤記録を自ら入力することは、「勤務時間等規程」、「処務規程」、「事務処理要領」などの規程上、職員の基本的な服務上の義務と説示しているが、就業規則違反を強要したり、締め出し、就労を拒否し、出勤停止とするのは現場の管理職の権限を逸脱し違法であるともいえる。
水道局の同盟罷業において就労しない非組合員を「事故欠勤」とする慣例等に関する陳情 (160号提出原文)
(願意)
一 水道局における同盟罷業(直近では令和元年12月20日)において、組合の説得に応じピケットラインを越えない非組合員は「事故欠勤」として賃金カットしない組織的方針となっているが、職務離脱し勤務実態のない非組合員に給与支払い義務はなく、全員をストに参加させる組合の方針を支援する目的での給与支出は違法行為を助長しているので、組合員と同様、賃金カットする方針に是正していただきたい。
二 水道局において就労を申出る職員に対し、管理職が就労を拒否し「事故欠勤」にするのでピケットラインを越え、出勤時限前にICカードリーダによる出勤入力をしてはならないと指示することがある。
服務の基本的義務である出勤入力の禁止の指示やストライキ全員参加の慫慂は、権限を逸脱しており、違法行為を支援しているので是正していただきたい。
(理由)
非組合員の就労権の行政解釈は「労働組合の統制力は、原則として労働組合の組合員以外には及ばないから、‥‥正当な就労を妨げることはできない。‥‥」(昭和29年11月6日労働省発労第41号事務次官通牒)である。
横浜第二港湾司令部駐留軍要員労組事件・東京高判昭30・3・31高裁刑集8-2-217は「労働組合は、その所属構成員に対してのみ、労働力のコントロールを加え得るものであつて、構成員以外にまでこれを強制しえないことは、労働法上の基本理論であるから、労働組合が組合員の労働力を統制してストライキを継続することが、当然の権利行使であると同時に、非組合員が右ストライキに同調しないで就業することも、また当然の権利行使であり、右の争議権と就業権とは、対等の立場に立ち、互に並立する関係にあるものと解すべき」とし非組合員に対し、平和的温和な説得行為ならば格別その限度を超えて就労を拒否する手段に出ることは許されないとする。
ところが都水道局の管理職は、「ピケットラインを尊重」し非組合員にスト参加の勧誘、説得を受忍するべきとの前提、もしくは組合の意思との対立は許さない趣旨で就業命令を一切しない。
ピケラインを越えないことが労働者階級の倫理義務という思想は、団体の意思が個人の意思を制圧する組織強制の思想であり、都の管理職がスト防衛のために協力体制をとっているのは悪質である。
水道局処務規程55条「事故欠勤」とは、「交通機関の事故等の不可抗力の原因」で出勤時限に遅参しても賃金カットせず救済する趣旨だが、組合のスト参加の勧誘・説得に応じた非組合員にも適用され、勤務実態なく給与を請求するのは詐欺行為に等しい。これは組合と当局共謀の組織的方針で職員部も認めている。
通説は、私企業でストライキに反対の第二組合員等がピケに阻まれて、就労が事実上不能となった場合、使用者は民法536条1項により賃金の支払義務を免れるとされる。支払い義務がないのに違法スト支援のため当局が不正な支出をするのは悪質であり、この慣例は中止すべき。
なお、公労法17条1項に違反するストライキ決議が法的拘束力をもたず、組合の内部統制権を否認する多数の先例がある(国労広島地本組合費請求事件・最三小判昭50・11・28民集29-10-1634、全逓横浜中郵事件・差戻後控訴審東京高判昭47・10・20判時689、動労糸崎駅事件・広島高判昭48・8・30 判タ300等)。
動労糸崎駅事件控訴審判決は「争議行為が‥‥労働法上‥‥違法とされている国鉄においては、組合は組合員に対する統制権の行使を理由として、斯る違法な争議行為に参加することを強制することは許されず、組合員は‥‥組合本部指令に服従すべき義務はなく、従って、これに参加を促がす勧誘、説得を受忍すべき義務もない‥‥。」と説示し、国労や動労のストで、国鉄では組合員や非組合員に業務命令し、職務離脱者の代務とするのは通例であった。
地公労法11条1項違反の争議行為を別異に解釈する理由はなく、非組合員は勿論、組合員であれ就労の権利と義務があるのに、それを否定する東京都の労務管理は左翼体質が著しく異常である。
又、東京都水道局出勤記録修正懲戒処分事件・東京高判平26・2・12労判1096は、「都水道局においては、所定操作によって出勤記録を自ら入力することは、『勤務時間等規程』『処務規程』『事務処理要領』などの規程上、職員の基本的な服務上の義務」と説示しているが、就業規則違反を強要したり、締め出し、就労を拒否し、出勤停止とするのは現場の管理職の権限を逸脱し違法であるともいえる。
(AIによる要約を補正)
行政解釈や判例では、労働組合の統制力は原則として組合員のみに及び、非組合員の就労権を妨げることはできません。ストライキ中でも非組合員が就業する権利は守られ、説得を超える行為で就労を拒否させるのは認められていません。しかし都水道局ではピケットラインを優先し、非組合員への就業命令を出していません。スト参加勧誘による遅刻も事故欠勤扱いされ、勤務実態がなくても給与請求が認められ、不適切です。私企業では、ピケ阻止により就労不能なら賃金支払い義務が免除されます。違法ストライキを支援する支出は問題であり、こうした慣行は見直すべきです。多数の判例も違法ストライキの場合、組合の統制権や参加義務を否定しています。都の労務管理は非現実的で、職員には就労権と義務があります。出勤入力を認めないなどの就業規則違反の指示は権限を逸脱し、現場の管理職が就労を不当に制限するのは違法です。
161号文書表
(件名)
水道局における闘争指令下で組合集会等に便宜供与する庁舎管理の慣行に関する陳情
(願意)
都において、次のことを実現していただきたい。
1 水道局において、全水道東水労の闘争指令下における庁舎構内の昼休み集会や演説行為について、地方自治法第238条の4第7項の目的外使用に当たらず、不許可、中止・解散命令を徹底する方針に是正すること。
2 水道局において、上記の中止・解散命令の根拠と、地方公務員法第29条第1項第1号の適用を明確にするため、勤務時間内外いかんを問わず、局施設内における無許可集会、演説行為及び職務専念を妨害する行為を禁止する就業規則を整備すること。
(理由)
平成16年3月17日の公営企業委員会で、後藤雄一都議が組合の勤務時間内の頭上報告等について質問し、東岡職員部長は、原則として勤務時間外に行うように求め、勤務時間中は中止するよう警告し、やめない場合は賃金カットすると通知したと答弁した。
この通知による警告はされているが、問題を地方公務員法第35条及び第55条の2第6項違反の側面に矮小化し、抜本的な是正になっていない。
まず、本部中央執行委員や本部委員による勤務時間中のオルグ演説は警告の対象外のため容認されている。また、勤務時間外に原則行うとしたため、闘争課題を確認し、組合員の意思統一を図る昼休み集会(基調報告、決意表明、決議文朗読、頑張ろう三唱等)のように地方公営企業等の労働関係に関する法律第11条第1項後段所定のあおりに相当する違法行為を容認させる口実になっており、方針の見直しが必要である。水道局では地方公務員法第61条第4号の罰則は適用除外だが、唆しやあおりが違法である以上、中止・解散命令は適法であり、強行すれば解雇や懲戒処分事由になる。
また、営業所では休憩時間をずらして、昼当番職員の2~3名が勤務中であり、とらわれの聴衆でのアジ演説が、職務専念を妨害し、作業の能率を低下させるという観点でも規制は必要である。
なお、労働基準法第34条第3項の休憩時間の自由利用につき、米空軍立川基地事件(最高裁第三小法廷判決、昭和49年11月29日)及び目黒電報電話局事件(最高裁第三小法廷判決、昭和52年12月13日)によると、事業施設内の行動は管理権の合理的な行使として是認される規制により制約できるとされ、休憩時間中の集会等も当然規制できる。
あおりが限定解釈されることはない。都教組勤評事件(最高裁大法廷判決、昭和44年4月2日)の通常随伴行為不罰論は、岩教組学力調査事件(最高裁大法廷判決、昭和51年5月21日)等で判例変更され、日教組スト事件(最高裁第一小法廷判決、平成元年12月18日)では組合側の限定解釈の主張を退けている。全運輸近畿陸運支部事件(最高裁第二小法廷判決、昭和60年11月8日)は勤務時間に15~20分食い込む職場集会につき、二審が挨拶、職場大会の意義についての演説、所長交渉の経過報告、決議文の朗読などの行為は唆しやあおりに該当すると述べ、上告審は原審の判断は正当としているから、この種の集会演説者は全て懲戒責任を問える。
本庁・支所等の決起集会や勤務時間外の頭上報告の指令伝達もあおりに該当し、旧郵政省の方針と同様に、スト決行確立体制に入った時点で、庁舎構内の便宜供与を禁止すべきである。
東京城東郵便局事件(東京地裁判決、昭和59年9月6日)は、全逓本部によるスト決行体制確立、業務規制闘争突入指令発令後、局内での組合集会開催のための施設の利用を許諾することは、公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の違法行為を助長する結果となるおそれが大きいと当局側が判断したことについては、相当な理由があるとして、会議室使用不許可は不当労働行為に当たらないと判示している。
以上に述べた秩序維持及び規律ある業務運営体制確保のため、職務命令や懲戒の根拠として、JRグループ就業規則第22条第1項及び第23条、郵政事業庁就業規則第13条第6項並びに人事院規則17-2第7条第2項を参考にして、就業規則を追加、整備すべきである。
水道局において闘争指令下で組合集会等に便宜供与する庁舎管理の慣行に関する陳情(161号提出原文)
(願意)
一 水道局において東水労の闘争指令下で闘争課題を確認し組合員の意思統一を図る「昼休み集会」が毎年2~3回事務室内等で開催される。2割・3割動員勤務時間内庁舎構内の決起集会(闘争期間に年5回程度)なども含め、地公労法11条1項後段所定の「あおり」そのものである違法行為に対し、当局は監視・中止・解散命令せず、違法行為を助長しているので、旧郵政省の方針と同じく、ストライキが配置され大衆行動等の闘争態勢がとられた時点で、庁舎構内の集会や演説行為の便宜供与を禁止するべき。
地方自治法238条の4第7項の目的外使用として不許可、中止・解散命令を徹底する方針に是正していただきたい。
二 水道局において上記の中止・解散命令の根拠と、地方公務員法29条1号の適条を明確にするため、勤務時間内外如何を問わず無許可集会、演説行為や、職務専念を妨害する行為を禁止する就業規則を整備していただきたい。
(理由)
平成16年3・17公営企業委員会で、後藤雄一都議が組合の勤務時間内頭上報告等について質問し、東岡職員部長は、原則として勤務時間外に行うように求め、勤務時間中は中止するよう警告し、やめない場合は賃金カットすると通知したと答弁した。
この通知による警告はなされているが、問題を地方公務員法55条の2第6項及び35条違反の側面に矮小化したので、抜本的な是正になっていない。
まず本部中執や本部委員の勤務時間中オルグ演説は警告の対象外のため容認されている。
又、勤務時間外に原則行うとしたため、昼休み集会(基調報告、決意表明、決議文朗読、頑張ろう三唱等)のように地公労法11条1項後段所定の「あおり」に相当する違法行為を容認させる口実になっており方針の見直しが必要である。水道局では地公法61条4号の罰則は適用除外だが、「唆し」「あおり」が違法である以上、中止解散命令は適法であり、強行すれば解雇や懲戒処分事由になるのはいうまでもない。
又、営業所では休憩時間をずらして、昼当番職員の2~3名が勤務中であり、囚われの聴衆でのアジ演説が、職務専念を妨害し、作業の能率を低下させるという観点でも規制は必要。
なお、労基法34条第3項の休憩時間の自由利用につき、事業施設内の行動は管理権の合理的な行使として是認される規制により制約できるのであって(米空軍立川基地事件・最三小判昭49・11・29、目黒電報電話局事件・最三小判昭52・12・13)、休憩時間中の集会等も当然規制できる。
「あおり」が限定解釈されることはない。都教組勤評事件・最大判昭44・4・25の「通常随伴行為不罰論」は、岩教組学力調査事件・最大判昭51・5・21等で判例変更され、日教組スト事件・最一小平成元・12・18では組合側の限定解釈の主張を退けている。全運輸近畿陸運支部事件・最二小判昭60・11・8は勤務時間に15~20分喰込む職場集会につき、二審が「挨拶」「職場大会の意義についての演説」「所長交渉の経過報告」「決議文の朗読」などの行為は「唆し」「あおり」に該当すると述べ、上告審は原審の判断は正当としているから、この種の集会演説者は全て懲戒責任を問える。
本庁・支所等の決起集会や勤務時間外の頭上報告の指令伝達も「あおり」に該当するのは同じことであり、旧郵政省の方針と同様に、スト決行確立体制に入った時点で、庁舎構内の便宜供与を禁止していただきたい。
東京城東郵便局事件・東京地判昭59・9・6労判442は、全逓本部によるスト決行体制確立、業務規制闘争突入指令発令後、局内での組合集会開催のための施設の利用を許諾することは、公労法17条1項違反の違法行為を助長する結果となるおそれが大きいと当局側が判断したことについては、相当な理由があるとして、会議室使用不許可は不当労働行為に当たらないと判示しているとおりである。
以上述べた秩序維持のため、規律ある業務運営体制確保のため、職務命令や懲戒の根拠として以下を参考にして就業規則に追加、整備していただきたい。
○JRグループ就業規則
第22条1項 社員は、会社が許可した場合のほか、会社施設内において、演説、集会、貼紙、掲示、ビラの配付その他これに類する行為をしてはならない。
第23条 社員は、会社が許可した場合のほか、勤務時間中に又は会社施設内で、組合活動を行ってはならない。
○郵政事業庁就業規則13条6項
職員は、職場において、他の職員の執務を妨げ、その他秩序を乱す言動をしてはならない。
○人事院規則17-2第7条2項
職員は‥‥他の職員の職務の遂行を妨げ、又は国の事務の正常な運営を阻害してはならない。
(AIによる要約の補正)
平成16年3月17日の公営企業委員会で、後藤雄一都議が組合活動の勤務時間内実施について質問し、東岡職員部長は原則として勤務時間外に行うよう求め、勤務時間中の実施には警告と賃金カットの可能性を示しました。しかし、この対応では抜本的な是正には至っていません。昼休み集会や勤務時間中のオルグ演説など、一部違法行為が容認されている状況です。また、休憩時間中の集会も規制でき、判例によって管理権の行使が認められています。「あおり」行為は限定解釈されず、判例でも懲戒責任が問われます。職務命令と懲戒の根拠として、就業規則の整備が重要です。
水道局における三六協定破棄闘争(職制麻痺闘争)対応実務に関する陳情
(162号提出原文)
(願意)
一 水道局における全水道東水労の三六協定破棄闘争について、当局は正当な行為とし、管理職も定時退庁を職員に指示し、職員部は組合との保安協議で認められた業務を除き、時間外労働の業務命令をしてはならないと厳命しているが、正常な業務運営を最大限確保していくべきであり、今後は、労基法32条の法内超勤命令(局の1日の所定労働時間は7時間45分なので15分は法内超勤)を行ううえ、当日8時間の法定時間を越えても、経常業務や不可欠な業務と、時間外に年間計画で委託業者と契約している業務の監督、検査などは日程を動かせないのであるから、職務命令を凍結せず、三六協定が破棄されても違法承知で業務命令する方針に是正していただきたい。
二 水道局営業所における三六協定破棄闘争で、組合役員により時間外の経常業務(窓口レジのスタンバイ、つり銭準備等の下位職務)代務を管理職に指図する嫌がらせが行われるが、所長が組合役員の下手に立って使われる筋合はなく、職員に業務命令するよう是正していただきたい。
(理由)
水道局と全水道東水労の時間外労働に関する協定(三六協定)は常時締結され1年で更新されるが、「この協約は、あらかじめ乙が指定する日については、保安のために必要な要員に限定して適用する」という組合が一方的に破棄できる条項があり、令和5年度は、11月15日、12月19・20・21日、1月23日、3月11・12日を指定して超勤拒否闘争を実施した。近年では年間10日を超えないが、平成16年には9日間連続の超勤拒否闘争を行った。
組合が職制の指揮権を麻痺させる目的で、信義則に反する三六協定を破棄できる制度が織り込まれている。保安要員は浄水場、水運用センター等水供給に支障なく、突発事故に対応できる人員とされるが、保安要員を置くこと自体正常な業務運営ではない。
当局は保安協議で組合が認めたケースを除いて、時間外の労務指揮権を凍結し、業務命令を行わないことを厳命し、組合役員による管理職の下位職代務の指図も認容している。
しかし三六協定未締結闘争について内閣法制局意見昭32・9・9法制局一発22号は、「もっぱら他の争議行為目的のための争議手段として三六協定の締結、更新を拒否するときは争議行為にあたり、そうではなく、超勤に関する労働条件そのものを改めることを目的として協定の締結、更新を拒否する場合には争議行為に当たらない‥‥特定の事業場において時間外又は休日の労働の行なわれることが常態であり‥‥当該事業場における業務の運営が経常・普通の状態にあると客観的に判断しうる事情の存するときは、「業務の正常な運営」が阻害されたことになる」と説示している。
北九州市交通局事件・最一小判昭63・12・8が法制局意見に近似した見解をとり三六協定未締結闘争を争議行為と認定したことから、都水道局の三六協定破棄闘争も争議行為と認定される可能性は高いと考えるが、当局の見解は、北九州市バスでは平常ダイヤ9勤務に超勤が組み込まれているので争議行為とされたのであって、水道局の三六破棄は争議行為でないと言っている。
仮にそうだとしても、最高裁は仙台鉄道管理局事件・最二小判昭48・5・25で、職務命令に労基法強行規定の違反があつたとしても就労を拘束的に義務付ける部分の効力に影響を及ぼし得るにとどまり、職務執行の権限を付与する性質の部分についての効力にまで消長をきたすべき理由はないと述べ、倉敷駅信号所事件・岡山地判昭50・1・17(信号所代務を助役に命じた)は、業務命令が労基法上違法であるからといって、それに基づく業務が刑法234条の業務に該当しないというものではない。刑法上保護される業務としては業務主体がその地位において行なう業務であれば足りると判示。
国鉄荒尾駅事件・福岡高判昭37・8・7は三六未締結で助役に機関士の職務代行を命じたことは、公労法1条、労基法33条の法意に照らし正当とする。
国鉄八代駅事件・熊本地判昭40・3・19は三六未締結で退社後の助役に駅構内の警戒取締りを命じたことは、抽象的職務権限が時間的に拡張するにすぎず、公務の執行として刑法第95条1項によって保護されるとし、福岡高判昭41・4・9は、労基法33条、日本国有鉄道法33条2項により容認されると説示している。
国鉄は三六未締結でも業務命令していた。先例を総合的に判断して、この種の労働事件は、具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から判断されるので、労基法の罰則規定が絶対とはいえないから、三六未締結でも職務命令し、正常な業務運営を確保すべく、最大限の努力をすべきで、違法承知で職務命令する方針に是正されるべきである。
(AIに要約を補正)
水道局と全水道東水労の三六協定(時間外労働に関する協定)は常時締結され、毎年更新されています。しかし、「保安のため必要な要員に限定して適用する」という条項により、組合は特定の日を指定して一方的に協定を破棄し、超過勤務拒否闘争が行われます。令和5年度には指定日として7日間にわたり実施され、過去には最大9日連続で行われたこともあります。この仕組みにより職制の指揮権に影響が及び、通常の業務運営とは言えない状況が生じています。
当局は組合が認めた場合を除き、時間外の業務命令を厳しく制限し、組合役員の指図による管理職代務も認めています。一方で、三六協定未締結闘争が争議行為に当たるかどうかについて、内閣法制局意見や最高裁判例があり、過去の事件では状況により争議行為と認定されたケースもあります。ただし、当局は水道局の場合は争議行為ではないと言っています。
また、最高裁などの判例から、労基法違反があっても職務執行それ自体違法とはならず、刑法上保護されるの「業務」に該当すると判断されています。国鉄の過去事例では、三六協定が未締結でも職務命令が正当とされたケースもありました。これら先例を踏まえると、三六協定未締結でも職務命令を行い、業務運営の維持に努めるべきだと考えられます。
163号文書表
(件名)
水道局における組合の三六協定破棄闘争が就労妨害に利用されている状況に関する陳情
(願意)
都において、水道局の同盟罷業の際、組合が三六協定破棄を口実に、8時30分の出勤時限前の入庁やICカードリーダーによる出勤入力をさせないよう指図し、職員のスト参加を誘導することについて、認めない方針に是正していただきたい。
(理由)
水道局では、全水道東水労との時間外労働に関する協定(三六協定)を毎年労基署に届出、常時締結され1年で更新されるが、「この協約は、あらかじめ乙が指定する日については、保安のために必要な要員に限定して適用する」という、組合が一方的に破棄できる条項がある。
当局職員部は三六協定破棄闘争を正当な権利として認め、組合の意向に従い、事前の保安協議で組合が認める例外を除いて、時間外の業務命令をしないことを厳命しているが、三六協定破棄はスト破り防止の目的でストの前日の夜から必ず実施される。
組合役員はスト当日の出勤時限前の労務指揮権は消失していると主張し、8時29分59秒まで職務執行できない旨を主張し、出勤時限前にピケットラインを越えて入庁し、カードリーダーに出勤入力をさせないよう就労妨害する口実にしている。
管理職も職務命令を凍結し、スト準備の取締りを行わないのが通例だが、違法行為を助長している。
しかし、仙台鉄道管理局の春闘仙台駅事件(最高裁第二小法廷判決、昭和48年5月25日)は、三六協定未締結で労働基準法(以下「労基法」という。)上違法な就労が、そのために、職務の執行が具体的権限を欠いて違法となり、その者に対する公務執行妨害罪の成立を妨げられるものではないと判示している。本件は昭和39年春闘対策本部に召集された労務課非組合員が、列車車体外鋼板にビラが貼られたため、剝がす作業をしていたところ、支援組合員によって顔面を手拳で一回強打され傷害を負った事案である。弁護人は、三六協定未締結で当日8時間以上の就労なので、正当な職務執行ではないと主張したが、最高裁は、ビラ剝がしは国鉄の正当な事業活動で、適法な公務の執行であるとしている。
柴田孝夫調査官判解は、「労働基準法違反がどの程度に法律上の効果を及ぼすかについては、労働者の保護と関係ない事項について、労基法違反があってもただちに当該事項を無効としなくてはならないものではない。」とし、「労働者に一定の職務を処理する権限を与える行為と、一定の職務に従事する義務を負わせる行為は、本来は別個の行動として各別に行うことができ(中略)労働を義務付けるものではない、権限を与えるだけの使用者の行為は、権限を行使しうる時間を限っていようといまいと、これを違法無効とする理由は労基法32条1項からはでてこない」と判旨を解説している。
倉敷駅信号所事件(岡山地裁判決、昭和50年1月17日)も、業務命令が労基法上違法であれ、「刑法234条の業務としては業務主体がその地位において行なう業務であれば足りる」として刑法上保護されるとする。
そうすると、出勤時限前に出勤記録を自ら入力することは、勤務時間等規程、処務規程、事務処理要領などの規程上、職員の基本的な服務上の義務であるが、操作自体が時間外であるからといって三六協定未締結により就業規則の義務が消滅するとは解されないし、三六協定破棄で庁舎管理権は消失しない。平常どおり出勤時限前に事業場に入所して就業準備する職員の行動が違法とされることはない。組合側の理屈はき弁であり、三六協定を就労妨害目的に利用させない方針に是正すべきである。
対抗措置として、例えば春闘仙台駅事件の「職務命令に労基法強行規定の違反があつたとしても就労を拘束的に義務付ける部分の効力に影響を及ぼし得るにとどまり、職務執行の権限を付与する性質の部分についての効力にまで消長をきたすべき理由はない」という判旨に基づき、この事件と同様に、水道局でも非組合員に対し、名目的に組合活動の情報収集、行動の監視、確認、違法行為の阻止、排除等に関する権限を与えれば、スト当日の時間外職務執行自体は違法ではないため、出勤入力を妨害させない理由になる。
水道局における組合の三六協定破棄闘争が就労妨害に利用されている状況に関する陳情(163号提出原文)
(願意)
水道局における同盟罷業(平成16年~令和元年に6回実施)において、組合が三六協定破棄を口実にして、8時30分の出勤時限前の入庁、ICカードリーダの所定操作による出勤入力はさせないと指図し職員にスト参加を誘導することを認めない方針にしていただきたい。
(理由)
水道局では全水道東水労との時間外労働に関する協定(三六協定)を毎年労基署に届出、常時締結され1年で更新されるが、「この協約は、あらかじめ乙が指定する日については、保安のために必要な要員に限定して適用する」という組合が一方的に破棄できる条項がある。
当局職員部は三六協定破棄闘争を正当な権利として認め、組合の意向に従い、事前の保安協議で組合が認める例外を除いて、時間外の業務命令しないことを厳命しているが、三六破棄はスト破り防止目的でスト配置日の前日の夜間から必ず実施される。
組合役員はスト当日の出勤時限前の労務指揮権は消失していると主張し、8時29分59秒まで職務執行できない旨主張し、出勤時限前にピケットラインを越え、入庁しカードリーダに出勤入力をさせないよう就労妨害する口実にしている。
管理職も職務命令を凍結し、スト準備の取締まりを行わないのが通例だが、違法行為を助長している。
しかし、仙台鉄道管理局(春闘仙台駅)事件・最二小判昭48・5・25は、三六協定未締結で労基法上違法な就労が、そのために、職務の執行が具体的権限を欠いて違法となり、その者に対する公務執行妨害罪の成立を妨げられるものではないと判示している。本件は昭和39年春闘対策本部に召集された労務課非組合員が、列車車体外鋼板にビラが貼られたため、剥がす作業をしていたところ、支援組合員によって顔面を手拳で一回強打され傷害を負った事案で、弁護人は三六協定未締結で、当日8時間以上の就労なので、正当な職務執行ではないと主張したが、最高裁は、ビラ剥がしは国鉄の正当な事業活動で、適法な公務の執行としている。
柴田孝夫調査官判解は、「労働基準法違反がどの程度に法律上の効果を及ぼすかについては、労働者の保護と関係ない事項について、労基法違反があってもただちに当該事項を無効としなくてはならないものではない。」とし「労働者に一定の職務を処理する権限を与える行為と、一定の職務に従事する義務を負わせる行為は、本来は別個の行動として各別に行うことができ‥‥労働を義務付けるものではない、権限を与えるだけの使用者の行為は、権限を行使しうる時間を限っていようといまいと、これを違法無効とする理由は労基法32条1項からはでてこない」と判旨を解説している。
倉敷駅信号所事件・岡山地判昭50・1・17も業務命令が労基法上違法であれ「刑法234条の業務としては業務主体がその地位において行なう業務であれば足りる」として刑法上保護されるとする。
そうすると出勤時限前に出勤記録を自ら入力することは「勤務時間等規程」「処務規程」「事務処理要領」などの規程上、職員の基本的な服務上の義務であるが、操作自体が時間外であるからといって三六協定未締結により就業規則の義務が消滅するとは解されないし、三六破棄で庁舎管理権は消失しない。平常どおり出勤時限前に事業場に入所して就業準備する職員の行動が違法とされることはない。組合側の理屈は詭弁であり、三六協定を就労妨害目的に利用させない方針に是正していただきたい。
対抗措置として例えば春闘仙台駅事件の「職務命令に労基法強行規定の違反があつたとしても就労を拘束的に義務付ける部分の効力に影響を及ぼし得るにとどまり、職務執行の権限を付与する性質の部分についての効力にまで消長をきたすべき理由はない」という判旨に基づき、この事件と同様、水道局でも非組合員に、名目的に組合活動の情報蒐集、行動の監視、確認、違法行為の阻止、排除等に関する権限を与えれば、スト当日の時間外職務執行自体は違法ではないので、出勤入力を妨害させない十二分の理由になる。
(AIによる要約の補正)
水道局は三六協定を毎年更新し労基署に届け出ていますが、組合側が一方的に協定を破棄できる条項があり、ストライキ時にはこの制度が利用されています。組合はスト当日の出勤直前まで職務命令は凍結されなければならず、出勤記録入力も許されないと言いますが、管理職も通常これを黙認しています。しかし、判例では三六協定が未締結でも労務指揮権が消失するわけではなく、職務執行は違法とはされず、出勤入力といった就業規則上の基本的な義務は消滅しない。よって、出勤前に事業場へ入り準備することは違法ではなく、組合による就労妨害を防ぐため、必要な権限を非組合員に与えることで、業務執行の正当性を確保することができます。
164号文書表
(件名)
水道局での三六協定破棄闘争中の発災時における労働基準法第33条の適用に関する陳情
(願意)
都において、水道局は、三六協定破棄闘争時であっても、労働基準法(以下「労基法」という。)第33条の適用により災害時には参集任務があることについて、職員へ周知し、時間外でも、出務、出動すべきとする対応を明確にしていただきたい。
(理由)
水道局と全水道東水労との時間外労働に関する協定(三六協定)は、常時締結され1年で更新されるが、「この協約は、あらかじめ乙が指定する日については、保安のために必要な要員に限定して適用する」という組合が一方的に破棄できる条項があり、令和5年度は、11月15日、12月19日・20日・21日、1月23日、3月11日・12日を指定して超勤拒否闘争を実施した。近年では、年間10日を超えず平日だけ実施している。
保安要員は、浄水場、水運用センター、緊急隊等水供給に支障なく、突発事故に対応できる人員とされる。
水道局は、三六協定の破棄を労働者の過半数で組織する労働組合の正当な権利として認め、時間外の労務指揮権を認めないとする組合の意向に従い、事前の保安協議で組合が認める例外を除いて、時間外の業務命令を行わないことを厳命している。
ところで、東京都水道局震災等応急対策計画では、休日夜間において震度6弱以上で全職員が所定の事業所、応急給水要員は災害時給水拠点等、資材置き場管理要員は資材置場に命令がなくても自動的に参集する任務を与えている。
三六協定破棄闘争時に災害が起きる確率は低いとはいえ、万一の場合、労基法第33条により、災害その他避けることのできない事由によって一日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて労働させることができるから、組合との保安協議を経ることなく、職員を召集すべきであるが、水道局は組合をはばかり、労基法第33条の適用により災害時には参集任務があると職員に周知しておらず、災害や突発事故が起きたときの対応が不透明である。
実際、令和6年の能登半島地震における被災地への支援活動について、組合役員が、営業所の派遣職員に対し、時間外労働協定の月間の労働時間を越える超過勤務申請は翌月に回すよう指示し、労基法第33条の適用との認識がなかった。この点を管理職に問い合わせたが、回答はなかった。
平成23年の東日本大震災の際には、春闘の三六協定破棄闘争を翌週に控えていたが、組合は闘争を7月に延期し、計画停電対応等の超過勤務にも協力したが、機関決定に時間が掛かっている。
全水道東水労は時限ストや怠業と同様の効果のある三六協定の破棄を闘争の武器として重視しており、労基法第33条の適用問題は職制麻ひ闘争の正当性を揺るがすので好ましく思っていないはずである。
実際、ストライキ時に三六協定を未締結でも、労基法第33条の適用により時間外の助役への業務命令を正当とする判例もあるからである(国鉄荒尾駅事件、福岡高裁判決、昭和37年8月7日、国鉄八代駅事件、福岡高裁判決、昭和41年4月9日)。
なお、令和3年10月の千葉県北西部地震により、足立区で震度5強の地震があり、空気弁の不具合による水道管の漏水が23か所で発生したが、翌朝には全て復旧している。水道局は、深夜作業でも現場の士気は高く、労基法第33条を持ち出すまでもないと言うかもしれない。しかし、令和7年10月、既設の水道管が抜け出したため文京区で濁水が発生し、6,000戸に影響したが、同種の事故が三六協定破棄闘争中の夜間等に起きたらどうか、緊急隊の保安要員だけで対応できるか。組合との保安協議を経て職務命令となると初動で遅れたりはしないか、といった問題がある。
組合の教宣により三六協定の破棄時には、労務指揮権は消滅すると信じている組合員も少なくないことから、災害時や大きな事故があった場合は、労基法第33条の適用を周知し、保安協議なく出務、出動できるようにしておくことを明確にしなければ、都民の不信感を拭うことはできない。
水道局における三六協定破棄闘争において発災時の労基法33条適用に関する陳情
(164号提出原文)
(願意)
水道局における三六協定破棄闘争時に、万一保安要員だけでは対応できない災害や突発事故が起きた時、労働基準法33条により、災害その他避けることのできない事由によって法定労働時間を超えて労働させることはできるので、組合との保安協議を経ることなく、職務命令により職員を召集すべきである。
にもかかわらず当局は組合を憚って、33条適用により三六破棄闘争時であっても災害時には参集任務があると職員に周知しておらず、時間外であれ出務、出動すべきとする対応を明確にしていただきたい。
(理由)
水道局と全水道東水労の時間外労働に関する協定(三六協定)は常時締結され1年で更新されるが、「この協約は、あらかじめ乙が指定する日については、保安のために必要な要員に限定して適用する」という組合が一方的に破棄できる条項があり、令和5年度は、11月15日、12月19・20・21日、1月23日、3月11・12日を指定して超勤拒否闘争を実施した。近年では年間10日を超えず平日だけである。しかし平成16年には9日間連続の長い超勤拒否闘争を行った。
保安要員は浄水場、水運用センター、緊急隊等水供給に支障なく、突発事故に対応できる人員とされる。
当局は三六協定破棄を過半数組合の正当な権利として認め、時間外の労務指揮権を認めないとする組合の意向に従い、事前の保安協議で組合が認める例外を除いて、時間外の業務命令を行わないことを厳命している。
ところで水道局における震災応急対策計画では、休日夜間において震度6以上で全職員が所定の事業所、応急給水拠点要員は災害時給水拠点、資材置場管理要員は資材置場に命令がなくても自動的に参集する任務を与えている。
三六破棄闘争時に災害が起きる確率は低いとはいえ、万一の場合、労基法33条により、災害その他避けることのできない事由によって当日8時間、週間40時間の法定労働時間を超えて労働させることができるから、組合との保安協議を経ることなく、職員を召集すべきであるが、局は組合を憚って、33条適用により三六破棄であっても災害時には参集任務があると職員に周知しておらず、もし災害や突発事故が起きた時の対応が不透明なのである。
実際、令和6年能登半島地震被災地支援活動について、組合役員が、営業所の派遣職員に対し時間外労働協定の月間の労働時間を越える超過勤務申請は翌月に回すよう指示し、労働時間制限がない33条適用との認識がなかった。この点を管理職に問い合わせたが、回答はなかった。
平成23年3・11震災時は、春闘の三六協定破棄闘争を翌週に控えていたが、組合は闘争を7月に延期し、計画停電対応等の超過勤務にも協力したが、機関決定に時間がかかっている。
東水労は時限ストや怠業と同様の効果のある三六破棄を闘争の武器として重視しており、労基法33条適用問題は職制麻痺闘争の正当性を揺るがすので好ましく思っていないはず。実際にストライキ時に三六協定未締結でも33条適用により時間外の助役への業務命令を正当とする判例もあるからである(国鉄荒尾駅事件・福岡高判昭37・8・7、国鉄八代駅事件・福岡高判昭41・4・9)。
なお、令和3年10月7日22時41分千葉県北西部を震源として足立区で震度5強の地震があり、空気弁の不具合による水道管の漏水が23カ所で発生したが、翌朝にはすべて復旧している。当局は深夜作業でも現場の士気は高く、33条を持ち出すまでもないと言うかもしれない。
しかし平成7年10月6日10時30分に工事に伴う作業中に既設の水道管が抜け出したため文京区で濁水が発生し、最大6000戸に影響とプレス発表があったが、同種の事故が三六協定破棄闘争中の夜間もしくは、夕方に起きたらどうなのか、緊急隊の保安要員だけで対応できるのか。組合との保安協議を経て職務命令となると初動で遅れたりはしないのかという問題がある。
組合の教宣により三六協定破棄時は、労務指揮権は消滅すると信じている組合員も少なくないことから、災害時や大きな事故があった場合は、労基法33条適用を周知し、保安協議なく出務、出動できるようにしておくことを明確にしなければ、都民の不信感を拭うことはできない。
(AIに要約と補正)
水道局と労働組合間の三六協定は毎年更新されますが、組合は特定日に協定を一方的に破棄し超勤拒否闘争を実施しています。保安要員のみ業務継続が認められます。当局は組合の意向を尊重し、原則として時間外勤務命令を行いません。しかし、災害時には労基法33条により、協定が破棄されていても職員を召集できますが、この点が十分周知されておらず、対応が不透明です。実際、能登半島地震支援時にも33条適用の認識不足が見られました。過去にも、協定未締結であっても33条で時間外勤務命令が正当化された判例があります。災害発生時には迅速な対応が求められるため、33条の適用を周知し、保安協議なく出動できる体制整備が必要です。
第165号文書表
(件名)
水道局における争議行為の懲戒処分方針の是正に関する陳情
(願意)
都において、全水道東水労がストライキを敢行した際の水道局の懲戒処分について、本部中央闘争委員のみに限定せず、本部委員、統制委員、支部・分会役員等、各事業場でストライキを指導した1名以上に対し、戒告以上の懲戒処分を行う方針に改めていただきたい。
(理由)
水道局職員を構成員とする全水道東水労は、違法行為である早朝1時間の同盟罷業を過去22年間に6回敢行しているが、懲戒処分は本部中央闘争委員(以下「本部中闘」という。)の数名のみである。令和2年2月6日発令の全水道東水労の処分では、本部中闘の停職13日が1人、停職10日が1人、停職7日が1人に対し、支部長26名は訓告であり、訓告は懲戒処分ではない。
本部中闘は、オルグ演説のため各事業場を巡回するが、下部の役職である本部委員や各事業場の支部、分会役員が各事業場で以下の大衆行動やストライキの実践指導をしている。
例えば、組合員に闘争課題を確認の上、ストライキに向けて組合員の意思統一を図る昼休み集会の開催、頭上報告による指令の伝達、2割・3割を動員する勤務時間内での決起集会の動員指令、ビラ貼りの闘争指導、所属長に争議目的を認めさせる要請行動、超勤拒否闘争の指令、管理職に下位職代務の指図、非組合員にピケットラインを越えてICカードリーダーに出勤入力することはストライキ違反に当たり許さないとして説得する行為、スト当日のピケ、集会の主宰、演説等が挙げられる。これらの行為は、地方公営企業等の労働関係に関する法律(以下「地公労法」という。)第11条第1項の後段で禁止される、唆し、あおりに該当する。また、同盟罷業自体は同条項の前段で禁止される違法行為である。
地公労法同条項の違反行為について、地方公務員法第29条第1項第1号~第3号、第32条、第33条及び第35条の適用により懲戒責任が問えることは、北九州市交通局事件(最高裁第一小法廷判決、昭和63年12月8日)、附則により地公労法第11条第1項が準用される単純な労務に雇用される一般職に属する地方公務員については、北九州市清掃事業局事件(最高裁第二小法廷判決、昭和63年12月9日)以降、累次の判例で確定している。
近年では、平成20年1月30日、北海道教職員組合の終業前1時間の同盟罷業について、道教委が30分以上の職務離脱者1万2 ,551名に対し一律に戒告処分とした事案である北海道労働委員会事件(最高裁第二小法廷判決、平成28年6月17日)は、附則により地公労法第11条第1項が適用される養護学校の単労職員(介護員)の戒告処分につき、最高裁は道労委の救済命令を取り消し、戒告処分を適法と判示した二審を支持し、短時間の単純参加者でも懲戒責任を問えることが確定した。
それにもかかわらず、水道局が下部組織の幹部を懲戒処分にしないのは、組合側による以下の不当な主張を受け入れているためである。
組合中央からの指令を忠実に実行したものであり、組合中央に反した行動を取れば団結を破壊し統制処分を受けることになる。本部中闘の指令に基づく組合員としての当然の義務を果たしているに過ぎず、労働組合の争議行為が違法であるとしても、個々の組合員の行為が当該争議行為を組成し、その圏内にある行為と認められる限り、これを独立の行為として、使用者からの懲戒処分を許容することはできないという主張である。
この見解に対して、全逓東北地本懲戒免職事件(最高裁第三小法廷判決、昭和53年7月18日)は、「その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえないことも多言を要しない」と明示的に否定されている。
本部中闘以外の組合役員は、違法行為の慫慂を何百回繰り返しても、懲戒処分されず、安心して違法行為ができる職場風土は、違法行為を助長し抑止できないため、争議行為における懲戒処分の方針を改定するべきである。
水道局における争議行為の懲戒処分方針の是正に関する陳情(165号提出原文)
水道局において全水道東水労は平成16年~令和元年に6回、1時間ストライキを敢行しているが、懲戒処分は本部中央闘争委員のみに限定され、他の本部中執、本部委員、統制委員、支部・分会役員等、違法行為であるストを唆しあおり、実践指導している多数の組合員は懲戒責任を問わない方針になっていることは、不当に違法行為実践を保護し、抑止効果に乏しく、今後は各事業場でストを指導した1名以上の戒告以上の処分も行う方針に改めていただきたい。
(理由)
水道局職員を組織する全水道東水労は、違法な早朝1時間同盟罷業(ストライキ) を16年間に6回敢行しているが(平成16年7月30日、同年10月1日、平成20年3月19日、22年12月10日、26年1月24日、令和元年12月20日)、懲戒処分は本部中央闘争委員の数名のみに限定されている(令和2年2月6日発令の全水道東水労の処分は、本部中闘停職13日1人、停職10日1人、停職7日1人と支部長26名の訓告、訓告は平成22年度処分より3回実施しているが懲戒ではない)。
しかし本部中闘は、オルグ演説のため各事業場を巡回するが、各事業場において、以下の大衆行動やストライキの実践指導をしているのは、下部の役職である本部委員や各事業場の支部・分会役員である。
組合員に闘争課題を確認し、ストに向けて組合員の意思統一を図る昼休み集会の開催や、頭上報告で指令の伝達、2割・3割動員勤務時間内決起集会の動員指令、ビラ貼り闘争指導、所属長に争議目的を認めさせる要請行動、超勤拒否闘争の指令、管理職に下位職代務の指図、非組合員へピケットラインを越えてICカードリーダに出勤入力することはスト破りなので許さないとして説得する行為、スト当日のピケ、集会の主宰、演説等、これらの行為は、地方公営企業等の労働関係に関する法律11条1項の後段で禁止される「唆し」「あおり」に該当し、また同盟罷業それ自体は前段で禁止される違法行為である。
地方公営企業の同条項違反行為については、地方公務員29条1号、2号、3号、32条、33条、35条の適条により懲戒責任が問えることは、北九州市交通局事件・最一小判昭63・12・8民集42-10-7、附則により地公労法11条1項が准用される単純な労務に雇用される一般職に属する地方公務員につき、北九州市清掃事業局事件・最二小判昭63・12・9民集42-10-880以下累次の判例で確定している。
近年では北教組の平成20年1月30日終業時1時間同盟罷業につき、道教委が30分以上の職務離脱者12,551名に対し一律戒告処分とした事案で、北海道労委事件・最二小判平28・6・17中労委DBは、附則で地公労法11条1項が適用される養護学校の単労職員(介護員)の戒告処分につき、最高裁は道労委救済命令を取消、戒告処分を適法と判示した二審を支持し、短時間の単純参加者であれ懲戒責任が問えることも確定した。
にもかかわらず、局が下部組織幹部を懲戒処分にしない方針なのは、以下の組合側の不当な主張を受け容れているためである。
組合中央からの指令を忠実に実行したものであり、組合中央に反した行動をとれば団結を破壊し統制処分を受けることになる。本部中闘の指令に基づく組合員としての当然の義務を果たしているだけであり、労働組合の争議行為が違法であるとしても、個々の組合員の行為が当該争議行為を組成し、その圏内にある行為と認められるかぎり、これを独立の行為として、使用者からの懲戒を許容することはできないという主張である。
しかしこの見解は、全逓東北地本懲戒免職事件・最三小判昭53・7・18民集32-5-1030が「その集団性のゆえに、参加者個人の行為としての面が当然に失われるものではない以上、違法な争議行為に参加して服務上の規律に違反した者が懲戒責任を免れえないことも、多言を要しない」と説示され明示的に否定されている。
本部中闘以外の組合役員は、違法行為の慫慂を何百回繰り返しても、懲戒処分されない保証があるため安心して違法行為ができる職場風土は、違法行為を助長し、抑止できないので、処分方針は改定されるべき。
(AIによる要約の補正)
全水道東水労は過去16年間で6回の違法ストライキを行いましたが、懲戒処分は本部中央闘争委員の一部だけに限られています。実際に現場で違法行為を指導・実施しているのは、下部組織の役員たちですが、彼らには懲戒処分はされてません(過去3回は支部長に訓告としているがこれは懲戒ではない)。判例では、違法な争議行為に参加した個人も懲戒責任を問われることが認められており、処分しない現状は違法行為を助長しかねません。そのため、組合役員への処分方針の見直しが必要です。
166号文書表
水道局における外形上犯罪構成要件該当行為を取り締まらない実務の是正に関する陳情
(願意)
都において、水道局の職務命令と懲戒の根拠を明確にするため、勤務時間内外を問わず局施設内における無許可演説行為・集会、無許可組合活動、他の職員の職務遂行を妨害する行為を禁止する就業規則を追加して整備していただきたい。
(理由)
水道局は、全水道東水労の争議行為及び付随する行為である、以下の外形上犯罪構成要件該当行為を一切取り締まっていない。
1 多衆が執務室を占拠して集会し、物理的に非組合員等の就労を阻止するシットダウンストライキ(威力業務妨害罪)
2 事業所外に勤務する組合役員による、事務室に侵入してのオルグ活動や、庁舎構内に侵 入し違法行為を慫慂(しょうよう)し、あおる集会の開催(住居侵入罪)
3 ストライキの前夜から当日未明に、セキュリティを破り事務室に勝手に出入りし、 組合員への指令伝達、ストライキ集会準備、ビラ貼りなどを行う組合役員の任務(住 居侵入罪)
1は、争議権のある私企業でも刑事免責されない悪質な態様である。管理職が解散退去命令や就業命令をせず、現認検書も上申しないので懲戒処分にもならないが、地方自治法第238条の4第7項の目的外使用に当たらないものとして不許可とし、職務命令を徹底し、強行した場合は懲戒責任を問うだけでなく、刑事告訴も検討すべきである。
2及び3は、立入拒否の管理意思を明確に示せば犯罪が成立する。不許可や中止・解散・退去命令を徹底し、ストを決行した場合は懲戒処分事由とすべきである。
争議行為は労務提供拒否という不作為を本質とし、これに随伴する行為も消極的行為の限度にとどまるべきであり、それを越えて使用者側の業務を妨害するような意図及び方法での積極的な行為は許されないと最高裁は判示している。
公共企業体の争議行為に刑事免責があるとした東京中郵判決の枠組みにおいても、マス・ピケが業務妨害罪により有罪とされている。
全逓名古屋中郵事件(最高裁大法廷判決、昭和52年5月4日)は、公共企業体に争議行為の刑事免責はないと判例変更した。全逓名古屋中郵第二事件(最高裁第二小法廷判決、昭和53年3月3日)の香城敏麿判解は、判決を次のように要約した。
イ 公共企業体等労働関係法(以下「公労法」という。)第17条第1項違反の争議行 為が罰則の構成要件に当たる場合には、労働組合法第1条第2項の適用はなく、他の 特段の違法性阻却理由がない限り、刑事法上これを違法とすべきである。
ロ ただし、争議行為が単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであって、 公労法第17条第1項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けないような ものである場合には、その単純参加者に限り、当該罰則による処罰を阻却される。
ハ これに対し、公労法第17条第1項の争議行為に当たらず、これに付随して行われた犯罪構成要件該当行為の場合には、その行為が同条項違反の争議行為に際して行わ れたものである事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきか否かを考察してその違法性阻却事由の有無を判断しなければならない。
公労法第17条第1項と地方公営企業等の労働関係に関する法律第11条第1項違反の争議行為は、違法であり解雇事由となるが、罰則規定はない。しかし、刑法上その他の罰則の構成要件に当たる場合に免責はない。
水道局の事例に当てはめれば、1は、イに該当し、業務妨害罪の構成要件該当行為で違法性阻却事由はないから、刑事法上違法と判断される。2及び3は、ハに該当し、違法行為目的の立入りのため、違法性が強く推定される。
全逓釜石支部事件(差戻後控訴審仙台高裁判決、昭和61年2月3日)では、管理権者があらかじめ立入拒否の意思を積極的に明示していない場合でも、立入行為を管理権者が容認していないと合理的に判断されるときは、犯罪の成立を阻却しないとしている。就業規則で無許可組合活動を禁止し周知するなど、管理意思を示せば住居侵入罪が成立するため、そうすべきである。
水道局における外形上犯罪構成要件該当行為を取り締まらない実務の是正に関する陳情(166号提出原文)
(願意)
水道局において全水道東水労の争議行為及び付随する行為として以下の外形上犯罪要件該当行為がなされているが、当局はいっさい取り締まっていない。
(1)多衆が執務室内を占拠して集会し、物理的に非組合員等の就労を阻止する態様のシットダウンストライキ(威力業務妨害罪)
令和元年12月20日新宿営業所では、事務所検針担当の執務場所で、営業所と給水課分室合同で40名程度が集合して座り込む1時間のスト集会がなされた。
(2)当該事業所外に勤務する組合役員が、事務室に勝手に侵入しオルグ活動するまたは、構内に侵入し違法行為を慫慂、あおる集会(支所・合理化拠点決起集会)を開催する。(住居侵入罪)
(3)ストライキ配置日の前夜から当日未明にかけて「スト待機」と称し、セキュリティを破って事務室内に勝手に出入りし組合員への指令伝達、ストライキ集会準備、ビラ貼りなどを行う組合役員の任務(住居侵入罪)
(1)は争議権のある私企業でも刑事免責されない悪質な態様である。管理職は、解散退去命令や就業命令せず許容し、現認検書も上申しないので懲戒処分にもならないが、今後は地方自治法238条の4第7項の目的外使用として不許可とし、職務命令を徹底し、強行した場合は懲戒責任を問うだけでなく、刑事処分も検討すべき。
(2)(3)は毎年恒例でなされる行為だが、立入拒否の管理意思を明確に示せば犯罪が成立する事案である。不許可、中止・解散・退去命令を徹底し、ストを決行した場合は懲戒処分事由とする。
職務命令と懲戒の根拠を明確にするために、勤務時間内外如何を問わず無許可演説行為・集会、無許可組合活動、他の職員の職務遂行を妨害する行為を禁止する就業規則を追加して整備していただきたい。
(理由)
争議行為は労務提供拒否という不作為を本質とし、これに随伴する行為も消極的行為の限度にとどまるべきであり、それを越えて使用者側の業務を妨害するような意図及び方法での積極的な行為は許されないと最高裁は判示している(羽幌炭礦事件・最大判昭33・5・28刑集12-8-1694等多数)。
従って、公共企業体の争議行為に刑事免責があるとの東京中郵判決の枠組においても、摩周丸事件・最大判昭41・11・30(タラップを取外し、舷門扉を閉鎖)、動労糸崎駅事件・広島高判昭48・8・30判タ300号(運転室に乗り込んで占拠し、代務の機関士の乗務を阻止)、 動労鳥栖駅事件・福岡高判昭49・5・25(軌条枕木付近でスクラムを組み列車発進を妨害)等でマス・ピケ事犯が業務妨害罪により有罪とされている。
全逓名古屋中郵事件・最大判昭52・5・4刑集31-3-18は公共企業体では争議行為の刑事免責はないと判例変更した。名古屋中郵第二事件・最二小判昭53・3・3の香城敏麿判解は名古屋中郵判決を次のように要約した。
(イ)公労法17条1項違反の争議行為が罰則の構成要件にあたる場合には、労組法1条2項(刑事免責)の適用はなく、他の特段の違法性阻却理由がない限り、刑事法上これを違法とすべきである。
(ロ)但し、右の争議行為が単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであって、公労法17条1項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けないようなものである場合には、その単純参加者に限り、当該罰則による処罰を阻却される。
(ハ)これに対し、公労法17条1項の争議行為にあたらず、これに付随して行われた犯罪構成要件該当行為の場合には、その行為が同条項違反の争議行為に際して行われたものである事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、法秩序全体の見地から許容されるべきか否かを考察してその違法性阻却事由の有無を判断しなければならない。
公労法17条1項と地公労法11条1項違反の争議行為実践は違法であり解雇事由となるが、罰則規定はない。しかし刑法上その他の罰則の構成要件にあたる場合に免責はない。
上記指導判例の判断枠組を都水道局の事例にあてはめれば、争議行為がたんに単純不作為のウォークアウトであるならば、懲戒責任を問えるが、刑事事件にはならない。しかし(1)の多衆による職場占拠による就労妨害は、(イ)に該当し、実力を伴うマス・ピケと同様、業務妨害罪の構成要件該当行為なので、特段の違法性阻却事由はないから、刑事法上違法と判断される。
(2)の中執や本部委員のオルグ活動、動員集会等の立入りや(3)の深夜未明のスト待機(指令伝達の任務)は争議行為でなく、これに付随する行為として(ハ)に該当し、全逓中執と地本役員が「あおり」行為を行うため立入禁止の名古屋中郵地下食堂に建造物侵入したことは、目的が違法行為の立入なので、違法性は阻却されず、罰金刑とされたと同じように、(2)(3)が違法行為目的の立入なので、違法性が強く推定される事案になる。
組合側は当局が業務妨害も庁舎構内立入も認容しているので犯罪は成立しないと反論するだろうが、全逓釜石支部事件・差戻後控訴審仙台高判昭61・2・3判時1194では、管理権者が予め立入拒否の意思を積極的に明示していない場合であっても、立入り行為を管理権者が容認していないと合理的に判断されるときは、犯罪の成立を阻却しないとしているから、就業規則で無許可組合活動を禁止し周知する等、管理意思を示せば住居侵入罪は成立するのでそうすべきである。
(AIによる要約と補正)
争議行為は原則として労務提供拒否の不作為にとどまるべきであり、積極的に業務妨害を目的とした行為は許されません。最高裁判例では、公共企業体の争議行為は刑事免責が認められない。争議に伴う占拠や物理的業務妨害などは業務妨害罪等で有罪となります。 単純な労務不提供の場合は懲戒対象ですが、刑事事件には該当しません。一方、争議行為ではないがそれに付随する行為について、管理権者が組合活動の立入禁止を明示していれば違法目的の立入などは違法性阻却事由がなく刑事責任を問われ住居侵入罪が成立する可能性があります。
167号 文書表
水道局営業所における勤務時間内のシャワー利用を認める労務管理の是正に関する陳情
(願意)
都において、水道局の営業所で、事務職は身体や被服の汚染を伴う業務がないにもかかわらず、当局と組合との合意により、勤務時間中に浴室のシャワーで洗身することが認められているが、勤務時間中の利用を離脱時間の累計で賃金減額の対象とし、単に汗を流す頭髪・頭皮の洗浄は労働衛生上の理由がある場合に限定するなど、洗身施設利用の内規と運用を見直すよう是正していただきたい。
(理由)
水道局では、給水課・配水課で管工事作業があり、作業後の洗身については、労働安全衛生規則第625条で、使用者に、身体又は被服の汚染を伴う業務に関し、洗身等の設備の設置を義務付けていることから、多くの事業所で浴室を備えている。事務職のみの職場でも、洗身施設を備えている事業所がある。少なくとも千代田・新宿・杉並の各営業所では、当局と組合の合意により、浴室のシャワー利用が、勤務時間の内外を問わず容認されていた。
しかし、営業所は事務職のみであり、重筋労働や身体の汚染を伴う業務はない。内規では、シャワーは身体の汚染があったときに上司の許可が条件であるが、許可を得てはいない。職員によっては、連日、ドライヤーで整髪の時間も含め離脱時間が長かったり、始業時前にシャワー利用し、自宅での水道・ガス代の節約のためと思われる利用も見られる。
洗身入浴については、三菱重工業長崎造船所事件(最高裁第一小法廷判決、平成12年3月9日)が、労働基準法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」とした上で、「実作業の終了後に事業所内の施設において洗身等を行うことを義務付けられてはおらず、特に洗身等をしなければ通勤が著しく困難であるとまではいえなかったというのであるから、上告人らの洗身等は、これに引き続いてされた通勤服の着用を含めて、被上告人の指揮命令下に置かれたものと評価することができず(中略)洗身等に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当しない」と判示した。
国鉄池袋・蒲田電車区事件(東京地裁判決、昭和63年2月24日)は、蒲田電車区において、終業時刻の30分前から洗身施設で身体汚染を洗身して退区することが慣行とされ、池袋電車区でも、日勤の勤務者が勤務時間中に洗身入浴する慣行があった。国鉄当局は、昭和58年に就業規則違反として禁止し、指揮監督を離脱したものとして賃金基準規定に基づき賃金をカットした事案で、電車区長は就業規則で定められた勤務時間を短縮する権限を付与されておらず、また、身体汚染の除去は、顔、手足の洗浄及び衣服の更衣等によって可能であり、勤務時間内の洗身入浴が必要不可欠なものであったとは認められず、賃金減額の措置は不当でないとされ、結果、国鉄労働組合は勤務時間内洗身入浴の要求を取り下げている。
勤務時間内のシャワー利用の疑義について、水道局管理職の返答は、シャワーは浴槽に漬からないので入浴に当たらない。汗は生理現象なので、トイレ利用と同じこと。客面に出る仕事なので、身だしなみ、清潔である必要があるとして職務離脱を容認し奨励すべきとしているが、き弁に思える。全裸となる以上、シャワーも洗身入浴も同義と考える。また、水道局の環境計画では、水道の使用量を減らすことになっている。
水道局がコンプライアンス経営宣言をしている以上、最高裁等の先例からすれば、勤務時間中のシャワー利用等による職務離脱は、警告した上、離脱時間の累計で賃金減額措置とすべきである。地方公務員法第35条違反や、東京都水道局処務規程第58条第1項「みだりに執務の場所を離れてはならない」に違反するとはいえ、懲戒責任まで問わなくてもよいが、洗身施設利用の内規と運用を見直すべきである。身体又は被服の汚染を伴わない業務には基本的に施設利用は望ましくない。単に汗を流す頭髪・頭皮の洗浄は、労働衛生上の理由がある場合に限定し、時間管理を行うべきである。
水道局営業所における勤務時間内シャワー利用を認める労務管理の是正に関する陳情(167号提出原文)
(願意)
水道局営業所において、事務職で身体や被服の汚染を伴う業務がないにもかかわらず、当局と組合との合意により、勤務時間中に浴室のシャワーで洗身することが認められているが、勤務時間中の利用は離脱時間の累計で賃金減額の対象とし、たんに汗を流し頭髪頭皮の洗浄は労働衛生上の理由がある場合に限定するなど洗身施設利用の内規と運用を見直すよう是正していただきたい。
(理由)
水道局では、給水課・配水課で管工事作業があり、作業後の洗身については、労働安全衛生規則625条が、使用者に、身体又は被服の汚染を伴う業務に関し、洗身等の設備の設置を義務付けていることから、多くの事業所で浴室を備えている。事務職のみの職場でも洗身施設を備えている事業所がある。
少なくとも千代田・新宿・杉並各営業所で当局と組合の合意により、浴室のシャワー利用が、勤務時間内外如何を問わず容認されていた。
しかし営業所は事務職のみで、重筋労働や身体が汚染する業務はない。内規ではシャワーは身体の汚染があったとき上司の許可が条件だが、許可を得てはいない。職員によっては連日、ドライヤーで整髪の時間も含め離脱時間の長い職員もおり、始業時前にシャワー利用し、自宅での水道・ガス代を節約のためと思われる利用もみられる。
洗身入浴については三菱重工業長崎造船所(一次訴訟・組合側上告)事件・最一小判平12・3・9判時1709号126頁が、労働基準法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない。」としたうえで、「実作業の終了後に事業所内の施設において洗身等を行うことを義務付けられてはおらず、特に洗身等をしなければ通勤が著しく困難であるとまではいえなかったというのであるから、上告人らの洗身等は、これに引き続いてされた通勤服の着用を含めて、被上告人の指揮命令下に置かれたものと評価することができず‥‥洗身等に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当しない」と判示した。
国鉄池袋・蒲田電車区事件・東京地判昭63・2・24労民集39-1-21は蒲田電車区において、終業時刻の30分前から洗身施設で身体汚染を洗身して退区することが慣行とされ、池袋電車区でも、日勤勤務者が勤務時間中に洗身入浴する慣行があった。国鉄当局は昭和58年に就業規則違反として禁止し、指揮監督を離脱したものとして賃金基準規定にもとづき賃金カットした事案で、電車区長は就業規則で定められた勤務時間を短縮する権限を付与されておらず、また、身体汚染の除去は顔、手足の洗浄及び衣服の更衣等によって可能であり、勤務時間内の洗身入浴が必要不可欠なものであったとは認められず、賃金減額の措置は不当でないとされ、結果、国労は勤務時間内洗身入浴の要求を取下げている。
勤務時間内のシャワー利用の疑義について都水道局管理職の返答は、シャワーは浴槽につからないので入浴にあたらない。汗は生理現象なのでトイレ利用と同じこと。客面に出る仕事なので身だしなみ、清潔である必要があるとして職務離脱を容認し奨励すべきこととしているが詭弁に思える。全裸となる以上、シャワーも洗身入浴も同義と考える。環境計画では水道の使用量も減らすことになっているのである。
水道局がコンプライアンス経営宣言している以上、最高裁等の先例からすれば勤務時間中のシャワー利用等による職務離脱は、警告したうえ離脱時間の累計で賃金減額措置とすべき。地公法35条違反、処務規程58条「みだりに執務の場所を離れてはならない」に違反するとはいえ、懲戒責任まで問わなくてもよいが、洗身施設利用の内規と運用を見直し、身体又は被服の汚染を伴わない業務には基本的に施設利用は望ましくない。たんに汗を流し頭髪頭皮の洗浄は労働衛生上の理由がある場合に限定し、時間管理を行うべきである。
(AIによる要約と補正)
水道局では多くの事業所で浴室が設置されており、特定の営業所では当局と組合の合意により勤務時間内外問わずシャワー利用が認められています。実際には事務職で身体が汚れる業務はなく、利用は本来上司の許可が必要です。また、個人によっては連日長時間利用や自宅の水道・ガス代節約目的とみられるケースもあります。
判例としては、三菱重工長崎造船所事件で「洗身等の時間は労働基準法上の労働時間に当たらない」とされ、国鉄池袋・蒲田電車区事件でも勤務中の洗身入浴は賃金対象外とされています。東京都水道局の一部管理職は「シャワーはトイレ利用と同じ」と主張しますが、全裸となることから入浴と同義と考えられます。
以上から、勤務中のシャワー利用については原則禁止し、衛生上やむを得ない場合のみ許可し、その時間を管理すべきです。コンプライアンスの観点からも、累積離脱時間に応じて賃金減額措置を行い、内規・運用の見直しが必要です。
都より東京地下鉄乗務員等の「私鉄総連春闘ワッペン」着用に関する要請を要望する陳情(168号提出原文)
(願意)
都において株式を保有する東京地下鉄株式会社宛に、毎年2月15日頃から3月中旬頃まで乗務員・駅員は、直径約6~7cm円形の「私鉄総連春闘ワッペン」を胸章として着用するのが恒例となっているが、団結示威を見せつけられるのは旅客公衆にとって不愉快であり、正当な組合活動ではないから、春闘ワッペンの取り外し指導、業務外の胸章等の着用禁止を就業規則に明文化することを会社側に要請していただきたい。
(理由)
ワッペンの記載は、西暦と「春闘」の文字、PRU(私鉄総連)、民鉄協会と合同して行っている「公共交通利用促進」のスローガンを記載し偽装することもある。
「春闘」とある以上組合活動である。ワッペンは、私鉄総連組合員を顕示し、相互の団結の確認と、使用者に対する団結示威、旅客公衆には春闘への連帯を訴える目的と考えられる。誠実労働義務に反し、勤務中に職務遂行に無関係の行為であるから注意力がそがれるおそれがあり、旅客公衆が不快、不安に思うのは当然のことである。
旅客の安全にかかわる職務として要請される職場規律の保持と服装の整斉という観点でも業務外ワッペン等の着用は規制されるべきである
本件は都が株式を保有する東京メトロにしぼっての陳情にしたが、ワッペン着用が恒例の東急、東武、京急、京成、京王、その他バス会社も、JRグループ規則「第20条3 社員は、勤務時間中に又は会社施設内で会社の認める以外の胸章、腕章等を着用してはならない。」と同様の就業規則を明文化したうえ、度重なる注意、指導にもかかわらず従わない場合厳重注意等とし、不利益賦課(JRの場合は夏季手当5%減額支給)する労務管理を実施すべきだ。
JRグループは発足当初から、縦1.1㎝、横1.3㎝と小さい国労バッヂの取外しを徹底的に指導し、JR東日本では平成15年頃には着用者がいなくなった。それにならった労務管理を会社に求める。
ワッペン着用が争議行為か組合活動かという問題は、その法的性格を異にし、労組法7条1号との関係においても正当性の判断が異なりうるし、学説では労組法8条民事免責を争議行為では認める見解があるので、重要な論点である。
しかし、リボン闘争について最高裁が初めて判断を下した大成観光事件・最三小判昭57・4・13民集36-4-659は、これを就業時間中の組合活動として労働組合の正当な行為にあたらないと判示しているため、類似事案である春闘ワッペンも同じ判断になるだろう。新村正人調査官判解は、原審のいう使用者に対する団結示威の作用、機能を直ちに争議行為とみなす根拠はないとする。
春闘ワッペン着用は私企業の労働契約上の誠実労働義務に職務専念義務論が適用され、それに違反することが企業秩序を乱すという判例法理により確実に禁止できる。
JR東海新幹線支部国労バッヂ事件・東京高判平9・10・30判時1626号38頁(上告審平10・7・17は原審判断を是認)が典型で、「就業規則三条一項の『社員は‥‥法令・規定等を遵守し、全力をあげてその職務を遂行しなければならない。』という規定は‥‥社員は、勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い職務にのみ従事しなければならないという職務専念義務を負うものである‥‥労働契約においては、労務の提供の態様において職務専念義務に違反しないことは労働契約の重要な要素となっているから‥‥違反することは企業秩序を乱すものであるというべきであり、‥‥組合バッヂ着用行為は‥当該組合員であることを顕示して本件組合員等相互間の組合意識を高めるためのものであるから‥‥具体的な宣言文の記載がなくとも、職場の同僚組合員に対し訴えかけようとするものであり‥‥職務の遂行には直接関係のない行動であって、これを勤務時間中に行うことは‥‥職務専念義務に違反し‥‥他の社員に対しても心理的影響を与え、それによって当該社員が注意力を職務に集中することを妨げるおそれがあるものであるから、この面からも企業秩序の維持に反するものであったといわなければならない」と判示されている理論は類似例のワッペンに適用できるからである。
(AIによる要約の補正)
ワッペンには西暦、「春闘」、PRU(私鉄総連)、公共交通利用促進のスローガンが記載されることがあります。着用は組合活動とみなされ、団結示威や連帯の訴えかけの意図がある一方で、業務中の着用は注意力の低下や旅客に不安・不快感を与える可能性が指摘されています。職場規律や服装の観点からも規制が必要とされ、JRグループでは組合バッヂについて厳格な管理や違反時の減額措置が行われ、約20年前に着用者はいなくなりました。
判例では、ワッペン着用は職務専念義務に違反し企業秩序を乱す行為と判断されており、その禁止は判例法理により裏付けられています。一方、ワッペン着用の法的性格については争議行為か組合活動かで扱いが異なりますが最高裁は組合活動としています。類似例のリボン闘争の最高裁判例は就業時間中の着用を正当な組合活動ではないとしています。
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